2023年3月19日

今週は3枚。それぞれクリックしてご覧ください。坂井美智子展は「宮城まり子さんとねむの木学園」の撮影にご協力くださっている「鎌倉 伊と彦」開催です。新宿京王プラザホテルでの私の講演会で坂井作(一葉さんが暮らした金魚坂のイメージ帯)をご披露いたしまして大好評でした。猫好きな方には、ホテル ニューカマクラでの川和千鶴水彩画展がお勧めです。千鶴ちゃんに会って欲しいです。駅前の鎌倉生涯学習センター開催の原田寛風景写真講座作品展では、写真の奥深さを原田氏からお聞きできるかも…。重なる期間ですので鎌倉をご満喫ください。私は、一葉さんの御両親生誕地で一葉さんのお誕生を祝う朗読会を行います。

2023年3月12日

今年の24日は、甲州市塩山「一葉さんのお誕生日を祝う会in常泉寺」8回目の公演です。士族の子として育てられ、国の現状や将来について心を痛めていることを日記に綴っている一葉さん。明治27年5月、大日本帝国憲法下で日清戦争へと傾斜する社会状況を踏まえた「やみ夜」を朗読いたします。物語は、衆議院議員となった婚約者・浪崎漂から裏切られた松川蘭の心の闇、親無し子と揶揄されに社会から疎外された高木直次郎のやるせなさ、彼らを追いつめる社会の暗闇……。今の時代と重なることが多い作品です。常泉寺さん(0553-33-4948)にお申し込みください。入場は無料ですがご予約が必要です。

2023年3月5日

今週の一枚は、国立映画アーカイブ玄関の宮城まり子さん。日本の女性映画人(2)の47作品のひとつ「映画をつくる女性たち」は、まり子さんが子どもたちの映画を作りたいと思った時のこと、羽田監督が「感じた者には行動する責任がある」を実践されたことなど、女性監督が映画つくりについて語るドキュメンタリー。同日上映の「若人よ いのちと愛のメッセ―ジ」は、思春期の少女たちの性の悩みを正面から見据えたもの。新しい命のこと、思春期の不安や欲望、身体的差別、広島の原爆も絡みあって、正しい情報を責任もって伝えようとする槙坪夛鶴子監督の思いが溢れる作品でした。

2023年2月27日

今週の一枚は、原田寛風景写真講座作品展のポストカード。今は戦地でないから、お花を愛で、その美しさを撮影できる喜びがあります。第二次世界大戦中、食糧不足を補うために花農家に対して芋などを作るようにと政府の指示がありました。これに従い精魂込めた花を刈りとった花農家の悲しみを描いた映画や舞台を観て、戦争になると花が亡くなる… 優しい心に棘が生えると涙しました。
2024年の今国会で「食糧危機になったら政府が供給目標を設定し花農家に芋を作らせるなどの指示をする。指示に従わない場合は……」との政府案を知って不安を感じました。お花畑がなくなる恐怖に震えました。

2023年2月20日

今週の一枚は、NHK「花子とアン」山梨ことば指導の撮影風景です。この演出の柳川強さんと村岡花子役の吉高由里子さんがタックを組んだ「風よ あらしよ 劇場版」が、各地で上映されています。柳川演出は、「伊藤野枝の生と死を描くこの映画は、単なる歴史劇ではありません。まさに今を照射したもの」とおっしゃって……。私が、不思議なご縁で、大杉栄が神近市子に刺された葉山の宿の当時のまま現存している階段に腰掛けたのは一昨年のこと。まるで品物のように扱われ、自由が欲しいと訴えた女性たちの苦しみに思いを巡らせました。

2023年2月13日

今週の一枚は、スウエーデンの絵本「穴」の表紙。「森とあそぼう」代表・阿久根佐和子さんからお預かりしました。彼女に、スウエーデンの投票率は、なぜ80%を下ったことがないの?と聞きましたら「投票は住みやすい国を創ること。と子どもの頃から教えているから」とのお返事。コロナ禍の時、首相は記者会見を通じて「子どもたちのなぜ?」に直接答え、子どもの権利を守る平等大臣も不安や疑問をもつ子どもに情報を伝える。というようにスウエーデンには「なぜ」を知る機会があり、子どもが社会の一員であることを意識する道が用意されていることを知り感銘を受けました。

2023年2月6日

今週の一枚は、国立映画アーカイブス・リーフレット「日本の女性映画人(2)1970-1980年代」裏面の文章には「女性映画人たちの足跡を振り返ることにより、日本映画史の再考につながる新たな視座が切り拓かれることを願っております」と。(後半のみ転記)宮城まり子監督「ねむの木の詩がきこえる」は2月22、24日の上映です。国会では木村英子参議院議員が、被災地における障害者の状況を語られ「一人暮らしをしていた重度障害者が、津波がくるとわかった時「あきらめましょう」と言って、そのまま亡くなりました」の言葉に胸を締め付けられました。

2023年1月31日

政治は、何のために存在するのか… と頭をかしげてしまうニュースが溢れています。今週の一枚は「権利の上に眠るな~普選、婦選、そして18歳~」2024年新規フライヤーです。
日本では79年前まで、女性が政治に参加する権利がありませんでした。しかし今、男女共に18歳以上なら自分の意見を表明できます。なのに大切な一票を無駄にしている人がなんと多いことか… 1878年の楠瀬喜多氏の訴えから始まる女性参政権獲得までの歴史を知ることで市川房枝氏の「参政権をもつもののすべてに、平和で平等な社会をつくる義務と責任がある」の意味がわかっていただけると思います。お問合せ欄からのお申し込みお待ちしています。

2023年1月23日

先週ご案内の Eテレ「バリバラ」<被災地の障害者はいま>は、1日発生の能登半島地震にあわれた皆さんの不安、施設が置かれている状況や担当者の奮闘や苦悩… 障害をもつ子どもの母親が「みんなに迷惑かけちゃうし、理解してもらえないし、行くとこもない」と。住み慣れた環境が失われ移動した避難所で、周りの理解を得るための努力が並大抵ではないことなど…伝えてくれたからこそ、解ったことがたくさんありました。
(1/26まで見逃し配信あり)今週の一枚は、元気が湧いてくる私の卓上カレンダー「ねむの木学園」(絵:おおさこ だいすけ/僕の新しい服かっこいいでしょ)にいたしました。

2023年1月16日

今週は、NHK Eテレ「バリバラ」の御案内です。昨年は、2週連続で車いすや発達障害、聴覚障害の方が飲みの場で感じるアクセシビリティ、飲みたいと思った時に自分の意思で選択できるのか… コミュニケーションバリアとは… 誰もが一緒に同じ場所で飲食や会話を楽しめる大切さが語られていました。
1月19日(金)午後10:30からの放送は、緊急生放送だそうです。再放送は、23日(火)午前0:30~ぜひ、ご覧になってください。(見逃し配信も)
今週の一枚は、寒さに耐えて咲く庭の梅の花です。被災地の皆さんが、少しでも安心安全な状況になりますように!

2023年1月9日

新年を祝う笑顔を、悲しみのどん底に突き落とした石川県能登地方震源の地震、火事、飛行機事故、和解が得られない紛争地の人々の苦悩… 心が痛むことが溢れる今年の幕開け。今週の一枚は、穏やかな地球を!と呼びかけているような富士山の姿です。私は、穴水での公演を思い出して切ない気持ちでいっぱいになりながらも、一葉さんの御両親生誕の塩山常泉寺で2014年から続く「一葉さんのお誕生を祝う会」の稽古に励んでおります。今年の三越劇場公演「樋口一葉の世界2024 奥山眞佐子ひとり芝居」は10月19日(土)15時開演です。
 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年12月26日

今年最後の一枚は、三越劇場幕開き、入江籟三役の私です。薩摩焼の絵付師・籟三が「美とはなんぞ! 兎角は金の世の中、心は小利小欲のかたまりばかり。優でござるの妙で候という処が、つまりは仕切り値段の上にあること。さればこそ又も値下げ値下げと、痩せ腕ねじられながら… 」と憤り、「軽薄ものを才知に優れ働きが素早いと誉めたてる今の世に、愚かなほど真っ直ぐな心で熱心に作り出す作品がどれほどのものか…人たる正しい誠の道がどこにあるか… 」と絵付けの工夫に励む籟三を、世間の人は「変わり者」と噂するばかり…。お互いがお互いを尊重できる世の中になりますようにと願いを込めまして!

2023年12月19日

今週の一枚は、今年の三越劇場公演の舞台写真です。一葉さんが「たけくらべ」を発表した年の日記に、「今日、夕飯を終わりては後に一粒のたくわえもなし。と、母君しきりに嘆き…」けれど……思いがけないお金を(2円)手にして帰宅した一葉さんは、妹にせがまれて女義太夫を聞きに行きます。日記の続きは「午前は、今日限りの食とて胸を痛めし身が、夜に入りては、寄席に遊ぶ。世はすべて夢なり…女義太夫の熱意は聞く人の情をうごかして年若かなる芸人が前に、ひげ男の泣くもの多し。冷やかしの掛け声も聞こえず場面静か也き」と。みなさんに思いがけない嬉しいことがありますように!

2023年12月12日

今週は、かまくら駅前蔵書室で「家庭画報12月号」に掲載されている特集ページを囲んでの一枚です。宮城まり子さんが築かれた心の学校のこと、現在の「ねむの木学園」の様子が掲載されていますので、ぜひ読んでいただきたいとご案内いたします。また、現在、発売されています「2024年版ねむの木学園カレンダー」は、すべて子どもたちの手書きで魅了される作品に溢れています。このカレンダーがあれば心優しい一年を過ごせることと思います。在庫が少なくなっているそうですから、お申し込みは、カレンダー係(0537-26-3900)までお問合せなさってください。

2023年12月5日

今週の一枚は、(公財)市川房枝記念会女性と政治センター主催の “政治”を揺り動かすⅡ~次世代へ希望のバトンをつなぐために~のオンライン講座の御案内です。講師は、桃井貴子さん。「気候危機への対応と日本に求められていること」がテーマです。私たちは、昨今の暑さや寒さに、ただ堪えるしかないのでしょうか? なにか出来ることは無いのでしょうか?
2023年の締めくくりに地球環境と自分の生活の距離について考えることも大切ではないかと、ご案内させていただきました。

2023年11月28日

11月23日は、各所で一葉さんを懐かしむ会が開催されています。今週の一枚は、一葉さんが、「桜木のやど」とよんだ文京区法眞寺さんでの一葉忌法要後に第22世伊川ご住職と一葉さんとご一緒の写真です。38年前の私は、尊敬する宮口精二先生が旅立たれた悲しみに溢れる涙を抑えきれずに本郷通りを歩いていました。その私を慰めてくれるように舞ってきた桜の花びら。その花びらに誘われて本堂脇の満開の桜の木の下に。そして先代ご住職ご夫妻に招き入れられて町内会のお花見の宴に。ご住職の代は変わっても、こうして、ご縁が続いている喜びに感謝があふれる日でした。

2023年11月21日

今週の一枚は、『やまなし三女祭りの会』設立総会の写真です。山梨の風土を受けた明治の樋口一葉、大正の金子文子、昭和の望月百合子の3名の人生を学んで各時代の女性の立場を再確認し、今日の問題に取り組もうという趣旨の会です。発起人のジュエルステンド作家・雪江なほみ氏は、ベトナム戦争の渦中に木の板に描かれた「赤ん坊に母乳を与えながら手もとには銃が立てかけられて…」の漆絵に、特に思い入れを持つという人。専業主婦、医師、実業家、声楽家、書道家、政治家など年齢も職業も思想信条も異なる皆様が集まりました。私も故郷のみな様と共に活動してまいります。

2023年11月14日

11月12日の本郷図書館での朗読会は、定員をうわまわるお申し込みがあったそうで残念ながら、お聞きいただけなかった皆様には申し訳なく存じます。会場には、一葉作品が大好きな方、一度も読んだことがない方など、20代~80代という年齢幅の広い皆様にお出でいただきました。私は、一葉さんの時代に女性がおかれていた状況をお話いたしまして「一葉さんの原文」の朗読、その内容を「ひとり芝居風」にしての語りと、あっという間に予定時間になってしまいました。本郷図書館の館長さんの「この続きは来年に」との挨拶で幕を閉じました。
ということで、来年の朗読会の開催も決定いたしました。

2023年11月7日

今週の一枚は、私と一葉さんを結んでくれました東大赤門前の法真寺さんの腰衣の観音様です。一葉さんの作品「ゆく雲」の中にも当時の姿が描かれています。14日の本郷図書館での朗読会では、あまり知られていないであろうと思われる一葉さんの姿、「たけくらべ」に描かれている吉原遊郭で働いていた遊女のこと、当時の女性がおかれてた立場などもお伝えしたいと思います。会場には一葉作品が大好きな方、一葉作品と初めて出会う方など様々な方がおいででだろうと……ギリギリまで工夫を重ねています。電話お申し込みは(03-3828-2070)本郷図書館に。或は、図書館ホームページをご利用ください。

2023年10月31日

今週の一枚は、2018年にスタートいたしました本郷図書館での朗読会のチラシです。今年は、一葉忌前の11月12日に行います。一葉さんの人生は24年間でしたが、私が一葉小説を語り始めて26年になることを思いますと不思議な気持ちになります。時代と共に言葉も変化してゆきますから、一葉日記の原文だけでは分かりにくい部分も多々ございます。かといって現代語訳文だけですと趣が損なわれる… あれこれと悩みながら、お出で下さる皆さまに喜んでいただけるようにと……‥工夫を重ねております。電話お申し込みは(03-3828-2070)本郷図書館に。或は、図書館ホームページをご利用ください。

2023年10月24日

三越劇場連続13年目の「樋口一葉の世界・奥山眞佐子ひとり芝居・うもれ木」は、盛況のうちに幕を閉じました。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。今週の一枚は、お見送り後のロビーで、義太夫の鶴澤賀寿氏、尺八の本間豊堂氏、箏の内藤眞代との写真です。今回の舞台で私は、籟三の作業着、お蝶の普段着と晴れ着、義太夫の衣裳と4回の衣装変えでしたから、舞台さん、衣裳さん、床山さんは大奮闘!演出の鈴木氏はじめ総勢30名程の皆さんに支えていただきました。来年は10月19日(土)に新たな作品を準備いたしております。お楽しみになさってください。

2023年10月17日

三越劇場連続13年目の「樋口一葉の世界・奥山眞佐子ひとり芝居・うもれ木」は、盛況のうちに幕を閉じました。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。今週の一枚は、お見送り後のロビーで、義太夫の鶴澤賀寿氏、尺八の本間豊堂氏、箏の内藤眞代との写真です。今回の舞台で私は、籟三の作業着、お蝶の普段着と晴れ着、義太夫の衣裳と4回の衣装変えでしたから、舞台さん、衣裳さん、床山さんは大奮闘!演出の鈴木氏はじめ総勢30名程の皆さんに支えていただきました。来年は10月19日(土)に新たな作品を準備いたしております。お楽しみになさってください。

2023年10月10日

先週は、「鎌倉FMシーサイドカフェ828」に出演して樋口一葉さんのお話をいたしました。収録後にパーソナリティーのエイジローさん、小町さなえさん、タカオさんとの写真が今週の一枚です。14日の舞台では、美を追求する薩摩焼絵付師「籟三」の苦しみ、妹「お蝶」の祈り、大詰めの義太夫で、アッと驚く展開を語ります。
 同時期に、三越創業350周年記念 薩摩焼十五代 沈壽官展が開催されていますことは幸運な巡り合わせです。ご観劇後、ぜひ、現代の薩摩焼をご堪能いただきたいと存じます。「ひとり芝居・うもれ木」のお問い合わせは、三越劇場0120-03-9354(10時~18時)に。

2023年10月3日

今週は2枚あります。それぞれクリックして拡大してご覧ください。20歳の一葉さんが精魂込めた小説10月14日の「うもれ木」は、薩摩焼の絵付師・籟三の美への執念と、16歳のお蝶の恋の苦しみに、きっと心を震わせていただけると存じます。
三越劇場0120-03-9354(10時~18時)にお電話ください。また「お問い合わせ欄」もご利用ください。もう一枚は、「横浜市非核兵器平和都市宣言市民のつどい」のご案内です。演劇、音楽、行楽を楽しめる今を失わないために「核のない世界」を目指すことは、とても重要なことです。平和は、あるものではなく、私たち一人一人が創り上げるものだと思うのです。

2023年9月26日

今週の一枚は、2020年に無観客公演をおこなった時(照明オペレータさん3名、各部署の4名が不在)の集合写真。瞬間だけマスクを外しての撮影でした。こんなにたくさんのみなさんに支えられた「ひとり芝居」で、樋口一葉の世界を表現しています。来月14日(土)15時から休憩なしの70分ほどで表現される「うもれ木」は、今の時代と重なりあう樋口一葉さんの愛と怒りの舞台です。お一人でも多くの皆さんにご観劇いただきたいと存じます。お電話でのお問い合わせは、三越劇場0120-03-9354(10時~18時)に。「お問い合わせ欄」からもお申し込みいただけますのでご利用ください。

2023年9月19日

若き頃、劇団の主催者・金子信雄先生の付き人をしながら芸術座「たぬき」に出演することに。ところが「ベルさんに預けた」と金子先生からのお電話。突然、日本を代表する女優・山田五十鈴先生の部屋子見習いをしながら舞台に立つことになり無我夢中の2カ月間。この時、支えてくださったのが当時、珍しかった女性の照明さん(通称・ドミキ)はじめスタッフの皆さんでした。今週の一枚は、当時から現在までの舞台を支えてくださっている照明家・須藤実さんです。お問い合わせは、三越劇場0120-03-9354に。「お問い合わせ欄」からもお申し込みいただけますのでご利用ください。

2023年9月12日

今週の一枚は、本間豊堂さん(尺八奏者)と稽古場で撮影した写真です。三越劇場10月14日公演「うもれ木」の一場で、薩摩焼絵付師「入江籟三」(私)の前に、10年ぶりに現れる「篠原辰雄」(本間さんの尺八の音)との稽古でした。いつもそうですが、稽古が重なる度に新たな発見があり、演出の鈴木龍男さんの言葉に、これまで見えていなかったものが見えてくる喜びがあります。本番のギリギリまで練り込みますので、お楽しみになさってください。お電話でのお問い合わせは、三越劇場0120-03-9354に。「お問い合わせ欄」からもお申し込みいただけますのでご利用ください。

2023年9月5日

今週の一枚は、甲府市役所で行われた朗読ワークショップ体ほぐしの風景です。続いて北原白秋作「五十音」谷川俊太郎作「あいうえおうた」で口の動きを滑らかにして、宮城まり子さんとねむの木学園の子どもとのお手紙「まり子おかあさんへ」の連読。今年も満足な笑顔で退室なさる皆さんをお見送りできまして嬉さいっぱいです。今日からは三越劇場10月14日公演「うもれ木」に打ち込みます。薩摩焼の絵付師「入江籟三」と、兄の作品が世に認められることを祈り続ける妹「お蝶」の言葉は、「まるで今の時代と同じ」と驚かれることと存じます。「お問い合わせ欄」からも、お申し込みいただけます。

2023年8月29日

今週の一枚は、9月2日に甲府市役所1階の解放された空間(市民活動室)で開催の朗読ワークショップのチラシです。市民の皆さんと朗読のひと時を……と、甲府市教育委員会生涯学習課芸術係主催で6年目を迎えます。体を動かし声を出していくうちに、皆さんの緊張がほぐれて体も声も伸び伸びとして笑顔が溢れてきます。この皆さんの姿に接します時の私の喜びを言葉に言い現わすことは難しいほどです。三越劇場公演もお楽しみになさってください。お電話のお問い合わせは、三越劇場0120-03-9354(フリーコール)午前10時~午後6時に。「お問い合わせ欄」からのお申し込みもお待ちいたしております。

2023年8月22日

今週の一枚は、三越劇場公演のご案内です。2020年、新型コロナウイルス感染拡大防止の政府方針に従い、三越劇場での無観客ネット配信の作品「うもれ木」を膨らませました。本公演では、女流義太夫協会の鶴澤賀寿氏のご協力も得まして、私が義太夫に初挑戦いたします。メールでしたら「お問い合わせ欄」を。お電話でしたら、三越劇場0120-03-9354(フリーコール)午前10時~午後6時をご利用ください。
9月2日(土)は甲府で、朗読ワークショップがございます。甲府市教育委員会生涯学習課芸術係(電話055-2223-7373)にお問い合わせください。

2023年8月15日

今週の一枚は、22:08到着予定の電車が、翌朝、5:04に鎌倉駅に到着した写真です。私は、初めて電車に閉じ込められました。爆弾が落ちてくるわけではありませんが、「ふたりの老女」の千秋楽を控えて先が見えない7時間、不安と恐怖に怯え続け、ホームに降りた足はガクガクしていました。78年前の今日、戦争の終わりを知った人々…家族の死に直面した人々…焼け野原で途方に暮れた人々を想像すればするほど胸が絞めつけられます。「ふたりの老女」で語られた「過ちに気づいた時の反省、先人の経験や知恵や知識を学び、語り継ぐことの大切さ」を思います。世界中から争いがなくなりますように!!

2023年8月8日

今週の一枚は、ふたりの老女の集合写真。アラスカの遊牧民が、老人(経験者)の知恵を学ぶことを怠り苦境を招き… 口べらしに棄てられた「ふたりの老女」は、これまでの経験を活かして生き抜く。過ちに気づいたリーダの反省と決断が描かれました。誰にでも過ちはあります。けれど、その過ちに気づいた時、素直に認める勇気をもつ大切さを伝える作品でもありました。千秋楽の6日、広島の平和祈念式典、小学6年生の子ども代表が朗読した「平和への誓い」には「誰もが平和だと思える未来を、広島に生きる私たちがつくっていきます」と。
先人の経験や知恵や知識を学んで、争いのない世界に!!

2023年8月1日

今週の一枚は、「ふたりの老女」衣裳担当のKiNGさん御提案の衣装合わせでの写真です。今回の舞台で原作者・ヴェルマ・ウォーリス役の私は、洋服姿で舞台に立ちます。履物は、日生劇場「ハムレット」(片岡孝雄・太地貴和子)に貴婦人役で出演いたしました折のプロデューサーの娘さんが選んでくださったブーツです。老女役のおひとり大川婦久美さんとは、東宝の舞台で何度もご一緒させていただいた方。稽古場での白熱した稽古も終わり、いよいよ劇場入り。とても素敵な作品に仕上がって皆さんにご覧いただくのが楽しみです。お出かけお待ちしております。

2023年7月25日

今週の一枚は、20代の頃、一緒に新橋演舞場に出演いていた友人から届いた「この子たちを忘れない」公演のご案内です。彼女は、今、千葉県柏市で小学校の平和授業としての朗読劇活動を行っています。78年前の8月6日は広島に、9日は長崎に原爆が投下され、命を落とされた人、今も後遺症に苦しむ人々がいることを、戦争は悲しみしか生まないことを伝えるための舞台の裏を支えています。ご予約の上、お出かけください。私が出演する「ふたりの老女」も年長者の知恵を学ぶことの大切さを伝える公演です。常にみんなが安心して暮らせるように、過去に学んでまいりましょう。

2023年7月18日

今週の一枚は、三島信用金庫本店4階「さいしんギャラリー 善」で開催中の「ねむの木のこどもたちとまり子美術展」のご案内です。こどもたちと教職員のみなさんで協力して会場づくりをなさった美術展に、是非お出かけいただき、こどもたちの無限の可能性、やさしさ、そして力強さに出会っていただきたいと存じます。「宮城まり子さんとねむの木学園」のユーチュウブは、土地の決定までは配信中なのですが… 続く10回以降は、もう暫くお待ちください。
私が出演の「ふたりの老女」には、国の無形民俗文化財指定「八王子車人形西川古柳座」も登場します。お楽しみになさってください。お申し込みお待ちいたしております。

2023年7月11日

今週の一枚は、映画『信虎』での一場面。このあと私は自害します。公開から1年半が過ぎWOWOWでの放送が始まりました。

7/13(木)午後5:40

7/19(水)午後3:00

8/3(木)午後1:00

8/21(月)午後2:30

が放送予定 。こちらでご覧ください。

舞台では「ふたりの老女」8月4日(金)~6日(日)に原作者のヴェルマ役で出演いたします。公演予定欄のチラシをご覧ください。急遽、緒形拳氏の孫・緒方りょうさんが出演することにもなりました。お問い合わせ欄からのお申し込み、お持ちしております。

2023年7月4日

今週の一枚は、東京黎明アートルームで、7月11日まで開催されている特別展「良寛の書の世界」です。子どもと遊んでいる姿がよく知られている良寛は、「無為自然」の生き方を貫いた人。自己顕示欲の強さを戒める「戒語」の筆先から、その優しさが感じられ「ひとり一人が言葉に気をつけることで皆が平和で幸福になりますよ」と、良寛の声が聞こえてくるような気がいたします。良寛が所有していた鉢の子(托鉢僧が施しを受けるために持つ鉢)の前に立つと、その手の温もりも感じられます。ここで展示されているのは、良寛の父親の実家に伝来していたものだそうです。

2023年6月27日

太平洋戦争末期の沖縄で犠牲になった20万人超を追悼する「慰霊の日」摩文仁の平和祈念公園で、世界の恒久平和を願う沖縄全線戦没者追悼式が営まれ「今、平和は問いかける」が朗読されました。平安名 秋(へいあんな あき)さんは、祖母から凄絶な沖縄戦の体験を聞き育ち「おばぁの涙を、沖縄の想いを、未来に語り継ぎたい」と!
戦争は、全てを破壊して日常生活を奪い去り、苦しみしか残さないことを誰もが知っているのに… 78年経った今でも苦しんでいる人が居るのに… 何故、武器を配備しようとするのでしょうか?話し合いで戦いを抑止することは出来るはずだ。と、私は信じています。

2023年6月20日

今週の一枚は、【(全ての女性が)(幸せになる)(プロジェクト)】の表紙。すしPリーフレットWEB版をご覧ください。面白いですよ!
一葉さんは、書きました。「ふと思いついたことを口に出したり歌などに詠んだりすると、すぐ人々は「それは違う」「少し変だ」「普通はそうは言わない」などと言って非難する。源氏物語は立派な作品ですが、書いた人は私と同じ女性です。彼女が仏の生まれ変わりだとしても、やはり人間である以上、私と何の違いがありましょう。あの時代にはあの人が出てあの作品を書いた… 今の時代には今の時代のことを後世に書き伝えるべきであるのに……」と。

2023年6月13日

今週の一枚は、長年、日本舞踊のご指導、舞台での所作のご指導をいただいておりました花柳奈千穂先生のお姿。お稽古の合間に戦後間もない時のこと、宮城まり子さんの想い出などお聞かせくださり「権利の上に眠るな」の出版を喜んでくださった先生、小二田茂幸氏書下ろし曲「奈千穂」を気に入られ創作意欲が湧いたと話され、先生の創作舞踊会の準備をはじめました矢先、旅立たれ……まさか!と気が動転いたしました。先生は「ここから見ているよ」とおっしゃるように、三越劇場公演「うもれ木」の舞台となる高輪正源寺に埋葬されました。先生の教えを胸に刻み稽古に励みますと手を合わせました。

2023年6月6日

3日(土)は、市川房枝生誕130年記念シンポジウムおよび交流会に出席して「権利の上に眠るな」の本の紹介をさせていただき、夕刻はスタジオMで、「私の愛する樋口一葉」最終リハーサル。4日の早朝、一葉さんとゆかりある美容師さんの手による日本髪で、山梨県人会連合会第74回総会ステージに立ち、内藤眞代氏の箏の音と共に私の愛する樋口一葉さんの魅力をお伝えいたしました。会場にお集まりの300余名の皆様に喜んでいただけましたこと嬉しく存じます。着物は、毎日新聞社主催「一葉すがた」に展示された浦野理一氏の貴重な作品、帯は、一葉さんの家の近くの金魚坂をイメージした東京友禅・坂井三智子氏の作品です。

2023年5月30日

今週の一枚は、お江戸上野広小路亭で、完全予約制で開催される義太夫普及公演「ぎだゆう座」の御案内です。6月1日と2日「義経千本桜 小金吾討死の段」の三味線 鶴澤賀寿氏は、10月14日の三越劇場「うもれ木」後半の「絵付師・籟三慙愧の場」に御出演いただきます。私は、初挑戦の浄瑠璃を語ります。一葉さんが妹の邦さんと連れ立って足しげく通ったという女流義太夫は、現在は身近な存在ではないかもしれませんが、お聞きくださると心躍られることと存じます。私は4日(日)に「私の愛する樋口一葉」と題して京王プラザホテル・コンコードボールルームで一葉さんの魅力をお伝えいたします。

2023年5月23日

今週の一枚は、スタジオMでのライブ風景。手にしているのは、明治の時空間をよみがえらせようと「一葉の生涯」「一葉の明治」「一葉すがた」の三部構成で1983年に毎日新聞社が企画主催、大丸東京店グランド・ホール開催時に出版されたもの。「一葉すがた」は、浦野理一氏の復元染物で、一葉小説に描かれている明治の女たちの姿を、当時の挿し絵や鏑木清方の絵からよみがえらせて……表紙は、「ゆく雲」の主人公「お縫」の着物。この貴重な反物が私の手元に届いて仕立てました。観客席の方々との会話を交え、一葉日記の朗読をおこない、今に通じる一葉の想いをお伝えいたしました。

2023年5月16日

横浜大空襲、原爆投下を受けて78年、「日本の国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と決めた憲法施行76年。日中平和友好条約締結45年の2023平和のための戦争展は、「悲劇を忘れず、戦争せず平和友好!」を伝える会です。講演や次世代を担う中学生の声に耳を傾けてください。戦争をしないと宣言しているからこそのかろうじて平和の今、音楽も演劇も… 21日は大久保スタジオMにゲスト出演して一葉日記を語ります。それぞれの画面をクリックして拡大でご覧ください。

2023年5月9日

今週の一枚は、【市川房枝記念会2023連続講座 “政治”を揺り動かすⅡ ~次世代へ希望のバトンをつなぐために~】の御案内です。毎月第2土曜日にZOOMで行われる講座の第1回は5月13日。講師は、特定非営利活動法人mia forza代表理事の門間尚子さん(詳しくはここをクリックしてください)内容は、NPO/ボランティア団体など社会課題に取り組む団体におけるハラスメントの予防と対応に向けた取り組みについてという興味深いお話です。全国どこからでもアプローチできるオンラインスシステムですから参加しやすいと存じます。「知」を「力」としてまいりましょう。

2023年5月2日

今週の一枚は、「鎌倉図書館に要望したら購入してくれました。借りて読んでいますよ」と友人から届いた写真です。国立国会図書館から始まって千葉県白井市図書館、山梨県甲州市図書館、鎌倉中央図書館と蔵書先が増えています。ぜひ、お近くの図書館に「権利の上に眠るな」を読みたいとの御要望を出してください。「みどりの日」の4日は鎌倉FMシーサイドカフェ828に18:15頃から出演します。放送時間にここをクリックするとインターネットでお聞きいただけます。みどりといえば美登利ということで、樋口一葉さんの日記の朗読、一葉小説から市川房枝氏に繋がったことなどもお話させていただきます。

2023年4月25日

今週は、私の敬愛する花柳奈千穂先生の写真3枚の組み合わせです。昨年の三越劇場公演の稽古場での一枚、稽古帰りにスタジオMでブランディーを垂らしたコーヒーで乾杯!スタジオMの小二田さんが先生のために作曲なさった「奈千穂」という曲で創作舞踊の会を開くこと、先生の半生を語る映像をつくること、今年の三越劇場公演「うもれ木」のこと、あれこれのお約束… 突然、旅立たれて… 悲しくて切なくて残念で… お骨を拾わせていただきましたとき、先生の「頑張れ!」のお声が聞こえてきて不思議な世界がみえました。これまでのご指導に応えられるように頑張りたいと存じます。

2023年4月18日

今週の一枚は、大久保スタジオMで行われた「HASIMOTO@HS~ヘッドスライディングで生きて行け!~」終了後の写真です。橋本氏のライブを聴くのは初めて。6曲目に「次の曲は新曲です。先日~権利の上に眠るな~を読んで作った歌です。タイトルは、砂漠の旅人」とのMCと聞いて、口から心臓が飛び出すかと思うほど驚きました。♪未来という字は蜃気楼 砂漠の旅人の夢の中 乾いても藻掻いても辿り着けない 向かい風が諦めなと笑う だけど目指さずにはいられない たとえ終わりのない旅だとしても♪ 次回ライブは5月14日15時から大久保スタジオM。是非、橋本氏の声で聴いてください。

2023年4月11日

昨年4月「市川房枝生誕130年を前に 権利の上に眠るな~普選、婦選、そして18歳~」紀伊國屋ホール公演の幕開き、明治11年、高知県上町町議会選挙会場で「女ヤキ投票でキンララアテおかしいヤありませんか…」と力強く訴える楠瀬喜多役を演じてくださった春日亀千尋さんの出演作品が今週の一枚です。今回のMT企画第三回公演「花として」では、吉原遊郭の遣手婆(遊郭の劣悪な環境で、自分を肯定しきれない思いを抱えつつ、遊女たちの監督・指導をする役割の女性)の心情を小唄と三味線も絡めて演じられます。4月14日(金)~16日。場所は「絵空箱」お楽しみにお出かけください。

2023年4月4日

今週の一枚は、「一葉さんのお誕生日を祝う会in常泉寺」での写真です。こちらの栗原ご住職は、一葉さんの両親が江戸に駆け落ちした同じルートも歩かれたという大の一葉ファン。別棟には、一葉さんの沢山の資料を展示なさっています。公演は、椅子がなくなるほどの大入りで皆様に樋口一葉の世界をお楽しみいただくことができました。以前、伊勢現代美術館での私の語りを聴いてくださった親子さんもいらして…… 当時8歳だった娘さんから「山梨の大学に入学したので来ました」と声をかけていただき、驚きと共に再開の喜びを味わいました。こうして皆様にお会い出来ることの幸せに感謝でいっぱいです。

2023年3月28日

一葉さんの151回目のお誕生日3月25日に、ピンクの桜やスモモの白い花が咲きほこる一葉さんのご両親の故郷・塩山で開催された「こうしゅう桜フェスタ記念事業~一葉講和会 ~」の担当職員さんとの写真が今週の一枚です。小雨の降るなか沢山の皆さんにお出かけいただきました。午後に開催されました「一葉さんのお誕生日を祝う会in常泉寺」も満席で立ち見の方までがおいでという盛況。年齢、性別が様々な皆様の心に一葉作品をお届けできましたこと嬉しく存じます。終演後「また来年を楽しみにしています」とお声をかけていただけましたこと嬉しく存じます。

2023年3月14日

今週の1枚は、岐阜県現代陶芸美術館関連企画「語りの会・うもれ木」のステージ写真です。国際会議場の温かみのある空間で、内藤眞代氏が奏でてくださる箏の音と共に、樋口一葉の世界をご堪能くださった皆さんのご感想がたくさん届きました。その一部をご紹介しますと「語りの世界に引き込まれました。一葉が生きた時代を想像し、感じることが出来ました…」「作品の展示と共にその世界感を受け止めることの大切さを学ぶことが出来ました」「時間を忘れるひと時でした」「日本語の美しさを改めて感じ入りました」など嬉しく読ませていただきました。一葉さんのお誕生日の25日は山梨県甲州市塩山の2か所でも一葉さんをお伝えいたします。

2023年3月7日

セラミックパークMINO国際会議場で開催された「語りの会・うもれ木」には、とてもたくさんの皆様にお出かけいただき、箏の内藤眞代さんとのコラボによる樋口一葉の世界を楽しんでいただくことが出来ました。超絶技巧未来へ 明治工芸とそのDNA展には、「誰にもできないことをやろう」としている作家たちの作品(木彫、金工、漆工、陶磁、ガラス、水墨画、ペーパークラフト、切り絵、刺繍絵画、七宝)が溢れていました。今週の一枚は、一葉さんの次兄・虎之助さんの師匠・成瀬誠志氏の緻密な作品と共に学芸員の立花氏との写真です。「小説・うもれ木」を生み出した作品に対面できた喜びに心躍りました。

2023年2月28日

今日は、恩師のマキノ雅弘先生のお誕生日前日です。ご指導いただいていた頃、2月29日生まれの先生は、4年に一回しか年をとらないと楽しそうに話されました。皆さんも年齢を4で割ったら若返りますよ!!
3月4日(土)は、いよいよ岐阜県現代陶芸美術館での公演ですので、大久保スタジオMで内藤眞代さんの演奏とのリハーサル風景を今週の一枚に。「もっとこんなふうに!」「こここうしたら!」と案を出し合って… そこに小二田茂幸さんの新たな曲が加わって… 表現が研ぎ澄まされていく積み重ねた時間を経ての作品を、お楽しみにお出かけください。フォームは、こちら。

2023年2月21日

教科書は、子どもたちが生きていくための知恵の種。その種は沢山ありますから選択は難しい。大切なのは、その選択に関わる全ての大人が子どもたちの未来をどのように考えているかではないでしょうか… 過去の戦争を伝え、これを知恵の種にして、間違えを起こさない人生をおくって欲しいとの願いが込められた「はだしのゲン」が教科書から消えることを知りました。広島の慰霊碑に「過ちは繰り返しませぬから」と刻まれている真の意味を、将来を担う子どもたちが知る大切な種であり、希望の種の「はだしのゲン」。
今週の一枚は、戦争と平和を見つめる絵本わたしの「やめて」です。

2023年2月14日

岐阜県現代陶芸美術館「超絶技巧未来へ! 明治工芸とそのDNA」が、スタートしました。私と、この展覧会を結びつけたのは、岐阜県中津川市に生まれ、明治の初めに東京に出て細密な金彩による陶器を作った成瀬誠志氏。氏に弟子入りしたのが、樋口一葉さんの次兄・虎之助さんです。3月4日(土)にセラミックパークMINO国際会議場で、虎之助さんをモデルに書かれた小説「うもれ木」を、内藤眞代氏の箏演奏とともに語ります。こ聴講は無料ですが、事前予約が必要です。ご予約の上、お出かけください。お待ちいたしております。

2023年2月7日

今週の一枚は、1959年2月4日、演劇という芸術方法でよりよい社会をつくり、多くの人々の切実な要求を的確に捉え、社会の現実を豊かに反映した舞台を創るためにと結成された、東京芸術座64年目のアトリエ公演『おんやりょう』。地方の消防分署に勤務する消防隊員と救急隊員が、一分一秒を急ぐ中で、どれだけ正確に迅速に行動できるかを目指しながら、それぞれの生活や心の傷、結婚感が語られます。その葛藤は、誰もが抱えている問題ですから心に迫ります。舞台で歌われる「木遣り歌」の美しいこと…。生の舞台だからこその感動は、涙と笑いで溢れています。12日(日)までの公演です。

2023年1月31日

新劇人会議に出席して、自由の森学園校長の菅間正道さんの授業を受けました。初め「2022年12月19日午後2時どこで何をしていましたか?」と質問され、私は思い出せませんでした。続いて『綾瀬母子殺人事件』の話となり、好奇心から事件現場に行った3人の少年が逮捕され身柄拘束を受け、被疑者として扱われた「誤認逮捕」のことを聞き、恐怖で体が震えました。最後に、日本国憲法第99条【憲法尊重擁護の義務】にふれ、憲法は、国民を縛るものではなく、国家・権力者を縛り、その暴徒に歯止めをかけるもの。冤罪とは、国家権力の暴徒の結果おこった一例といえる。と結ばれました。

2023年1月24日

今週の一枚は、市川房枝記念会連続講座「“政治”を揺り動かす」の御案内です。講師は、山梨県のぶどう農家の子育て中のお二人。こどもたちがイキイキ暮らせる未来を作るために気になるテーマを調べたり、話し合ったり、何かを作ってみたりする「大人の自由研究」をシェアする研究所「こどもみらいlabo」の共同代表です。私が、こどもたちの心を伝える活動として「こどもたちの夢・おとなってなに?ひとり芝居」を公演した思いと重なります。2/18内野清美さん・須田直菜さん講座申込みフォームからお申し込みいただき、こどもの未来に種をまく活動に触れてみてください。

2023年1月17日

今週の一枚は、岐阜県現代陶芸美術館 開館20周年記念のチラシです。JR多治見駅近くのセラミックパークMINO国際会議場で、3月4日(土)内藤眞代氏(箏)との共演で、「うもれ木」(樋口一葉の次兄で薩摩焼の絵師・虎之助をモデルにしたと言われる作品)を語ります。
秋の七草を染め付けた薩摩焼の花瓶一対を微塵に打ち砕いて大笑いする主人公の入江籟三の姿には陶画師の意気地が描かれています。今回は、虎之助兄の陶芸の師匠・成瀬誠志の作品の展示と共にお楽しみいただける滅多にないチャンスです。来週の1月28日(土)から申し込みが始まります。お出かけをお待ちいたしております。

2023年1月10日

卯年がスタートしました。争いが一日も早く終わって、コロナからも解放されて世界中の人が自由に跳ね回れる笑顔あふれる2023年になりますように! 今週は、「宮城まり子さんとねむの木学園 第9回 土地探し」サムネイルと、「テニスの王子様」のチラシです。照明、音響の妙も素晴らしい舞台です。私の公演は、3月4日(土)多治見駅近くの岐阜県現代陶芸美術館から、スタートいたします。三越劇場「樋口一葉の世界2023奥山眞佐子ひとり芝居」は10月14日(土)15時開演と決定いたしました。本年もよろしくお願いいたします。

2022年12月27日

1885(明治18)年の今日は東京・浅草の仲見世に煉瓦作りの新店舗139店が新装開店した日。13歳の一葉さんは進学の希望を持ちながら「女子に学問をながくさせんは、ゆくゆくのためによろしからず」との母親の言葉に従って「死ぬばかり悲しかりしかど学校はやめになりけり」と心淋しい日を送っていた頃です。今年最後の一枚は、この浅草のお話「たけくらべ」に登場する水仙にいたしました。この一年、ありがとうございました。コロナにも事故にもご注意なさって楽しい年末年始をお過ごしください。年明けの更新は10日(火)です。2023年もよろしくお願いいたします。

2022年12月20日

今週の一枚は、「樋口一葉生誕150年/三越劇場95年・奥山眞佐子ひとり芝居・十三夜」に御出演いただきました杵屋邦寿師匠の一人ライブの御案内。12月22日午後5時開演。人の思いを察する優しさ、勇気、人情に溢れた「一人勧進帳」です。1904年の今日は、私が12年連続公演を行っております三越が、日本で初めてのデパート形式で営業を開始した日であり、2005年の今日は、多様性の中での人類の連帯を祝って2000年に定められた貧困撲滅などの「ミレニアム開発目標」の達成に向けて団結の重要性を思い起こす日として国連総会で制定した「人間の連帯国際デー」。一日でも早く争いが終わりますように!

2022年12月13日

今週の一枚は、4月の紀伊國屋ホール「権利の上に眠るな」公演に出演くださった谷田川さほ氏企画~『戦争は女の顔をしていない』を読む~。2015年ノーベル文学賞受賞のアレクシエーヴィッチによるこの作品は、第二次世界大戦の独ソ戦に従軍した女性たちの聞き取りがまとめられています。これが原案の映画「戦争と女の顔」は、2019年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞しています。日清戦争の時に、樋口一葉は「つらきは春の嵐なりけり」と詠み、日露戦争では、与謝野晶子が、「女というものは、みな戦争が嫌いなのです」と言った。2022年の年末、ぜひ、ご覧いただきたい舞台です。

2022年12月6日

一葉忌での女義太夫との出会いは、私の心を震わせました。一葉さんは日記に、本郷の寄席で、『三かつ酒や』『太こう記』他を聞いたこと、「その熱意は聞く人の情をうごかして……鬚男の泣くもの多し」と記しています。現在は、偶数月の1日と2日JR御徒町駅近く「お江戸上野広小路亭」で「女流義太夫普及公演」があり、12月は『仮名手本忠臣蔵』の「身売りの段」「勘平切腹の段」でした。読み本も配布され、丁寧な解説もありますから初めての方もきっと楽しめると思います。定員制ですので、早めのお知らせをと、今週の一枚は、2月公演のチラシにいたしました。

2022年11月29日

今年の一葉忌法要では、懐かしい方にお会いでき、一葉さんが愛した女義太夫の語りも…。銀座・枝香庵「赤毛のアン」朗読では、翻訳者の村岡花子氏が市川房枝氏と共に、婦人参政権獲得のために活動されていたお話も……。内容は『権利の上に眠るな』に記述しております。今週の一枚は、「花子とアン」山梨ことば指導の折に、村岡氏の書斎で撮影したものです。あの戦争が終わったからこそ「赤毛のアン」の出版が出来たことを思います。一葉さんが、『中垣のとなりの花の散るみても つらきは春のあらしなりけり』と詠み、「厭わしきものは戦争」と書かれた気持ちが胸に沁みます。

2022年11月22日

明日の勤労感謝の日は、樋口一葉さんのご命日。例年通り、文京区・法眞寺での法要に伺って、この一年のあれこれをお話してまいります。26日(土)は銀座・枝香庵で、一葉さんと同世代のルーシー・モード・モンゴメリー作、村岡花子訳「赤毛のアン」の朗読、花子さんが市川房枝さんと共に男女同権を訴え、女性参政権獲得のために御尽力なさったこともお伝えいたします。今週の一枚は、新宿・京王プラザで行われた「花子とアン」撮影終了を祝う会で、作品に関わる指導者の代表としてご挨拶させていただいた時の懐かしい写真です。

2022年11月15日

今週の一枚は、銀座・枝香庵「アンの島を歩こう~祈り~」藤原由佳理展のチラシです。
私は26日のエンディングセレモニーに「赤毛のアン」の朗読を行います。ルーシー・モード・モンゴメリーが1908(明治41)年に出版した本が、村岡花子さんの手に渡ったのは1939(昭和14)年の戦争中でした。英語の本を持っているというだけで逮捕されてしまうという社会状況の中、空襲で東京が焼け野原になっても守りつづけて翻訳を続けられ1952(昭和27)年に出版された「赤毛のアン」の一文一文を大切に読ませていただきます。

2022年11月8日

今週の一枚は、三越劇場公演の翌日行われた宮城まり子さんとのお別れ会に伺った時の写真です。運動場に飾られたまり子さんの写真の前で学園の子どもたちがまり子さんへの感謝を込めての歌とダンス、お点前の披露がありました。山の上の墓石には、まり子さんと子どもちゃんのレリーフ「やさしくね、やさしくね。やさしいことは強いのよ」が刻まれています。お空の星になられたまり子さんの深い愛情を感じ胸が熱くなりました。現在、ねむの木学園こども美術館、吉行淳之助文学館、和心庵も開いています。秋の散策にぜひいらしてください。心がほっこりできる素敵な場所です。

2022年11月1日

今週の一枚は、10月29日の三越劇場「十三夜」公演ロビーから販売を開始いたしました私の初出版『市川房枝生誕130年を前に 権利の上に眠るな ~ 普選、婦選、そして18歳 ~ 』の表紙です。宮城まり子さんのつくられた「ねむの木学園」のひらたやすひこ君の作品をご提供いただきました。75年前迄の憲法では、男女の差別、身分の差別、貧富の差別、教育の差別が……「十三夜」の主人公・お関は、親のため、弟の為、我が子のために死んだ気になって生きる道を選ばざるを得なかった。お関のように苦しむ日本女性を救うためにたくさんの人々が訴え続けました。その歩みを本にいたしました。お問い合わせ欄からお申し込みください。

2022年10月18日

今週の一枚は、10月29日の三越劇場「十三夜」公演共演者2名の写真です。三味線の杵屋邦寿師匠には、2013年三越劇場公演「にごりえ」で酌婦・お力役の私が三味線を弾く折に、ご指導いただきました。今回の「十三夜」一場では、私が演じます高級官僚の妻・お関の父親の心を三味の音で、二場では、お関の初恋の人・録之助の台詞も語っていただきます。内藤眞代氏には、お関の母親の心を箏の音で奏でていただきます。「人は自分一人で生きているわけではないと苦悩するお関の姿」を身近に感じていただけましたら幸いでございます。三越劇場0120-03-9354にお申し込みください。

2022年10月11日

今週の一枚は、今月の29日開催の三越劇場「十三夜」公演の場面で、一葉さんの原文には「車より滑るように下りてつくづくと打ちまもれば……」と、表現されている処の稽古風景です。実際に人力車から滑るように降りることが出来るのか……鎌倉人力車有風亭(東観光人力車の元祖)の青木登さんにご指導をいただいてまいりました。その成果を舞台でご堪能ください。昨日の10日は、在りし日の一葉さんが歩かれた道の近くにある文京区本郷図書館で「たけくらべ」を語ってまいりました。定員以上のお申し込みをいただき、大変喜んでいただけましたこと嬉しく存じます。

2022年10月4日

今週の一枚は、山梨県立文学館・樋口一葉生誕150年企画の舞台です。(スライドは、私が撮影したもので、一葉さんが子供の頃に見ていらしたの観音様の今のお姿)もう一枚は、講演をお手伝いくださった文学館の皆さんとの写真です。終演後、お出かけくださった皆様から、沢山の感動のお言葉もいただき、一葉作品を身近に感じていただけましたこと嬉しく存じます。10月29日(土)三越劇場公演「十三夜」では、原文の美しさを生かした明治時代の妻の立場、世間の目、初恋の人との出会いと別れをお楽しみいただきます。三越劇場(0120-03-9354)或は、お問い合わせ欄からのお申し込みをお待ちしております。

2022年9月27日

山梨県立文学館での講演は、みなさんに喜んでいただくことが出来ました。コロナ対策の一席空けのお席には、一葉さんや太宰治、芥川龍之介らの写真が飾られて文学館の皆さんのお心遣いが感じられました。小倉浩二氏の番組では、子どもの頃のお話も……。今週の一枚は文学館での写真?スタジオでの写真?と悩みましたが、「横浜市非核兵器平和都市宣言・市民のつどい」のご案内にいたしました。ひとり一人の平和を願う心が平和を維持できていて、文学も音楽も演劇も楽しむことが出来ますもの。来月10月29日(土)の三越劇場公演へお出かけお待ちいたしております。お申し込みは、お問い合わせ欄をご利用ください。

2022年9月20日

怖ろしい台風に怯えての数日ですが、皆さんのところは大丈夫ですか? 今週は、23日に山梨県立文学館樋口一葉生誕150年企画展に出演いたします。また、翌日の24日には、シャンソン界の貴公子・小倉浩二さんの番組に出演いたしまして、10月29日の三越劇場公演のお話をさせていただきます。先日、一葉さんの御墓参りに伺って、帰りがけにはご住職とお話も出来ました。今週の一枚は、ユーチュウブ配信「宮城まり子さんとねむの木学園 第八回 障害児の教育、看護についての学び」のサムネイル。この作品には、ねむの木学園の子どもたちの絵も登場します。ご覧になってください。

2022年9月13日

今週の一枚は、日本橋三越劇公演「奥山眞佐子ひとり芝居・十三夜」。昨年は、コロナ蔓延を考慮して劇場が閉じました。しかし樋口一葉生誕150年、三越劇場開場95年の記念の今年、10月29日公演の御案内ができますことを嬉しく存じます。特別な今年は、明治28年12月に初出した『十三夜』です。一葉日記に「小説の売れつるは前代未聞にして、はやくに3万を売り尽くし、再版を出すが一日にして売切れたれば、再びと… それすら3日は保たざりし…」と記された作品。けれど、昔の話ではないのです。それが一葉作品の素晴らしいところ。
 三越劇場(0120-03-9354)へのご予約、お待ちいたしております。

2022年9月6日

今週の一枚は、山梨県立文学館で開催されます樋口一葉生誕150年のチラシです。この会では、まず、樋口一葉さんと山梨県との関係を、一葉さんの母親の語りのスタイルでお話しいたします。休憩後は、森鴎外絶賛の「たけくらべ」をお聞きいただきます。この作品は、16章からなっていて、明治28年1月から翌年1月まで『文学界』に連載され、明治29年の4月に『文芸倶楽部』に一括掲載されました。ですから全文をお聞きいただくには膨大な時間が必要です。限られた時間ですが、時代背景などもお話しながら、スライドも入れて奥山流の抜粋でお楽しみいただけるように準備いたしております。

2022年8月30日

今週の一枚は、甲府市役所で20日に行われましたワークショップ⑤をお聞きくださった樋口雄一市長と、企画担当の森本陽子課長、小澤浩二係長との記念写真です。市長の手にございますのは、9月23日山梨県立文学館「樋口一葉生誕150年・我が筆とることはまことなり~もっと知りたい樋口一葉」のチラシです。こちらでは、『一葉日記』と『たけくらべ』をお楽しみいただきます。また、「港区山梨県人会総会」で、甲州市の鈴木幹夫市長から、一葉さんのご両親の故郷での「樋口一葉お誕生日公演」の依頼もいただきました。郷土の皆様に一葉作品をお伝えできることを、とても嬉しく存じます。

2022年8月23日

今週の一枚は、20日に行われました甲府市役所教育委員会主催の奥山眞佐子ワークショップ(5年目)の風景です。換気が十分に配慮された市役所のゆったりしたスペースで、全員マスク着用での開催でした。そこでマスクがあっても可能な体ほぐしの呼吸法でリラックスしていただいて、樋口一葉『たけくらべ』の時代背景をお話してから朗読に入りました。対面でしたので皆さんのご様子を確認しながら、原文を損なわない程度に解説を加えたりも出来ました。楽しまれたご様子が記述されているアンケートもたくさん頂戴いたしまして嬉しく存じます。

2022年8月16日

今週の一枚は「あなただけを見つめる」という花言葉をもつ8月15日の誕生花。77年前まで続いていた戦争中…どこかで「ひまわり」を見つめていただろう少女の涙を想像しました。
20日(土)に朗読会を行う甲府市の花は、暑さや寒さにも耐えて咲くたくましさをもつ可愛らしいナデシコ。花言葉は「純粋な愛」。甲府市役所で朗読いたしますのは、樋口一葉の『たけくらべ』です。作品の最後に登場するのは「希望」の花言葉をもつ水仙の作り花。
3時からの回は、若干空きがあるそうです。生涯学習課芸術係055-223-7323 に、お電話でお申し込みください。

2022年8月9日

今週の一枚は、甲府市教育委員会主催「奥山眞佐子ワークショップ(朗読)⑤」のご案内。6年前から毎年開催され、参加者の皆さんに朗読の楽しさをお伝えしておりました。けれど新型コロナウイルス出現で、カラダを動かして声を出していただくことが難しくなり、昨年は中止でした。しかし政府の方針も変わり、感染対策を整えた上での開催です。ちょうど今年は、山梨県出身のご両親をもつ樋口一葉生誕150年にもあたりますので、森鴎外が絶賛した「たけくらべ」のあれこれをお話いたします。生涯学習課芸術係055-223-7323 に、お電話でお申し込みください。

2022年8月2日

今週は、「宮城まり子さんとねむの木学園 第七回」配信のご案内です。1960(昭和35)年33歳のまり子さんが、アテトーゼの少女の役づくりのお勉強のために訪れた整肢療護園で、義務教育を受けることが出来ない子どもの存在を知った衝撃。そして「就学猶予」という法律の存在。同時に、演技者としてどうあるべきかと苦悩された日々、想像すればするほど胸が痛くなります。「…生まれつきの才能を伸ばさせなければならない。それには、児童を一人格として尊重しながら…」と石碑に刻まれている療育の理念のもとに活動している日本肢体不自由児協会のHPもご覧になってください。

2022年7月26日

今週の一枚は、市川房枝記念会女性と政治センター発行「女性展望VOL.717」の表紙(紀伊國屋ホール公演舞台写真)です。27頁~29頁の私の文章には、子どもの目に映っている社会をおとな達に伝えたいと出発した「おとなってなに?」のこと、「樋口一葉ひとり芝居」開始時の想い、『花子とアン』山梨ことば指導で身近になった村岡花子氏、市川房枝氏、同郷の大森かほる氏著作『市川房枝と婦選運動のあゆみ』を読んだ時の衝撃……執筆しながら、これまで出会ってきた皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいになりました。2022年7-8号をお読みいただければ幸いです。

2022年7月19日

先週ご紹介の『2022平和のための戦争展inよこはま』でのカテリーナ・グジー氏の歌と演奏「ウクライナ」は美しい曲でした。長崎で被爆された和田征子氏は、焼け死んでいく人間のニオイのことを、慶応義塾大学4年生高橋悠太氏は、「核兵器禁止条約を育てる」若者の活動のことを話されました。元外交官の小溝泰義氏は、ユネスコ憲章・前文『戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない』の紹介の後、これまで対話によって危機を回避されてきた事例をお話くださり「対話には時代を変える力がある。目指すことを諦めない」と結ばれた言葉に希望をもちました。

2022年7月12日

オバマ元大統領が「音楽のプレーリストをつくるときにおじいちゃんに頼まないだろう。どうして自分の政治家を誰かに選ばせるんだい」と若者たちに話したという記事を読みました。市川房枝氏をはじめ先人たちの運動で、やっと手に入れた選挙権を無駄にしている人がこんなに多いとは…

今週の一枚は、『2022平和のための戦争展inよこはま』特別企画2のご案内です。祖国の平和を願うカテリーナさんのバンドゥ-ラ演奏、長崎で被爆された和田征子さんのお話も聞いて欲しいです。誰にとってもかけがえのない命を奪う武器を使用する必要が、どこにあるのでしょうか?
私たちには言葉があります。

2022年7月5日

あと二日で七夕ですね。子どもの頃、両親に隠れて弟と二人屋根に登って天の川を見たことを思い出します。その時、屋根から落ちた私は、空を飛んだようないい気持ちでした。ドスンと落ちで怪我をしたのですが、怪我の痛さより、お空を飛べた嬉しさを鮮明に覚えています。今週の一枚は、おまたせいたしておりました『宮城まり子さんとねむの木学園・第六回』のご案内です。この回では、まり子さんのお仕事の数々のご紹介にあたり、東宝株式会社からお借りした貴重な資料もご覧いただけます。たった一人の弟さんを亡くされた時のまり子さんの悲しみは、我がことのようにつらく感じます。

2022年6月28日

今週の一枚は、7月11日に磯子区公会堂ホールで行われる上映会~祖母が暮らす島の存続の危機を知った孫の翔平が、あることを始めて~「月を見上げる」のご案内です。ご紹介くださった早乙女智子氏(産婦人科医師)は、「日本社会は、対象物として女性を消費している。女性の身体がわいせつなのではない。見る人の目がわいせつなのである」と、市川房枝記念会女性と政治センターの講座で話されました。また、世界性の健康学会(人間の性の分野に関する学会、非営利組織(NGO)、専門家などによって構成された学際的かつ世界規模の集団)で言明している「性の権利宣言」もご紹介くださいました。

2022年6月21日

17日に行われました「市川房枝記念会女性と政治センター・市川プラザ第一回・私にとっての市川房枝」zoom講演は、無事に終えることが出来ました。お心にかけてくださった皆様、ご視聴くださいました皆様、ありがとうございました。なんとか重責をはたすことが出来ました。今週の一枚は、伊丹十三作「お葬式」の舞台で、大変お世話になりました左時枝さんと。バックの絵は、全て左さんの力作です。せめて写真はマスクを外しましょうと…。とても久しぶりだったのですが、あっという間に心はあの頃に戻りまして、お話の花もたくさん咲かせることが出来ました。

2022年6月14日

今週の一枚は、「権利の上に眠るな」の舞台写真です。時は、1977(昭和52)年、市川房枝(奥山眞佐子)が、婦選会館に就職した岡村菜穂子(小町さなえ)に女性参政権獲得までの話をする中で、当時、協力してくれた議員が作った「婦選節」を雑誌記者(小川雅巧)と歌う場面(当時は、女性を婦人と呼びました)♪ 国政は男ばかりじゃ丸くはゆかぬ、婦人の参政アノ急がねば、ヨイショ、義理も人情もわかりゃせぬ、岩戸マタ、神楽の昔より、チョイチョイ、チョイヤナ、チョイヤナ♪
17日(金)「市川プラザ」では、私がひとり芝居を始めた頃のお話から、お聞きいただこうと存じます。

2022年6月7日

私のところは梅雨入り宣言がありましので、今週の一枚は、ねむの木学園絵葉書カレンダー6月「なかむら かみと作:雨がふってきれいだな」にいたしました。先週ご紹介の「ピース」「アンネ」「カズエ」の平和のバラを横浜市新庁舎の一角にとの声があるそうです。生活の一部である市役所に、お花を見ながら平和について語り合う空間があったら素敵ですよね!来週の金曜日17日「市川プラザzoom講演」では、子どもの詩や、樋口一葉作「十三夜」の抜粋の朗読も少しお聞きいただこうと思っております。お楽しみになさってください。

2022年5月31日

「お姉ちゃんがお母さんに贈ったバラの花、こんなに花を咲かせたよ!」というメッセージと共に弟が送ってくれた写真が、今週の一枚です。母は旅立ってしまいましたが、このバラに励まされます。
横浜・港が見えるが丘公園のバラ園に咲く「ピース」は、1945年に戦争が終わって平和がよみがえった記念の花、「アンネ」は、戦争に反対し平和を願う心をこめた花、そして「カズエ」は、1977年9月厚木基地離陸直後に米軍機が墜落した横浜市青葉区(当時緑区)で命を奪われた林和枝さんと3歳と1歳の息子さんの無念を伝える花です。忘れてはいけないことをバラは、伝えてくれています。

2022年5月24日

今週の一枚は、市川房枝記念会女性と政治センター・市川プラザのご案内です。オンライン講座は、対面式と違ってお聞きくださる方の反応が感じられないのが不安です。が、今、女性が手にしている参政権の歴史をぜひお伝えしたいとの願いで紀伊國屋ホール公演「権利の上に眠るな~普選、婦選、そして18歳」に至ったこと。市川房枝役を演じましたことで、私がこれまでにない感覚を肌で知ったあれこれなどをお話しさせていただければと考えております。女性参政権を粘り強く求め続けられた市川さんの想いを少しでもお伝え出来れば幸いです。

2022年5月17日

今週の一枚は、第27回を迎える「2022平和のための戦争展inよこはま」のご案内です。77年前の戦争体験を語ってくださる皆様がご高齢になられて生のお声を聴くチャンスも少なくなりました。けれどだからこそ、語り継いでいかないとならない! 戦争のない穏やかな生活を守るためには、私達が持っている選挙の一票で決まるのだということを今一度、心に刻まなければ……と思います。今年の講演は、横浜生まれの五大路子さん。日吉台中学校演劇部の生徒たちの朗読劇にも、きっと心を打たれることだと思います。
ぜひ、お出かけください。

2022年5月10日

お天気に恵まれた8日は、ねむの木学園のこどものたちの絵(ポストカード)に刺激を受けた方々が制作してくださった額縁展を、かまくら駅前蔵書室・カマゾウが大船で行う・フナゾウイベントに参加して開催しました。宮城まり子さんと、ねむの木学園のことをお話して、親子ずれでいらしたお子さんに【まり子お母さんへ】の御本を声に出して読んでもらうことも出来ました。読み終えた小学2年生の男の子は「やさしい気持ちになったよ」と話してくれました。今週の一枚は、私が撮影したので、少々ピンボケでお恥ずかしいのですが、雰囲気は分っていただけるかしらと…。

2022年5月2日

「女性が政治に参加することの権利要求を行った」1930(昭和5)年4月27日と同日、紀伊國屋ホール内の換気・消毒の徹底、観客の皆様に入場時の検温、消毒、マスク着用をお願いしての「市川房枝生誕130年を前に★権利の上に眠るな★」は、大盛況で幕を下ろしました。ご観劇くださった皆様、お心にかけてくださった皆様ありがとうございました。残念ながらご入場いただけなかった皆様には大変申し訳なくお詫び申します。「選挙権に、こんな歴史があったなんて… 選挙権大切にします」との多くのご感想をいただき、市川房枝氏をはじめ多くの人々の苦闘をお伝えすることが出来ましたことを嬉しく存じます。

2022年4月26日

24日に開票された参議院選挙の投票率が29.98%と新聞で読んで驚きました。先人が苦労に苦労を重ねて手に入れた参政権なのに……投票に行かない人(権利の上に眠っている人)が、石川県には70%もいるなんて……なんと、なんと悲しいことでしょう。市川房枝さんがおっしゃっていた「政治は生活そのものであり、政治と台所の直結が重要」なのに… 今週の一枚は、女性たちが参政権を要求するための集会です。明日は、「市川房枝生誕130年を前に 権利の上に眠るな ~普選、婦選、そして18歳~」公演日。当日券をご購入予定の方には申し訳ないのですが……完売いたしましたことをご報告いたします。

2022年4月19日

1925年(大正14年)男子にだけ認められた「普通選挙法」と抱き合わせで、国に対する批判的なあらゆる活動が弾圧される「治安維持法」が成立しました。そんな中の4月19日、市川房枝さんを中心とする婦人団体は、『普通選挙は、まだ完成されていない。婦人参政権『婦選』が残っている。婦人の参政権なくして眞の普通選挙なし』という抗議の気持ちを込めて、婦人参政権のことを『婦選』と呼ぶこと、会の名前を「婦選獲得同盟」と決定しました。紀伊國屋ホール「権利の上に眠るな」4月27日(水)公演まで、残りわずか… 歴史の重みを感じながら稽古に励んでおります。

2022年4月12日

紀伊國屋ホール「権利の上に眠るな」4月27日(水)公演まで2週間となりました。
本日(4月12日)付けの東京新聞朝刊のメトロポリタン+(プラス)のページに公演のことが掲載されました。ぜひ、ご覧になってください。
大道具が組まれた稽古場は熱気があふれ、小二田茂幸さん作曲の音楽が時代の中で悩みもがく女性たちの姿を浮かび上がらせます。概ね市川房枝さんの自身の言葉が使われている台詞を、私が口にする時、ふと、不思議な感覚にとらわれています。

2022年4月5日

桜の花びらが風に舞いおどり、楽しさを競い合うような元気な鶯の声が聞こえて… 今年も酒宴は控えようとお花見ライブは中止させていただきますが、紀伊國屋ホール「権利の上に眠るな」4月27日(水)公演におでかけ頂きたいと存じます。1946年、日本女性が参政権を手に入れた記念として建てられた新宿の「婦選会館」に公演関係者が集まり、熱気あふれる稽古を重ねております。残り席も少なくなってまいりましたので、お早めにお申し込みください。今週の一枚は、吉川久子さんのフルートコンサートのご案内です。やさしい穏やかな子守歌は、きっと心を癒してくれることと存じます。

2022年3月29日

今週の一枚は、弟が送ってくれた早朝の故郷の桜です。中学生の頃にランニングをした場所でもあり、石川啄木の「不来方(こずかた)のお城の草に寝転びて空に吸はれし15の心」を思います。夢と希望に溢れ、思いは叶うと信じていたあの頃… まるで心臓が口から飛び出すかと思う程の高鳴りと共に紀伊國屋ホールの舞台を観ました。その劇場で「権利の上に眠るな」の舞台に立つ日が目の前に迫っています。女性参政権獲得のために、ひたすらに歩み続けた市川房枝さんの姿をお伝えできるように全力投球しています。朝日新聞・論座もお読みいただけましたら嬉しいです。

2022年3月22日

今週の一枚は、市川房枝さんと、箏奏者の内藤眞代さんとの3ショット。スタジオMでの打ち合わせ後の写真です。市川房枝さん、基督教矯風会の久布白落実さん、初代会長・矢嶋楫子さん、YWCAの創立者・津田梅子さん、加藤シズエさん、与謝野晶子さんらを中心に全国から600名余が集まって開催された「第一回全日本婦選大会」は1930年4月27日。2022年の同じ日「権利の上に眠るな」公演です。この公演のことが、朝日新聞・論座に掲載されました。ここに、上演会発起人の大森真紀さんの思い、公演までの過程が記されています。ご一読いただければ嬉しいです。

2022年3月15日

今週の一枚は、私の舞台の音楽を担当してくださっている大久保スタジオM小二田茂幸さんと、オーストラリア国籍で日本在住のISABELLE KAWAI VINCENTさんとの共同企画『TALK TO ME』のご案内です。ギター:小二田茂幸、箏:内藤眞代、篠笛:松尾慧、ボーカル:比香衣理の音楽空間で、ISABELLEの魅力的な書の表現をお楽しみいただきたいと存じます。国際化に伴って発生するこころの問題に対して、無料電話相談、カウンセリングやサポートの提供をめざして1973年に日本で設立されたTELL(東京英語いのちの電話)への協力にもなるそうです

2022年3月8日

本日は、ジェンダー平等を目指す日として国連が制定した国際女性デー。93年前女性に参政権があったのは、25ヵ国だけした。その当時、日本では女性のことを婦人と呼んでいました。市川房枝氏は、婦人の切実な願いを政治に反映させていくために参政権が必要であり、この参政権を手に入れることが世の中を開く鍵であり「婦選は鍵なり」と訴えました。今週の一枚は、オンライン講座のご案内です。紀伊國屋ホール公演「市川房枝生誕130年を前に~権利の上に眠るな」は、日本女性が政治に参加するまでの道のりを実感していただける公演です。お申し込み、お待ちいたしております。

2022年3月1日

本日3月1日より紀伊國屋ホール公演「市川房枝生誕130年を前に~権利の上に眠るな」前売りチケットの販売が始まります。私は、市川房枝役を仰せつかりました。物語は、明治11年、高知県上町町議会選挙会場での楠瀬喜多さんが「女だから投票できないなんておかしいじゃありませんか?」から始まります。時代の変化と共に与謝野晶子平塚らいてう市川房枝金子みすゞ山田わか久布白落実らが、「女も一人の人間です」と訴え続ける新たな発見が出来る作品だと存じます。お問合せ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2022年2月22日

今週の一枚は、新宿紀伊国屋書店内をはじめ、あちこちに掲載されるポスターです。今から77年前の1945年太平洋戦争が終わった10日後、市川房枝さんは、基督教婦人矯風会の久布白落実さんや、赤毛のアン翻訳者・村岡花子さんらと共に「戦後対策婦人委員会」を結成して民主主義日本の再建を話し合い「婦人参政権の要求、男子と同等の権利の要求の申し合わせ案」を作成しました。これにより10月9日の幣原内閣の初閣議で婦人参政権が決定しました。写真は、市川房枝記念会女性と政治センターの提供です。お問合せ欄からの公演のお申し込み、お待ちいたしています。

2022年2月15日

今週の一枚は、4月27日(水)「市川房枝生誕130年を前に・権利の上に眠るな~普選、婦選、そして18歳」紀伊國屋ホール公演の集合写真です。雪になるという寒さの中、集まっていただいて、マスクを着けて十分な間隔をとっての顔合わせ、読み合わせの後、舞台監督の稲元さんが撮影してくださいました。先週、ご紹介の三條さんはご欠席でしたが、個性あふれる皆さまと、ご一緒に舞台を創り上げられる喜びでいっぱいです。とにもかくにもコロナに感染しないように十分に注意して個別の稽古を重ねてまいります。
皆様も、コロナにかからないでくださいね!

2022年2月8日

今週の一枚は、私の存じ上げている最高齢の女優・三條三輪さんのスナップです。紀伊國屋ホールで4月27日(水)公演の「市川房枝生誕130前に・権利の上に眠るな~普選、婦選、18歳~」に出演なさいます。
三條さんは、現役の医師であり、劇団「虹企画」主宰者で、脚本も手がけられます。医学で人間の肉体を、演劇では人間の精神を追求…人間とは何かを問い続けられて今年97歳になられます。三條さんのお母様も内科医の医師で、市川房枝さんともお親しかった御縁もある方です。時代を体現なさっている方と同じ舞台に立てることを嬉しく思います。

2022年2月1日

今週の一枚は、ねむの木学園のありがしんや作「お庭の石ころ」の絵に刺激を受けた【流木 鎌倉島】カーネル・原嶋氏制作の額縁とのコラボ作品です。
ねむの木学園の子どもたちの魅力的な絵を、より多くの皆さんにご覧いただこうと…… お声がけして唯一無二の額縁に納められた展覧会を2月11日に大船「フナゾウ」でと準備いたしてまいりました。けっして器用とはいえない私も一生懸命に創りました… が、現在のコロナ禍を鑑み、とても残念ですが中止といたします。状況が落ち着きましたら改めてご案内させていただきます。マスク、手洗い、うがいで、なんとか乗り切ってまいりましょう!

2022年1月25日

今週の一枚は、石鹸を素材に制作されたソープカービング《満月の夜に(桜)》です。赤とチョコレート色で表現されている《あこがれ》と題された作品と共に、最新の花美術館76号〔知的な構図と造形的動勢 伊藤信江〕のタイトルで掲載されています。カービングという言葉さえ知らなかった私が、伊藤信江さんとの偶然の出会いを得てカービングの世界を知りました。人との出会いは、「知」に繋がり「喜び」に繋がり「智」に繋がり、想像の世界が広がります。その出会いを制限されている現在の状況…… 新型コロナ禍の早期収束を祈りながら空を見上げています。

2022年1月18日

16日は、マスク着用、換気対策、距離の確保など十分な感染対策のうえ「まり子おかあさんへ」連読会が開催されました。今週の一枚が表紙です。この本に、としみつ君つとむ君がまり子おかあさんに送った手紙と、そのお返事が詰まっています。ご参加くださった10歳の坊やから最高齢は82歳の皆さんに子どもたちの手紙を読んでいただいて、私が、そのお返事を読むので『連読会』と命名しました。最初は照れくさそうでいらしたのですが、お帰りの時は、皆さんお顔がほころんで「とても楽しかった!」と喜んでくださって…… 嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

2022年1月11日

新しい年を希望と共に船出したものの、またもや… けれど16日(日)は、マスク着用、換気対策、距離を確保するなどの感染対策をとって用心して、ご依頼いただいた「まり子おかあさんへ」の連読会を行います。
 今週の一枚は、アルテミス・ジスモンディ作「山の中にお家を作った話」ねむの木学園卓上カレンダー1月の絵です。そして「宮後まり子さんとねむの木学園」第五回の配信が始まりました。今回は、まり子さんの歴史をまり子さん自身が主演する芸術座公演「まり子自叙伝」が日本初のロングラン公演になるまでのお話です。ご覧になってください。

2022年1月4日

あけましておめでとうございます。今年最初の一枚は、知人から届きました初日の出です。皆様の笑顔があふれ「幸多き」一年になりますように……。
「宮城まり子さんとねむの木学園」YouTube配信も随時、重ねてまいります。今年は樋口一葉生誕150年。10月29日(土)には三越劇場「樋口一葉の世界2022奥山眞佐子ひとり芝居」をご覧いただこうと存じます。また、4月27日(水)には、紀伊國屋ホール公演「市川房枝生誕130年を前に…」にも出演いたします。コロナの収束を祈りながら… 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2021年12月28日

新型コロナウイルスに翻弄されながら2021年も終わりです。本年も日々雑感をお読み頂ましてありがとうございました。今年最後の一枚は、佐々波雅子氏の絵です。まり子さんが浅草演芸場で弟の宮城秀雄さんのドラム演奏で歌って…「宮城まり子さんとねむの木学園 第4回音楽で生きていこう」の映像の中に出てまいります。この作品には、書家の志龍氏の渾身の書、まり子さんの思いが込められ絵も登場いたします。また、来年の「樋口一葉の世界2022奥山眞佐子ひとり芝居」三越劇場公演準備も進めております。
どうぞ、みなさま、良いお年をお迎えくださいませ。

2021年12月21日

今週の一枚は、日本女性に選挙権がなかった時代、市川房枝さんが「与えよ一票婦人にも」と訴えている姿。1925年12月には、アリス・ポール女史(米国の婦人参政権を獲得するために活動された人)の数々の運動を構成した原案を書かれて、ご自身も演技者のひとりとして舞台に立たれた市川さんの年譜を読んでいましたら、1979年の12月21日、すべての人々の平和と幸せのために人形劇を続けている「人形劇団プークの創立50周年記念祝賀会で発起人代表挨拶・市川房枝」を見つけました。
*この頃は、女性のことを婦人と呼んでいました。

2021年12月14日

今週の一枚は、劇団仲間公演「森は生きている」のご案内です。この作品は1959年(昭和34年)が初演で、毎年公演を重ねて今年で62年目。上演回数は2,100回を超えています。私も子どもの頃に、家族みんなで一緒に観たお芝居で、毎年この時期になると、森の中で焚火を囲む精霊たちの歌を弟と一緒に歌ったことを思い出します。そして今でも、山の中に住んでいるだろう精霊たちのことを想像するとウキウキしたり、心配したり……。今は、三世代の家族が一緒に夢中になれる舞台が少ないので、是非、ご覧いただきたいと思います。

2021年12月7日

今年の7月から「かまくら駅前蔵書室」で毎月重ねてまいりました「宮城まり子さんとねむの木学園を語る会」最終日12月4日は、子どもたちの素直な心が綴られたお手紙にまり子さんのお返事が添えられている御本「まり子おかあさんへ」を参加者全員で連読いたしました。そしてこれまでに集まったご寄付を「ねむの木学園」へのクリスマスプレゼントにお送りいたしました。今週の一枚は、市川房枝記念会女性と政治センターのオンライン講座「子ども・子育て支援の課題」のご案内です。子どもたちが、明るく伸び伸びと成長できる社会を作るのは、選挙権をもつ者の大切なお役目だと……。

2021年11月30日

11月も終わりですね。今週の一枚は、山梨県甲府市の風の冷たさが伝わってくる小瀬スポーツ公園の紅葉です。実家に帰れない私のために弟が送ってくれました。このところ新型コロナウイルス感染者の数も減ってきましたがマスク、消毒、手洗励行に気を抜かないようご注意ください。12月4日(土)10時、かまくら駅前蔵書室で、心温まるやさしい心葉が溢れている「まり子おかあさんへ」を読む会がございます。皆さんで順番に読むことで楽しいひとときが過ごせますように。お申し込みは050-3550-9493(蔵書室)お願いいたします。

2021年11月24日

昨日23日、樋口一葉さんのご法要を行ってまいりました。コロナウイルス蔓延拡大を配慮して2年続きでひっそりとしたものでした。来年こそ、塩山と甲府での「お誕生を祝う会」も三越劇場公演「樋口一葉の世界・奥山眞佐子ひとり芝居」も開催出来ますようにと手を合わせました。静岡県文化財団の主催、静岡県教育委員会の後援で「ねむの木学園のこどもたちコンサート」がございます。チケットは完売なのですが、学園のこどもたちがステージで、まり子おかあさんからおそわった心で歌ってダンスをして頑張っていることをお伝えしたいと存じまして、今週の一枚にいたしました。

2021年11月16日

とても久しぶりに、10代~70代という幅広い年代の14人の俳優、オーケストラ(映像)と共に舞台に立つことになりました。2003年結成のStudio saltに客演としての参加です。タイトル「2メートル2021」私のお役は、中学の時に煙草を吸って麻雀やって…不良だった中卒の姉御。舞台でも映画でもTVドラマでも、まったく経験がない役柄で、驚くほどの衣裳なのです。その上、コロナ対策のために口元は不織布マスクで覆われ、第九の合唱もあるという挑戦に次ぐ挑戦の舞台。チラシやチケット予約もネットのみだそうです。こちらをクリックしてください。

2021年11月9日

今週の1枚は、TOHOシネマズで12日から全国公開される「信虎」での出演シーンです。お役は勝頼の外祖母。このあと自決するのですが… 京都の撮影で戦国時代の女性の作法を学びながら人は何のために争うのか……と、命の尊さを考えずにはいられませんでした。
7日に開催いたしました「宮城まり子さんの会」には、年齢も職業も住む処も違う男女がお集まりくださり、まり子さんが向き合う相手を信じきる姿への感動や、今の自分に何が出来るかとのお話など満開の花が咲きました。最後に「やさしくね。やさしくね。やさしいことは強いのよ」のまり子さんの愛言葉を合唱して幕を閉じました。

2021年11月2日

衆議院議員選挙結果報道を聞くにつけ思います。長年の納税要件が撤廃されて、日本男性が参政権を得て96年、日本女性が参政権を得て76年。その投票率が55.93%とは… せっかく先人が苦労して手に入れてくださった政治に参加できる権利を放棄するなんてもったいない。もし、どうせ変わらない信頼できる政党や候補者がいなかいと思う44.07%の人が、白票を投票したら…どうなるかしら? 7日(日)の宮城まり子さんの会は「HELLO KIDS!」米国のハーレムに暮らす子ども達と、ねむの木学園の子ども達との交流が描かれた作品です。カマゾウにお申し込みください。

2021年10月26日

1878年(明治11)『女は投票できない』と追い払われた楠瀬喜多氏は、『税金を納める義務を果たしている以上、選挙の権利があるはず』と訴え続けながら84歳で亡くなりました。『女性は政治の集会に行くことも政治の話をすることも集まることも禁止する』という法律がありました。これを改正するために、市川房枝氏をはじめとする多くの女性が団結して1922年『女性が政治の演説を聴いたり会合を主催する権利』を手にしました。そして1945年10月10日日本女性は自らの手によって政治に参加する権利・参政権を手にしたのです。多くの先人たちの涙と汗と行動の賜物が選挙権です。大切に大切にして欲しいと思います。

2021年10月19日

昨夜、顔を出してくれた十三夜さん。月が人生を見つめる神や仏の視線として位置付けられている樋口一葉小説「十三夜」の「お関」の台詞が口をついて出てきます。コロナが徐々に収まりつつあるものの……12年目の三越劇場公演「樋口一葉の世界・奥山眞佐子ひとり芝居」はお休みです。来年をお楽しみになさってください。
今週の一枚は、高知市のクララガーデンで10月21日~26日開催される帽子作家・山本正子氏のポストカードです。お近くの方は、是非お出かけいただいて、チャーミングな正子さんの素敵なお帽子のお話を聞いて欲しいと思います。

2021年10月12日

武田信玄生誕500年の今年に公開される「映画・信虎」が今週の一枚です。10月22日(金)TOHOシネマズ甲府で先行公開され、11月12日(金)からはTOHOシネマズ日本橋にて全国公開がはじまります。私は「勝頼の外祖母・大方」のお役で出演いたしました。撮影現場のテントの中で、金子修介監督とご一緒に昼食のお弁当をいただきながらのお話、自決の方法の指導を受け「死」と直面した時の心臓の鼓動……感情を表に出さないように眉を消されていた時代の女性の苦しみ……主に従って、心ならずも自決を選ばなければならなかった人々の歴史を経て現在があるのだと感慨深いものがあります。

2021年10月5日

目の不自由な人の道標「点字ブロック」が日本から世界に広がったことを知りました。岡山市の旅館経営者で発明家でもある三宅精一氏が、失明した友人の歩行に手を貸しながら、話を聞きながら考え出されたのが始まりで、1967年盲学校近くの交差点に寄贈され、全国に、世界に広がり、弱視の人が見分けられるように黄色改良されて、今は、突起の形や寸法の異なるブロックの統一が急がれているとのことです。思いやりの心からから生まれて視覚障碍者のみなさんの命綱に……。点字ブロックの上に立ち止まることをしないように、自転車、看板、荷物などを置かないようにと!!

2021年9月28日

樋口一葉作品の前に「おとなってなに?」というタイトルで子どもの詩を構成したひとり芝居公演を東京と名古屋で9年間行いました。その時からの知人・鶴田夫妻(エコブランチ)が御本を出版なさいました。ご賛同者のおひとり薄皮饅頭の柏屋さんは、昭和33年からお店のウインドゥに子どもの詩を紹介する『青い窓』を…。これに刺激を受けて活動をはじめられた方に会いにロサンゼルスへ取材に伺ったのも懐かしい思い出です。未来の子どもたちに、豊かな地球が手渡せますよう、手から手へ、人から人へ繋がり広がってゆきますようにとの願いが込められた御本のご紹介が、今週の一枚です。

2021年9月21日

今週の一枚は、深川江戸資料館の協力を得て、江東区の方針および財団ガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の上、例年通り開催される「座☆吉祥天女・おたふく物語」のご案内です。鈴木龍男演出で、おっちょこちょいの姉、しっかり者の妹を、劇団を立ち上げた井口貴子と高橋典子が演じます。
宮城まり子さんの活動を観る会v ol.4「HELLO KIDS!」は10月1日(金)。ニューヨークのハーレムの子どもたちと、ねむの木の子どもたちとの出会いがきっかけとなってダンスを通じて生まれた友情が描かれた美しい作品です。カマゾウにお申し込みください。

2021年9月14日

「宮城まり子さんとねむの木学園~まり子さんのお仕事」の配信がはじまりました。まり子さんの子どもの頃、舞台や取材先でのお姿、昭和33年初主演「まり子自叙伝」プログラム(東宝株式会社演劇部提供)そして婦人公論のお仕事で、特殊学級の教室を訪れた時に感じられた文章もお伝えしています。先週ご紹介の瀬山紀子氏「……社会を問う障害女性からの視座」では「障害がある人を分け隔ててきた様々な制度や社会的障壁によって障害がある人と出会えなくされている……街も社会制度も法律も、障害がある人が当たり前に暮らし働き生きることを前提にしていない……」のお話に『数々の気づき』をいただきました。

2021年9月7日

かまくら駅前蔵書室で、宮城まり子監督作品「虹をかける子どもたち」を観て「ねむの木学園の子どもたち」が描いた数々の絵に心を奪われた皆さんと、お話の花を咲かせることが出来ました。また、YouTube「まり子さんとガード下の靴みがき」へのご感想もたくさんいただきましてありがとうございます。今週の一枚は、「健常者・男性中心社会を問う障害女性からの視座」がテーマの市川房枝記念会女性と政治センターオンライン講座のご案内です。いつでも、どこでも、誰もが自然に助け合えるやさしい心に溢れる社会へもう一歩前進を!

2021年8月31日

「NHK再放送・あぐりをみていたら奥山さんが…」と驚くほど多くの皆さんからお便りをいただきました。時は太平洋戦争末期。パーマネント機を国に供出した「あぐり美容院」に私が演じる「江口俊子」が、姑にパーマネントをかけて欲しいと訪ねます。そして、あぐりさんが我が家に来てくださって……みんなが笑顔に! 暗い戦争中のささやかな幸せの場面です。9月4日は「虹をかける子どもたち」を観る会。みなさんと宮城まり子さんのお話ができるのが楽しみです。また、私が語る「まり子さんとガード下の靴みがき」の配信も始まりました。ご覧になってください。

2021年8月24日

今週の一枚は、同郷の大森かほる著「女たちの模索の時代」表紙です。『……敗戦の翌年1946年、家業の農家を手伝っていた私は、この年の正月に満20歳となり4月10日の総選挙を迎えた。字の書けなかった祖母は必死になって候補者名を習い覚え、母と3人で投票に臨んだあの感動は生涯忘れることはできない。祖母は「生まれてはじめて一人前として通じた日だ」としみじみとつぶやいた。……投票率は全国で72.08%』日本で初めて女性が選挙権を手にした喜びが伝わって『選挙権は命を守る宝』と改めて教えられました。

2021年8月17日

オープニングの映像も音楽も新たに「宮城まり子さんとねむの木学園」第一回配信を開始いたしました。ご覧ください。
8月は慰霊の月。78年前、今年のオリンピックメイン会場の場所で、約25,000名の学徒出陣壮行会が行われ…… 佐世保では、まり子さんが白もんぺにセーラー服姿で、明日は死んでしまうかもしれない兵隊さんのために、今だけでも少しはと、一生懸命に歌われて……。
現在、東京大学赤門前「わだつみのこえ記念館」では、征きて還らぬ戦没学生の手記を展示して、平和をつなぐために悲劇を繰り返さない誓いを伝えています。コロナ収束後には、是非おでかけください。

2021年8月10日

コロナ対策を行って開催した宮城まり子監督作品「ねむの木の詩がきこえる」上映会では、年齢も暮らし方も違う人々が、同じ映画を見て語り合うことの喜びがありました。これも平和だからこそ……。でも76年前の8月9日は長崎に原爆が落とされて苦しんでいた人々が…。当時、まり子さんは父親と二人で、佐世保駅のホームに着いた貨車の中の全身が焼けただれ、顔がパンパンに腫れあがった大勢の被害者の「水…水…」の声に応えるように、バケツに汲んだ水を手ですくって飲ませてさしあげた経験をおもちです。
 “やさしくね やさしくね やさしいことはつよいのよ”と、噛みしめて、お空を見上げました。

2021年8月3日

今週の一枚は、連続5年目となります甲府市教育委員会主催「奥山眞佐子ワークショップ」のチラシです。新型コロナウイルス感染予防のため参加型ではありませんが皆様に心の休まるひと時をと… 春から、ご担当の方々がご準備くださり、チラシ、ポスターの配布、甲府市ホームページでのご案内、各家庭に配布の甲府市広報にも発表された私の朗読会。今年は「経づくえ」をお聞きただこうと準備しておりました。けれど……「今回の緊急事態宣言により事業は中止という結論が…」と、辛いお声でのご連絡を受けました。とても残念な気持ちでいっぱいです。

2021年7月27日

今回の「盲導犬くらぶ」の会報には、「今、コロナ禍で外に出かけられないことがどんなに不自由で不安なことか、私たちは思い知らされています。しかし、コロナ禍よりずっと前から、そうした思いを抱えてきた人たちがいることをご存知でしょうか……」と訴えかけています。
心身に障害のある子ども達と、この仕事に携わるすべてのお友達に宮城まり子さんが捧げた映画「ねむの木の詩が聞こえる」の上映会は8月2日(月)午後6時から行います。かまくら駅前蔵書室にお申し込みください。
だれひとりも取り残さない社会を実現。その支えとなるのは、一人ひとりのやさしい心……。

2021年7月20日

今週の一枚は、女性展望7-8月の表紙です。今回の特集は、「コロナ禍が問いかけるもの」元千葉県知事の堂本暁子氏は、戦後、就任した360人の知事のうち女性はわずか7人。最近発表されたジェンダーギャップ指数は156ヵ国中、日本は120位の低さと。ジャーナリストの松元ちえ氏は、制度が必要な人に立ちはだかる障壁は厚く、制度にたどり着くまでの困難が……と語られています。一部試し読みできますのでクリックしてお読みください。また、市川房枝記念会7月セミナーで放映された「日本と再生 光と風のギガワット作戦」は、自然との共存への夢が広がる映画でした。

2021年7月13日

「誕生花の本」7月13日の頁に『草の花』とありました。花占いに、草は根を地面にたらし、なにごとにも控えめですが世の中をよく知っている。現実的で野生の香りが高く、真に知的で絶対くじけることはない「草うつむいて百を知る」と。明治29年同日一葉さんの日記には『父君寺参りを……国子(妹)と二人、新しくつくりたる単衣ものの着初めなり』と。作家として名を知られるようになり、新しい着物も仕立てて、これからという24歳。まさかこの数か月後に、この世から、離れる時が来るとは……。
朝露の儚さを思い、今を大切にと心に刻む今日です。

2021年7月6日

まり子さんが「子どもたちのお家と学びの園」を建てる場所を決めた日を記念して行いました「ねむの木の詩」上映会は、笑いと涙で終了しました。この作品は、国立映画アーカイブに於いて、8月4日と、8月29日にも上映されます。お出かけが難しい方には、「ねむの木学園」通信販売でDVDをお求めになれます。登場する47人の園児の一人、日出俊君の父親は、広島で原子爆弾をうけた上、ビキニの水爆実験の中を船乗りとして航行して… 子どもたちが抱えるハンディは自分が決めたことじゃない。「でも頑張って」と声援するまり子さんに答える子どもたちの笑顔、笑顔、笑顔……。是非、ご覧になってください。

2021年6月29日

私の敬愛する宮城まり子さんが、「全ての子どもには、教育を受ける権利があるはず」と考えはじめて学び続けて10年目の1965年。今から56年前の7月5日「子どもたちのお家と学びの園」を建てる場所を静岡県浜岡町に決めました。その同じ日、曜日も同じ月曜日の18時からまり子さんの第一回監督作品『ねむの木の詩』をご一緒に鑑賞したいと存じます。この映画には『全ての肢体不自由の子どもたちに、もっと強く、そして幸せに生きて欲しい』という願いが込められています。場所は、鎌倉駅近くの「かまくら駅前蔵書室」です。コロナ対策の為、ご予約の方のみでお願いいたします。

2021年6月22日

今週の一枚は、県立神奈川近代文学館で行われている「生誕90年 三浦哲郎展」のチラシです。昭和36年第44回芥川賞を受賞した「忍ぶ川」の舞台になったお店が駒込にありました。そこは、私の学び舎・新劇人クラブ・マールイのあった本郷通りの先でした。若き日の私は、お店の前を行ったり来たりしただけで入る勇気がありませんでした。在りし日の三浦氏の肉声で「自分の中の鉛筆の芯を削って文章を書いている。痛くはないけれど、辛い。」「自分は、早く亡くなってしまった人の思いを伝える……これが仕事」を聞き、私の胸は強い鼓動を打ちました。

2021年6月15日

先週ご案内の「素敵な出逢いフェスティバル」を、お心にかけてくださった皆様ありがとうございました。残念ながら延期となりましたが、自閉症、ダウン症、知的ハンディのあるパフォーマーの皆さんは、来る公演日に向かって頑張っていらっしゃいます。今週の一枚は、2本のねむの木。宮城まり子さんが、ご覧になったものとは違いますが、願っても叶わないと思っていた「ねむの木の……それも満開」に出会えた喜びでいっぱいです。中原中也の詩を語る浜辺での撮影日、お月様が顔を出してくださるようにと願いをこめて、テルテル坊主を作ります。

2021年6月8日

13日の日曜日、かながわアートホールで、「素敵な出逢いフェスティバル」と題された、自閉症、ダウン症、知的ハンディのあるパフォーマーの皆さんのコンサートと演劇「凛と生きる」が、感染予防対策をしっかり、とられて開催されます。美術と衣裳は、わだかよさん。只今、制作中の「宮城まり子さんとねむの木学園」(全16回予定)に挿し絵のご協力をいただいている方です。今週の一枚は、伊藤好江さんコーディネートの衣裳で、メイクの田島有紀さんに、お直しをしていただている撮影スナップ。アップまでに、もう暫くかかりそうです。お待ちになってください。

2021年6月1日

「平和のための戦争展inよこはま」30日は、「核のない世界を」がテーマ。以前、演劇指導に伺いました桐蔭学園演劇部の生徒たちの朗読劇からスタートして、和田征子氏は長崎で被爆された当時のお話を。山田寿則氏は「核兵器禁止条約」までの道のりと「条約の普遍化についての課題」のお話を。地雷廃絶の活動を24年間続けられてきた目加田説子氏は、誰一人取り残さないSDGsの実現についてとESG投資についてのお話でした。今週の一枚は、「アムネスティ・インターナショナルによせて」のコメントがつけられた谷川俊太郎氏の「歩くうた」にいたしました。

2021年5月25日

1945年(昭和20年)5月29日、アメリカ軍の無差別爆撃を受けた横浜で、「平和のための戦争展inよこはま」第26回が開催されました。私は、名古屋名鉄ホールの舞台でご一緒した高橋長英氏のご紹介で、この会との御縁をいただき、2018年にサーロー節子氏のノーベル平和賞受賞式メツセージ、中沢啓治氏の「はだしのゲンはピカドンを忘れない」を朗読いたしました。今年は、横浜生まれの田中優子氏「江戸から見る」の講演をお聞きして知らなかったことを知った喜びで溢れました。30日は、目加田説子氏の講演がございます。是非お出かけください。

2021年5月18日

明治28年1月に「たけくらべ」の連載を開始した樋口一葉は、126年前の今日、神田の基督教青年会館で、オーケストラの演奏、独奏、声楽を初めて聞いて、胸がつぶれるようだったと。14日には、妹と二人で本郷の寄席に行って年若い女義太夫の語りを聞いて、その熱意に情(こころ)をうごかされたと。けれど、衣替えをしなければならないのに、夏の着物の殆どは伊勢屋(質屋)に入って、手元のお金は一円足らずの状態と。そして「世はすべて夢也」と記されています。今週の一枚は、女性展望5-6の表紙です。早く今の不自由さから解放されたいですね。

2021年5月11日

初めて、色と遊ぶ・心がぽかぽかになる・パステル講座に参加しました。マスクをつけて、透明の壁に仕切られて、十分な距離を保って、色と向き合いました。母親と12歳の少女、出産を控えた女性、お孫さんの話題になりそうな年配のご婦人など、環境の違う初対面の皆さんと同席で講座が始まりました。優しさに溢れた、『わだかよ先生』のご丁寧なご指導に従い、パステルを削り… 削った色を画用紙にのせて… その色の上に、また別な色をのせて……。思いがけない色が浮かびあがってきた時、心の中で叫び声をあげました。そして完成しましたのが今週の一枚です。

2021年4月27日

今週の一枚は、先日行われた「宮城まり子さんとねむの木学園」撮影のスナップです。ユーチュウブ第三回の配信は、もう暫くお待ちください。まり子さんは、日本中の養護施設の子どもたちのために勇気を出して総理大臣にお願いに行かれたことがあります。「他人のためだから勇気が出たのです……なのに、知らない人に〈イクラ、モラッタ〉と怒鳴られて〈オレンチノタメニ、イカネーヤ〉と怒鳴りたかったが、小さい声で呟き、がまんして、うつむいて…このようなこと、どのくらいあるかしら…つらかった。」とおっしゃいます。なぜ人は、人を傷つける言葉を叫ぶのでしょうか? 悲しくて辛いです。

2021年4月20日

今週の一枚は、現在の演劇界で最高齢……と考えられる新劇女優で演出家の三條三輪氏の舞台直後の写真です。三條氏はテネシィ・ウイリアムズに打ち込み、テネシィの心を追い求め、その作品上演を続けていらっしゃいます。演技者として自分のすべて、暗部までをさらけだして、演じる度に魂を吸い取られるようだとも……。今回は、テネシィが地獄にたとえたアメリカ南部の小さな田舎町での人種差別問題がテーマの「地獄のオルフェイス」で、レディー・トーランスを演じられたのですが、90代とは思えないそのしなやかさと迫力に驚き感動いたしました。

2021年4月13日

今週の一枚は、昭和33年の日比谷芸術座公演「まり子自叙伝」のプログラムの表紙です。ここに、東宝株式会社演劇担当取締役の菊田一夫先生が「自叙伝と云えば、自らが、自らの人生にあった出来事を綴る筈のものでございますから、実際には宮城まり子自身が書かねばならないところを……まり子は、おこがましい、私みたいなものの人生を語ってひとさまに観せるなんて…と、申しましたので、代わって私が書きました。だから、これは正確に云えば、『まり子他叙伝』とも云うべき作品でございましょう」と書かれた宮城まり子主演、菊田一夫演出の舞台は、日本で初めてのロングラン公演となりました。

2021年4月6日

4月の声を聴き、アッという間に八重の桜、チュウリップ、あやめ、ツツジ、藤と本当に花盛りですね。
美しく咲き乱れる花をみるにつけ、母とのなにげない会話やしぐさを思い出します。平成29年の今日、満開の桜の花びらが風に吹かれて舞うように、愛する母が旅立ちました。「孝行したい時に親はなし」の言葉を発する後悔をしないようにと思いながら日々を暮していたつもりですが、あの時、ああも出来たのでは…こうも出来たのでは……と。母の口癖「過去は亡き也。明日をみよ」を心に刻んでも、なかなかそうはいきません。

2021年3月30日

1969年の今日、パリの路上で、30歳の女性フランシーヌ・ルコントが、ビアフラ餓死で死んでゆく子どもたちの写真を身につけて焼身自殺したことを題材にした「フランシーヌの場合」という歌があります。そして、樋口一葉は1893年の今日「我が家貧困迫りて、今は何方より金かり出すべき道もなし…仮に10年後に名声が上がったとしても、それまでの衣食が無くてはどうして生きていけますか」と母親の言葉に苦悩する日記を書いています。残念ですが「朗読とランチと一葉桜のお花見会」は、今年も中止せざるを得ません。せめて桜の美しい微笑みで……

2021年3月23日

新型コロナ緊急事態宣言は解除されましたがまだまだ注意が必要… 残念ですが『樋口一葉さんのお誕生を祝う会』は今年も中止いたします。今週の一枚は、有吉佐和子作・演出『香華』の舞台写真。若かりし頃の私。有島一郎さんも山田五十鈴先生も日比谷芸術座の名前もなくなって生きているのは私だけ……。「宮城まり子さんのこと」第2回(ここをクリックしてくださればご覧いただけます)は、まり子さんのお誕生日でご命日の21日にYouTubeにアップされました。第二次世界大戦が終わって10年経った1955年(昭和30年)のお話です。

2021年3月16日

今週の一枚『なにかが生まれる日』が出版された13年前、私は、横浜相鉄本多劇場で、樋口一葉ひとり芝居「この子」「軒もる月」を公演しました。演奏は、クラッシック界ではごく限られた演奏家にしか出来ない「インプロヴィゼーション(即興演奏)」を取り入れたハープ奏者として世界中で演奏活動をなさっている池田千鶴子氏。池田さんは、東日本大震災が起こった当時から被災地の皆さんの心に寄り添われた演奏会を継続してこられています。今年は、コロナ禍で被災地に行けないのでと、配信演奏を行われました。〈コロナ禍〉の祈り……お聞きください。

2021年3月9日

国連が定める国際女性デーの翌日の今日、お待たせいたしておりました「宮城まり子さんとねむの木学園」(10回シリーズ)の第1回がアップされました。ご覧になってください。3月中には、2回目もアップできると思います。チャンネル登録をいただければ嬉しいです。
今週の一枚は、の村井良太氏の新刊の表紙です。「市川房枝没後40周年を記念し、一年遅れではあるが、日本の国民参政130周年、完全普選75周年を祝う。それがまた一つのスタートとなることを祈って…新型コロナウイルス禍の中で人類の自由と連携を思って」と締めくくられています。

2021年3月2日

3月の声を聴き、梅も桜も咲き綻び、温かい雨の音が聞こえます。今週の1枚は、ねむの木学園の運動会で、まり子さんと撮影した写真です。2月中には「宮城まり子さんとねむの木学園」第1回をアップしたいと準備を進めておりましたが… 新型コロナウイルスによる外出自粛要請も続くなか思うように進みません。もう暫くお待たせしそうな…… ごめんなさい。…… 7日(日)午後5時から放送のTBS『所さん お届けモノです!』には、40年来の友人の加藤金治さん「三味線かとう」出演との知らせが届きました。ご覧になってください。

2021年2月24日

火曜日は天皇誕生日の休日でしたので2月最後の日々雑感は本日に。 「宮城まり子さんとねむの木学園」番組づくりのなかで、マリア・モンテッソーリに出会いました。マリアさんは、一葉さんが夭逝した明治29年にイタリア初の女性の医学博士号を取得。しかし女性が医師になることに否定的な医学界で随分とご苦労されながら「子供全体の発達に焦点を当てた教育的アプローチ」を今に伝えた人。制作中の「宮城まり子さん…」のユーチュウブへのアップは、もう暫くお待ちください。今週は、10年後を夢見る少女(新型コロナ発生前指導風景)をご覧になってください。

2021年2月16日

今週の一枚は、市川房枝記念会女性と政治センター2月27日オンライン講座のご案内です。
私は13日「家族の変化と住宅需要」大妻女子大学教授・松本暢子氏の講演を聞きました。1945年第二次世界大戦後、焼け野原の日本では、420万戸の住宅が必要となり、急いで大量供給するために標準設計が……から現在までの住宅・住居・居住の歴史。特に「居住は人権」という言葉が響きました。建物としての住宅、そこに人が暮らすことで、建物は命を持ち住居となる。……何気なく触れてきた日常のあれこれに気づくことができて、とても嬉しくなりました。

2021年2月9日

今週の一枚は、京都「伊と彦」鎌倉店で「宮城まり子さんとねむの木学園」と題しました番組の撮影現場です。この撮影は、昨年、出演いたしましたラジオで、「社会福祉法人 ねむの木福祉会 学校法人 ねむの木学園」の理事長 宮城まり子さんが、旅立たれたことをお話したことがきっかけとなりました。
この時、日本で初めての肢体不自由児のための学園をつくろうと奮闘なさった宮城まり子さんのことを、ご存知ない方が多いことを、私は知ったのです。そして、リスナーの方々から、もっと知りたいというお声もいただき、有志と共に第一歩を踏み出しました。

2021年2月2日

生まれてからずっと、2月3日が節分と、思っていました。けれど今年は、124年ぶりに2月2日が節分の日。太陽の動きに合わせて、立春も秋分も冬至も変わる… 国立天文台の天文観測に基づいての発表と知って「あーそんなんだ」と、素直に受け入れることができます。けれど、新型コロナウイルスの実態が不明確なので不安ばかりが……。私たちの命を預かる立場の政府の方針は、何に基づいているのか教えて欲しいな…‥。今週の一枚は、江戸時代の俳人・与謝蕪村の「白梅に 明る夜ばかりと なりにけり」を思い、窓の外で霧雨と戯れている白梅にしました。

2021年1月26日

今週の一枚は、新聞に挟み込まれて届いた神奈川県からのお知らせです。こんな形で呼びかけを受けたのは初めての気がします。「生活に必要な場合を除き」は、「衣食住」を確保する活動以外は控えて、文化に触れることは我慢。と読み取れます。「生活」を日本国語大辞典で引いてみますと、①生きていること。また、生かすこと。生存して活動すること。②世の中に暮らしてゆくこと。とありました。
ドイツの文化大臣が「文化は人間にとって不可欠な酸素のようなもの」と語られ、補償の上の外出自粛要請を知るにつけ、文化とは、暮らしとは、生活とは何だろうと……。

2021年1月19日

今週の一枚は、僧侶で書家の金子土龍氏から頂戴した色紙です。明日は「大寒」なので、この蝋燭の火で心を温めて欲しいと思います。今の時期は、昔でいえば丑三つ時や丑寅の刻にあたるとか…。丑寅は「鬼門」といわれ、さまざまな気が出入りする「気門」でもあり、大切にしなければいけない「貴門」でもあるとか…。鬼を恐れ、足がすくむかのように、腎臓や膀胱を引き締めて、体内からエネルギーが逃げにくい状況をつくる養生の時期だそうです。日常生活に留意してエネルギーを蓄えて、コロナを乗り切りましょう!

2021年1月12日

今週の一枚は、静寂な京都の雪景色です。けれど地域によっては、豪雪に苦しめられている人々も…。人間を超越した大自然の力は本当に恐ろしいと思います。明治25年・20歳の一葉さんの日記には、『1月12日 雪ちらちらと降りいでぬ。みるまに一寸ばかりも積もりたるは、「極めて大雪になるべきなめり」など言ひ合う程に、10時ばかりの頃には名残なく晴れ渡たりて、日のかげさへ もれ出ぬ。暮れてよりは 又雨になりぬ。此夜より 小説著作にかゝる』この小説とは、片恋がテーマの「闇桜」です。年初めに初恋を思い出してみませんか…?

2021年1月5日

年初めの一枚は、初日の出です。海から顔を出す太陽を、茨城の友人が瞬時に送ってくれました。新型コロナウイルスが現れて、リモート会議、リモートでの演技指導…。三越劇場公演もネット配信の方法をとりました。私の子どもの頃には考えられないことです。これは技術の進歩と喜ぶべき事なのでしょうけれど……お墓参りも出来ず、年始の実家での団らんの楽しい時間も失って心が風邪をひいて……けれど、今は我慢です。

輝く太陽から元気をいただいて知恵と工夫で乗り越えていきたいと存じます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2020年12月28日

今年最後となります一枚は、「女性展望」の表紙。内容は「2021新春座談会・宇野重規/建石真公子/渡辺えり」、「ポストコロナを生きるために・高校生の討論会」。特集④では「介護現場より・中澤まゆみ」「複合差別がコロナで増幅・佐々木貞子」など、コロナ禍に直面する肢体不自由・視覚障害・知的障害のある人々、外国人留学生、技能実習生など弱者や女性の置かれている現状が掲載されています。市川房江記念会女性と政治センターにご連絡いただき、ご一読いただきたく存じます。一つひとつの課題を克服して、2021年が明るい希望に向かう年になりますように!!

2020年12月22日

鎌倉FM「シーサイドカフェ828 木カフェ」に出演いたしました折、番組内で少しお聞きいただきました「ママに捧げる歌」は、知恵遅れといわれるこどもの療育の学校がなかった52年前、当時の厚生省や文部省への日参の陳情をなさった宮城まり子さんの祈りと願いによって、日本で初めて出来た「肢体不自由児のための養護施設・ねむの木学園」のこどもたちが、銀座ヤマハホールで行ったコンサートのドキュメンタリー映像とセットで全16曲が収録されているCDの中の一曲です。「ねむの木学園」にお問い合わせくいただき、ぜひ、DVDもご覧いただきたく存じます。

2020年12月15日

今週の17日(木)鎌倉FMのサテライトスタジオでの生放送番組「シーサイドカフェ828 木カフェ」18時~19時に出演いたします。下記アドレスをクリックして、お聞きください。
https://www.jcbasimul.com/
radio/768/

番組内でご紹介するメッセージもお待ちしています。

FAXの方は、

0467-40-3350

メールの方は下記アドレスへ
msg@kamakurafm.co.jp

今週の一枚は、打ち合わせ後のパーソナリティの小町さなえさん、エージローさん、たかおさんと。換気のために窓を開けているので厚着しています。

2020年12月8日

今週の一枚は、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」の山梨ことば指導を担当した折に、私が提案いたしました「て!」と「こぴっと」が、その年の流行語大賞にノミネートされたのを記念して作りました鹿の皮に漆で文字を書いた印伝の小銭入れです。これを作ってくださった「印傳の山本」のお二人が、それぞれ2020年第45回全国伝統工芸品「内閣総理大臣賞」と「若手奨励賞」を受賞されました。国立新美術館での展示は終了してしまいましたが、12月26日から1月5日迄、東武百貨店池袋店4F催事場で実演なさいます。お楽しみなさってください。

2020年12月1日

今日から12月。ねむの木学園から2021年のカレンダーが届きました。1968年に日本で最初の肢体不自由児養護施設「ねむの木学園」を設立なさって学園長として奮闘なさった宮城まり子さんのこども達が書いた絵のカレンダーです。「私も100歳まで頑張るから、貴女も頑張って!」と、私の手を強く握りしめてくださったまり子さんは、今年の3月21日、ちょうど93歳のお誕生日に永眠なさってしまいました。
今週の一枚は、12月のカレンダーの次に、まり子さんの笑顔と共にあります「まり子さんの文字」にさせていただきました。

2020年11月24日

昨日は、樋口一葉さんのご命日。常なら一葉さんが幸せな幼少期を過ごされた文京区の法眞寺さんでの御法要に出席して、「一葉忌ライブ」と題した朗読会を行い、一年を振り返っての早めの忘年会を行っていたのですが、今年は新型コロナ蔓延拡大を防ぐために御法要も、ライブも中止に……。けれど、ちょうどこの日、三越劇場ネット配信公演「一葉日記 そして うもれ木」限定DVDが完成しました。それで今週の一枚はDVDの盤面。お申し込みくださった皆様には、本日、お送りいたします。ご希望の方は、お問合せ欄(ここをクリック)からお申し込みください。

2020年11月17日

三越劇場公演の作曲を担当してくださっている小二田茂幸さんが、私の出演した過去の番組をアップしてくださいました。また、かまくら駅前蔵書室・通称カマゾウでのネット配信文化祭参加の様子もアップされています。ご覧になってください。今週の一枚は、山梨県 南アルプス市 南伊奈ケ湖で、弟が撮影して送ってくれた写真です。湖の光の眩しさ、落葉のカサコソという音が聞こえてくるような……。私に廻りではコロナ感染者はいないのですが、また増え始めましたね。みな様、くれぐれもご注意なさってください。

2020年11月10日

今週の一枚は、深川江戸資料館で行われる<座☆吉祥天女>の公演チラシです。作・脚本の久保田万太郎氏は、浅草生まれの生粋の江戸っ子。私の学び舎「新演劇人クラブ・マールイ」の主宰者・金子信雄師丹阿弥谷津子師と御縁がある方。上演される「大つごもり」は、久保田万太郎氏が樋口一葉の小説を脚色・演出、昭和25年1月に新橋演舞場で初演。「おみね」役を演じた花柳章太郎代表作の一つに数えられています。令和2年の神無月、鈴木龍男の演出、佐々波雅子の美術、児島明日香の音楽で、久保田万太郎の世界をご堪能いただけましたら幸いでございます。

2020年11月2日

初挑戦の「樋口一葉の世界2020三越劇場ネット配信」が10月31日(土)に終了いたしました。今回の配信公演にあたり視聴券の購入、視聴の方法など初めてのことにチャレンジいただき、ご視聴くださいました皆様に心より御礼申します。
また、たくさんのご感想をお寄せいただきましてありがとうございました。新型コロナウイルスの動きに不安を抱えながらも劇場でご覧いただけることを願いまして、来年の「樋口一葉の世界2021三越劇場公演」は11月10日(水)の予定で準備を行います。くれぐれもご注意なさってお過ごしください。

2020年10月27日

昨日の新聞一面の「核兵器禁止条約 1月発効」は、嬉しいニュースでした。人の命を奪う武器が世界中からなくなったら、人々が笑顔で暮らせる日々が増えることになるはずです。
只今、配信中の「一葉日記 そして うもれ木」の登場人物・入江籟三は、怒りにまかせ「世の為、人の為、正義の為、ふるうべき拳ここにあり、秘蔵の短剣をひらめかしてあの胸元を貫くも容易…」と語ながらも、そこに至った自分の行いや言動を振り返り思いを巡らせます。その籟三の決断をご覧いただけます視聴のお申し込みは29日(木)が締め切り。31日(土)まで、何回でもご覧いただけます。

2020年10月20日

22日(木)から「一葉日記 そして うもれ木」の配信が開始されます。うもれ木の主人公・お蝶の言葉「三田のほとりに人家2、30戸買いつぶして新たに工事を急ぎ……博愛医院建設地と墨黒に…」は、東大教授を批判したためドイツ留学から帰国した北里柴三郎の受け入れ場所がないことを知った福澤諭吉が、私財を投じて芝公園に日本初の伝染病研究所を設立したことにヒントを得たのでは……と。
一葉さんが転換期を迎えた作品「うもれ木」の意外な展開を、ご家庭でお楽しみいただければ幸いです。

2020年10月13日

私が、2018年にサーロー節子氏の「ノーベル平和賞受賞時メッセージ」を朗読させていただきました「平和のための戦争展inよこはま」での今年の講演は、JAXA宇宙科学研究所の大川卓也氏「はやぶさ2地球帰還!」、被団協事務局長の和田征子氏「人類は核兵器とは共存できません」、JICA国際協力機構の永田謙二氏「アフガニスタンの復興・再建と中村哲先生の感慨事業」の講演でした。今週の一枚は、「アフガニスタンで考える~国際貢献と憲法九条~」の表紙です。ここに記されている中村哲氏の言葉は、胸を打つものばかり…… ぜひ、読んでみてください。

2020年10月6日

今週の一枚は、コロナ対策の座席配置で4日に行われました講演会場の様子です。入場できず扉を開けて廊下で聴講なさった方も…。日本女性が参政権を手にする迄の社会状況を絡め、一葉作「十三夜」お関の心情の朗読、楠瀬喜多氏、与謝野晶子氏、平塚らいてう氏、市川房江氏、村岡花子氏、金子みすゞ氏らの詩や手紙、寄稿文、サーロー節子氏のノーベル平和賞受賞式のメッセージなどを朗読し、ベアテ・シロタ・ゴードン氏のお話もいたしました。お帰りがけの高揚なさった皆さんのご感想、新たな講演依頼も頂戴いたしまして嬉しく存じます。

2020年9月29日

今週の一枚は、箏の内藤眞代氏と、尺八の本間豊堂氏と共に三越劇場の舞台で27日の無観客公演を収録した後に撮影した写真です。三人の息の合った作品「一葉日記そしてうもれ木」は、前田大和氏の撮影、ドキュメンタリー映画監督・田中圭氏の編集により公開されます。
 ネットでご覧いただくためのお申し込みは、本日から開始されます。そして10月22日~10月31日の間は、いつでも何回でもお好きな場所でお楽しみいただけます。この配信の手段によって、一葉さんのことを世界中の人々にお伝えできることを嬉しく存じます。

2020年9月23日

今週の一枚は、三越劇場公演の演出をご担当くださる鈴木龍男さん。新潟県のご出身で二松学舎大学国文科卒。劇団前進座文芸演出部に入座。現在は、演出家協会会員、舞台監督協会理事、前進座座友のお立場で劇団仲間「森は生きている」をはじめ多くの外部劇団の演出も手掛けられています。
今年の三越公演は、想像もしなかった収録舞台となりますが、鈴木演出のもとラストスパートの稽古に励む毎日です。劇場にお出かけいただくことは出来ませんが、オンライン公演をご家庭でお楽しみいただきたいと存じます。

2020年9月15日

今週の一枚は、今年の三越劇場公演の音楽を担当してくださるギタリスト・作曲家の小二田茂幸さん。10代からギタリストとして、アーティストのサポートとうの仕事を始められて、20代半ばからは新宿区大久保に「STUDIO-M」を構え、ジャンルに特定されない独特の音楽制作の数々を発表。YouTubeにも数々の曲をアップしていらっしゃいます。今回も、一葉の世界感を箏と尺八で表現するための素晴らしい新曲を作ってくださいました。是非お楽しみになさってください。
また、甲府市HPにワークショップの様子が掲載されていますのでこちらもご覧ください。

2020年9月8日

今週の一枚は、今年の三越劇場公演の舞台美術を担当してくださる日本舞台美術家協会会員で東日本運営委員長の佐々波雅子さん。東京芸術大学美術部デザイン科を卒業され、舞台美術家・島川とおる氏に師事。フリーになられてからは、藤田傳氏の『劇団1980』の舞台装置、衣裳プランを中心に活動展開され劇団前進座、劇団俳優座、劇団仲間、Pカンパニーの美術も手掛けられています。2011年に第38回伊藤熹朔賞奨励賞を受賞され、2015年に文化庁在外研修員として渡欧(ルーマニア、ブランドラ劇場)され、美術家・建築家オクタヴィアン・ネクライ氏に師事された方です。お楽しみになさってください。

2020年9月1日

今週の一枚は、8月23日に掲載されました新聞記事です。取材にいらした若い記者さんから「私の心にも、樋口一葉の姿が浮かびました」とお聞き出来て嬉しかったです。
今日から「夜長月」「稲刈月」とも呼ばれる9月。「樋口一葉の世界2020三越劇場公演」を心待ちにしてくだっている皆様から沢山のご連絡が……しかし新型コロナウイルスの収束が見えない状況を鑑み、劇場側とのご相談の上、無観客公演を行い、動画配信を行うことに至りました。劇場でのご観劇とは感じ方が違うと思いますが、動画配信という新たな形で、お楽しみいただけましたら幸いでございます。

2020年8月25日

今週の一枚は、22日に甲府市教育委員会主催で行われた朗読会の写真です。間隔を空けての椅子の配置、マスク装着、体温チェック、触れると思われるところの全ての消毒、もしもの場合の連絡先チェックと…市役所の職員さんが細心の注意を払ってくださって、各30名限定で2回公演を行いました。終演後の握手は出来ませんでしたが、「コロナ禍で久々に芸術に触れる機会が持てて本当に良かった。幸せな時間でした」「樋口一葉の時代を感じながら朗読の世界を味わいました」「一葉文学の深さ生きる力を感じました」等のアンケートを頂戴しまして、いっときの涼風をお届けできましたことを嬉しく存じます。

2020年8月18日

今週の土曜日は、甲府市役所で朗読会を行います。例年は参加型朗読ワークショップを行ってまいりましたが、今年は新型コロナウイルス感染防止の為、皆さまに体を動かして声を出していただくことは出来ません。十分間隔をとってご着席いただき、一葉さんのご両親のこと、一葉さんが生まれた頃の世の中の様子、19歳の頃の日記、小説家を志すきっかけとなった出来事、小説の師匠として尊敬していた半井桃水との悪い噂…そして苦悩の底に執筆した小説「うもれ木」の一部を構成した内容を、お聞きいただきます。
甲府市教育委員会生涯学習課芸術係 055-223-7323にお申し込みください。

2020年8月11日

原爆投下から75年。悲惨な戦争で失われた魂に祈りを捧げる広島と長崎での平和祈念式典でのメッセージを聞きながら「一人の子ども、一人の教師、一本のペン、一冊の本が世界を変えられる」と国連で語られたマララ・ユスフザイ氏の言葉が心に浮かびました。世界から核兵器をなくすために歩み続けられていらっしゃるサーロー節子氏、肢体不自由児の未来に光を灯し続けられた宮城まり子氏、荒れ果てた森を再生して自然環境の大切さを伝え続けられたC・W・ニコル氏……、自然を愛し、人を愛する心は、なにものにも代えがたい命そのものを大切に、大切にすることだと…‥‥。

2020年8月4日

梅雨明けの青空に、とても元気な蝉、鶯、姿が見えない鳥たちの大合唱が溢れる朝です。
歌舞伎座と同様にコロナ感染予防対策を行っての三越劇場で「樋口一葉の世界2020奥山眞佐子ひとり芝居」を行います。年頭のご案内とは違いまして、開演は13時30分。最前列は使わず、二列目から前後左右を空けての座席指定です。プログラムは客席にセット、グッツ販売や、ロビーでのご挨拶も中止させていただき、公演スタッフ、劇場スタッフ共々細心の注意を払って、皆さまの今を乗り越える活力の一部になれますことを願いまして公演いたします。お申し込みは、お問い合わせ欄もご利用ください。

2020年7月28日

7月も最後の週に入りましたが梅雨が明けません。窓の外では蝉が元気に鳴いて、庭の紫陽花は微笑んでいます。本日は、ドイツ連邦共和国首相府モニカ・グリュッタース氏の文章の抜粋を…「芸術とは楽しいだけの気晴らしではありません。例えそれが家に閉じこもった生活を少し我慢しやすくするだけのものであっても、ロックダウン中の希望の光でもあります。芸術とは人間の生存という根本的な問題に向かい合う上で不可欠なものであり、特に今のように確実性が崩壊し、社会基盤の脆さが露呈し始めている時代には欠かせないものです。」

2020年7月21日

今週の一枚は、観客席を減らし、検温、消毒、マスク、フェイスシールド配布の上で行われるwaライブ両国亭のチラシ。「演者も観客も協力しての公演です」と、主催者からお便りがありました。先日、母校の学長が、ドイツの神学者マルティン・ルター「たとえ明日世界が滅びようとも、今日私はリンゴの木を植える」の言葉をご紹介くださいました。日常生活に不安が溢れている今だからこそ心に沁みます。「この世を動かす力は希望である。やがて新しい種子が得られるという希望がなければ農夫は畑に種をまかない」これもルターの言葉。未来を信じる強い意志で、今を乗り越えていきましょう。

2020年7月14日

今日は、フランス共和国の成立を祝う日。例年なら日本でも「パリ祭」と題されたシャンソンのイベントが多く開催されるいのですが、今年はコロナの影響で……残念です。
今週の一枚は、友人の個展のポストカード。猫を愛する川和千鶴さんが水彩で描いた猫魚姫の個展は日本各地で行われているのですが、7月は京王聖跡桜ケ丘店7階の京王ギャラリーで開催されます。新型コロナの感染者が、また増え始めましたので遠出は心配ですが、お近くの方には、是非お出かけいただいて、愛くるしい猫たちの表情に癒されていただければと存じます。

2020年7月7日

今日は七夕。第二次世界大戦末期1945年7月6日の夜から7日未明まで、私の故郷に爆弾が落とされ、17歳の母の妹がなくなった日。今年は、九州に猛烈な雨、報道される被害の様子に胸が苦しくなります。池内淳子主演『おさん茂平衛』や山田五十鈴星由里子主演『香華』の舞台に出演しての九州公演の観客席にいらした皆さまが被害に…と思うとニュースを見るのが辛いです。小学生の頃、弟と屋根に登って天の川を観ていた時、母から「ご飯ですよ」と呼ばれ、家族四人揃っての夕食。どこの家庭にもある静かな日常生活が、失われつつあるような今の地球の状態に不安が重なります。

2020年6月30日

今週の一枚は、山形県酒田港から定期便で75分の離島・飛島(とびしま)の映画「島にて」のチラシ。診療所には、週に一度、医師が派遣され…飛島小中学校の在校生は、渋谷新君ただ一人。新君が卒業したら休校に…。監督は、文化庁映画賞受賞『ただいまそれぞれの居場所』の大宮浩一氏と、毎日映画コンクール受賞『桜の樹の下』の田中圭氏。撮影は前田大和氏。
田中氏と前田氏は、私の舞台の映像も手掛けてくださっている方です。この映画は、人が人として社会を営み生きていくために必要なものはなにか…を考えさせてくれ、静かな暮らしを体感できる作品です。是非ご覧になってください。

2020年6月23日

今日は、1945(昭和20)年沖縄県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦の「慰霊の日」です。戦争の記憶を正しく継承していくことで平和を守っていこうと考えている人々の活動が各地で行われています。
今週の一枚は「平和への歩み~終戦75周年 現代の芸術・文化作品集2020~」に掲載された作品『光に満ちて』と題された伊藤信江氏作のフルーツカービング。他に、絵画、書道、生け花、刺繍、染色、短歌、具志堅用高氏など沖縄出身の方々のメッセージが溢れています。博物館、資料館、美術館に置かれていますので、是非、手にとってご覧ください。

2020年6月16日

今週の一枚は、ご要望をいただきました“BUNKO”の正面の姿です。手に持っているのは虹色のハートの半分。お互いを信じ尊重する人間愛の精神から生まれた生物です。
そして44年前の今日は、南アフリカ共和国ソウェトで、子どもや若者が、教育の質の向上と、自分たちの母国語で教育を受ける権利を主張する平和的なデモ行進が行われた日です。教育のために立ち上がった多くの学生や子どもたちのことを忘れないようにと「アフリカこどもの日」として制定されたのは1991年。皆で分け合って譲り合い、寄り添って支え合って…この時を乗り切りましょう。

2020年6月9日

今週の一枚は、「何十年間一度も咲いたことのなかった庭のつつじが、今年1か所に突然、花を咲かせました。眺めていると希望が沸いてきます」というメッセージと共に、一葉の会の生徒さんが送ってくださった写真です。
明治24年6月9日一葉さんの日記にも、お花のお話があります。今日の床かざりは、立花杏所の描いた竹に鶴の掛もの、古さつまの花瓶に夏菊と姫百合。マキノーリヤという名のお花をいただいたこと。その花のうるはしさに心が動かされたことが綴られています。
今の状況の「言葉に出来ないもどかしさ」を慰めてくれるのが、お花の存在ですね。

2020年6月2日

ひとりでは出来ない事、分かち合う幸せ、人への愛情や優しさ、人の絆や繋がりをイメージしたマスコット“BUNKO”は、母校の卒業生、京野 玄氏が勤務している秋田酒類製造(株)で扱っている「純米大吟醸・髙清水」のパッケージの一部。お許しを頂いて今週の一枚に!
“BUNKO”は、はんぶんこしたハートを持つ謎の生物。誰かと分かち合うことは、「お酒を酌み交わす」という日本の文化の一つでもあります。今はまだ、向かい合って、おしゃべりしながら盃を重ねるのは難しいけれど、耳と、しっぽで、感じ合いながら、明日に向かって進んでいきましょう。
正面の姿は、まだ後日!!。

2020年5月26日

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言全面解除の発表がありました。けれどコロナウイルスがいなくなったわけではないので、マスク、手洗い、うがい、人との距離に気を付けながら、そろりそろりと歩んでいきましょう!
今週の一枚は、写真家・藤原由佳理さんが送ってくださった京都上賀茂神社域内にある睦の木。ひとつの根から何本もの幹が伸びている様子から、ひとつに結ばれた仲睦まじい象徴とされている巨木です。この木が、まだ小さかった250年前、日本各地でオーロラが目撃されたとの記述を見つけ、その時の人々の驚きを想像しています

2020年5月19日

今週の一枚は、書家の金子土龍氏の色紙です。これまで体験したことがない外出自粛生活の中、生徒さんのレッスンのお休みも長くなって、毎年恒例の公演も次々に中止が続いて……
けれど、危険と隣り合わせの医療現場で、寝る間も惜しんで従事してくださっている皆さんがいらっしゃるからこそ、今日を迎えられるのだと感謝の気持ちでいっぱいです。その気持ちを表すには……ひとり一人が、十分注意して日々を過ごし、新型コロナ感染拡大防止の外出自粛を続けることしかないと思います。
皆さんと笑顔で会える日のために、もうひと頑張り!!

2020年5月12日

新型コロナウイルス蔓延拡大防止のための自粛が続いているなか、医療従事者の皆様の献身的な活動に感謝の気持ちでいっぱいです。今日は『国際看護師の日』。そして、近代看護教育の母と呼ばれるナイチンゲールの誕生日です。1854年クリミア戦争が勃発し看護婦として従軍した彼女は、極めて不衛生な兵舎病院、官僚的な縦割り行政の弊害から必要な物資が供給されていない現実を目の当たりにして、まずトイレ掃除から始めたそうです。そして、「構成員の奉仕の精神にも頼るが、経済的援助なしにはそれも無力である」という考え方から「犠牲なき献身こそ真の奉仕」という言葉を残しています。

2020年4月28日

今週の一枚は、懇意の書店のお別れのカードです。 1902年から、118年間、幾多の危機を乗り越えたお店が閉じました。
「鞍馬天狗」シリーズで知られる大佛次郎氏、少女小説の元祖といわれる吉屋信子氏、樋口一葉作品を愛して描いた鏑木清方氏、チェーホフの戯曲訳を通じ演劇活動に参加した神西清氏、山田五十鈴先生出演映画「母子象」の作家・久生十蘭氏、私と同郷の歌人・山崎方代氏……皆さんが通った頃のことを想像して、その思い出に小さな書棚を譲っていただきました。
今は、外出自粛、静かに待つ時間。7月の『やまなし女性国際セミナー基調講演』は、10月4日(日)に変更となりました。

2020年4月21日

日を追うごとに、舞台公演や展覧会の中止、延期の連絡が届きます。3月に藤原由佳理展で『赤毛のアン』の朗読をお聞きいただきました枝香庵も臨時休廊…。今週は、方除の大社・城南宮のお庭を見ながら、アンの言葉で元気を出してください。『曲がり角を曲がった先に何があるのかはわからないの。でもきっと一番よいものに違いないと思うの。それにはまた、それの素敵によいところがあると思うわ。その道がどんなふうにのびているかわからないけれど、どんな光と影があるのか…どんな景色がひろがっているのか…どんな新しい美しさや曲がり角や丘や谷が、その先にあるのか…それはわからないの』

2020年4月14日

今日も新しい太陽が昇り、鳥がさえずり、穏やかな空気が流れています。例年なら、お花見ライブでの朗読作品のことを、お知らせするところですが…「外出しないことしか対策がない今の状況」ですので残念ながら中止とさせていただきます。それで、今週の一枚は、昨年のお花見ライブ・新宿御苑で撮影した「一葉桜」の掲載です。
また、先週の桜並木の場所についてお問い合わせをいただきましたので、弟に聞きましたら「山梨県甲府市住吉の桜」だそうです。来年のお花見は、ぜひ、甲府にいらして、その美しさを実感なさってください。

2020年4月7日

新型コロナ蔓延の勢いの激しさには驚くばかりです。感染経路がわからないことで不安ばかりが先行します。自分が感染しないように、そして自分が他人に感染させないように……。
「緊急事態宣言」が発動される今日……。日常生活が制限されるという経験を持たない私と、第二次世界大戦を肌で感じている先輩たちとは、大きな違いがあると思います。また、フェイクと呼ばれるデマ情報が流されて混乱する恐怖も……。
今週の一枚は、実家の弟が、花見に行けない私に送ってくれた写真です。美しいでしょう!

2020年3月31日

新型コロナ蔓延の影響で、国内で生産されているマスクの少なさを知りました。今週の一枚は、友人の手作りカラフル・おしゃれなマスク色々です。手先な器用な友人は、楽しみながら制作して、ご近所の皆さんにプレゼントしているそうで、私にも送ってくださいました。本当にありがたいことです。
コロナウイルス感染者の数を聞く度に恐怖が増します。実態がわからないからの恐怖なのだと思います。この恐怖から解放される光を探し求めてくださっている医療従事者の皆様のご苦労は、私などには想像できないほどの厳しい状況なのではないかと……。

2020年3月24日

日本で最初の肢体不自由児養護施設「ねむの木学園」を設立なさった宮城まり子さんと、設立当時からの協力者・女優の竹内幸子さん。私は、竹内さんのご紹介で40年近く前、まり子さんとのご縁を頂きました。学園の運動会に伺って、お話させていただき、母が亡くなった時は「辛いね!辛いね!」と抱きしめてくださり、前田晁文化賞授賞の時は「もっともっと頑張って、『お化け!』って言われるまで」と強く手を握りしめてくださいました。竹内さんから、「とても、きれいなお顔で旅立たれたわよ」とお聞きして、窓外の鶯の美しい鳴き声が、まり子さんの「ちょっと、お出かけよ!」の声に聞こえました。

2020年3月17日

あれこれの企画が中止されるなか、昨日行われました銀座・枝香庵での藤原由佳理展「アンの島を歩こう」の最終日イベントは、換気・消毒・マスク・人数制限と細心の注意を払ってのモノでした。スライドショーと共に藤原さんの丁寧な解説で、プリンスエドワード島を味わっていただき、この島で育ったL・M・モンゴメリが1908年に発表した「赤毛のアン」を、村岡花子さんの翻訳を使わせていただき、第37章と第38章を構成しての朗読をお楽しみいただきました。今週の一枚は、サンタカタリナ生まれのバウエル ジゼル愛華さんと会場で撮影した写真です。

2020年3月10日

コロナウイルスの感染拡大の情報を受け、3月21日(土)甲州市・常泉寺での『旧暦:樋口一葉のお誕生を祝う会』は、延期させていただきます。また『一葉の会』の発表会の日程も再度検討させていただきます。
窓の外には、雨と戯れているような鳥の声が聞こえます。安心して皆が笑顔でおしゃべりできる日は……昭和5年の今日、西條八十から「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛され500余編の詩を綴りながら、夫から詩作を禁じられ、夫から淋病をうつされ離婚も出来ない失意の底26歳で自ら命を絶った金子みすゞさんのご命日。「私と小鳥と鈴と」は、大好き詩です。

2020年3月3日

今日は、ひな祭り。けれど…コロナウイルス感染拡大の影響によるご連絡の日々雑感です。先般お知らせいたしました前進座付属養成所修了公演「雨あがる」は日時の変更はなく、シアターⅩで行われます。私が出演いたします7日(土)の「赤毛のアン」朗読会は、16日(月)に変更となりました。一葉の会の生徒さんの発表会は、5月9日(土)に延期とさせていただきます。6月12日(金)に 八王子日本閣で開催予定「ランチとひとり芝居」は、延期となりました。今後の詳細は、このページで、お知らせいたします。
皆さま、くれぐれもご注意なさって、お過ごしください。

2020年2月25日

今週の一枚は、銀座・枝香庵の新しいチラシです。「アンの島を歩こう」と題された藤原由佳理氏の写真展と、鈴木雄次氏の赤毛のアンの世界を描いた銅版画展が3月7日からスタート。私は、初日に「赤毛のアン」の抜粋を朗読いたします。アンの台詞の部分は、牧野真鈴伊藤 貴璃田谷菜々子平塚日菜バウエル・ジゼル・愛華という可愛らしい少女たちの群読のスタイルで構成いたしました。お楽しみになさってください。入場は無料ですが予約が必要となりますので、ギャラリー枝香庵に直接ご連絡ください。

2020年2月18日

今週の一枚は、前進座付属養成所修了公演のチラシです。養成期間を終えて舞台に立つ生徒さんの公演は、私自身の卒業公演の頃を再体験できる貴重な空間です。私は、金子信雄主宰の新案劇人クラブ・マールイでの養成機関を終えての卒業公演で、田中千禾夫作「笛」の主演でした。池袋劇場の板の上に立った時の感動を思い出します。不安や怯えや緊張いっぱいの仲間と共に無事に幕が下りた時の喜び、終演後アルバイト先の社長さんから真っ赤なバラの花束をいただいたことなど、まるで昨日のことのようです。今回の前進座の養成所の生徒さんも、期待に胸を膨らませていることでしょう。

2020年2月12日

今週の一枚は、朝日新聞出版「1945年のクリスマス」の表紙です。日本で育ち、日本を愛するベアテさんの情熱が溢れています。「私は、女性が幸せにならなければ、日本は平和にならないと思った。男女平等は、その大前提だった…不幸な歴史を背負う日本女性のために、ここはどうしても頑張らなければと心に誓った…」7月4日(土)の「やまなし女性国際セミナー」の基調講演でもお話させていただきますが、このご本を読まれると、憲法の条文が血の通ったものとして受け止められるのではないかと思いまして、ご紹介させていただきました。

2020年2月4日

今週の一枚は、銀座のギャラリー枝香庵で行われる写真展「アンの島を歩こう」のポストカードです。3月7日(土)のオープニングには、スライドショーと共に行われるギャラリートークに続き、「赤毛のアン」の一部を、私が朗読いたします。L・M・モンゴメリは、樋口一葉さんと2歳違いのカナダの人。明治41年に発表された「赤毛のアン」を翻訳なさったのは、私の故郷・山梨県甲府市出身の村岡花子さん。NHK「花子とアン」で、山梨ことば指導担当として走り回りましたことが懐かしく思い出されます。
是非、お出かけください。

2020年1月28日

今週の一枚は、吉野町市民プラザギャラリーで開催される写真展「山家のまたたき」のポストカードです。かつては、林業で潤っていた山梨県甲府市高成(たかなり)町ですが、現在、住んでいるのは5人。写真家の中谷はるみさんは「此処には、平らな処は少しもなくて暮らすには不便だけれど、山の幸が溢れています。便利さを求めすぎることで、大自然の息吹に耳を傾ける心を失ってしまうのではないかしら……」と。故郷から失われていく美しい暮らしを記録に残して伝えることで、地球の恵みである自然の大切さを訴えたいと、この村に住み込んで撮影を続けられています。
是非、お出かけください。

2020年1月21日

和暦(旧暦)では、25日が新しい年の始まりなので、今週の一枚は「日の出」にしました。グレゴリオ暦(新暦)は、世界共通の時間軸として、日付と曜日を意識するのには便利です。日本では、樋口一葉さんが誕生した年の12月2日の翌日を明治6年1月1日として採用されました。旧暦は、月の満ち欠けと季節の変化という二重の時間軸を持ち、月や太陽のリズムを感じることが出来る暦です。ですから今の時代より、人間が自然の中の一部であることを実感して過ごせたのではないかと思います。日本人が新暦で暮らしだして148年が経ち、改めて暦について考えてみたくなりました。

2020年1月14日

生まれたことの不思議…これまで生きてこられたことの不思議…今、この時、生きている不思議に感謝します。随分前ですが「私たちは、どのように生まれてきたの?」という映像シナリオを書きました。文部省選定作となり、多くの子ども達の理科教材となりました。きっかけは、お正月のロケに行く途中で交通事故に巻き込まれたことです。生きているのが不思議な状態で舞台は不可能と思われ、新しい活路を探した結果です。その後、リハビリを続けて今では舞台に立てています。けれど、それは私の努力だけではないと思われます。……生かされていることの不思議に感謝を新たにする睦月です。

2020年1月7日

あけましておめでとうございます。今週の一枚は、令和改元を記念しての奉祝事業として、昨秋、架け替えされた出雲大社相模分祀の「大しめ縄」です。
出雲神社は、縁結びで有名ですが、男女の縁ばかりでなく、人々をさまざまな幸福の縁と結んでくださるそう…。大しめ縄に直接じかに触れることが出来るパワースポットかも…。1月末までの期間限定展示と知りましたので、皆様の幸福を祈って掲載いたしました。
今年も、一葉さんの美しい言葉を語ってまいりますので、公演予定欄をご確認ください。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

2019年12月31日

本年も、日々雑感をお読みいただきまして、ありがとうございました。おかげさまで今年の全ての公演も無事終えられましたこと、謹んで御礼申し上げます。
「人類のすべてがきょうだいに」という平和への願いが込められたベートーベンの交響曲第九番「歓喜の歌」を聞いて…除夜の鐘をきいて…新しい年への希望を胸に新たな出発の時。
2020年も樋口一葉さんの小説・日記を、精一杯語り続けてまいります。来る年も、毎週火曜日午後更新のこのページをお楽しみください。
では、1月7日(火)に!

2019年12月24日

金子修介監督作品「信玄の父 ~ 信虎~ 国主の帰還」
京都の撮影から戻りました。武田信虎役は寺田農氏、上杉謙信役は榎木孝明氏、武田信玄役は永島敏行氏。そして、広大な竹藪に溢れる甲冑姿の人、人、人の撮影でした。
今週の一枚は、床山さんとのツーショット。特殊メイクで眉を潰し、額に小さな眉を書いて、おはぐろで黒く塗りつぶされた歯。唇の半分ほどの口紅。感情を表さないための表現だそうです。鬘を乗せて撮影現場に向かう前に支度部屋で撮影して頂きました。撮影現場の竹藪では、とても美しい「かけ」を羽織るのです。その姿は、映画館でご覧になってください。

2019年12月17日

今週の一枚は、吹雪に閉ざされた冬の森で繰り広げられる心温まるお話「森は生きている」のチラシです。三世代のご家族が、ご一緒に楽しめる舞台作品で、「劇団仲間」が毎年の公演を積み重ねられ、今年は、60年目だそうです。私も子どもの頃、家族と共に観劇して、とても感動いたしました。すでに両親は天上の人になってしまいましたが……。挿入歌「燃えろ 燃えろ 明るく燃えろ 消えないように…」は、明日への勇気や希望を与えてくれ、森が森として生きていることも想像できます。年末に是非ご覧いただきたいと存じまして、ご紹介いたしました。

2019年12月10日

今週の一枚は、「湯島・本郷町連だより」の私の文と小野寺町会長の編集後記です。私の所属していた新演劇人クラブ・マールイは本郷にありました。名古屋公演から戻り、尊敬する宮口精二先生が旅立たれた悲しみに打ちひしがれた34年前…本郷三丁目駅迄の道をトボトボ歩いていた時のこと……涙ボロボロの私に声をかけてくださったのは、初めてお会いした法眞寺さんの21世伊川ご住職ご夫妻と町内会の皆様でした。傷心の私は、「お花見宴」にいらしていた町会の皆さまの温かさに救われました。あの時の皆様の優しさにお応えするためにも、益々頑張ってまいりたいと存じます。

2019年12月3日

今年の阿佐ヶ谷図書館での朗読会も皆さんに喜んでいただけまして、嬉しい限りです。 
今週の一枚は、弁護士の楾 大樹(はんどう たいき)氏著「檻の中のライオン」の表紙「なぜ 憲法があるの?」という根っこのところがわかるご本で、小中学生の授業にも取り上げられています。相撲で言うと、憲法は「土俵」にあたるもの。政治的思想信条の違いを超えて、「土俵」であり、「檻」である憲法の仕組みを多くの人に知ってほしいと願われて書かれたそうです。主権者は国民。憲法は国民のもの。憲法のことを意識せずに暮らすことができるのは、憲法のおかげです。と……。
是非、読んでみてください。

2019年11月26日

23日の一葉さんのご法要は珍しく雨でしたが、跡見学園の教授や学生さん、ご近所のお子さんもいらして賑やかな会でした。続く「一葉忌ライブ」にも、若者の参加があり、一葉文学を愛する人々の輪の広がりを嬉しく存じます。
今週の一枚は、阿佐ヶ谷図書館のチラシです。今年も太宰治氏の長男・正樹君の絵をご覧いただき、2作品の朗読をお聞きいただきます。
また、ローマ教皇の長崎・広島ご訪問に接し「武器の製造や維持、改良はテロ行為だ……戦争はもういらない」の演説に、さきの戦争で火傷を負った父の無念、19歳で命を失った叔母の無念を思い、心が震えました。

2019年11月19日

今年が2回目となりました文京区本郷図書館での朗読会には定員以上の方がお出かけくださり感動の言葉を頂戴いたしまして嬉しく存じます。
今週の一枚は、御命日に毎年行っております「一葉忌ライブ」のチラシです。一葉さんの御両親の出身地・甲州市塩山で作られている一葉羊羹と一葉煎餅を召し上がっていただき、グラス片手に昭和の香り溢れる空間で朗読を…という企画です。一葉さんが、職業作家への道を歩み始めるきっかけとなりました「うもれ木」には、心を打つ珠玉の言葉が溢れています。
18時~24時に「唐変木」03-3330-5385にお電話で、お申し込みください。

2019年11月12日

太陽が昇り、素晴らしい青空が…鳥がさえずり、幼稚園の子供たちの笑い声が聞こえます。不安なく今日を迎えられることの幸せを感謝せずにはいられない窓の外の風景。これが平和というもの…「平和なくして平等なく、平等なくして平和なし」と、おっしゃった市川房江氏は、土曜日に朗読いたします「うもれ木」が発表された明治25年の翌年に生まれた方。今週の一枚は平成生まれの小学校6年生が朗読した「平和の詩・本当の幸せ」。いつの時代にも望まれることは、闘いのない平和な日常。「うもれ木」に込められた一葉さんの「心の平和」を本郷の地でお伝えしたとい存じます。

2019年11月5日

今週の一枚は、文京区立本郷図書館で行われる朗読会のチラシです。一葉さんが旅立たれた11月の催しの一つで、昨年に引き続き、千駄ヶ谷駅近くの本郷図書館2階スペースで行います。今年の作品は一葉さんの次兄で薩摩焼の絵師である虎之助さんをモデルにしたといわれる物語。題名の「うもれ木」は、長い間地層に埋もれて化石になった樹木をさし、世間から見捨てられ顧みられない境遇のたとえとしても使われます。「美とは何ぞ儲け口か…さりとも我は我が観念あり…千万の黄金つんでくるとも変えぬ心を…(うもれ木より)」図書館の壁面に一ヶ月程、私の舞台写真やポスターも掲示されています。是非、お出かけください。

2019年10月29日

今週の一枚は、ねむの木学園運動場に飾られた二曲屏風二帖の前での写真。まり子さんの筆で「こども こども こども 春 花 風 やさしくね やさしくね やさしいことはつよいのよ」心に沁みる言葉です。私の前田晁文化賞授賞の報告を喜んでくださり、手を握りしめて「もっともっと頑張って!」と激励をいただきました。70名のこども達のコーラス、ダンス、太鼓の演奏、美しいお点前…。900人以上の観客席の大きな拍手…「これが最後だと思ったけれど、それじゃいけないわ。92歳になったけど、来年も生きて…生きて…」のまり子さんの言葉に涙が溢れました。

2019年10月23日

今週の一枚は、頂戴いたしました封筒の裏面。中には、今年のねむの木学園運動会のお知らせと、2020年のカレンダーの申込書、そして、まり子さんが4日がかりで書かれたお手紙。その一文には「お医者様には叱られるけど毎日演出席で座っています。今年で終わりになるのかなと心の中はグルグル……びっくりするような才能を持っているおチビちゃんが……」ご病気と闘いながら、こども達の将来を見つめる92歳の宮城まり子さんの溢れる情熱に心が震えたお手紙でした。私は、運動会が晴天に恵まれる祈りを込めて「てるてる坊主」を吊るして、応援に駆けつけます。

2019年10月15日

台風19号の強風と豪雨、土砂崩、停電…怖かったです。報道される被害の様子を知るにつけ国連気候行動サミットで演説されたスウェーデンの16歳のグレタ・トゥーンべリさんの「生態系は崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです」の言葉が胸にしみます。  今週の一枚は、台風が上陸する前の10日に行われました前田晁文化賞受賞式の写真です。受賞のご挨拶の後、一葉小説の一文を朗読させていただき、同じ箇所を「ひとり芝居」に工夫した舞台をご覧いただきました。私たちの暮らしは、笑顔の地球があってのこと。そのことを深く考えて日々を過ごさなければ……。

2019年10月8日

今週の一枚は「公益財団法人山人会」(1925年に設立)が制定する特別賞・第33回前田晁文化賞の授賞に伴い取材を受けました新聞記事。前田晁氏は、坪内逍遥氏のご紹介で博文館に在籍なさったこともあり、一葉さんが早世なさらなければ、ご一緒のお仕事も……。数々のご活躍をなされた前田晁氏を記念し、文化活動の振興を願って制定されましたこの特別賞の受賞は、とてもありがたいく、この上もない喜びでございます。この賞に恥じないよう、樋口一葉小説の原文の魅力をより多くの皆さまに楽しんでいただくために「ひとり芝居」の活動を益々広げてまいりたいと存じます。

2019年10月1日

今日から10月。今週の一枚は、FM東京で収録いたしました折のスナップです。番組名は「ラジオ2951(福来い)」全国コミュニティFMより放送されています。私の出演は10月20日(日)午後8時。配信局FMいかるのURLより放送日時にアクセスして頂ければ簡単に聴くことが出来ます。この番組への出演は2回目なのでパーソナリティーの藤田みささんと「お久しぶりです」のご挨拶から…。そして収録前のお打ち合わせ中、なんと今回のディレクターさんが、私の学校のしかも同じ文芸科の後輩とわかり母校の話にも花を咲かせ、笑顔あふれる収録を終えました。聞いてくださいね。

2019年9月24日

今週の一枚は、井崎聖子展のポストカード。画の中に光を織り込みながら制作なさるという作品に心がときめきました。銀座の枝香庵で週末迄開催されています。同じ時、王立英国建築家協会の名誉フェロー・髙﨑正治氏ともお逢いできまして、人間の基本的権利である安心と尊厳を保てる住居空間の建築提案についてのお話を伺い、時代と共に変化する住居について改めて考えるチャンスを得ました。そして、127年前の一葉さんの生きた時代の光や風、鳥や虫の声を空想しました。
今日は、FM東京でのラジオの収録日。一葉作品に溢れる美しい日本語のことをお話したと存じます。

2019年9月17日

今週の一枚は、三越劇場連続10年記念公演当日にお配りいたしましたプログラムの表紙です。本公演をお心にかけてくださった皆さま、お出かけくださった皆さま、ありがとうございました。今年は、盲導犬とご一緒の方々、車いすを利用されての方々、お子さんとご一緒のご家族、中学生や高校生の皆さまにも一葉作品を味わっていただくことができました。8歳の女の子は「こえやきょくがあわさってきれいでした。いろんなおとがあってたのしめた」と。30代の女性は「一葉を知らない私にも親しみやすく風景がわかるようでした。次回が楽しみです」など、沢山のご感想を頂戴いたしました。ありがとうございました。

2019年9月10日

今週の土曜日は、三越劇場連続10年記念公演の日を迎えます。原駅ステージAの三人は着物姿で、スタジオMの小二田茂幸氏がこの舞台の為にと作曲してくださった新曲を歌い、一葉の原文を語ります。箏と笛と三味線の合奏曲も小二田氏の新曲です。また精力的に新内流し復活の為に活動され、NHK「御宿かわせみ」等の時代劇で新内の指導をなさっている新内節相模派家元の富士松延治太夫氏と、富士松延明氏のお二人は、新内流しで客席を歩いてくださいます。私は、一葉さんとお高、芳之助の三役を演じます。公演お申し込みは、お問い合わせ欄をご利用ください。お待ちいたしております。

2019年9月3日

今週の一枚は、故郷山梨の新聞社が取り上げてくださった記事です。これを読まれた故郷の皆様からの公演ご予約も頂戴いたしまして感謝でいっぱいでございます。八王子FMに続き鎌倉FM「シーサイドカフェ828」にゲスト出演して14日の公演のお話をさせていただくことになりました。5日(木)18時20分から40分くらいの間の生放送です。三越劇場連続10年目記念公演の稽古は、演出鈴木龍男氏のもと、箏、三味線、笛奏者の皆様、語りの原駅ステージAのメンバーと共に順調に進んでおります。公演お申し込みは、お問い合わせ欄をご利用ください。お待ちいたしております。

2019年8月27日

今週の一枚は、八王子FMで土曜日に放送されている「イーリアのあの人 この人 時の人」収録後の写真です。隣の女性・パーソナリティーのイ―リアさんからの問いに、あれこれお答えしたのですが、どんなふうに編集されて放送されますか… ?
8月31日(土)14:00~14:55放送です。この番組はインターネット放送もございますので、全国でお聞きいただけます。三越劇場連続10年目記念公演迄、20日を切りました。今日から劇場と同じ広さのスタジオでの稽古に入ります。公演のお申し込みは、お問い合わせ欄をご利用ください。お待ちいたしております。

2019年8月20日

今週の一枚は、三越劇場連続10年目記念公演にご出演くださる横笛奏者・福原清彦氏です。細くしなやかな篠竹に歌口(息を吹き込む穴)と七つの指穴をあけただけの楽器から現れる福原氏の音色は、とても、とても魅力的です。平成15年10月はセシオン杉並で「にごりえ」を、11月は銀座ポーラ ミュージアムアネックスで「大つごもり」を、翌年3月には「わかれ道」と回を重ねさせていただき、作品毎に新しい音色を表現してくださいました。今回の舞台では、「芳之助」のお役を演じてくださいます。是非、御楽しみになってください。公演のお申し込みは、お問い合わせ欄をご利用ください。

2019年8月6日

急に暑くなり、元気溢れる蝉の声が聞こえてきました。
8月の日々雑感は、三越劇場連続10年目記念公演にご出演くださる方々をご紹介させていただきます。今週は、幕開きの箏奏者・内藤眞代氏。福井県出身の氏は、第5回全国高校邦楽コンクール第一位に輝き、福井県文化協議会新人賞も受賞され、現在は大久保studio-Mにて小二田茂幸氏の作品を中心に活動されていらっしゃいます。昨年「樋口一葉二十歳のとき」公演からのご縁で、今年も小二田氏の作曲による「樋口一葉の世界」を美しい箏の音色で表現してくださいます。三越劇場公演のお申し込みは、お問い合わせ欄をご利用ください。

2019年7月30日

今年で3回目になりました甲府市教育委員会生涯学習課芸術係主催の朗読ワークショップも定員いっぱいの方にお出かけいただき、笑顔が溢れる会になりました。TV取材も入り、皆さん、照れながらもお話くださいました。終了後のアンケートを読ませていただきまして、ご満足くださったお気持ち……次回開催のご希望などを知りまして、とても嬉しく存じます。
今週の一枚は、フラメンコを始められた先輩から届きましたもの。「オペラを舞う」と題されたこの会は、オペラとフラメンコのコラボレーション、情熱溢れるステージに出会えそうな期待溢れる公演です。

2019年7月23日

今週の一枚は、甲府市で行います朗読ワークショップのご案内です。「奥山さんの舞台をご覧になった市民の皆さまから多くのご要望がありまして…」と、甲府市教育委員会生涯学習課芸術係から、ご依頼がありましたは2017年。 ワークショップ終了後、参加者の皆さんの笑顔に接しられた市のご担当者から「次回のワークショップへの要望が重なりまして…」と、再びご依頼を受けました。年齢、性別、職業も様々な皆さまが集まって、身体を動かし声を出す。それが喜びとなって笑顔の花が咲く…。ご指導させていただきます私にとりましても、とても嬉しいことです。

2019年7月16日

今週の一枚は、太平洋戦争終結まで「樺太」と呼ばれた場所に存在した「真岡町」のお話です。アイヌ語で静かな場所の意味を持つ「マオカ」には、約40万人の日本人が暮らしていました。1945年8月20日ソ連軍が艦砲射撃を行って侵攻し、真岡郵便局電話交換手の若い女性9名が自ら命を絶たなければなりませんでした。この悲しい事実が伝えられ、慰霊碑「九人の乙女の像」が稚内公園に建てられました。平和に暮らせる今、戦争によって命を奪われた乙女の悲しみを知ってほしいとの願いが込められた舞台です。映画は、「樺太1945夏 氷雪の門」というタイトルで1974年に公開されています。

2019年7月9日

今年のマグカルシアター公演も、お陰さまで盛況のうちに幕を閉じることができました。お心にかけてくださいました皆さま、ご観劇くださいました皆さまありがとうございました。また、沢山のご感想も頂戴いたしましたこと、重ねて御礼申します。
今週の一枚は、公演終了後「原駅ステージA(エース)」との記念撮影。3人は、私と共に樋口一葉の小説世界を勉強し、三越劇場連続10年目記念公演に向かって稽古に励んでいる若者です。ぜひ、お楽しみになさってください。お申し込みは、お問い合わせ欄をご利用ください。お待ちしております。

2019年7月2日

明治26年7月5日の一葉さんの日記に、恋についての記述がありました。『まこと入立ぬる恋の奥に何物かあるべき。もしありといはば、みぐるしく、にくく、うく、つらく、浅ましく、かなしく、さびしく、恨めしく、取りつめていはんには、厭わしきものよりほかあらんとも覚えず。あはれ其の厭う恋こそ恋の奥成けれ、厭わしとて捨られなば、厭うにあらず。いとふ心のふかきほど、恋しさも又ふかかるべし…』20歳の一葉さんが描いた恋物語「別れ霜」を、是非ご堪能に、横浜県立青少年センターにお出かけください。お待ちいたしております。

2019年6月25日

雨に洗われた紫陽花の美しさに心動かしながら、来週の横浜公演の稽古に余念なく励んでおります。今回ご覧いただきます「別れ霜」は、処女作・闇桜が掲載された雑誌を受け取った日に、半井師から依頼された作品。日記には、「君の別の小説を改進新聞に出さんと……すでに絵の注文をなしたれば35回ほどの連載ものに書き直すように……まずは奮発したまえ。29日より掲載の都合…」と半井師から告げられて、家に帰ると母親や兄妹が喜んでくれた様子が綴られています。希望に溢れた一葉さんの第二作目の作品を、ご覧にいらしてください。お問合せ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2019年6月18日

今週の一枚は、7月に公演いたします神奈川県立青少年ホール・スタジオHIKARIからほど近い野毛通り。昔は、ここに新内流しが歩いていたとか…。撮影は、今回の舞台で私の相手役として新内の生演奏を担当してくださいます富士松延明氏。今回の舞台では現在めったに聞くことができない新内流しも披露してくださいます。そして、「ひとり芝居・別れ霜」をご観劇ただきました後は、都市景観100選受賞地区「横浜みなとみらいMM21」「野毛動物園」「野毛の飲み屋街」など楽しさ満載の桜木町をご堪能ください。お問合せ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2019年6月11日

新橋演舞場別館「心音」での「樋口一葉in銀座・箏曲の演奏と朗読の会」も、皆様に喜んでいただける作品となりまして、盛会のうちに幕を閉じ安堵いたしております。
 今週から、7月の横浜公演に向かって全力投球! 今年の作品「ひとり芝居・別れ霜」は、新内の生演奏と共に展開する恋物語です。演奏してくださいますのは、新内相模派富士松延治太夫社中の富士松延明氏。一葉さんが生きた時代の人々が親しんでいた新内との掛け合いは、とても魅力的な仕上がりになると存じます。
お問合せ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2019年6月4日

ご案内させていただきました桐蔭学園演劇部の生徒たちの朗読劇、Waライブ両国亭での私の語りも盛況のうちに幕を閉じ、今週の土曜日に新橋演舞場別館「心音」で行います「樋口一葉in銀座・箏曲の演奏と朗読の会」へのラストスパートです。
 すぐ近くの築地本願寺さんに眠る御尊父の墓参に一葉さんのご家族が歩かれたであろう場所で、小二田茂幸氏作曲の「樋口一葉を偲ぶ箏曲」を内藤眞代氏の演奏、続いて、一葉さんの初めての新聞小説「別れ霜」をお聞きいただきいただくという趣向です。若干のお席は残っておりますので、ご連絡くださいませ。

2019年5月28日

あしなが学生募金の参加者が受け継いできた「恩送り」。街頭に立つ学生ボランティアの声を聞く度に、交通遺児となった小学生の作文を朗読させていただいた心の震えが蘇ります。今週の一枚「平和のための戦争展inよこはま」企画1では、大人が起こした戦争によって、孤児となった子ども達の証言が紹介され胸が苦しくなりました。来週の企画2では、私が指導に伺いました桐蔭学園演劇部の生徒たちの朗読劇がございます。学園のすぐ近くに米軍機が墜落し、ユウ君(3歳)ヤス君(1歳)と、その母親が命を落とした悲しい出来事を忘れてはいけないとの高校生の叫びを聞いていただければ幸いです。

2019年5月21日

神奈川県と共に行いますマグカルシアター公演も今年で4年目となりました。今週の一枚は、そのチラシの表面です。デザインは、昨年に引き続いて中山麻依子氏。神奈川県内の図書館、地区センター、文化会館、横浜銀行、児童館等に配布されますので、お手に取ってゆっくりご覧になってください。この作品は、一葉さんが20歳の時に書いた初めての新聞連載小説。婚礼を翌年に控え、喜びに溢れた16歳のお高が、父親の金欲のために、恋する人と離れ離れになって……けれど、その愛を全うするお話。のちに代表作となりました「十三夜」の原型を感じさせる恋物語でもあります。

2019年5月14日

今週の一枚は、6月3日に行われます「Waライブ両国亭」の公演チラシです。国技館がある両国駅近くの「お江戸両国亭」で、お昼のひと時を和の響きでお楽しみいただこうという企画。福原清彦氏のプロデュース公演で7回目を迎えた今回は、私も出演いたします。内容は、樋口一葉20歳の作品「別れ霜」の抜粋の語りです。この会の特徴は、席料が500円。会場内は飲食自由。席料以上に満足されたお客さまは、お帰りがけに満足料を……というゆったりした会なのです。ご都合のよろしい方は、080-1009-7591にお電話の上、予約番号を取得なさってください。お待ちしております。

2019年5月7日

青葉が輝き、涼やかな風が身を包む季節の始まり平成最後の4月30日は、私が新演劇人クラブ・マールイ在籍の頃から何かにつけてご指導をいただきました文京区法眞寺の21代目ご住職の奥様との最後のお別れの日でした。思い出がたくさんある分だけ悲しみが溢れます。子どもの頃、見上げた空には祖母と祖父だけでした。けれど今は、父も母も伯父も叔母も従兄弟も友人も知人も恩師も…あの空に…。寂しい気持ちで新聞を開きましたら『死へ向かって生きていると思うな。永遠の生への日々である』という言葉。人との出会い、言葉との出会いに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

2019年4月23日

スリランカ各地で起きた連続爆発事件で200人以上が亡くなって……。私が「こどもの詩をよむ会」を行っていた頃、スリランカに取材に行ったのは、もう20年以上前のこと。家計を助けるために、街で宝くじを売っていた幼い少年や観光地でお花を売っていた幼い少女たちとお話したこと。母の手作りの小物をプレゼントした時の彼らの笑顔を思い出します。そしてあの屈託のない笑顔が今も……
と祈ります。彼らの言葉を紡いだ「ひとり芝居・スリランカのこども達の夢・東京公演」には、当時のスリランカ民主社会主義共和国大使ご夫妻もお越しくださいました。
今週の一枚は、その時頂戴いたしましたメッセージです。

2019年4月16日

先週の「朗読とランチと一葉桜のお花見会」は、晴れやかな天候に恵まれ盛況に終えることができました。告知いたしました2017年ノーベル平和賞受賞式でのサーロー節子さんの演説に加え、2014年受賞者のマララ・ユスフザイさんの演説をノーベル財団事務局提供の翻訳で朗読いたしました。
新宿御苑には、一葉桜が咲き誇り、皆さんとその美しさに感動し、穏やかな楽しい時間も過ごすことができました。今週の一枚は、私が山梨ことば指導を担当いたしました市民劇のチラシです。川崎市立日本民家園を作る源となった人々の強い思いや情熱を感じていただけると存じます。お出かけください。

2019年4月9日

患者の病や怪我の根源を見つけ出す放射線科医のお話「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」が、始まりました。主演の窪田正孝さんは、「花子とアン」で朝市役を演じられ、難しい山梨ことばを精魂こめて学んでくださった方です。彼の姿勢に、ことば指導者として感謝でいっぱいでした。特に「おらじゃダメじゃん。あんたじゃなきゃダメどう」の台詞収録終了時の感動を今も忘れることはできません。新番組は月曜日の午後9時が放送日です。
ぜひ、ご覧になってください。
私の今週は「朗読とランチと一葉桜のお花会」。今年も、お天気に恵まれ、楽しい会になりそうです。

2019年4月2日

桜の花も満開の頃、新しい元号が「令和」と決まり、元号と同じ名前の人が話題になって…私の暮らす街の商店街の会長さんも同じ字を書いて「のりかず」と読むとお聞きしました。来週の土曜日は、恒例の新宿「あいうえお」でのランチと朗読と新宿御苑の一葉桜のお花見会がございます。美味しい昼食を召し上がっていただいて、ノーベル平和賞受賞式のサーロー節子さんの演説全文の朗読をお聞きいただき、お花見を…。「笑顔で食事が出来るのも、美しい花々が咲き誇り、それを愛でることができるのも日本にしかない憲法9条のすばらしさ」とおっしゃったドナルド・キーン氏の言葉を胸に刻んで。

2019年3月26日

一葉さんの御両親の故郷・甲州市塩山常泉寺さんでの「樋口一葉のお誕生を祝う会」も今年で6年目を迎え、すっかり恒例となりました。今年もご本堂で、栗原ご住職のお話の後、私の朗読をお聞きいただき、ゆっくりお話しさせていただきました。そして天上の一葉さんに、お誕生のお祝いを伝え、素晴らしい作品を残してくださったことのお礼を述べ、今年も一葉小説に描かれている美しい言葉を伝える活動に努力することをお伝えしました。一葉さんを愛する地元の方々をはじめ、東京からお出かけくださった方も多く盛況で終えることができましたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。

2019年3月19日

今年の新宿教室の生徒さんの発表会が盛況のうちに終わりました。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。来年の発表会もお楽しみいだけますようにと、メンバーは早速準備を始めて…。今週の一枚は、千葉県白井市で指導いたしましたメンバーが立ち上げた「市民劇団旗揚げ公演チラシ」です。白井市からの依頼を受けまして演劇教室をスタートさせてから20年…。演劇を愛する思いが新たな花を咲かせましたこと嬉しく存じます。今週の土曜日は『一葉さんのお誕生を祝う会』。一葉さんの美しい文章を皆様にお聞きいただけますことを楽しみにいたしております。

2019年3月12日

今年も、一葉さんのお誕生を祝う会が近づいてまいりました。例年同様、一葉さんの御両親の故郷・塩山の常泉寺さんで、「お話と朗読の会」を行います。
今年の共演者は、パーカッショニストの“Miz”さん。作品は、一葉さんの二作目の小説「別れ霜」。この作品は、明治25年4月改進新聞に15回連続掲載された作品で、許嫁(いいなずけ)同士の淡い恋心が描かれています。そして、その恋を成就するために心中するという展開です。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のようだと評する方も……この時期は、中央線の車窓からの眺めも見ごろな季節です。入場は無料ですが、お申し込みが必要です。

2019年3月5日

2月24日に日本文学研究者で、東日本震災後に日本国籍を取得されたドナルド・キーン氏が他界されました。そのニュースの中で、日本にしかない憲法9条の「戦争の放棄」「戦力の不所持」「交戦権の否認」のすばらしさを語られた在りし日の姿が映し出され感銘を受けました。桃の節句をお祝いできるのも「一葉の会」の発表会が新宿駅近くの「無何有」で16日(土)午後3時から例年通り公演できるのも、戦争のない日本だからだと感謝でいっぱいです。生徒さんが、それぞれの人生観の中で選ばれた作品朗読は、きっと皆さんの心を打つものと存じます。入場は無料です。
ぜひ、お出かけください。

2019年2月26日

今週の一枚は、船木俱子さんが送ってくださった絵本「月夜には」の表紙です。秋田県男鹿半島生まれの俱子さんの絵と文は、やさしさに溢れています。その世界には、…生きものや齢(よわい)の別はありません。微風をうけて心地いい、陽だまりをうれしいと感じるいのちであれば……。ご縁は、30年以上前のこと。日本俳優連合の事務所が芝公園にあった時でした。その頃 彼女は、個性的演技派の俳優 粟津 號氏のマネージャーとして活躍していらしたのですが、ご主人の粟津さん他界後、(社)日本ペンクラブ、(社)日本詩人クラブの会員として、ご活躍なっています。

2019年2月19日

今週の一枚は、第9回山田風太郎賞と第160回直木三十五賞の2冠を達成した「宝島」の表紙です(装幀:岡 孝治氏)。
作家の真藤順丈氏が、母校の後輩であるということもあり早速に読みました。私が山梨県で伸び伸びと暮らしていた同じ時代に、沖縄の人々は危険と隣り合わせの生活をしていた実情が、ミステリー風に描かれている青春ドラマに胸を打たれました。やはり同郷の林真理子氏(選考委員)のコメント「平成最後の直木賞にふさわしい作品と太鼓判を押し、初の候補入りだった気鋭の才能をたたえる声が相次いだ」を読み、皆さんにお伝えしたくなりました。

2019年2月12日

今週の一枚は、「山人会」の会員・川﨑勝信氏の最新の歌集の表紙です(装幀:倉本修氏)。
作品540首のあとがきには「平成23年(2011)3月11日の東日本大震災以来今日まで、心に滞る漠然とした不安を消すことができないでゐる。…今年8月の誕生日がくると満80歳になる。…これからも国の行く末と、自分の老いゆく様を確と詠み継ぎ、逃れることができない不安と向き合ふほかに道はない…」川﨑氏のお人柄が伺える暖かい慈愛に満ちた歌の数々……「七万の松も二千余の人生も波に消えたり 空広広し」「誰も見えぬ浪江の道に信号機赤が青へと音なく移る」……。

2019年2月5日

今週の一枚は、「山人会」新年会でのスナップです。「山人会(さんじんかい)」は、山梨県出身の文化人により運営され94年の歴史があります。その目的は「山梨県下における文化事業の助成と、青少年の想像力の開発助成のため、芸術・科学などの文化活動の育成奨励を図り、もって学術文化の向上発展に寄与する」というものです。この日は、作家で会員の中津攸子氏の講演に続き、やはり会員でノーベル生理学・医学賞受賞を受賞された大村智氏(写真左)のお話をお聞きいたしました。私にもマイクが回ってまいりましたので、樋口一葉文学を若者に伝える活動22年目の抱負をお話しさせていただきました。

2019年1月29日

今週の一枚は、27日(日)に阿佐ヶ谷図書館で行われました「聞いて楽しむ阿佐ヶ谷の文学」スナップです。この会では、阿佐ヶ谷にゆかりある太宰治の新婚時代に住んでいた住居がわかる地図を甲府市役所から送っていただきまして、お配りし、太宰の愛息・正樹君が描いた絵をご覧いただき「美少女」を朗読いたしました。後半は、杉並区にある樋口一葉さんのお墓のこと、一葉さんの和歌の師匠・中島歌子さんのことをお話したのち、注釈を入れての一葉日記の朗読、初めての新聞小説「別れ霜」の一部をひとり芝居でご覧いただきました。終演後の満足げな皆様をお見送りできましたことを嬉しく存じます。

2019年1月22日

今週の一枚は、1月20日付東京新聞掲載「たけくらべ」直筆オークションの記事です。以前、この直筆原稿を目にいたしました時の感動が蘇ります。そして、お手元に置かれることができた方の喜びを想像いたしますと胸がときめきます。天上の一葉さんは、どんなお気持ちでいらっしゃることでしょう。また、今年の直木三十五賞受賞作「宝島」は、母校の後輩・真藤順丈氏に決定したことも嬉しい知らせでした。27日は、阿佐ヶ谷図書館で、母校の先輩の夫・太宰治氏の作品、氏の愛息のことが綴られている小品の朗読後、一葉さんのことをお話しさせていただきます。是非、お出かけください。

2019年1月15日

昨日は成人式でしたね。明治25年3月25日一葉さん20歳のお誕生日の日記には「朝より折々に雪ふる。10時頃より晴れ渡りたれど風いとつよし。今日はおのれの誕生の日なればとて、魚などもとめて、いささか祝いごとす…」。今週の一枚は、一葉さんの処女作「闇桜」を公演いたしました平成18年3月の舞台写真です。日本でもっとも早く西洋の数々の作品が演じられ、小山内薫、谷崎潤一郎、芥川龍之介、大佛次郎らが通った歴史ある劇場「山手ゲーテ座」の舞台に飾りつけられた生の桜の樹に囲まれて、作曲家・原 正美氏の作曲・ピアノ演奏と共に一葉の世界をお楽しみいただきました思い出の一枚です。

2019年1月8日

2019年の年明け日々雑感のスタートです。今年初めの一枚は、「甲府 山の手七福神」。私は、「厄地蔵さん」と呼ばれ、子どもの頃から親しんでいる塩澤寺の大黒天からスタート。弁財天の清雲寺では、千葉さな子さん(坂本竜馬の許嫁)の御墓参りもさせていただき、最後は太宰治の新婚当時の住居近くの御崎神社の恵比寿神にお参りして3時間程で一巡り。とても楽しい時間を過ごせますので、皆さんも是非おでかけください。本日から「公演予定欄」も更新いたしました。ご覧いただき、ご予定に入れていただけましたら幸いです。このページは、昨年同様、毎火曜日午後に更新いたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2018年12月25日

この一年、応援いただきましてありがとうございました。今年最後の一枚は、ねむの木学園創立50周年記念式典での宮城まり子さんとの写真です。「私は、まだ91歳なの。だからまだまだ大丈夫!」の力強い言葉に励まされました。とくに今年は、家族同様の星由里子さん、「とにかく続けなさい。続けることが才能よ」と背中を押してくださった菅井きんさん樹木希林さん赤木春江さんとお別れをした悲しい年でもありましたから……。皆様、お身体にも交通事故にもくれぐれもご注意なさって良いお年をお迎えください。私は、三越劇場10周年記念公演に向かって益々頑張ります。来春の更新は1月8日(火)です。どうぞよろしくお願いいたします。

2018年12月18日

先週ご案内いたしました「源氏物語り五十四帖」についてのお問い合わせをいただきましたので、今週の一枚は「作品タイトル一覧」にいたしました。ご興味をお持ちの方は、制作会社ジェー・ピー直販事業部にお電話ください。0120-366-004(平日10時~17時)詳しくご説明してくださいます。また、恒例の劇団仲間「森は生きている」が、12月22日(土)~27日(木)、2019年1月5日(土)~6日(日)に新宿駅近くの紀伊國屋サザンシアターにて公演されます。三世代の人々が共に楽しめ、年齢を重ねるごとに感慨深く感じられる素晴らしい作品です。ぜひ沢山の方にご覧いただきたいと存じます。2019年は、埼玉県、福井県、北海道での公演もあるそうです。

2018年12月11日

今週の一枚は、今年の法眞寺さんでの一葉忌の折に御縁をいただきました「源氏物語り五十四帖」の第1回「桐壺」と、第2回「雨夜の品定め」が収められているCDジャケットです。内容は、NHK教育テレビ『古典への招待』で、長年にわたり講師をつとめ人気を博された国文学者の三田村雅子氏の解りやすい解説の後、幸田弘子氏の朗読が続くという構成です。これは、「彩の国さいたま芸術劇場」が平成13年より、9年がかりで全作品をとりあげて好評を博した公演記録を、制作会社ジェー・ピーさんのご提案でCD化されたもので、公演時に配布されたオリジナルテキストも付いていて、とても勉強になりました。

2018年12月4日

街には、クリスマスソングが流れ、イルミネーションが輝く12月になりました。今年の「ゴチャ展」朗読会では、19歳の一葉さんが、小説家として身をたてられるかどうかを悩み、東京朝日新聞の半井桃水に相談している日記、文章の書き方に悩み、「萩の舎」の中島歌子師に相談している日記(明治25年3月18日~29日)をお聞きいただき、あれこれのお話をさせていただきました。今週の一枚は、季節を勘違いしてしまった櫻の花です。気温の変動が激しく体調を壊しやすい季節です。そして、街全体があわただしい時期ですので、体調管理にも、交通事故にも、くれぐれもお気をつけになってお過ごしください。

2018年11月27日

今年の文京区法眞寺さんで行われました「一葉忌法要」では、一葉さんのご両親の故郷・甲州市塩山常泉寺の御住職、森鴎外記念館の副館長、本郷図書館の元館長、一葉全集の編集長(小学館)の皆さんと、一葉さんを偲んでのお話しが出来ました。夕刻から高円寺で行いました「一葉忌ライブ」も、アットホームな朗読会になりました。

今週の一枚は、一葉さんの散歩道で行われますイベントのポストカードです。「ゴチャ展」と名付けられた会も今年で24回。私は、初日12月1日午後4時頃から、一葉さんの日記を朗読いたします。地下鉄・本郷三丁目駅から東大に向かって3分程の所ですので、是非お立ち寄りください。

2018年11月20日

今週の金曜日は、樋口一葉さんが旅立たれて122年目の御命日です。例年通り、文京区の法眞寺さんで行われる御法要に出席し、高円寺の唐変木で朗読会を行います。「一葉忌ライブ」と名付けたこの会も今年で14回。今回の作品「別れ霜」は、『35回程の連載で、改進新聞に掲載となる手はずを整えたので、とにかく頑張りなさい』と、半井桃水から激励された様子が明治25年3月27日の一葉日記に記述されています。「別れ霜」とは、「忘れ霜」とも呼ばれ、春の最後の霜のことです。一時間余りの朗読会で、この作品への一葉さんの想いを、どのようにお伝えできますか……どうぞ、お楽しみにお出かけください。

2018年11月13日

日曜日に文京区本郷図書館で行われました「一葉忌記念・奥山眞佐子ひとり芝居を交えての朗読会」は盛況のうちに幕を閉じました。お出かけいただきました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。この会では、山梨県出身の一葉さんのご両親が駆け落ちしたこと、一葉さんの処女作「闇桜」が「武蔵野」に掲載されるまでのいきさつを「ひとり芝居」でご覧いただきました後、初恋に目覚めた切ない娘心が描かれている「闇桜」を朗読いたしました。今週の一枚は、朗読会終了後、満足な笑顔でお帰りになられた区民の皆様をお見送りして後片付けを終えた本郷図書館のメンバーの皆様と撮影いたしましたものです。

2018年11月6日

今週の日曜日11月11日は文京区本郷図書館主催の「一葉忌記念・奥山眞佐子ひとり芝居を交えての朗読会」が、ございます。本郷図書館の前身は、1910(明治43)年開設の東京市立本郷簡易図書館だったそうです。場所は、地下鉄千代田線の千駄木駅から団子坂を登ったところ。また、この図書館の近くには、一葉作品を褒め讃えた森鴎外が1892(明治25)年から亡くなるまで過ごした自宅跡地に建てられた「鴎外記念館」もございます。そして、そのお庭には、樋口一葉さんの作品を語り合った「三人冗語」の石も現存します。そんな歴史ある場所で、一葉さんの処女作「闇桜」を皆さんにお楽しみいただけることを嬉しく存じます。

2018年10月30日

ねむの木学園創立50周年記念式典に伺ってきました。ここは、国内初の肢体不自由者養護施設で小中高の学校も備え、絵画、音楽、ダンス、詩、作文、茶道、工芸など感性を育てることを重視した教育を行っています。この日、国内外からお祝いに駆けつけた1200人余りの人々で運動場は埋めつくされ、ピンクの旗を持った学園の子どもたちと職員さんの中央で、創立者で園長の女優・宮城まり子さんが正座されてのご挨拶。続く運動会は、園生の「鳥になった瞳」の合唱後、聖火をともして開始され、締めくくりには「やさしくね。やさしくね。やさしいことは、つよいのよ」を、参加者全員で合唱しながら、踊って笑って転がって……幕を閉じました。感動的な涙を沢山流してきました。

2018年10月24日

昨日の「樋口一葉の世界2018奥山眞佐子ひとり芝居・樋口一葉二十歳のとき」公演は、平日の公演ではございましたが、お陰さまで満席に近いお客様にお出かけいただきまして、滞りなく無事に幕をおろすことができました。お出かけいただきました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。初めての2幕もので2時間の舞台。一葉さんの精魂込めた言葉を、丁寧に皆様にお伝えしようと舞台を務めさせていただきました。また来年の公演は、9月14日(土)に決定いたしました。今週の一枚は、劇場ロビーでの写真です。彼女たちは、今後を活躍期待される女優さんです。応援してあげてください。

2018年10月16日

来週の火曜日は、日本橋三越劇場「樋口一葉二十歳のとき」の公演日です。一葉小説に綴られている初恋~10代の娘が、初めての恋心に、ときめく期待と不安、一喜一憂する姿~。それは、130年余の年月を経た今でも魅力的に光り輝いています。樋口奈津が、樋口一葉としてスタートした処女作「闇桜」続く「たま襷」「五月雨」は、初々しさが漂う清楚な世界、美しい言葉……舞台は素晴らしい仕上がりです。小二田茂幸氏作曲による数々の筝曲は、内藤眞代さんの巧みな指使いによって奏でられ、常磐津菊与志郎師の作曲・三味線演奏、常磐津和英太夫師によって語られる常磐津は、他では味わうことができない美しい空間です。皆さん、ぜひ、お出かけください。

2018年10月9日

今週の一枚は、YBS山梨放送「気になる人にズバリ!キックス」出演時のスナップです。生放送ですから、どんな展開になりますかドキドキモノです。そして今回の梶原しげるさんの注文は、「女性アナウンサーに対して朗読指導をお願いします」というもの。「花子とアン」の時もそうでしたが、指導は、相対して行うのが基本です。けれど、相手のアナウンサーは甲府のスタジオに。その方に指導するのは至難の技です。結果……初めに彼女が読んだ文章に、私が表情を付け加えて読むことで感じてもらう方法をとりました。三越劇場公演まであと二週間。稽古も佳境です。お申し込みをお待ちいたしております。

2018年10月1日

私の母校・甲府第二高等学校(現・西高)の同期会に出席して来ました。余りに久しぶりでしたので、すぐには分らない人もいたのですが、話し始めると気持ちはすっかり高校生時代に戻って……。そして昨日は、樹木希林さんのご葬儀の日。夕刻からは恐ろしい台風。電車がすべて止まってしまうなんて初めての経験です。
今日は、14時からYBS山梨放送「気になる人にズバリ! キックス」に生出演いたします。パーソナリティーの梶原しげるさんからどんな質問が飛び出すか楽しみです。一葉作品を手掛け始めて21年目の今年のひとり芝居「樋口一葉 20歳のとき」の舞台のことを沢山お話したと存じます。聞いてくださいね。

2018年9月25日

「こうふ開府500年記念事業 カウントダウンイベント100日前」は、山梨県庁噴水前広場に100年前の雰囲気が演出され、一葉さんの小説の師・半井桃水を思わせる袴姿の樋口市長の挨拶から始まり、とても盛大に行われました。
今週の一枚は、私の三越劇場公演にご協力くださっている「株式会社アイロリ」の森田さんから届きました『税について学ぶ運動会』のご案内です。新宿関税会青年部長の森田さんは、常に面白いことを企画なさいます。今回は、税務署の後援のもと、来年から導入される軽減税率制度について詳しく知ろうということがテーマです。お近くの方も、少々遠い方も、是非ご参加ください!

2018年9月18日

「星 由里子さんを偲ぶ会」では、星さんの出演作品の映像が流され、舞台「香華」でのロングラン公演のこと、NHK「あぐり」に出演しました折のことなど、あれこれを思い出し……久しぶりに田中美里さんともお話いたしました。また、加山雄三さんのご挨拶は胸に詰まるものでした。名古屋に伺っての「江崎順子のカーテンコール」では、生前の江崎さんの舞台の収録音声が流され、それに答える形で朗読を行いました。そして…今度は、樹木希林さんの訃報。あまりにも悲しすぎます。私の心に刻まれている希林さんからの教え「全てを受け入れなさい」の言葉をかみしめています。メソメソしていると希林さんから叱られそうですが、やっぱりメソメソしてしまいます。

2018年9月11日

今週は、懐かしい方とのお別れの会が続きます。14日は、帝国ホテルで「星由里子さんを偲ぶ会」に出席、16日には、名古屋で「江崎順子のカーテンコール」と題した、彼女を偲ぶイベントに参加して朗読を行います。出会いがあるから別れが……生まれたという原因があるから死という結果が……とはわかっておりましても、お別れは辛いものです。今年は、とくに災害が多く、一瞬にして愛する人との別れをなさった皆様のことを思いますと胸が詰まります。10月の三越劇場公演では、まさか24歳で旅立つとは想像もしていなかった希望に満ちた20歳の一葉さんの処女作から3作目迄をご堪能いただけますようにと稽古に励んでおります。

2018年9月4日

昨日の新演劇人会議のイベントは盛況のうちに幕を下ろしました。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。私の朗読「はだしのゲンはピカドンを忘れない」では、ゲンが感じた疑問や怒りを観客の皆様にお届けできましたことを嬉しく存じます。先週、甲府で行いました朗読ワークショップの記事が、山梨日日新聞から届きましたので、今週の一枚にいたしました。また、甲府市教育委員会から届きました参加者のご感想文からは、皆さんのウキウキする気持ちが伝わってまいりました。40代から90代までの幅広い年齢層の皆様に同時に楽しんでいただけましたことをとても嬉しく存じます。

2018年8月28日

今週の一枚は、昨日行われました「奥山眞佐子朗読ワークショップ」のスタッフとしてご活躍くださった山梨県甲府市役所の職員さんとの記念写真です。ワークショップに参加されて、ご満足なさり満面の笑みでご退出なさった市民の皆さんをお見送りした後に撮影いたしました。来週の火曜日は、東京・新宿で指導いたしております「朗読教室・一葉の会」のミニ発表会がございます。毎年3月に一年間の稽古の集大成の発表会を行うのですが、今年は、途中経過もご覧いただこうと……初の試みです。小説から感じ取った思いを、どんな表現で語ろうか…と、生徒さんの気持ちも盛り上がってのラストスパートの稽古には熱がこもります。

2018年8月21日

今週の一枚は、9月3日(月)に行われる新劇人会議のイベントのご案内です。私は、中沢啓治氏の「はだしのゲンはピカドンを忘れない」を朗読いたします。この作品の中に「人間の生き運というのは、まったく紙一重です」という言葉があります。今、日本は戦争中ではありませんが、地震や豪雨などの自然災害や事件や事故に遭われた人々のことを思いますと、心が痛みます。今日が無事に過ごせること、帰る家があること、不安なく目覚める朝を迎えられること、その全てが奇跡的なことのように感謝せずにはいられません。27日は故郷での「朗読ワークショップ」がございます。短い時間ですが、皆さんにお楽しみいただきたいと心が弾んでおります。

2018年8月14日

明日は、第二次世界大戦終結が伝えられ、多くの国民が空襲の恐怖から解放された日。「平和」に感謝する日……。
今週の一枚は、2019(平成31)年に甲府開府500年を迎えるにあたっての「カウントダウンイベント100日前」のご案内です。甲府市平和通りの山梨県庁噴水広場で行われますセレモニーには、もちろん私も出席いたします。太宰治が「シルクハットをさかさまにして、その帽子の底に、小さい小さい旗を立てた、それが甲府だと思えば間違いない」と表現している甲府は、新宿駅からJR中央線・特急乗車、約一時間半で到着できます。過ごしやすい季節、是非、甲府にお出かけいただき、楽しい一日をお過ごしください。

2018年8月7日

6日は広島に、9日は長崎に原子爆弾が投下されて73年。沢山の人々が流した涙……日常生活を奪われた人々の無念……命を奪い、悲しみを作り出す「戦争」は、あってはならないと思います。今週の一枚は、ワークショップのご案内です。会場の藤村記念館の建物は、明治8年に巨摩郡睦沢村に睦沢学校校舎として建てられました。その後、国指定の重要文化財となり、現在は甲府駅北口に移転され、交流ガイダンス施設に生まれ変わりました。長い歴史を見てきたであろう建物の一階で、昨年に引き続きまして甲府市教育委員会の主催で朗読ワークショップを行います。これも平和であればこそのことと感謝して指導させていただきます。

2018年7月31日

先週ご紹介の高津区民祭での「ジャガイモのつかみ取り大会……」は、とても盛況でした。楽しい夏休みも、お祭りも、花火大会も平和であればこそのこと。この平和の礎となられた多くの人たちのことを忘れてはいけない。伝え続けなければ……けれど、伝え続けることの難しさも思います。今週の一枚は、わだつみフィールドワークのご案内です。ご都合のよろしい方は直接お申し込みください。

一葉さんが22歳の時、小泉八雲(イギリス人ラフカディオ・ハーン)が『日本の面影』全二巻を出版しました。先日、池田雅之氏から「八雲を通して日本文化の根っこの所を見直す時期に入ったのを痛感します」と、お聞きして改めてご本を読み始めています。

2018年7月24日

先週掲載の「ヴァンフォーレ甲府 対 ロアッソ熊本戦」はヴァンフォーレが勝利しました。大相撲名古屋場所では、郷土の「竜電」が勝ち越しまして秋場所から番付け上がる見通しだそうで……嬉しいです。今週の一枚は、私が副会長を務めております文教大学学園校友会の中の「付属溝ノ口小学校校友会」のイベントのお知らせです。大山街道に露店が並ぶ高津区民祭で、「ジャガイモのつかみ取り大会と夏野菜の販売」をなさいます。はがきのコピーをご持参頂かなくても、所属・住所・お名前で校友生と同等の対応をしてくださるそうです。地元で収穫された瑞々しいお野菜がなくなり次第終了となりますので、お早めにお出かけください。

2018年7月17日

今週の一枚は、私が副会長を務めております首都圏甲府会共催の「ヴァンフォーレ甲府応援イベント」のご案内です。チーム名の由来は、武田信玄の旗印「風林火山」に基づいて、フランス語の「Vent(風)」と「Forêt(林)」の組み合わせ。私のNHK出演は武田信玄が最初で、役名は「すみ」でした。覚えているはずの台詞が出てこなくなったリハーサル……緊張をほぐしてくださろうとお声をかけてくださった中井貴一さんに益々緊張してしまったこと……思い出すと今でも赤面してしまう20代の頃…。そんな青春時代の数々を下敷きに、秋の三越劇場で、一葉さんの20歳の初恋の恥じらいを公演いたします。お楽しみになさってください。

2018年7月10日

今日は、第二次世界大戦で大きな火傷を負いながらも頑張って生きて、私に命を与えてくれました、愛する父の命日です。私は24歳の時、希望に溢れてプロの道を志し、本郷三丁目「赤門アビタシオン」の二階「新演劇人クラブ・マールイ」に入所しました。12年前、同じ建物の一階に、人間の命の尊さを忘れさせる戦争はあってはならないと伝える「わだつみのこえ記念館」が開設され、戦争で命を失った学生を偲ぶ数々の品が展示されています。今週の一枚は、記念館の「ごあいさつ」。73年前に焼き尽くされた故郷・甲府の空襲で、当時19歳で遺体が見つからないままの妹のことを悲しみながら旅立った母のことを思い、窓の外の蝉の声に涙が溢れます。

2018年7月3日

6月29日に神奈川県との主催で行いました「樋口一葉 二十歳のとき」公演は、補助席を出すほどの盛況で幕を下ろしました。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様ありがとうございました。ご観劇後の皆様の満足げなご様子、沢山のご感想も頂戴いたしまして感謝でいっぱいでございます。また、お帰りがけの受付で、多くの皆様から10月23日(火)午後3時開演・三越劇場公演のご予約もいただけましたことは嬉しい限りです。今年は恩師・山田五十鈴の七回忌にあたりますので、京都にお墓参りに伺って、ご住職と在りし日の五十鈴先生のお話しをしてまいりました。今週の一枚は、お寺のお庭のお花です。

2018年6月26日

今週の金曜日は、JR桜木町駅近くの紅葉坂の神奈川青少年センターで行います「樋口一葉 二十歳のとき」の公演日。今回は、初めて休憩が入る舞台です。一幕は、一葉さんが二十歳の時に書き下ろした「闇桜」と「たま襷」を、琴の調べと共にお楽しみいただきます。今週の一枚は、筝の作曲を担当してくださった作曲家の小二田茂幸氏。涼やかな風の香に包まれるようなうっとりする曲を、内藤眞代氏の演奏でお楽しみいただきます。休憩をはさんでの二幕目「五月雨」では、常磐津菊与志郎氏の作曲による三味線の音と、琴の調べの合奏も。残り稽古は、あと三日。
当日券につきましては045-290-5877に、ご連絡ください。

2018年6月19日

お隣にいらっしゃる吉井健太郎氏は、歴史あるウィーン交響楽団で初めて採用された東洋人。34年間、同オーケストラで首席チェリストとして活躍され、現在はソロチェリストとしてヨーロッパ各地で演奏なさっていらっしゃいます。私は、幸運にも氏の演奏を間近で堪能することができました。サンサーンス「白鳥」の演奏を聞きながら、以前、オーケストラをバックにサンサーンスの「謝肉祭」を朗読した日のことを思い出しました。氏は、私の活動にも興味を持ってくださり、「樋口一葉ひとり芝居ヨーロッパ公演」の夢も広がりました。6月29日はライブ的な空間で、一葉の初恋の小説をご堪能いただきたいと、お待ちいたしております。

2018年6月12日

今週の一枚は、物理学者の小沼通二氏にから頂いたものです。3日に行われた「平和のための戦争展inよこはま」で、私が朗読いたしました「裸足のゲンはピカドンを忘れない」「サーロ―節子さんのノーベル授賞式の演説」をお聞きくださって後に頂戴いたしました。この日、小沼氏は「敵を作らない日本に」と題された講演のなかで、日本人初のノーベル賞学者・湯川秀樹氏との出会いをお話くださり、小沼氏が栞執筆された「湯川秀樹 詩と科学」の氏の残された言葉もお聞かせくださいました。「一日生きることは、一歩進むことでありたい」という言葉を心に刻み、明治25年の樋口一葉の思いを少しでも深く表現できるように稽古に励んでおります。

2018年6月5日

NHK大河ドラマ「徳川家康」やTBS「3年B組金八先生」などの脚本家・小山内美江子氏と親しくお話しさせていただく機会を得ることができました。教育困難な国に学校建設の活動を始められ最初に「ブランコ」を作られたこと、現地に行った日本の学生はトンカチで釘を打たずに、自分の指を打ってしまった様子などをお聞きして、そこに集う子ども達や、釘を打つことに四苦八苦している学生の笑顔が想像できました。私は、樋口一葉への思いをお話しさせていただき、横浜公演のチラシをご一緒に持っていただいての写真が今週の一枚です。私も氏のように中断することなく歩み続けて、一葉文学を語り続けてゆこうと改めて心に刻みました。

2018年5月29日

73年前の今日は、横浜市中心地域に無差別爆撃が行われ、横浜が焼け野原となり市民の沢山の命が失われた日です。今年で23回となる「平和のための戦争展in横浜」の6月2日(土)には、五大路子さんが横浜空襲を題材にした「真昼の夕焼け」を朗読され、3日(日)には、私が、2017年ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)で活動なさっているサーロ―節子氏が授賞式で演説された抜粋と、原爆がどんなに恐ろしいものかを語り続けられた漫画家・中沢啓治氏の「はだしのゲンは、ピカドンを忘れない」を、地球上の全ての人々が笑顔で暮らせる日を願って読ませていただきます。当日の配布資料費は500円です。

2018年5月22日

昨年、最愛の母を見送りました時、私の悲しみを慰めてくださいました由里子さんが……、「ひとり芝居」を応援してくださり、三越劇場公演にもお出かけくださいました星由里子さんが、突然、旅立たれたと知って驚きました。こんなに早くお別れのときが来るとは……。
若き頃より、ご懇意にさせていただいております京都のご親族の皆さんに寄り添って最後のお別れをいたしてまいりました。今週の一枚は、以前、ご縁のある方にお送りしておりましたマコ通信10号トップページの星由里子さんのお優しいお声が聞こえるようなコメントです。
マコ通信は、恩師・山田五十鈴先生を偲ぶ14号で、一時休止いたしております。

2018年5月15日

1902年に女子高として開校され、現在は、男女共学の単位制高等学校に改編され、校名も山梨県立甲府西高等学校となった母校の同窓会に出席してきました。何十年ぶりの再会を喜びながらも、顔と名前が一致せずに混乱もいたしましたが、800名程の参加者全員での校歌の合唱は、とても感動的でした。私が特に好きな歌詞は「未だ二葉なる姫小松 教えの雨にうるほいて」「つくさなん高き理想よ その夢のうつつの姿」「磨かずば光あらじな 秀ずべき資性のさまざま」…
夢と希望が溢れた若き日をおもい胸が高鳴りました。この高鳴りを、横浜公演の「樋口一葉さんの20歳の時」を演じる舞台で皆さんにお伝えしたいと存じます。

2018年5月8日

今週の一枚「針穴のパリ」は、田所三惠子氏の作品。レンズを使わない針穴(ピンホール)を利用したカメラで撮影されたモノクロ写真に初めて出会ったのは2007年。銀座ポーラアネックスでした。その時のタイトルは「一葉に会いたくて」 小さな光の穴から広がる穏かな空間に涙しました。今回は「ギャラリー・バウハウス」(03-5294-2566)で、40点が展示されています。12日・19時からのギャラリートークは、お申し込みが必要ですが、写真展は6月16日まで行われています。きっと、驚きと共に感動に震えられることでしょう。ぜひ、お出かけください。また、私の横浜公演の稽古も順調です。お申し込みお待ちいたしております。

2018年5月1日

今日から5月。あちこちの庭先に飾られた鯉のぼりが、気持ちよさそうに泳いでいます。
今週の一枚は、「五月雨」の登場人物・優子とお八重が感じられるお花です。原作には「池に咲く菖蒲かきつばたの鏡に映る花二本(ふたもと)ゆかりの色の薄むらさきか濃むらさきならぬ白元結…」と書かれています。二人の娘の姿を表現する一葉さんの美しい言葉に、ため息が出ます。現在、台東区の一葉記念館では、一葉さんが春日野しか子の筆名で書いた「経つくえ」が掲載された当時の甲陽新報が展示されています。この企画展は6月24日迄ですので、ぜひ、お立ち寄りください。また、私の横浜公演もお楽しみになさってください。お申し込みお待ちいたしております。

2018年4月24日

「朗読とランチと新宿御苑の散策会」も盛況で鈴木三重吉翻訳「湖水の女」、有島武郎作「一房の葡萄」を皆さまの心にお届けできました。おしゃべりしながらの新宿御苑散策では新緑に包まれた藤やツツジをご一緒に楽しみました。
 今週の一枚は、神奈川県と共に主催いたします「奥山眞佐子ひとり芝居・樋口一葉二十歳のとき」のチラシです。場所は、横浜・桜木町駅近くの青少年センター、明治25年発行の半井桃水主催・雑誌「武蔵野」に掲載されました一葉さんの小説「闇桜」「たま襷(だすき)」「五月雨」を構成いたしまして、琴、三味線の生演奏とのコラボでお楽しみいただく趣向です。お申し込みをお待ちいたしております。

2018年4月17日

14日に行われました鎌倉蔵書館コーヒーミーティングで、鎌倉に関する作品を朗読いたしました。大人向けの作品だったのですが、10歳の女の子に「ドキドキして楽しかった。ママは泣いてたよ」と声をかけられたり…、数々の感動の言葉を頂戴いたしましたり、思いがけない出会いに驚きもありました。今週の土曜日の朗読会は、一葉桜が散ってしまいましたので「朗読とランチと新宿御苑散策」とタイトルを変更して、今週の一枚といたしました。
お問い合わせ欄に届きましたメールが文字化けで判読不明のものがあり御返事が出来ません。お返事をお受け取りになっていらっしゃらない方は、お手数ですがお電話いただきたくお願いいたします。

2018年4月10日

今週の一枚は、「東京芸術座」59年目の4月公演「いぐね(居久根)の庭」のチラシです。2011年夏、仙台市近郊農家・幸田家にある奥羽山脈から吹く北風や、海から吹く塩風から人々を守るために植えられた特徴的な屋敷林(居久根)は、震災から半年たってもほとんど手付かずの無残な状態のまま……TVや映画とは異なる生の感動を味わっていただけると存じます。
私の朗読とランチと一葉桜のお花見会21日(土)は、樋口一葉より10歳年下の鈴木三重吉の作品や、鈴木主宰の「赤い鳥」に掲載された有島武郎の「一房の葡萄」をお聞きいただきます。新宿御苑散策もお楽しみに! お申し込みお待ちいたしております。

2018年4月3日

中学時代の同級生から電話がきました。

「マコのこと新聞に載っていたよ。今年は行けなかったけど、新聞を見て嬉しかった。切り抜きを送るね。」

そして、届きましたのが今週の一枚です。一葉さんは、明治5年3月25日に東京都千代田区の明治政府の官舎で産声を上げました。一葉作品をこよなく愛されている栗原宣如住職の常泉寺(一葉さんのご両親の故郷)での「お誕生を祝う会」は今年で5年目。常磐津菊与志郎氏の三味線の音と共に「五月雨」(樋口一葉20歳の作品)の朗読をお聞きいただきました。終演後は、みな様からご感想をお聞きしたり、あれこれのご質問にお答えしたり…。お帰りがけの皆様の笑顔がとても嬉しゅうございました。

2018年3月27日

甲州市塩山・常泉寺で開催されました「一葉さんのお誕生を祝う朗読会」は今年も盛況のうちに幕を閉じました。お出かけいただきました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。
今週の一枚は満開の桜。昨年、最愛の母は満開の桜に見送られて旅立ちました。これまでは温かな春の訪れを運び、寂しい気持ちを華やかにしてくれる桜でしたが……今年は悲しみを増幅させるお花となりました。そんな気持ちの私に、修行時代の青春を共にして励ましあって舞台を踏んでいた友人の訃報が届きました。彼女も逝ってしまった……なんとも言葉にできない寂しさで胸が締め付けられて桜を見つめております。

2018年3月20日

25日(日)は一葉さんのお誕生日。一葉さんのご両親の故郷・塩山・常泉寺さんで「お誕生を祝う会」を行います。一葉さんが二十歳になった明治25年3月25日の日記「朝より折々に雪ふる。10時頃より晴れ渡りたれど 風いとつよし。今日は おのれが誕生の日なればとて、魚などもとめて いささか祝いごとす。(中略)半井うしより『28日までに小説の草稿まはしくれよ』との 文(ふみ)来る。今宵は さまざまにこと多し」この小説は「武蔵野」第二編の草稿のことですが、今年の朗読作品は第三編の「五月雨」を常磐津菊与志郎氏(写真)の三味線と共にお楽しみいただきます。入場は無料ですが、お電話でのご予約をお願いいたします。

2018年3月13日

新宿教室生徒さんの発表会、阿佐ヶ谷図書館での朗読会も無事に終了いたしました。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。
今週の一枚「願いと揺らぎ」の我妻監督は、波伝谷で暮らす人々の生活や風習を映像に収め続け2011年3月11日の大震災に自らも被災。震災が生んだひずみを乗り越え、土地と共に生きて行く人々「波伝谷に生きる人々」を完成。今回の作品は、波伝谷地区の伝統行事である「お獅子様(おすすさま)」の復活までの集落の人々の願いと心の揺らぎを丁寧に写し取った記録映画です。16日(金)まで、ポレポレ東中野で上演しています。ぜひ、ご覧になってください。

2018年3月6日

今週の一枚は、阿佐ヶ谷図書館で行われます朗読会「聞いて楽しむ阿佐ヶ谷の文学」のチラシです。開館25周年の記念の年に、母校の先輩のご主人・太宰治氏の作品を皆様にお聞きいただけますことを嬉しく存じます。朗読順はチラシと異なり、最初に私が太宰の「列車」続いて、私の実家近くが描かれております「美少女」を朗読し、太宰の長男・正樹君が11歳の時に書いた絵をお持ちして、皆さんにご覧いただこうと存じます。また、3・11東日本大震災の地震発生時刻の14時46分18秒に黙祷を捧げ、休憩後には柿原智恵子さんが、太宰夫妻の御仲人の井伏鱒二氏の作品を朗読されます。入場は無料ですが先着順ですので、お早めにいらしてください。

2018年2月27日

今週の一枚は、私が副会長を務めております首都圏甲府会総会でのスナップです。名誉会長は樋口雄一甲府市長。
甲府市にゆかりある者、甲府が好きな個人および団体で構成されています。お隣の竜電剛至関も同じ甲府市出身で中学卒業と同時に高田川部屋に入門され期待されたのですが怪我に苦しまれました。けれど、不屈の精神で乗り越えられ新入幕の初場所12日目に勝ち越しを決め10勝5敗で敢闘賞を受賞されました。「今後は怪我をしない力士に…」と、お話くださいましたのが印象的でした。もうお一人は来年の「こうふ開府500年」事業を魅力的なものに……と努力なさっている私の母校の後輩で甲府市役所企画部室長・佐藤学氏。皆さん、甲府をよろしくお願いいたします。

2018年2月20日

今週の一枚は、新宿教室の生徒さんの発表会のチラシです。
「一葉の会」と名付けられた教室の初期の頃は、一葉作品をお芝居にしての公演が多かったのですが、今回は、生徒さん自らが選ばれた作品を、お聞きいただきます。『食卓』は、大人の男女の恋物語、『アンネの木』は、アンネ・フラクの暮らしを見ていたマロニエの木のお話、『わたしのいもうと』は、いじめに遭った女の子のお話、『水戸梅譜』は、水戸家に奉公する親子のお話です。朗読劇『じゅげむ』は、観客の皆さんにも声を出していただく趣向です。
終演後には、ちょっとしたお茶会もご用意いたしますので、お楽しみにお出かけください。

2018年2月13日

作家・樋口一葉の誕生を祝う「ちとしゃん亭ライブ」も盛況で終えることができました。お出かけいただきました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。
今年の会は、観客の皆様の年齢の幅が広がり、男女差も少なくなりました。終演後には、たった一人で来てくださった最年少の中学生の女の子の輝く目からこぼれた感想……年長の方から、初恋を思い出されたことなどをお聞きすることも出来ました。相手を思いやる心に満ちている一葉さんの初恋の物語が、時代も年齢も性別も越えられたことが、今まで以上に実感できまして、とても嬉しい会でした。

2018年2月6日

山梨県甲州市で行われました「男女で環になり笑顔のフォーラム」での「一葉日記」の朗読は、満席の皆様に喜んでいただくことができました。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。
今週の10日(土)は、昭和の香りを残す東京下町・三味線ライブハウス「chito-shan」です。三味の音がしっとりと胸に響く空間で、磐津菊与志郎氏の三味と浄瑠璃と私の語りでお楽しみください。一葉さんが20歳の時に書き下ろした小説「五月雨」は、仲良し二人の初恋の相手が同じ人だったと気づいて……というお話。若き頃の初恋を思い出して胸がキュンとするかもしれません!お待ちしております。

2018年1月30日

今日は私の誕生日。今週の一枚は、愛犬ハチとのツーショットです。一緒の遊んだハチも、絵本の読み聞かせをしてくれた父も、私の生まれた日のことを幸せそうに話してくれた母も旅立ってしまった悲しみで胸が詰まります。
今週の土曜日は、甲州市で、一葉日記を朗読いたしますが、娘に先立だれた母親の悲しみを想像してしまいます。娘の作品「たけくらべ」が絶賛されての喜びも束の間の7か月後に娘に先立たれた母親の悲しみは察して余りあります。「人は生まれるという原因があるから死という結果があるのです」と、おっしゃった松原泰道ご住職の言葉を、改めて実感する日になりました。

2018年1月23日

今週の一枚は、樋口一葉さんのご両親の郷里・甲州市・勝沼市民会館で行われるチラシです。松村辰夫画伯の「一葉絵物語」30点が全て展示され、私はその絵に相応しい一葉さんの日記を朗読いたします。また、第二部の女性の自立、教育の必要性などについてのシンポジュームにも参加いたします。一葉さんは、母親の反対で進級できなかった悲しみを「死ぬばかり悲しかりしかど、学校は止めになりけり」と日記に記しています。けれど、この時代、娘に大切なのは家事と針仕事と考えられていのですから、進級を反対した母親を非難することは出来ないと…。入場は無料ですので、甲州市役所市民課0553-32-5583にお申し込みください。

2018年1月16日

今年も半月がすぎました今週の一枚は、2月10日(土)に都電荒川線が走る町屋・三味線かとう2階のホールで行う「五月雨(さみだれ)」のチラシです。昨年同様、常磐津菊与志郎氏とのジョイントでお楽しみいただこうと稽古に励んでおります。この作品は、20歳の一葉さんが、小説の師・半井桃水が主催する同人誌・武蔵野に発表した三作目の作品で、初めて恋心に気づいた19歳と18歳の二人の女性が不安と期待に心を揺るがす切ない思いが美しい言葉で綴られています。気持ちを伝えたら相手がどのように感じるだろうかと思い悩み揺れる心、切ない心を、ご自分の恋心と重ね合わせて、お楽しみいただきたいと存じます。

2018年1月9日

新しい年がスタートして9日が経ちました。最初を飾る今週の一枚は「つぼみ」。2018年、皆様の「夢のつぼみ」が膨らむ良き一年になりますように、お祈り申し上げます。
樋口一葉作品に取り組みまして21年目を迎えました今年の私は、一葉さんの20歳の作品を舞台にあげます。本日から「公演予定欄」も更新いたしましたのでご覧ください。そして新しい手帳に書き込んでいただければ幸いです。また「お問い合わせ欄」からのお申し込み、お便りもお待ちいたしております。「日々雑感」は、昨年同様、火曜日の午後に更新いたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2017年12月26日

樋口一葉作品に取り組んで20年の区切りの今年、温め続けておりました大作「たけくらべ」を三越劇場創立90周年に上演できまして大変ご好評いただけまして感謝の気持ちでいっぱいでございます。これもひとえにみな様に応援いただけましてのことと心底より御礼申し上げます。ありがとうございました。けれど、最愛の母が旅立ってしまいましたのも今年です。第二次世界大戦中の甲府空襲の折に妹を失った悲しみを背負って生き続けた母は、何十年たっても夢でうなされていました。ノーベル平和賞を受賞された「サーロー節子さん」の授賞式の演説の一つひとつの言葉が、強く胸に響きます。

2017年12月19日

あと少しで今年の幕を閉じる街には、美しい電飾が飾られています。今週の一枚は、利用者さんに絵本の読み聞かせや紙芝居を楽しんでいただくためにと、私の教室で学んでいらっしゃる方のデイサービス「ももたろう」の活動報告です。発声、朗読、演技の指導を始めまして30年近く。私のお教室においでの方は、人前でのお話が苦手…俳優を目指して…図書館やご家庭での読み聞かせを…ご自分の楽しみのために…と目的は様々ですが、声をしっかり出すことで心身が解放されることを実感なさっています。心が寂しくなった時は声を出して本を読んでみてください。きっと心が温かくなることでしょう。

2017年12月12日

12月12日は「こどもの詩をよむ会・おとなってなに?」の名古屋公演の日でした。昭和63年から、夏は東京、冬は名古屋で、こども達の夢を構成してのひとり芝居を9年間続けた思い出深い日の一枚は、「森は生きている」のチラシです。新しい年を迎える大晦日、わがままな女王が、真冬のさなか、4月に咲くマツユキ草が欲しいと言い出したことから物語は展開します。60年近く連続公演を続けている劇団仲間の舞台は、歌もダンスも…とても心に響きます。私は一年の締めくくりとして毎年伺っています。暮の慌しい中とは存じますが、是非、みな様にご覧いただきたく、ご案内させていただきました。

2017年12月5日

3日の「朗読会・一葉日記」では、原文に解りやすさを加えての朗読で、本郷で暮らしていらした一葉さんの様子を皆さんにお伝えすることができました。4日の山梨県甲府市主催「朗読ワークショップ」では、皆さんと一緒に身体を動かしながら、声を出すことについてのお話もさせていただきました。市の担当者さんから「退場時の参加者の皆さんのニコニコ顔が印象的でした」と、ご感想をいただき、参加者全員から続けて学びたいというお声も重なり、来年も市の行事として開催されますので、お楽しみになさってください。今週の一枚は、法眞寺での一葉さんのご法要の折の写真です。一葉さんとご一緒の方は、本郷図書館の副館長さんです。

2017年11月28日

23日は、文京区・法眞寺での「一葉さんのご法要」に出席し、懐かしい方々とお会いしました。続く、杉並区・高円寺・唐変木での「一葉忌ライブ」では、朗読をお聞きいただきました後に皆さんと作品についてのお話に花を咲かせました。

 12月3日(日)14時からは、「私が俳優養成所に通っている頃からの友人の会」に花を添える朗読を行います。場所は、文京区本郷三丁目駅近く。若き一葉さんが歩いた道沿いの画材屋さん「タンギー」です。短い朗読になりますが、お立ち寄りください。今週の一枚は、甲府市で行う朗読ワークショップのチラシです。郷土のみな様に、より朗読を楽しんでいただける会にしたいと考えております。

2017年11月21日

11月23日に朗読します「五月雨」に関する一葉さんの日記を読みますと、明治25年4月19日『著作にかかる』とあります。けれど進まず、21日に半井桃水に相談しています。29日『小説、一向(ひたすら)に尽力せしものから、出来上がらず。終夜(よもすがら)従事。30日『小説いまだ10頁ばかりしかできず。せん方なければ、その趣(おもむき)半井うしへ申さんとす』そして、5月4日に、原稿の締め切りの日延べを願い出ます。しかし、6日『一日、小説に従事、ならず』、7日『晩景(ばんけい)迄には何とぞ著作したく大勉強』、8日『まだ成らず』…。こうして出来上がったのが「五月雨」なのです。お出でをお待ちしています。

2017年11月14日

来週の木曜日は「勤労感謝の日」。そして、一葉さんが旅立たれた日です。今年も例年通り、文京区法眞寺での法要に出席した後、JR高円寺駅近くの「唐変木」で「朗読会・一葉忌ライブ」を行います。今年は、公演予定欄でご案内の「五月雨(さみだれ)」です。稽古をするたびに涙があふれてきます。人を恋することの切なさが迫ってきます。私に恋心が芽生えた頃、男女差別について考えるきっかけとなったウーマンリブという運動がありました。一葉さんの生きた時代は、今よりもっといろんな差別があったはずです。世間という壁に立ち向かった一葉さんが、24歳の人生に幕を閉じた11月23日の朗読会へのお出かけをお待ちしています。

2017年11月7日

皆さん、ブラインドサッカーをご存知ですか? 1980年代初頭に開発され日本に上陸したのは2001年。2004年からパラリンピックの正式種目になりました。5人制のサッカーで、ゴールキーパー以外は全盲の(視力の程度があるのでアイマスク着用)選手がプレーします。ボールは、転がるとシャカシャカと音がでます。この音と仲間の声を頼りに激しいゲームが展開されるのです。今回、初めて選手にお話をお聞きしてそのボールに触れ、胸が熱くなりました。日本でのパラリンピックに向かって頑張っておられます。11月12日(日)しながわ中央公園で試合があります。応援よろしくお願いいたします!

2017年10月31日

今週の一枚は、2016年のオリンピック水泳(4×200m)フリーリレーで、第2泳者として決勝に出場した江原騎士氏が獲得した銅メダル。このメダルの重さを感じて、オリンピック憲章を読んでみたくなりました。オリンピズムの根本原則は7つ。その4つめに「スポーツをすることは人権の1つである。すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては友情、連帯、フェアプレーの精神と共に相互理解が求められる」……改めてオリンピックの意義について考えるチャンスになりました。

2017年10月24日

私の友人・松田治子さん(聴導犬育成の会代表)は、身体障がい者補助犬法施行以前から聴導犬の育成、及び普及活動を続けられています。アメリカでは年間3000頭以上の聴導犬が誕生しているのに、日本で活躍する聴導犬は全国で70頭程。なんとも悲しい現状だそうです。今週の一枚は、東日本大震災の被災地で生まれ、ガレキの中からボランティアの人に保護された子犬が、耳の不自由な人のパートナーとなって音を聞き分けて知らせたり、案内したり、生活のお手伝いをする聴導犬の訓練生になった物語を描いた鈴木びんこ氏の絵と文「聴導犬くんれい生・ふく」新日本出版社発行。是非、読んでみてください。

2017年10月17日

今週の日曜日22日も全国コミュニティFM「ラジオ2951(フクコイ)」20:00~20:55に出演いたします。聞いてくださいね。今回は、一葉さんのお話です。また、11月23日(祝)に一葉さんを偲んで命日に行っております朗読会の今年の作品は、半井桃水主催「武蔵野」第3号掲載の「五月雨」(さみだれ)。二人の女性が同じ男性を恋していたことに気づく物語です。会場の「唐変木」は44年の歴史ある店ですが化粧室は真新しくなりました。また、一葉作品に取り組みまして20周年の今年は、一葉さんのご両親の故郷の珍しいお菓子もご用意いたしました。こじんまりしたスペースですので、お早めに、お問合せ欄からお申し込みください。

2017年10月10日

 今週の一枚は、句集「聲心」。著者の川上良子氏は、NHK学園俳句講座講師でいらして、文京区・一葉ゆかりの法眞寺さんがご縁でした。一葉さんのご命日11月23日に高円寺・唐変木で行っております「一葉忌ライブ」にいらした時の句「朗読の死をもって終う一葉忌」をはじめ、「わが影をふはりと吸ひぬ蕎麦の花」など、全376句の多くから仄かな香りが感じられる魅力的な句集ですので読んでみてください。発行は本阿弥書店です。また、お便りを頂きました先週掲載の私のお洋服は、今春に旅立ちました母の作品です。皆さんが心を震わせてくださいましたこと、天上の母も喜んでくれていると存じます。

2017年10月3日

 今週の一枚は、東京FMでの収録風景です。出演いたしました番組「ラジオ2951(フクコイ)」は、毎週日曜日 20:00~20:55 全国のコミュニティFMより放送されています。私の出演は8日(日)20:00~20:55 。お話の内容は、BSプレミアムで先週から再放送が始まりました「花子とアン」で、私が担当いたしました「山梨ことば指導」についてのあれこれです。ラジオがお手元にない方は、パソコンやスマートフォンでもお聞きいただけますので「FMいかる」にアクセスしてください。リスナー参加型プレゼント番組なので、私が提供いたしましたプレゼントも、お楽しみになさってください!

2017年9月26日

今週の一枚は、私のホームページの表紙、名刺、封筒、便箋など全てに使わせていただいております「椿」の画家・川上尉平画伯の生誕100年記念絵画展のご案内です。8年前、三越劇場での公演がスタートいたしました『一葉処女作脱稿記念公演』から、お嬢さんのご厚意で使わせていただくようになりました。生前の画伯にはお会いしておりませんが、私の父と同じ大正6年の生まれですので、父と同じ時代を歩んだ方の作品だと思いますと不思議な縁を感じまして感慨も深く……。私も会期中は画廊におりますので、銀座へのおついでがございましたらお寄りいただければ幸いです。

2017年9月19日

今週の一枚は、明治29年4月「たけくらべ」一括掲載のために一葉さんが清書した直筆原稿の複写第一号です。一葉さんが借り入れたお金の担保に「博文館」編集長・大橋乙羽氏に預けられた原稿は、第二次世界大戦の戦火を逃れ、松屋浅草支店美術部の満山氏に渡り、ボストン美術館から高額な申し入れもあったそうですが、一葉さんの御両親と同郷の小林実氏が名乗りを上げられ海外流出が避けられました。その小林氏が入手直後に複写されたものですから黒一色です。今回の公演準備の際、山田五十鈴先生を偲んで訪れた場所で、思いもかけない持ち主との出会いがあり、20周年公演の展示に繋がりましたことに胸が詰まる思いです。

2017年9月12日

今週の一枚は「樋口一葉の世界・奥山眞佐子ひとり芝居20周年公演」プログラムに頂戴いたしましたコメントです。公演には、北海道、仙台、名古屋、宮崎など遠路からおでかけくださった方々、お忙しい合間を縫って駆けつけてくだった方々、情報誌や新聞、ラジオでお知りになっての方々など沢山の皆様に、休憩なしの一時間半ほどの舞台をお楽しみいただきました。ロビーは、甲州市の職員さんがお届けくださった「一葉さんが描かれた絵画」プログラムに使用させていただいております川上尉平画伯の「藪椿の原画」一葉さん直筆「たけくらべ」原稿の最初のコピー、頂戴いたしました沢山の花々と華やかでした。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださった皆様に心底より御礼申し上げます。

2017年9月5日

今週の一枚は、山梨県人会連合会発行の「富士の国」に取り上げられたページです。年4回発行されているA4サイズの35ページの雑誌で、私が掲載されましたのは2017年盛夏号No654。また昨日は、YBSラジオ「気になる人にズバリ!聞ックス」という番組に出演して、樋口一葉作品を始めた経緯について、お話いたしました。山梨県地方だけに流れる番組なので…全国の皆さんにお聞きいただくことができないのが残念です。今週の土曜日の9日「樋口一葉の世界 奥山眞佐子ひとり芝居20周年」のお席は、残り少なくなりました。お問い合わせ欄からのお申込みお待ちいたしております。

2017年8月29日

今週の一枚は、一葉さんのご両親の故郷・山梨県で、一葉さんが生まれた明治5年「峡中新聞」として創刊されたのが始まりの山梨日日新聞が、取り上げてくださった9月9日の三越劇場「樋口一葉の世界2017奥山眞佐子ひとり芝居」の記事です。一葉作品を手掛け始めまして20年目の年。多くの皆さんから、今まで以上に応援をいただきまして感謝でいっぱいです。少女漫画「ガラスの仮面」の劇中劇「たけくらべ」の思い出をお持ちの方も多いと思いますが、今度は「ひとり芝居・たけくらべ」もご覧いただきたいと存じます。お問い合わせ欄からのお申込みお待ちいたしております。

2017年8月22日

今週の一枚は、日本女性新聞で、取り上げてくださった9月9日の三越劇場「樋口一葉の世界2017奥山眞佐子ひとり芝居」の記事です。この新聞は、昭和25年の創刊以来、日本の伝統芸術である花道と茶道の流派(現在、全国に約1,500万人)が、国内の各地で展開しているいけばな展、茶の湯の会の事業活動、また国際的なネットワークの団体として知られているいけばなインターナショナルの世界大会等をメインに報道、国内唯一の業界全国紙としての歩みの中で情報活動を続けられています。平成8年に文京区で行いました「ひとり芝居・スリランカのこども達の夢」公演の折に御縁をいただきましたのが始まりでした。

2017年8月15日

今日は、第二次世界大戦が終わり、日本が無条件降伏したことが国民に伝えられた日(1945年8月15日)。この戦争に巻き込まれた全ての人々に黙とうを捧げます。そして、その後、発布された新しい日本国憲法・第二章に「戦争の放棄」が記述され、第九条に「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」を守り続けてくださった諸先輩に御礼申し上げます。この憲法があったからこそ、今があるのだと感謝の気持ちでいっぱいです。

2017年8月8日

今日は、一葉さんが『いでや是より糊口的文学の道をかへて、(収入を得るために小説を書くという考え方を変えて)浮世を十露盤の玉の汗に商いという事はじめばや(暮らしの為にそろばんを持って商売を始めよう)』と、下谷龍泉寺町に引っ越し、菓子小売願いに許可印を貰うため、印紙料30銭、税金半年分50銭を東京府庁分署に納めて手続きが完了した日です。同じ日が、そろばんの音「パチ(8)パチ(8)の語呂合わせで、1968年に全国珠算教育連盟が制定した「そろばんの日」でもあるとは不思議なことです。
今週の一枚は、仕入れの品を担ぎ家に着いた一葉さんと、買い物に来た近所の子供を描いた村松辰夫氏の作品です。

2017年8月1日

今週の一枚は、私の生徒さん左側の井上理香子ちゃん出演の朗読劇「陰陽師」終演後に楽屋で撮影したもの。稽古の分だけ伸びていることが実感できた舞台でした。「赤毛のアン」のアン役を演じた頃から考えますと、その成長ぶりは著しく指導者としては嬉しい限りです。右側は下村実生ちゃん。この二人と同じフェアリーズの野元空ちゃんの舞台は今日が初日。稽古通りに伸び伸びと演じて欲しいと願いながら劇場に向かいます。そして、私の一葉作品20周年公演「一葉日記そしてたけくらべ」の稽古も順調に進み、三越劇場での前売り私のお問合せ欄からのお申し込みも開始されています。お楽しみにお出かけください。

2017年7月25日

樋口一葉さんのご両親の実家がある甲州市にゆかりの方々の集まりが、市ヶ谷で行われました。今週の一枚は、その折の写真です。左の女優の大川栄子さんは、TVのキーハンターでお馴染みだと思いますが、甲州市の観光大使もなさっています。ご主人の河原崎建三さん共々、長年、親しくさせて頂いております。その隣の甲州市の田辺市長さんは、とても穏やかで郷土愛に満ちた方です。そして私。いつもの雰囲気と少し違いますが…。その隣は、市民課の武澤課長さん。平成21年に甲州市で行いました「樋口一葉お里帰り公演・奥山眞佐子ひとり芝居」の時のご担当の方。来年も甲州市での講演がありますので、今から伺うのが楽しみです。

2017年7月18日

今日は、ネルソン・マンデラ・デー。南アフリカ共和国の政治家で、人種隔離政策を撤廃するための運動を主導したネルソン・マンデラを讃える国際的な記念日です。南アフリカ初の全人種参加選挙が実施されたのはたった23年前のこと。
私が生また時から、日本国憲法の第三章 第11条「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」第14条「すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」に守られていることに、改めて感謝の今日です。

2017年7月11日

昨日は父の祥月命日でした。早朝の窓外は幽玄世界のような墨絵のような深い霧が立ち込めて、流れる雲の優雅さに心奪われました。4月に旅立った母と一緒にこの天上のどこにいるのかしらと空を見つめました。そして先の豪雨で被害に遭われ未だ行方がわからないご家族の皆さんのことを思い心が痛くなりました。家族が共に居られること、落ち着いて眠る場所があること、飲食が自由に出来る事…そんなあれこれにもっと感謝しなければ……と思います。今週の一枚は、鎌倉文学館のお庭に咲いていた「泰山木」の最後のお花です。このお花の花ことばのように、壮麗な三越劇場公演の舞台を観ていただくために、今日も稽古に励みます。

2017年7月4日

神奈川県青少年センターでの「たけくらべ」は補助席を出すほどの盛会となりました。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。終演後のアンケートに年代別の印をつけていただく欄があるのですが、10代~70代以上の全ての年代にチェックがあり、世代を超えての方々にご覧いただけましたこと、「原文の言葉なのに、とても解り易かった」とのご感想を多くいただきましたことは、とてもありがたく嬉しいことでした。今週の一枚は三越劇場公演のお知らせです。浄瑠璃、三味線、お囃子との共演でございます。お申し込みをお待ちいたしております。

2017年6月27日

今週の金曜日は神奈川県青少年センターで「たけくらべ」の公演です。脚本は原作に忠実に、そして解り易くと、あれこれ工夫を重ねました。主人公・美登利が自分の気持ちの変化に戸惑い、恥じらい、心細い思いになって、出来ることなら自分だけの世界に閉じこもって一人気ままの毎日を過ごしたい。いつまでも子供のままでいられたら、どんなに嬉しいことだろう……「ゑゝ厭や厭や、大人に成るは厭やな事、何故このやうに年をば取る、最う七月、十月、一年も以前へ歸りたいに」との感覚は、皆さんの心の中にも潜んでいるのではないでしょうか?
お申し込みお待ちしています

2017年6月20日

人形町・よし梅「唄と語りで綴る‟にごりえ‟の世界」西松布咏氏との共演は満席の皆様に囲まれまして無事に幕を下ろすことが出来ました。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様ありがとうございました。公演を行いましたお座敷は、恩師・マキノ雅弘先生山田五十鈴先生が、この家の主であった花柳小菊さんと共にお酒を飲み、お話に花を咲かせた処。柱のぬくもり、ガラス窓の光、松の廊下、風鈴の音…全ての空間を生かす工夫を行い、皆さまの息遣いを感じながら「お力」を生き抜きました。今日からは、神奈川青少年センター6月30日公演「たけくらべ」に全力投球いたします。お申し込みお待ちいたしております。

2017年6月13日

今週の一枚は、60年前の1947年(昭和22年)5月3日の日本国憲法施行に際し、政府・憲法普及会によって、全国の町内会、各家庭に(約2000万部)配布された冊子の表紙です。かながわ県民センター「2017平和のための戦争展inよこはま」に伺いました折に出会いました。最初のページの発刊のことば「…新憲法が大たん率直に“われられはもう戦争をしない”と宣言したことは、人類の高い理想を言いあらわしたものであって、平和世界の建設こそ日本が再生する唯一の途である…」を読み、横浜の焼け野原の写真を目の前にして涙がこぼれ、世界中から戦争がなくなるように祈りながらの帰り道でした。

2017年6月6日

今週の一枚は、6月30日に神奈川県立青少年センター多目的ホールで行う「たけくらべ」の演奏者・髙橋香衣さん。ご覧になっておわかりのように太鼓、鼓、三味線、バイオリン、オルゴールや、音が出るあれこれの小物を並べて、ありとあらゆる音を出してくれます。
私のひとり芝居は、透明人間の相手役の心情を音で表現するという形をとっております。私の台詞と表現された音とのキャッチボールで舞台が進行していくのです。ですから、ご覧になる方の想像空間の幅が広がって、俳優だけで進行する舞台とは、一味違います。ぜひ、お出かけください。お申し込みをお待ちいたしております

2017年5月30日

今週の一枚「たけくらべ」は、一葉さんが小説を書くことで暮らしをたてることを諦め、商売で収入を得ようと、下谷龍泉寺町に引っ越した時に観察した子供達が大人になってゆく姿を小説にしたものです。これを読んだ森鴎外は、「樋口一葉に誠の詩人という名をおくることを惜しまざるべし。作中の文字5、6字ずつ今の世の作家に技量上達の霊符(れいふ)として呑ませたきもの…」と評論し、一葉さんの名声が高まった作品です。諦めた時が出発の時。山田五十鈴先生からも「この作品を最後に、女優を辞めようと臨んだ映画が評判となったのよ」と、お聞きしたことがありました。
お問い合わせ欄からのお申し込みお待ちいたしております

2017年5月23日

母の七七日忌の法要を済ませ仏壇の引き出しを整理しておりましたら、昭和43年7月26日の山梨日日新聞の新聞記事のコピーが出てまいりました。「霊験あらたかと評判の甲府市の小太郎地蔵尊は奥山家の所有物であるという判決が下りた」と書いてあるのです。それで今週の一枚は、この新聞記事にいたしました。
6月の公演は、東京人形町・よし梅で「にごりえ」、30日には、桜木町の神奈川県立青少年ホールで、「たけくらべ」を公演いたしますから、小太郎地蔵尊にもお守りいただいて、よりいい舞台を務めたいと存じます。お問い合わせ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2017年5月16日

日曜日は母を亡くして初めての「母の日」。これまでの数十年「今年は何をプレゼントしようか」と楽しみにしておりましたのに、もう悩むことが出来なった寂しさを思います。けれど、幼い時に、お母様を失った友人のこと思いますと胸が詰まります…。母の日、父の日、学校での授業参観など両親が健在でない子供には、どんなに寂しい日であったかを想像できなかった我が身が恥ずかしく… 。

来月の横浜公演は、明治28年の浅草近くに住む子供達のお話。子供は生まれる環境を選べません。その環境を受け入れて必死に生きる子供達の姿をご覧いただきたいと存じます。お問い合わせ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2017年5月9日

今週の一枚は、小倉浩二さんのバースデーコンサートのチラシです。同郷でもあり、彼が唄う「再会」に私が甲州弁で歌詞を付けたご縁もあります。

私がプロのシャンソンライブを初め聞きましたのは、幼稚園教諭の大森のお姉様に連れていっていただいた東京銀座七丁目「銀巴里」です。新橋から銀座通りを歩いて右へ曲がったところ。階段を下りた地下の入り口からホールに入ると、煙草や香水の香が…。正面ステージには映画に出てくるような生バンドが…。中学3年生の私には衝撃でした。出演者は、今もご活躍の花田和子さんしますえよしおさんでした。「銀巴里」は1990年に閉店しましたが、とても懐かしい思い出です。

2017年5月2日

美しい藤棚、風に躍るジャスミンの香り、天に泳く鯉のぼり、穏やかなゴールデンウイークの初日、NHKスペシャル「憲法70年 平和国家はこうして生まれた」を視聴しました。第二次世界大戦敗戦後、日本の新しい国造りを思考する諸先輩の考えや、未公開資料が映し出され、衆議院での議論が再現され、日本国民の平和を希求する願いが『第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』の条文になったことを知り、敬意と感謝と共に、これを守り続けていることで平和があるのだと強く思いました。

2017年4月25日

美しく咲き誇っても一枚一枚の花びらが別れを覚悟しているような愁いのある一葉桜。
「明治26年4月の日記から」
こぞの春は(去年の)
花のもとに
至恋の人となり、
ことしの春は(今年の)
鶯の音に(ね)
至恋の人をなぐさむ
春やあらぬ
わが身ひとつは
花鳥の(はなどり)
あらぬ色音に(いろね)
また なかれつつ
もののさかりに
人の名をおもひて
ももの花 
さきてうつろう池水の
ふかくも君を
しのぶ頃哉(かな)

2017年4月18日

今週は、文京区法眞寺さんのご本堂での一枚です。この美しい仏様の前で「ひとり芝居・おとなってなに?」を初演したのは30年前。苦悩と失意の中で、もがいていた私に勇気をくださった先代のご住職夫妻の慈愛に満ちたお顔、公演にお集まりくださった皆さんの笑顔を思い出します。そのご住職も旅立たれ、私が舞台俳優を志したきっかけとなりました劇団民芸の高橋清祐氏も。そして4月6日最愛の母も天上に旅立ちました。満開の桜の花びらが風に吹かれて姿を消すように……。姿が亡くなって……もうお話することが出来ません。教えを受けることが出来ません。涙が止めどなく溢れます。

2017年4月11日

先週のご紹介したかった草間彌生展覧会での写真が今週の一枚です。
そして今週の土曜日のお花見ライブでは、一葉さんのお話と共に草間氏の詩も朗読させていただこうと存じます。もがき、あがき、ふつふつとあふれ出す感情が表現されている88歳の女性の“生きたい”と願い続ける姿をお聞きいただきたいと存じます。
また、6月30日マグカルフライデー参加公演のチラシが完成いたしておりませんのに、沢山のお問い合わせをいただいておりますので、本日から先行予約をお受けいたしたと存じます。お問合せ欄からお申し込みください。

2017年4月4日

今週の一枚は、国立新美術館「草間彌生わが永遠の魂」展で。会場には、幅広い世代の方々の驚きやため息や感動の声が… 。
「さくらの花」:草間彌生

さくらの花を食べたい/花の桃色にキスもしたい/私の青春に散りしだいた宇宙にまで届く香りを/思い出して、涙をこぼしている今/私のほのかなる恋の道筋に花びらをまき散らして/私は死をいつか迎えるだろう/そんな日が来たら/私の人生の来し方のすべての愛をもって、命を包んでしまう/その時に決まってさくらの花道が私のすべてを包んでしまうだろう/さくら、さくら、さくら、/私の生と死をまさぐってくれる/さくらよ、ありがとう

2017年3月28日

甲州市塩山・常泉寺「一葉さんのお誕生を祝う会」は、常の皆様はもとより名古屋、千葉、東京からもお出かけいただき盛会のうちに幕を閉じました。
お出かけいただきました皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。
櫻の微笑みが楽しみの4月15日(土)は、新宿「あいうえお」で「朗読と一葉桜のお花見会」を行います。このお店は、先日、吉田類の酒場放浪記に登場し、40年の歴史がテレビ画面からも伝わって……。本当にここのマグロは最高です。15日のライブのお食事には、このマグロもご用意しておりますので、お楽しみに!お席は残り僅かですが、お問い合わせ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2017年3月22日

今週の日々雑感は、よんどころない事情がございまして遅れてしまいましたことお詫び申します。ごめんなさい。
3月25日は、「一葉さんのご両親の故郷・塩山の常泉寺さんでのお誕生を祝う会」ですので、お楽しみにお出かけください。ご質問いただきました一葉さんのお誕生日がウィキペディアには1872年5月2日生まれと記述されていますのは暦の違いからくるものです。一葉さん誕生年の明治5年12月2日までは太陽太陰暦(天保暦)が使用されていましたが、翌日から太陽暦(グレゴリオ暦)が導入され12月3日が明治6年1月1日になったのです。ですから一葉さんの誕生日の日付が西暦と旧暦で違うという訳なのです。

2017年3月14日

今月20日まで、台東区立一葉記念館で10年のあゆみ展が開催されています。一葉さんが下谷龍泉寺で暮らしたのは10カ月足らずでしたが、名作「たけくらべ」の舞台となったこの町の有志のみなさんの熱意により、昭和36年に開館され、平成18年にリニューアルオープンしての記念イベントに、私も伺ってきました。10代の女生徒が多かったのは嬉しいことでした。帰りには、一葉さんの住居跡や、おはぐろ溝にそっての散策、遊郭の本を中心の本屋さんにも立ち寄りました。
一葉さんのご両親の故郷・塩山の常泉寺さん「お誕生を祝う会」では、「たけくらべ」の朗読と、この町の事もお話する予定です。

2017年3月7日

今年の新宿教室「一葉の会」の発表会も沢山の方にお出かけいただき滞りなく終了いたしました。常ながら生徒さんの舞台を見守る時は、祈りと共に胸が締め付けられる思いですが、終演後の観客の皆さんや生徒さんの笑顔に接しますと、嬉しい気持ちと感謝の気持ちでいっぱいになります。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。
3月は、一葉さんのお誕生月。今年も一葉さんのご両親の故郷・塩山の常泉寺さんで「お誕生を祝う会」を行います。公演日の3月25日は、旧暦の一葉さんのお誕生日当日です。今年は、「たけくらべ」を朗読いたします。

2017年2月28日

マキノ雅弘先生は、明日29日がお誕生日。けれどその明日は4年に一度しかありません。マキノ塾での先生の笑顔を思い出します。そして、日比谷の芸術座に出演の折「大切なことは自分を信じて続けることよ」と応援してくださった菅井きんさんのお誕生日は今日です。池内淳子さんから「眞佐子ちゃんなら出来るわ!」と「夢」という色紙をいただいた京都南座の楽屋でのこと、山田五十鈴先生から「磨くことを心がけない!」とご指導いただいた京都撮影所での日々…皆さんに教えをいただいて歩いてきた道です。今週の土曜日、私が指導している生徒さんの発表会を控えて、あれこれを思い出しています。

2017年2月21日

3月は、卒業式の季節ですね。2週間後の3月4日は、JR新宿駅から3分程の「フリースペース無何有」で、私が指導して10年以上続いている新宿教室の生徒さんの発表会があります。開演は14時、入場は無料ですので是非いらしてください。文学を愛するみなさんの真心の朗読をお聞きいただけると存じます。終演後は、お茶のご用意もございますのでゆっくりおしゃべりも出来ます。
今週の一枚は、私の舞台の演出をお願いしている鈴木龍男氏演出の前進座付属養成所の生徒さんの卒業公演「夜の辛夷(こぶし)」です。こちらは、プロの俳優を目指す若者の舞台です。私も伺いますので、いらしたらお声をかけてください。

2017年2月14日

2月11日「ちとしゃんライブ」は盛会のうちに幕を閉じました。お出かけいただきました皆様、お心にかけてくださった皆様ありがとうございました。 
今日は、バレンタインデイ。思いのたけをチョコレートに込めて…。人を恋する気持ちに限らず、絵や音楽や演劇や様々なパフォーマンスに感動した気持を言葉で表現することは難しいです。けれど形にしないと自分の気持ちが伝わらない…自分の内なるものをどのように相手に伝えようかと、あれこれ悩むことは苦しいけれど、その苦しみが自分磨きかもしれません。今週の一枚は、私の郷土の後輩・笛吹もも香さんの「願い橋叶え橋」皆さんの願いが叶いますように!!

2017年2月7日

「旧暦と呼ばれる太陰太陽暦は現在、公式に使われることはありませんが太陽のめぐりや月の満ち欠けに新旧はありません」の言葉に魅かれ「和暦日々是好日」手帳を手にしました。そして読み進むうちに自然に寄り添う暮らし……自然が奏でてくれる音楽に心を躍らす暮らしのことを思いました。今週の一枚は、ミニーさん(ミッキーさんの奥様)の個展会場でのスナップです。真ん中の作品はもちろんのこと、全ての作品から爽やかな風のそよぎを全身に感じる美しく豊かな時間を過ごすことが出来ました。2月11日の「ちとしゃんライブ」では、一葉さんの風をお届けしたいと存じます。お問い合わせ欄からのご予約もご利用ください。

2017年1月31日

今日で年初めの月が終わり、常磐津菊与志郎氏とのコラボの日が迫って……稽古も白熱しております。映画「たけくらべ」は、1955年に五所平之助監督で、主人公の美登利を美空ひばり(当時18歳)が、その姉の吉原きっての遊女・大巻太夫を岸恵子が、子どもたちが集まる筆屋の主は元吉原の遊女という設定で、私の師匠・山田五十鈴先生が出演されている作品。2月11日の「ちとしゃんライブ」での私は、一葉さんの原文で筆屋の主と美登利を語ります。ああもしたい…こうもしたいと…一葉さんの言葉を丁寧にお伝えしたいと工夫の日々です。お出かけお待ちしております。お問い合わせ欄からのご予約もご利用ください。

2017年1月24日

今週の一枚は、昨年の三越劇場公演で、お囃子を担当してくださった高橋香衣さんの独演会のチラシ。歌舞伎の効果音に使われる楽器の説明(大太鼓の打ち分け)からスタートして、歌舞伎で演じられる「仮名手本忠臣蔵」の音楽を、大序(だいじょ)「鶴岡社頭兜改めの場」から、十一段目「両国橋引き上げの場」までを一時間半で楽しむという企画。観客席の保育園に通っていると思われる子供さん二人が演奏に合わせて踊っている姿もあり、魅力的な演奏会でした。公演場所の「K2 studio」も爽やかな空間でオーナーの細やかなお心遣いにも感動いたしました。2週間後は、「たけくらべ」の本番です。いらしてくださいね!お待ちしています!

2017年1月17日

今日は、明治25年1月1日の樋口一葉さんの日記から。
~ 待つ人、惜しむ人、喜ぶ人、憂ふる人、様々なるべき新玉(あらたま)のとし立ち返りぬ。天の戸のあくる光に(天の岩屋戸が開けて神々しく姿を現した初日の光に)ことし明治25という年の姿あきらかにみえ初(そめ)て、心さへにあらたまりたる様なるもをかし。人よりはやくと急ぎ起きて、若水(わかみず)くみ上(あぐ)るも嬉し。……昨日より気候 とみにことなりて気味わろきまで暖けし。地震のこと心にかかればなれど、埋火(うづみび)のもと遠くはなれて、梅花の風 軒端にゆるく吹く。~
22年前の今日は、阪神・淡路大震災発生の日。黙とうを捧げます。

2017年1月10日

今日の青空を喜ぶように鳥の声が聞こえます!!三人の生徒さんの新春公演も盛況で幕を閉じることが出来まして安堵いたしております。三人ともに大きく成長できた舞台でした。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。
 今週の一枚は、荒川区の三味線かとうの2階で行います「ちとしゃんライブ」。一葉作品を手掛け始めて20年となりました今年は、公演ごとに工夫を凝らした「たけくらべ」をお楽しみいただこうと存じます。その第一弾は2月11日(祝)、開演は昨年より早い、午後3時です。お問い合わせ欄からのお申し込みお待ちいたしております。

2017年1月5日

青空に清々しい鳥の声が…
明けましておめでとうございます。2017年が皆様の笑顔溢れるより良き365日になりますようにお祈り申し上げます。
今年の年明けを飾る今週の一枚は、私の生徒さんの出演作品。1月3日に初日を開けております池袋シアターグリーン3館同時公演の舞台「吉原端唄」には野元空が、「父娘旅情」には林田真尋が、「冥途遊山」には井上理香子が出演しております。初々しい3人の魅力が溢れる舞台ですので、是非、お出かけ頂きたと存じます。
このページは今年も火曜日の午後に更新で奥山のあれこれを……。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016年12月27日

あと4日で、2016年も幕を閉じます。色々なことがあった一年でしたが、大晦日の除夜の鐘に世界中の人々の108つの煩悩が除去されて、新しい年が幸せ溢れるものになりますように!報道される様々なニュースから人が傷つく姿が亡くなる年になりますように!と願います。
私は今年も無我夢中に走り続け、来年の2017年は一葉作品を手掛け始めて20年の節目を迎えます。それで森鴎外が絶賛したことで一葉さんの名声を高めた「たけくらべ」を様々な場所で様々なスタイルで公演する準備に取り掛かっております。
来る年が皆様の笑顔あふれる年になりますようにとお祈り申しあげます。

2016年12月13日

一葉さん没後120年の今年は、通年より多くの舞台に立たせていただきました。そして各地で開催された一葉作品の朗読会にも伺い、新しい出会いを沢山いただきましたことに感謝の気持ちでいっぱいです。~「一葉日記」を数量としてみると~に記載されている「一葉さんの典型的な生活の一日」に、人に会う時間3時間(1人/1時間/3人) 小説の執筆時間2時間、歌詠み時間2時間、習字時間40分、 読書時間40分とあり、読まれていた本に平家物語、吾妻鏡、徒然草、万葉集、日本書紀、貝原益軒などの他、外国のマクベス群解、シルレル伝記(ドイツの詩人・劇作家)をみつけ、来年は、一葉さんと同じ本を色々読んでみようと思っています。

2016年12月6日

先日の「一葉忌ライブ」にいらした方のブログが届きましたので読んでみてください。  今週の一枚は、一葉さんと関係のあった人の名前、行った場所、文通相手、買い物などの回数を量的に分析した本で、例えば森鴎外が一葉宅を訪問した数、一葉さんが鴎外に出した手紙の数など一葉さんの行動が記述されていて面白い本でした。発行元の「NPO法人 まわり住民の会」は、文京区民及びその周辺地域の市民に(中略)「おせっかい」のできる町づくりに関する事業を行い、暮らしやすい町づくりに寄与することを目的とするための団体だそうで、この本は本郷三丁目「画廊タンギー」で販売されていました。

2016年11月29日

今年の一葉忌ライブも盛況のうちに幕を下ろすことが出来ました。お心にかけてくださった皆様、お出かけくださった皆様ありがとうございました。以前に共演したブルースハープの西村ヒロ氏、三越劇場で共演の高橋香衣氏、歌人・辰巳泰子氏も。また初めて一葉作品に触られた方も多く、20代の青年の感想は、きっと天上の一葉さんも喜んでおいででは……と。
今週の一枚は2005年~2012年のマコ通信の編集を担当してくださった吉田善穂氏の新刊「親子で作って遊ぼう」
昔から伝わる〝遊び〟に込められた教えや面白さが溢れる内容で、子どもの教育に役立ててほしいとの願いで作られた御本。ぜひ、読んでくださいね。

2016年11月22日

明日は、一葉さんのご命日。一葉忌ライブの当日です。主人公・美登利は、お祭りの日に横町組の乱暴者の長吉に額に草履を投げられ、「女郎め、姉の跡継ぎの乞食め」と罵られ、学校で気になっていた龍華寺の藤本信如が、後ろ盾と聞かされ、美登利は学校に行くことを辞めました。けれど姉の繁盛を願う朝参りに出かけた時、表町組の大将・田中屋の正太郎の家で両親がいない彼の寂しさを知るのです。大鳥神社のお祭りの日、初々しき大島田を結い上げ京人形のような美しい美登利と正太郎が連れだっていた処を「お仲が宜しう御座います」と声かけられ、恥ずかしさに小走りにで家に帰り、それきり誰とも遊ばなくなりました。そして、ある雨の日……続きはライブ会場で!!

2016年11月15日

今日は七五三。千歳飴の袋を持って両親とお参りに行った日のことを思い出します。あれからずいぶんの時が流れて…。
今日は、子ども達を一歩離れたところから見ている大人のやさしさが溢れる「筆やのおばさん」の店に出入りする「たけくらべ」の子ども達を紹介します。大黒屋(遊郭の屋号)の美登利、質屋と高利貸しを兼用している田中屋の息子・正太郎(表町組の子ども大将)、鳶職の跡取り息子で乱暴者と評判の長吉(横町組の子ども大将)、長吉に頼まれて横町組に入った龍華寺の住職の息子・信如、どちらの組から呼ばれても嫌とは言えない義理ある立場の三五郎。みんな魅力的な子ども達です。お申し込みお待ちしています。

2016年11月8日

今週も「たけくらべ」のお話。この作品はとても長いので、ライブでは聞きやすい形に構成しました。前半は、子ども達のたまり場でもある「筆や」の小母さんが主人公、後半は、こども達の女王様的存在の美登利が主人公です。「美登利」は、紀州の生まれで、原文では「色白に鼻筋とほりて、口もとは小さからねど締りたれば醜くからず、一つ一つに取たてゝは、美人の鑑に遠けれど、物いふ声の細く清しき、人を見る目の愛敬あふれて、身のこなしの活々したるは快き物」と表現されています。姉は、吉原の大黒屋の花魁・大巻太夫。両親と共に吉原で暮らしています。私立の育英舎に通い、同じ学校の龍華寺の息子・藤本信如のことが気になっているのです。

2016年11月1日

今月は、一葉忌ライブの月です。例年通り高円寺・中通り商店街の「唐変木」で一葉さんを偲んで語ります。今年の作品は「たけくらべ」。明治28年1月~29年1月まで断続的に文学界に連載された後、明治29年「文芸倶楽部4月号」に一括掲載。その折、森鴎外の目に留まり、鴎外に絶賛され、一葉さんの地位と名声が高まった作品です。過去には国語の教科書にも掲載されましたので、書き出しの「廻れば大門の見返り柳、いと長けれど…」を懐かしく思い出される方も多いと思います。

この作品は、一葉さんが下谷龍泉寺で駄菓子屋を開いていた時の観察によるもので、吉原という特殊な街に暮らす子ども達のお話です。お問い合わせ欄からのお申し込みお待ちいたしております

2016年10月25日

「今週末は、ハロウィンなのでこんなの作ってみました。笑ってください」と伊藤信江さんから、いただきましたカービング。私だけで楽しんではもったいないと、今週の一枚にいたしました。
彼女とは、何気ない一言がきっかけでした。そして、私の舞台タイトルをイメージした作品を公演の度に毎回お送りくださり、ロビーに飾らせていただいておりますので、ご覧くださった方も多いと存じます。カービングの発祥は、タイのスコータイ王朝の時代の儀式で、果物に装飾的な彫刻を施したのが始まりと言われ、タイでは伝統的な文化の一つだそうです。和食の飾り切りのリンゴの兎やウインナーの蛸もカービングの一種かな?と、母が作ってくれたお弁当を思い出します。

2016年10月18日

三越劇場公演二日目「十三夜」。主人公のお関は、両親に七年間の結婚生活の苦悩を打ち明け離婚を願い出ますが、父親の許しは得られず、「それでは離縁をといふたも我まゝで御座りました。(中略)ただ目の前の苦をのがれたとて、何うなる物で御座んせう、ほんに私さへ死んだ氣にならば、三方四方波風たゝず(中略)今宵限り関は なくなって、魂一つが あの子の身を守るのと思ひますれば、夫の辛くあたる位、百年も辛抱出来さうな事、お父樣、お母樣、今夜のことはこれ限り。帰りまするからは、私は原田の妻なり。夫を誹るはすみませぬほどに、もう何も言ひませぬ、私の身體は今夜をはじめに勇のものだと思ひまして、彼の人の思ふまゝに何となりして貰ひましょ…」と、夫の許に帰る覚悟を決めるシーンです。

2016年10月11日

今週の一枚は、三越劇場公演一日目「にごりえ」の幕切れ。
夫・源七の棺(さし担ぎ)と酌婦・お力の棺(駕)が新開の町を出ていく様子を深い悲しみと苦しみで見送る「お初」。
原文では「魂祭り過ぎて幾日、まだ盆提灯のかげ薄淋しき頃、新開の町を出し棺二つあり。
一つは駕にて一つはさし担ぎにて駕は菊の井の隠居処よりしのびやかに出ぬ。大路に見る人のひそめくを聞けば……諸説みだれて取止めたる事なけれど、(人々の噂はあれこれで、はっきりとしたことはわからないが)恨は長し、人魂か何かしらず、筋を引く光り物の、お寺の山といふ小高き處より、折ふし飛べるをみしものありと伝えぬ」のシーンです。

2016年10月4日

今週の一枚も、三越劇場公演一日目「にごりえ」から。
酌婦「お力」が、恋する人を待ち、着物を着替えている時の台詞。

「結城朝之助さま。今宵はおいでになろうか。自らは道楽ものと名のれども、実直なる処、折々に見えて、私も何処となく懐かしく思ふかして、三日見えねば、文をやるほどになりし…あの雨の日を初めに、一週には、二三度の通ひ路をしてくださる、妻子なし、遊ぶに屈強なる年頃。男振はよし気前はよし。今にあの方は出世をなさるに相違ない。その時は私の事を、皆が奥様とでもいふのであらうか…」と、かすかな望みを抱くお力の心の言葉を、表現しているシーンです。

2016年9月27日

今週の一枚は、三越劇場公演一日目「にごりえ」の酌婦「お力」。「寒中、親子三人ながら古裕衣で……味噌こし下げて端たのお錢を手に握つて、米屋の門までは嬉しく驅けつけたれど、歸りには寒さの身にしみて手も足も龜かみたれば、五六軒隔てし溝板の上の氷にすべり、足溜りなく轉ける機會に手の物を取落して、一枚はづれし溝板のひまよりざらざらとこぼれ入れば、下は行水きたなき溝泥なり、幾度も覗いては見たれど是れをば何として拾はれませう、其時私は七つであつたれど家の内の樣子、父母の心をも知れてあるにお米は途中で落しましたと空の味噌こしさげて家には歸られず、立てしばらく泣いて居たれど……あの時近處に川なり池なりあらうなら私は定し身を投げて仕舞ひましたろ」と、両親との貧乏のどん底生活を語るシーンです。

2016年9月21日

今週の一枚は、三越劇場公演一日目の「にごりえ」のエンディングの写真です。舞台上に居るのは、酌婦「お力」と、お力に惚れ込んだ「源七」が死体で見つかったことを知った源七の女房「お初」。一葉の原文では、「魂祭(たままつり)過ぎて幾日、まだ盆提燈のかげ薄淋しき頃、新開の町を出し棺二つあり、一つは駕にて一つはさし擔ぎにて、駕は菊の井の隠居所よりしのびやかに出ぬ。大路に見る人のひそめくを聞けば……諸説(しょせつ)みだれて取止めたる事なけれど、恨は長し人魂(ひとだま)か何かしらず、筋を引く光り物のお寺の山といふ小高き處より、折ふし飛べるを見し者ありと傳へぬ」のシーンです。

2016年9月13日

今週の一枚は、駅までの道に咲き始めていた「彼岸花・曼珠沙華」。この花は、花が咲いている時は葉っぱがなく、花と葉っぱを一緒に見ることが出来ないことから「葉見ず花見ず」と呼ばれ、昔の人は「死人花」「地獄花」と呼ぶことも…。毒を持っていることも合わさり別名は、1,000以上もあるとのこと。
色によって花言葉も様々です。白色は「思うはあなた一人」 。黄色は「深い思いやりの心」 。赤色は「また会う日を楽しみに」。
今年の三越劇場「樋口一葉代表作3作品3日連続公演」も終わり、11月23日(祝)の一葉忌ライブの作品の事を様々に……また、皆さまにお会いできますことを楽しみに!いたしております。

2016年9月6日

一葉没後120年記念三越劇場「樋口一葉代表作3作品3日連続公演」は、お陰さまで無事に幕を下ろすことが出来ました。お心にかけてくださった皆様、ご観劇くださった皆様に心底より御礼申します。
また、ロビーいっぱいのお花や、心温まる頂き物の数々を頂戴いたしまして、重ねて御礼申します。一葉さんのような…私のような…スイカのカービングは、とても珍しいものですので今週の一枚にさせていただきました。
これまで、どなたもなさったことのない企画公演を終え、終演後に絶大な拍手をいただき、様々なご感想も頂戴いたしまして感謝でいっぱいでございます。

ありがとうございました。

2016年8月23日

今週の一枚は、朝日新聞の東京シルエットに掲載されました「お力」です。千代田区内幸町ホールで一葉さんのお誕生を祝う「にごりえ」公演の時でした。切り絵作家・成田一徹氏の作品で、新聞をご覧になった皆さんからお便りを沢山いただきました。このホールは、明治時代に政府の官舎でして、その官舎で樋口なつ(一葉さんの本名)が産声を上げたのがご縁で、数年公演させていただきました。
その後、作家・樋口一葉の誕生を祝って処女作「闇桜」脱稿日の2月14日に三越劇場での公演をスタートさせたのです。
一葉作品を手掛け始めて19年。一葉さん没後120年の年、3作品3日連続公演をご覧いただけますこと感謝でいっぱいです。三越劇場公演のお申し込みをお待ちいたしております。

2016年8月16日

今週の一枚は、三越劇場「樋口一葉没後120年記念公演」三日目『一葉日記そして大つごもり』でお囃子を担当してくださる高橋香衣(たかはし かえ)氏。
幼少よりピアノ、ヴァイオリンの手ほどきを受けられ、日本大学芸術学部音楽学科作曲コース卒業後、2004年NHK邦楽技能者育成会50期に入学されています。第1回「世田谷区芸術アワード”飛翔”」音楽部門で受賞された方で、魅力的な数々の音を生みだしてくださいます。歌舞伎囃子を堅田喜三久師(人間国宝)、堅田新十郎師、堅田喜久祐師に指導を受け、長唄三味線を杵屋五三吉師、杵屋五吉郎師に指導を受けられています。
9月4日公演のお申し込みをお待ちいたしております。

2016年8月9日

今週の一枚は、三越劇場「樋口一葉没後120年記念公演」二日目『一葉の母そして十三夜』で浄瑠璃を語ってくださる常磐津和英太夫(ときわず わえいだゆう)氏。幼少より五代目常磐津和佐太夫に師事し、平成二年(1990)より歌舞伎公演に出演。伝統藝能の研究及び補綴復活(国立劇場委員)や創作に携わり、渋谷区伝承ホール寺子屋プロデューサーとして、同区の文化施策を後援している方です。メキシコ大学院大学客員教授等を経て、現在早稲田大学演劇博物館招聘研究員。聖学院大学・宇都宮大学講師でもあり、先日放映されたNHK「にっぽんの芸能・團菊祭」で、浄瑠璃を語る姿をご覧になった方も多いと思います。9月3日公演のお申し込みをお待ちいたしております。

2016年8月2日

今週の一枚は、三越劇場「樋口一葉没後120年記念公演」二日目『一葉の母そして十三夜』の常磐津菊与志郎(ときわず きくよしろう)氏。2月の「ちとしゃん亭ライブ」では、浄瑠璃も語っていただきましたが、今回は、お三味線を担当していただきます。氏は、2013年度財団法人清栄会奨励賞も受賞され、歌舞伎公演はもとより、日本舞踊公演、パントマイムや舞踏、京劇、現代演劇との共演などにも積極な方で、NHK伝統芸能番組(テレビ、ラジオ)テレビ朝日「題名のない音楽会」にも出演されています。先日放映されたNHK「にっぽんの芸能」では人間国宝・常磐津英寿氏の隣で、三味線を演奏されていた姿をご覧になった方も多いと思います。9月3日公演のお申し込みをお待ちいたしております。

2016年7月26日

今週の一枚は、三越劇場「樋口一葉没後120年記念公演」第一日目「にごりえ」の音楽構成・尺八演奏の本間豊堂(ほんま とよたか)氏の着物姿です。平成26年の『十三夜と一葉日記』に続き今回は『にごりえ』にご参加いただきます。
一葉作品の中で最も奥行きの深い小説と言われる『にごりえ』は、亡き人を偲ぶ盂蘭盆前後の物語。小石川の新開地で男性が遊ぶ銘酒屋「菊の井」の酌婦「お力」と、このお力に心惹かれ全財産を失った源七の女房「お初」の二役を奥山が演じます。そして、本間氏の尺八の音が演じる源七、銘酒やの客(結城朝之助)、お初の息子(太吉)との会話空間は「奥山眞佐子ひとり芝居」ならではのものです。 お申し込みをお待ちいたしております。

2016年7月19日

蝉が鳴き、皮膚が刺されるような暑い陽射が…。今週の一枚は、9月の三越劇場「樋口一葉没後120年記念公演」の構成・演出の鈴木龍男氏が演出する「龍の子太郎」のチラシです。この作品の原作者・松谷みよ子氏は、1956年民話探訪の旅で出会った「小泉小太郎」に心をとらえられた……とコメントされています。大田区区民プラザで7月27日、28日に公演されますのでお出かけください。私も伺いますから気がつかれたらお声をかけてくださいね。
また今日お伝えしなければならないのは、Facebookの件です。パソコン契約の変更に伴い長い間対処できずにおりましたが、やっと再開の運びになりました。これまでお便りをくださった方にお返事できずに申し訳ありませんでした。お詫び申します。

2016年7月12日

一葉さんが住んでいた東京文京区では今週『お盆』の法要が行われます。彼女の作品「にごりえ」の中で「今日は盆の16日。お閻魔様(えんまさま)へのお参りに、親子共々連れ立って歩いた想い出さえなけれども、私とても母の乳房にすがりし頃はあり…」という台詞を発する時、いつも胸が締め付けられる思いです。
71年前の7月7日甲府空襲の際に伯母が19歳の若さで命を失いました。93歳になる母は今も空襲の日のことを夢にみては妹の名を叫ぶことがあります。31年前の7月10日には私の最愛の父が旅立ちました。そして4年前の同じ日、私は恩師・山田五十鈴先生のご遺体と共に車に乗りました。お盆は祖先の霊を供養させていただきながら、自分の命が生かされていることに感謝する大切な時だと感じます。

2016年7月5日

今月1日の桜木町での樋口一葉没後120年記念 in神奈川「にごりえ」公演は、おかげさまで補助席を出すほどの皆様におこしいただきました。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。
今回は一葉作品に初めて出会われた方も、ひとり芝居を初めてご覧になった方も多く、帰りがけに来年の横浜公演も楽しみに…とお声をかけてもいただき、9月公演のご予約も頂戴いたしましてありがとうございました。皆様のご期待に添えますよう三越劇場「樋口一葉代表作3作品」連続公演も、より良き作品にと精進いたします。9月2日~4日は三越劇場で、お待ちいたしております。

2016年6月28日

いよいよ今週の金曜日、桜木町・紅葉坂を上がった処の多目的プラザで樋口一葉没後120年記念 in横浜「にごりえ」公演を迎えます。この作品で私が演じる正反対の暮らし向きの二人の女性を描いた時、一葉さんは23歳でした。
前世からの因縁、運命、自分の生まれや職業を嫌いながら「行かれるものなら このままに 唐天ぢくの果てまでも行ってしまいたい。ああ、嫌だ嫌だ!」と言い放ち、けれど自分の運命を受け入れようと「仕方が無い。やっぱり私も丸木橋を渡らずばなるまい…」と覚悟してもなお、情けなくて悲しくて……それでも生き続けようともがく姿の美しさを皆さんの心にお届けできればと稽古も大詰めです。

2016年6月21日

来月1日に桜木町の紅葉坂・青少年ホール・多目的プラザで行う「にごりえ」の舞台は、マグカルフライデー参加公演で、『神奈川県立青少年センター』『神奈川県演劇連盟』『いちまるよん』との共催での開催です。
5千円札の肖像の人・樋口一葉が小説家であることさえ知らない高校生もいるということで高校生以下の料金は500円の設定といたしました。お子様、或はお孫さんとお出かけいただけたら…なお、幸いと存じます。
今週の一枚は、本公演の衣装デザイン担当の岡田幸子さんの作品です。着物のさまざまな着方を提案さって、「ユザワヤ創作大賞」を受賞した縦横自在の摩訶不思議なアイデア衣装です。

2016年6月14日

私が「おとなってなに?」をテーマに子ども達の言葉を構成した作品を上演していた9年間、ロサンゼルス、バングラデシュ、スリランカといろんな国の子供たちと出会ってきました。10周年記念公演は、第二次世界大戦中の子供達のことをと…アウシュヴッツ収容所、テレジン収容所を訪れました。そこは、想像をはるかに超えた悲惨な処で、そのショックで身も心も震え、帰国後は何も出来なくなって…大変な状態でした。
今週の1枚は、朝日新聞出版発行の戦争と平和を見つめる絵本 わたしの「やめて」の表紙です。文は自由と平和のための京大有志の会、絵は塚本やすし。あの恐ろしい収容所で亡くなった子ども達の祈りが聞こえて来るような絵本です。ぜひ、読んでみてください。

2016年6月7日

日比谷図書館で開催された「演劇への入り口講座・演劇界のレジェンド~お堀端に咲く東宝演劇~」に伺ってきました。講師の北村文典氏(演出家)は、私の初舞台・芸術座「たぬき」から数えて30年以上もの長きにわたり教えをいただいている方です。お話の中で恩師・山田五十鈴が愛した「生きることは ひとすじがよし 寒椿」の言葉も披露され、先生の京都の家を思い出して胸が熱くなりました。先生の才能には全く及ばない私ですが、歩みを止めることなく……、9月2日~4日の三越劇場公演で3日間 3作品に挑みます。それに先立ち7月1日の横浜公演は髪も衣裳も簡略化して演技だけで樋口一葉「にごりえ」の世界を表現することに挑みます。ぜひお出かけくださいませ。

2016年5月31日

萩原朔太郎の生誕130年の特別展「マボロシヲミルヒト」を訪れた友人から図録を頂きました。これには朔太郎の自筆の数々の原稿や葉書が掲載されていました。その時の心が伝わるような書き文字、とくに詩稿「恋を恋するひと」の文字には、身が震えました。
…………
わたしは娘たちのするように
こころもち くびをかしげて、
あたらしい白樺の幹に接吻した
くちびるに ばらいろの
べにを ぬって、
まっしろの 高い樹木に
すがりついた。
…………
朔太郎の自筆の文字が醸し出す臨場感、その言葉の羽ばたき…。7月10日迄の開催ですので、私もマボロシヲミニイキタイと思っております。

2016年5月24日

あっという間に5月も下旬。緑が輝き、鳥のさえずりが心地よい季節になりました。 
平成25年6月に相鉄本多劇場公演を行ったのを最後に、本多劇場が〆たのを境に、横浜公演をお休みいたしておりましたが、今回「神奈川県立青少年センター」「神奈川県演劇連盟」の共催、「いちまるよん」「マグカルフェスティバル実行委員会」主催で、桜木町・紅葉坂の青少年ホール・多目的プラザで、樋口一葉没後120年記念「にごりえ」公演を行う運びになりました。 
そして本日は、チケット販売開始日です。今回の横浜公演ご観劇の方には、オリジナル手ぬぐいのプレゼントもございます。数に限りがございますので、お早めにお申し込みください。

2016年5月17日

見た目も味も上品な内藤とうがらしをご存知ですか?江戸時代、内藤町(現・新宿)のお殿様のさまだった信濃高遠藩内藤家の下屋敷の敷地(現・新宿御苑)から始まり、明治通りを真っ赤に染めたと言われるほど人気があった「内藤とうがらし」 。
5月18日~22日大久保駅南口駅前で、百人町5丁目町会主催、内藤とうがらしプロジェクト共催《江戸時代の新宿にまつわる物語を楽しみながら、一度は絶滅した古代種とうがらしをみんなで育てて復活させよう!プロジェクト》が開催され、苗が販売されます。22日12時からは「新宿の歴史と内藤とがらし」の手作り紙芝居があるそうです。お楽しみにお出かけください。

2016年5月10日

ゴールデンウイークは、いかがお過ごしでしたか?震災のことを考えると……という方も多かったのではないでしょうか。
私は、モーリのクリエイションクラブ展《神々のマスク》に参加して、《一葉の神》と題するマスクを制作販売しました。この会は、銀座・枝香庵(えこうあん)で毎年開催され、売上金の全てを東北への支援とする活動です。100点余りの個性豊かなマスクが展示されているのをご覧いただきたかったのですが…先週は、更新できませんでしたので、終わってからのご報告になってしまいました。ごめんなさい。今週の枝香庵は、別なグループがチャリティー展を行っています。銀座にお出かけの際は覗いてみてください。

2016年4月26日

先週は、ご本人やご両親が山梨生まれで横浜にお住いの方々の「横浜山梨県人会春の集い」に出席して「一葉さんの手紙の朗読」をお聞きいただきました。その後、私たちが親しんでいる【アンデルセン童話全集】を翻訳された言語学者の矢崎源九郎氏のこと、東京タワーの設計者で【耐震構造の父】と評される内藤多中氏のこと、一葉さん肖像の五千円札の裏の絵「燕子花図屏風・尾形光琳筆」などの収集品が展示されている【根津美術館】をつくられた根津嘉一郎氏のこと、【鉄道王】とも呼ばれた雨宮敬次郎NPO法人のことなど御身内の方々から沢山のお話を伺いまして感動したり驚いたりの豊かな時を過ごさせていただきました。

2016年4月19日

地震で不安な日々を過ごされていらっしゃる皆様へのお見舞いの気持ちを込めて、今週の一枚は「一葉桜」。お花ライブ「樋口一葉の初恋」朗読の後に例年通り新宿御苑を散策した折、朝倉氏が撮影してくださいました。……地震が静まって皆様に安心と笑顔が戻る日が一日も早く来るように!とお祈りいたしております。
その少し前には「漱石ジャムを舐める」著者・河内一郎氏のお誘いで、山梨ことば指導を担当しました「花子とアン」の原案「アンのゆりかご」著者・村岡理恵氏とそのお姉様(村岡花子氏のお孫さん)もご一緒に、神奈川近代文学館特別展「100年目に出会う夏目漱石」に伺い、漱石の足跡をたどり、「文学論」の原型となった英国留学中のメモにも触れる機会もいただきました。

2016年4月12日

30年来の友人、歌人福島泰樹氏の108人の友との交友録「追憶の風景」出版パーティーに出席して来ました。懐かしい立松和平氏の奥様にもお会いしたり、新しい縁をいただいたり……泰樹氏の「死者は死んでいないのです」の言葉が、胸に響いた会でした。今週の一枚は、その本の表紙です。また、先週ご紹介の「三山ひろし奮闘公演「カルテット忠臣蔵+1」は、4人だけの忠臣蔵の展開に驚き、三山ひろし氏の唄にも感動し、「北の大地の詩」は、存在する全てのものに尊い命があることが魅力的に表現されていて潤いある舞台でした。今週14日には先日ご案内しました東中野ポレポレ座で上演中「桜の木の下」14時の回のトークイベントに出演します。まだ、ご覧になっていない方は、是非お出かけください。

2016年4月5日

今週は、「樋口一葉の世界・奥山眞佐子ひとり芝居」の演出を担当してくださっている鈴木龍男氏の演出作品のご紹介です。チラシは「北の大地の詩」4月7日初日、アイヌ民族の神謡をもとにしたもので、自然のあらゆるものを大切にしてきたアイヌの人々の世界観が古式舞踊やウポポ(唄)を交えて描き出され、人間と自然の共生を描いた芝居で、脚本も鈴木龍男氏です。
彼の活動は幅広く、4月6日初日の三越劇場「三山ひろし奮闘公演『カルテット忠臣蔵+1』」も演出しています。こちらは邦楽の生演奏による爆笑必死!の4人だけの忠臣蔵。両作品とも、きっと楽しんでいただけると存じます。

2016年3月29日

今年の樋口一葉さんのお誕生を祝う会も、皆さんに喜んでいただける会となり、一葉さんの母親の実家の古屋家の方、その菩提寺の法正寺さんにもお出かけいただき嬉しい限りです。
4月16日の「お花見ライブ」は公演予定欄でご案内する前に早々に満席となりました。これからお申し込みを考えていらした皆様ごめんなさい。
今週の一枚「桜の樹の下」は、JR東中野のポレポレ座で4月2日から公開されるドキュメント映画です。監督の田中圭さんとは、この撮影で偶然お会いしました。20代の彼女が3年間、高齢者の深いところに隠されている言葉を大切に紡いで仕上げた「生きる」ということを爽やかに感じられる作品です。ぜひ、ご覧になってください。

2016年3月22日

甲府での公演は、満席の皆様に喜んでいただける舞台となりました。お心にかけてくださった皆様、ご観劇くださった皆様に御礼申します。また、残念ながら、今回ご入場できなかった皆様には誠に申し訳なくお詫びいたします。
 桜の開花宣言もあり、窓の外では鶯が気持ちよさそうに鳴いています。これからは、外に出るのも楽しい季節ですね。26日は恒例となりました樋口一葉さんのお誕生を祝う朗読会です。一葉さんのご両親の生まれた甲州市塩山で半井桃水と一葉さんとのあれこれを構成してパーカッショニスト・MIZとのコラボでお楽しみいただきます。常泉寺さん(0553-33-4948)にお電話なさってお申し込みください。

2016年3月15日

五年前の震災の日、私は舞台稽古の最中でした。ちょっとふらっとしたと思ったら、舞台の上につられている照明が大きく揺れ始めて、ガチャガチャカチカチと劇場中に響いて地震!!ドキドキしました。ハラハラしました。けれど被害はなく翌日の公演を行うかどうかを検討したあの日のことを思い出します。
今週は山梨県甲府市市民会館芸術ホールで「奥山眞佐子ひとり芝居・大つごもりと一葉の母」公演を行えることに感謝して舞台を務めたいと思います。甲府市教育委員会主催の公演ですが、県外の方でもご覧いただけます。甲府市役所生涯学習文化課芸術係(055-223-7324)にお申し込みください。劇場でお待ちいたしております。

2016年3月8日

新宿教室の生徒さんの発表会は、追加席を出すほど賑わいの中、盛会で幕を閉じました。ご声援ありがとうございました。
来年の発表会に向けて生徒さんの気持ちも盛り上がっております。新宿教室の稽古は、火曜日14時をベースにいたしております。一回だけの参加もできますので、お問い合せください。
19日(土)は、山梨県甲府市市民会館芸術ホールで「奥山眞佐子ひとり芝居」がございます。作品は「大つごもりと一葉の母」。甲府市教育委員会主催の公演ですが、県外の方でもご覧いただけます。甲府市役所生涯学習文化課芸術係(055-223-7324)にお電話なさって、お申し込みください。無料でご観劇いただけます。

2016年3月1日

今日から雛祭りの3月ですね。暖かい日が続き、お花も咲いて気持ちが浮き立つ季節。
今週の一枚は、新宿教室の生徒さんの発表会のお知らせです。3月5日(土)14時、JR新宿駅近くの「無何有」で行います。入場は無料です。
これまでは、江戸東京たてもの園の古民家で笛のグループとの合同公演、単独で創作劇を中劇場で公演するなど……その時々で、皆さんと話し合いながら続けております。今回は朗読でまとめました。とはいえ、ちょっと面白い構成です。また、お聞きいただいた後は、ゆっくりおしゃべりの花を咲かせていただけるように…と、お茶の用意もございます。お出かけをお待ちいたしております。

2016年2月23日

樋口一葉没後120年記念公演の第二弾は3月19日(土)。甲府市教員委員会主催で行う「ひとり芝居・大つごもりと一葉の母」お囃子の高橋香衣さんとの共演で、甲府市総合市民会館芸術ホールで行います。甲府市役所生涯学習文化課芸術係にお電話していただくと(055-223-7324)無料でご観劇いただけます。お近くの方はもとより県外の方でも大丈夫だそうです。
第三弾は、一葉さんのご両親の故郷・山梨県甲州市塩山・常泉寺で行う「樋口一葉のお誕生を祝う会」。ここでは一葉さんと半井桃水との出会いとお付き合いの様子を、「一葉日記」から抜粋してお聞きいただきます。公演日は3月26日(土)、こちらは、パーカッショニスト・ MIZさんとのコラボです。お楽しみになさってください。

2016年2月16日

寒暖の差が激しく体調管理が難しい毎日ですね。三味線・かとう『ちとしゃん亭』でのライブ当日は、春一番がふいた温かな日、会場に溢れるほどの皆様に樋口一葉の世界を楽しんでいただくことが出来ました。
今年最初の公演が大入り満員となりましたこと、とても嬉しいです。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。
27日には、コミュニケーション講座「舞台女優から学ぶ自己表現」の講師として、千葉県白井市に参ります。今回初めての参加者の皆さん、以前に演劇指導をした皆さんにも、お会い出来るのが楽しみです。

2016年2月9日

今週の日曜日は、三味線・かとうの2階『ちとしゃん亭』で行う初めてのライブです。交通機関は、都電荒川線と舎人ライナー。舎人(とねり)ライナーの場合は、日暮里から6分程の『熊野前』で降りるのですが、モノレールのような、ジェットコースターのようなこの乗り物は自動運転。普通でしたら運転手さんがいるシートに座って車窓風景を楽しめるという魅力的な特典があります。都電荒川線を利用する時は、JR大塚駅から、のんびりのんびりと街並みを楽しみながら30分程ゆられて、『東尾久三丁目』駅で降りるのですが、両駅の間にある『ちとちゃん亭』まで、どちらの駅からも歩いて2、3分位。楽しい日曜日になると思います。お出でをお待ちしています。

2016年2月2日

今週は、ノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智氏との一枚です。少ないお時間でしたが、親しくお話くださいました氏に感謝と感動でいっぱいです。
先週の一枚(明治29年7月18日に小原氏に送った一葉さんの手紙)は、9月公演の三越劇場ロビーでご覧いただけるように準備いたしております。私の芝居共々、お楽しみになさってください。

また、「お問い合わせ欄」から頂戴いたしましたメールに「文字化け」で判読できないものがあり、お返事が出せない方がいらっしゃいます。原因は調査中ですが、もし14日公演「十三夜」のお申し込みの方でしたら、お手数ですが、三味線かとうに、再度、お送りいただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

2016年1月26日

樋口一葉没後120年の年初めの月に、一葉さんが明治29年7月18日に小原氏に送った手紙に対面してまいりました。小原家の居間でこの手に触れた時の感動と喜びは、言葉に言い尽くすことが出来ません。
今週の一枚は、手紙の最後の「なつ 小原様」です。(一葉さんの亡くなる4カ月ほど前のもの)彼女との時を超えての出会い……、この喜びを私一人のものにしたのでは申し訳ないので、今年9月の三越劇場公演のロビーで皆様にご覧いただけますようにと……。
今年の公演第一弾「十三夜」は、常磐津菊与志郎氏との息もぴったり。懐かしい都電に乗ってお出かけください。お問い合わせ欄からのお申し込みをお待ちいたしております。

2016年1月19日

今週のご紹介は、俳優座劇場で行われる「勲章の川」。公演される劇団・東京芸術座と私が出会ったのは1975年。小林多喜二の小説を舞台化した「蟹工船」でした。漁獲した蟹を船上で缶詰めにする工場を備えている大きな船の中で繰り広げられる人間模様は壮絶なもので、特定な主人公にスポットを当てるのではなく、船で働く一人ひとりの思いが描き出されていました。
今回の作品は、1945年の秋田県で起こった【花岡事件】がテーマです。日常生活の中では知ることが出来ない過去の事件を体現することは舞台でしか出来ない事。お時間がお許しの方は、お出かけ頂きたいと存じます。

2016年1月12日

今週の一枚は、皆さんの無病息災を祈って『どんど焼き』の写真にいたしました。
私の年初めは、明治29年7月18日の一葉日記にあります「小原より『霜夜の月』という37,8枚の物送られしなり。……末に『原稿の売り口取りもち給われ』という事あり。『何かはこの男、かばかりの文おこすよしあらんや。いとあさましき事を』と、心いられするままに腹立てばたてよ の文 書きてやる」
この手紙の持ち主に出会ったのです。彼をご紹介くださったのは『ゴダイゴ』のミッキー吉野さん、ミッキーさんをご紹介くださったのは、『あぶら屋』のオイルさんご夫妻。不思議なご縁の幸運をいただき感謝でいっぱいの年初めです。

2016年1月5日

明けましておめでとうございます。旧年中は応援いただきまして誠にありがとうございました。2016年の幕開きは、鎌倉からみた美しい富士の姿です。
今年は、一葉さんが亡くなって120年目の節目の年にあたりますので、公演数を増やし彼女の魅力を、より多くの皆さんにお伝えできるように頑張りたいと存じます。
舞台の幕開けは19歳の一葉さんが処女作「闇桜」を脱稿した2月14日(日)を選びました。常磐津菊与志郎氏とのジョイントで、彼女の代表作「十三夜」を、準備いたしておりますので、お楽しみになさってください。 皆様に笑顔が溢れる一年になりますように!

2015年12月29日

今日は、羊年の締めくくりとなる日々雑感です。今年も毎週お読みいただきましてありがとうございました。この365日を皆さんは、どんなふうに過ごされましたか? 私は例年以上に講演会の依頼をいただき、舞台も好評で新しい方々との出会いも重なりました。ご声援いただきまして誠にありがとうございました。2016年は、一葉さんの没後120年となるメモリアルイヤーですので、ますます頑張りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
毎火曜日更新のこのページは、1月5日が初回となります。来る申年が、皆様に笑顔が溢れ、喜びが重なる年になりますようにと、お祈りいたします。

2015年12月22日

今週はクリスマスの週。街の飾りをみると、なんとなくウキウキしますね。皆さんは、どんな計画をなさっていますか?先週ご案内の「あの夏の絵」は大入りで幕を下ろしました。ありがとうございました。
一葉さん21歳の明治25年12月24日の日記には、年の暮れの悩みが書かれていました。「今年も師走の24日になりぬ……此月初めに三枝君より借りたる金も残り少なにて、奥田の借金の利息を払えば、手元は無一文になりぬべし。餅は何としてつくべき、家賃は何とせん、歳暮の進物は何とせん。「暁月夜」の原稿料もいまだ手に入らず、他に一銭の入金の当もなきを、今日は稽古納めとて小石川に福引の催し、いと心苦し……」

2015年12月15日

この時期は、忘年会で皆さんと今年を振り返る楽しい時間を過ごせますが、飲み過ぎ食べ過ぎには、くれぐれもご注意なさってくださいね。
今週のご案内は「あの夏の絵」友人の福山啓子さんが、広島市立基町高校創造表現科の生徒による原爆被害者の証言を絵に描く活動を知って、その迫力に満ちた作品をみて、被爆者に向き合うその姿勢の真摯さに胸を打たれたことから、ぜひ劇化したいと思われて何度も広島に足を運び、高校生たちや指導の先生のお話を伺って、戦争の記憶の継承の一つの形としての作品を書かれて演出なさった作品です。
暮のお忙しい時間ではありますが、足をお運びければ幸いです。

2015年12月8日

今年最後の朗読会は、本郷三丁目の画廊で行いました。私が演劇の世界に入った時からの友人の集まりで「花子とアン」のこと、一葉さんのお話や日記や手紙などを、輪になって聞いていただきました。このようなスタイルで朗読するのは初めてでしたが、アットホームな素敵な会となりました。
先日、ご案内いたしました「樹の祭り」は韓国、中国、日本の昔話が綴られているだけあって舞台でも観客席にも三か国語が溢れて感動的な空間でした。また別な友人の会では、大川悦生作「おかあさんの木」の朗読を聞き、主人公の母親の悲しみに胸を打たれ、「戦争は嫌だ!絶対嫌だ!」と心の中で叫びながら涙しました。

2015年12月1日

水木しげるさんが死去されたことを知りました。「妖怪」という目に見えないものを感じる力、想像する力を教えて頂いたことに感謝しています。ご冥福をお祈りいたします。
先週はフットバック世界大会で初優勝した石田太志さんのお話を伺い、その技も見せていただきました。フットバックとは、1972年、米国の医師が膝の手術をした患者にリハビリのために「足でお手玉のように遊んでみてはどうか」と勧めたのがきっかけで誕生したそうです。5センチほどの小さな球(バッグ)を両足で扱いサッカーのリフティングのように技を披露するもので、平安時代に流行した「蹴鞠」に似ています。バックは、蹴鞠より小さく、ポケットに入るので、どこでも楽しめそうですよ……。

2015年11月25日

23日の一葉さんのご命日には文京区・法眞寺での法要に出席して、一葉さんへの私の思いをお話させていただいてまいりました。童話作家・脚本家の山崎陽子氏のお話、幸田弘子氏の朗読もありました。
午後は高円寺に移動して一葉さんを偲ぶ「一葉忌ライブ」を行いました。名古屋から駆けつけてくださった方、一葉さんのお墓の町内会の方もお出かけくださいまして、しっとりと雨の降る中、素敵な日になりました。
今週の一枚は、私の舞台の構成・演出を担当してくださっている鈴木龍男氏の演出「樹の祭り」です。中国と韓国と日本を神話や伝説でつなぐ新しい出会いになる作品だそうです。私は3日に伺う予定です。

2015年11月17日

来週の23日(一葉さんの命日)に高円寺・唐変木で朗読いたします「にごりえ」(明治28年8月)は、当時、大評判を得ました。

一葉さんの日記には、

「こぞの秋、かり初めに ものしたる《にごりえ》の噂、世にかしましゅう もてはやされて、かつは汗あゆるまで、評論などの かしましき事よ。……《女流中並ぶ者なし》など、あやしき月旦の聞こえわたれる、心ぐるしくも有るかな。しばしば思ふて、骨さむく肉ふるはるる夜半もありけり。かかるをこそは、うき世のさまといふべかりけれ。かく人々のいい騒ぐ、何かは まことの褒め言葉なるべき…虚名は一時にして消えぬべし……」

けれど、亡くなって 119年たった今の時代の人々の心を震わす物語です。お出かけください。

2015年11月10日

8日は、一葉ゆかりの法眞寺の新しいご本堂にてパーカッションMIZ氏とのジョイントで「大つごもり」を朗読してまいりました。その後の茶話会では29年前の法眞寺ご本堂で「一年一組先生あのね」を公演したことや、樋口一葉さんとのご縁など、あれこれのお話に花を咲かせて……皆様と楽しい時間も過ごさせていただきました。また、昨日は邦寿師匠の熱の溢れるひとりライブ「佐倉義民伝」を堪能してまいりました。
23日の勤労感謝の日は、一葉さんの法要(法眞寺)に出席した後、「一葉忌ライブ」を高円寺・唐変木で行います。今年は笛の福原幸三郎氏とのジョイントで「にごりえ」お聞きいただきます。小さな空間ですので、お早目にお申し込みください。

2015年11月4日

11月は芸術の秋。今週の一枚は、私の三越劇場公演・樋口一葉の世界2013「にごりえ」にもご出演いただきました杵屋邦寿師の一人ライブのチラシです。第70回文化庁芸術祭参加作品「甚兵衛渡しの段」と「新曲さんしょう太夫」の二作品の公演は、邦寿師ひとりで三味線を弾き、語り、唄い、話します。場所は、渋谷区文化総合センター大和田館内「伝承ホール」9日(月)午後7時開演、お問い合わせは doz-923@docomo.ne.jpに。
8日(日)に行う朗読会の準備に追われております私ですが、勿論、客席で鑑賞いたします。劇場でお会いできましたらお声をかけてくださいませ。

2015年10月27日

講談社野間記念館2015年秋季展「四季礼讃~夕べの彩り、夜のしじま展~」に伺いました。『夕方のうすぐらさに思わず「誰そ彼」と言ってしまうような頃を黄昏と呼ぶ……』のコメントからの順路に沿って、横山大観、鏑木清方をはじめ近代日本画家の数々の夕べと夜の作品群の中に尾竹国観(おたけ こっかん)の「七夕」がありました。笹の葉と戯れる猫が描かれていて、クスッと微笑まずにはいられない作品でした。
彼は、尾竹三兄弟の末っ子で、長男が尾竹越堂(えつどう)、次男が尾竹竹坡(ちくは)。
そして今週の一枚は、尾竹竹坡氏の娘婿である川上尉平作で、川上氏のお嬢様の許可を頂いてHPのトップにさせていただいている作品です。

2015年10月20日

色とりどりに咲くコスモスに声をかけながらの散歩が楽しい季節……コスモスの花言葉は花色によって様々ですが、「愛情」「調和」「純潔」「謙虚」「平和」「乙女の真心」。まるで「大つごもり」の主人公・お峰を表現する花のようです。
先日、この「大つごもり」を道徳の時間に取り上げた中学校の授業のことをお聞きしました。18年前は、教科書から消えそうだった樋口一葉の名前が、その作品が子どもたちに伝えられていることを、とても嬉しく思いました。そして、原文で構成した私のひとり芝居「大つごもり」を、子どもたちが観たら、どんな感想が聞けるかしら……と。

2015年10月13日

今月6日、北日本新聞社ホールで行ってまいりました「大つごもりと一葉日記」終演後の鳴りやまぬ拍手の渦に全身が包まれました時、富山県の皆様の心に樋口一葉の世界をお届けできました幸せを実感いたしました。
今週の一枚は、三越劇場で撮影したフェアリーズのメンバーとの写真です。若さみなぎる10代の若者に囲まれて明治27年の18歳役の私は気恥ずかしくもありましたが、彼女たちの感想から主人公・お峰の苦しみや悩みがストレートに届いたことを知って、嬉しく思いました。今後の公演もより多くの若者に樋口一葉作品に触れる機会を提供したいと存じます。

2015年10月6日

今年の三越劇場公演も盛会のうちに幕を下ろすことが出来ました。お出かけくださいました皆さま、お心にかけてくださいました皆さま、ありがとうございました。そして、事務所に沢山のご感想も頂戴いたしましたこと重ねて御礼申します。
来年は、一葉さんの没後120年にあたりますので、より磨きをかけた一葉作品をご覧いただけますようにと、精進いたします。来秋の三越劇場公演もお楽しみになさってくださいませ。
今日6日は、富山県の北日本新聞社ホールで「大つごもりと一葉日記」を公演いたしております。こちらの皆さまにも喜んでいただけるように舞台を務めさせていただきます

2015年9月29日

スーパームーン、美しいお月さま、すっかり見とれて時間のたつのを忘れるほど……
一葉さんだったら、この月の美しさをどんなふうに表現するのだろう……と思いながらの稽古からの帰り道。
今週の金曜日は、いよいよ三越劇場公演「大つごもりと一葉日記」の本番日です。
お金を使うのは私たちなのに、お金に使われているような……人間の価値がお金に試されているような……、物語の中心に金銭が据えられた魅力的な作品ですから、今年を見逃しては、本当にもったいないです。
ぜひ、10月2日(金)午後7時に、三越劇場にお出かけください

お待ちいたしております。

2015年9月22日

『勝縁荘開設50年・益田勝俊米寿記念・大菩薩峠の囲炉裏』という本に出合いました。山小屋・勝縁荘の主・益田勝俊氏杉本苑子氏の少女時代の思い出から始まり、益田氏が中学3年生の時に樋口一葉が同じ村の出身者だと知って、幼馴染の祖母に、一葉の両親についての話を聞きに行ったことが……。

「大吉ちゃんは温順で利口もんだった。あやめさんは、いいおじょうもん(別嬪という方言)だった」など一葉さんのご両親の若いころの面影のあれこれは、三越劇場公演の母親役がますます膨らみ嬉しい出会いとなりました。今年を見逃してはもったいないです。ぜひ、10月2日に三越劇場にお出かけください。 お待ちいたしております。

2015年9月15日

10/2の公演「大つごもり」が完成した明治27年。
3月9日(日記 ちりの中)
雨。今日は銀婚の大典也(明治天皇大婚満25年祝典)都市府県をしなべて、こころ心の祝意を表するに狂するがごとしとか聞くが、折悪しき雨にて、さのみは、にぎはしからぬ やにきく。
~めずらしき 御いはいにさへ
   逢いにあいて
   君 かさならん
   千代も八千代も~
5月16日には、北村透谷(近代的な文芸評論を行い島崎藤村らに大きな影響を与えた)が芝公園で首つり自殺(25歳)しています。日記にこの記述はありませんでしたが、このことを一葉さんはどんな風に感じていたのでしょう?

2015年9月8日

今週の一枚は、一葉ゆかりの法眞寺本堂落慶記念コンサート後の写真です。仏様を中心にドイツからの留学生、ピアノとビオラの姉妹デュオ"マリエリカ"、半纏を着ている娘さんと息子さん(若住職)のお母様で、現ご住職の奥様レベッカさん。
30年前、境内の満開の桜の下で、名優・宮口精二氏のご冥福を祈って町内会の皆さんとご一緒にお花見をしたこと、先代のご住職のお勧めに従って、ご本堂でひとり芝居に挑戦した頃のことなど…あれこれを思い出しながら新しいご本堂での集いに参加して、"マリエリカ"さんを、ステージにお呼びした時は感無量でございました。

2015年9月1日

今週の一枚は、「大つごもりと一葉日記」演奏者、高橋香衣さんの真剣な眼差し。日本大学芸術学部音楽学科作曲コースを卒業され、第一回世田谷区芸術アワード「飛翔」音楽部門受賞という経歴の持ち主。
彼女の身体から湧き出るお囃子の音色は、一葉さんの時代の空気を運んできてくれるようでワクワクします。お楽しみになさってください。
昨日の東京新聞の一面に「届かぬ民意、危機感結集 8・30安保法案反対、全国300カ所で」の見出しと共に国会議事堂前に集まる沢山の人々の写真が掲載され12万人が参加(主催者発表)。けれどTVニュースでは、3万人(警察発表)。9万人もの差はどうして? と思うのは私だけでしょうか?

2015年8月25日

今週の一枚は、CM撮影に向かう電車内で頂いた駅弁です。ふたを開けた途端に感動して急いで携帯カメラで撮影したのですが、動いている車内撮影は難しく何度も挑戦しての精一杯。期間限定のお弁当なので、残念ながらこれから購入することは出来ません。
ところで、中央線には明治38年から販売されている笹子餅があります。味は勿論ですが、その売り声が魅力的でした。「サッサゴモチ イッカガ デスカ」の声を聴くともうすぐ家族に会えると嬉しくなったものです。
名物・笹子餅は、今も健在ですが、その売り声を聴くことはもう出来ません。金魚売の声もそうですが、時代と共に「モノ売り」の声が消えて行くことが寂しいと思った夏の終わりです。

2015年8月18日

読売新聞の「こどもの詩」欄に、かつて掲載された小学3年の男子の詩に出会いました。

<8月15日>
終戦記念日
どうして日本が負けた日が
記念日なの

 

この詩に、故・川崎洋さんが、短い評をよせました。
<またとない反省の日だからです>

今年の終戦記念日は、「反省」の言葉が深く胸に刻まれた日となりました。
戦争体験者が少なくなってきた七十年目の敗戦の日。TVから、戦争反対の若い母親たちのデモ行進が映し出されていました。

2015年8月11日

♪ぼんぼん盆の十六日に
♪御先祖様も出てござる
♪サンサンゴゴに出てござる
♪盆燈籠を点しましょう
これは、井上ひさし作「頭痛肩こり樋口一葉」の舞台で歌われた唄です。高城淳一演出で、私は花蛍という幽霊の役で出演し、ある足を無いように演じる工夫の日々を思い出します。
今は、10月2日の三越劇場公演「大つごもりと一葉日記」に登場する一葉の母親(52歳)、一葉(22歳)、お峰(18歳)の演じ分けに工夫の日々です。
樋口一葉作品は、読むには少し難しいのですが、聞くと、すっと心に沁み込みます。原文の言葉で演じる「大つごもり」「一葉日記」をお楽しみにお出かけください。お申し込みをお待ちいたしております。

2015年8月4日

元気な蝉の声で朝を迎え、太陽が昇ると暑さが増して、流れる汗を拭くのに追われますね。熱中症にならないようにしっかり水を飲んでください。
夏になると原爆が投下された8月6日の広島のこと(9万~16万6千人が被爆から2~4カ月以内に死亡)9日に長崎に投下された原爆では約7万4千人が亡くなったことを思います。15日に終戦を伝える玉音放送が流れて終わったはずの戦争なのに、20日にはソ連軍が樺太(現サハリン)を侵攻し、真岡郵便電話局の電話交換手9人の乙女が自決したことを伝える「氷雪の門」の舞台には戦争の怖さが溢れていました。今週の一枚は、伊藤信江氏制作のカービング「花火を楽しむ女の子」です。

2015年7月28日

今週の一枚は、私の故郷ヴァンフォーレ甲府・応援イベントのチラシ。スポーツを楽しめるのも平和だからこそ。
試合日は、あの玉音放送の翌日と思ったら70年前の昭和20年8月16日の新聞記事が気になりました。朝日新聞の社説には「……いまこそ君民一体の大道についたのである。この大道こそ国威の 恢弘 かいこう 【事業や制度などを押し広めること】を将来に約束する。功を焦らず、一歩一歩進んでゆこう。平和の 師表 しひょう 【世の人の規範・手本となること】、文化の源泉、精神の 精髄 せいずい 【本質をなす最も重要な部分】たらんことを期して進もう。真の力はかくの如き道から生まれるのである。」これは最後の部分ですが、平和の国として進んで行こうという力強さを感じました。

2015年7月21日

今週の一枚は、東京新聞に掲載された京都大学の教授や学生が設立した「自由と平和のための京大有志の会」の声明文です。
70年前の7月6日深夜~7日未明にかけて、私の故郷・甲府は、B29重爆撃機の編隊による大規模空襲を受けました。その日のことを母は、よく話してくれました。看護婦だった19歳の妹が命をとられたことを悔しそうに悲しそうに寂しそうに……
70年たっても夜中にうなされている母をゆりおこす時「戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる」ことを実感します。
この70年間戦争をしなかった。そしてこれからも戦争をしない日本であり続けてほしいと願います。

2015年7月14日

高島史於写真展「DANCE SCENE 1970〜80's in Tokyo」写真展に行ってきました。場所は六本木、天上が高く伸びやかな空間。そこに展示された40年前の人物の次の動きが迫ってくるような感動的なアナログ写真の数々。夕刻に行われた日本のパイオニア的存在の長谷川六さんのダンスパフォーマンスは、まるで写真の中の人物達をも巻き込むような空間となり、私の五感が、肉体が感動しているのを実感しました。その上、六さんの衣装を制作された岡田幸子さんとも親しくお話しさせていただき、私の講演会の衣装を提供していただくという展開にもなったのです。数々の出会いに感謝して、今週の一枚を決めました。

2015年7月7日

なでしこジャパン宮間選手の「ブームではなく文化にの思いで頑張ってきました」のコメントに胸が熱くなりました。
今夜は七夕。短冊に込めた願いが天に届きますように。
明治26年7月7日の一葉さんの日記には、『大方の衣類は売り尽したけれど、何かあった時にと残しておいた絹ちりめんの着物も全てを売って駄菓子屋の店を開く元手にしよう』という思いが記述されています。原文の朗読は三越劇場の舞台で!
今回の演奏は、お囃子の高橋香衣さんです。
お早目のご予約をお待ちいたしております。

2015年6月30日

なでしこジャパンの戦いぶりに胸躍り、集中を切らさずに走り続ける彼女たちの美しい姿に感動しました。そんな心高鳴る時は足取りも軽くスキップなんかしたくなりますよね。
そんなうきうきした気持ちで仕事に出かけ、交差点を渡り始めましたら右わき腹にひどい痛み「えっ、なに?」
原因はすれ違った人が持っていた折りたたみ傘の先が私の脇腹に命中したのでした。座り込むほどのひどい痛みでした。
「人の振り見て我が振り直せ」これから傘を持っての外出が多くなります。傘の持ち方には注意が必要ですね。
今週の一枚は、なでしこジャパン応援の気持ちを込めて!

2015年6月23日

蛍をご覧になりましたか?
私は昨日、仕事帰りに運よく蛍を見ることが出来ました。静かな川べりで、周りにいらした見ず知らずの人々と「ほらほら、あそこに」とお互いに教えあって、仄かな微かな光を見つけるたびに歓声を上げて……。
ふと、平和ってこういうことなのだわと思いました。もし戦闘機が飛び回っていたら、蛍どころではありませんから……。
今週の一枚は、天上に向かう蓮の花のつぼみ。泥水の中から生じた美しい花は、仏の智慧や慈悲の象徴と言われているそうです。つぼみが開くと共に、人々の争う心を癒す魔法の智慧の煙が広がるといいのですが……。

2015年6月9日

4月のお花見ライブ報告の後、更新をお休みしておりましたが本日から、新たな気持ちで火曜日更新を復活いたします。
桜が散って花水木、藤、躑躅、鈴蘭、芍薬と…花々がほころび、「栴檀は双葉より芳し」と言われる栴檀の花を見たのは始めてでした。でも余り香りを感じなかったので不思議に思いましたら、芳しい香りを放つのは栴檀でなく白檀とのこと。どうして白檀ではなく栴檀と言われたのか気になるところです。
今週のトップは10月の三越劇場公演のチラシです。劇場での前売り開始日は9月1日(火)10時からですが、お問い合わせ欄からのご予約は、本日からお受けいたします。お申込みお待ちいたしております。

2015年4月14日

今年のお花見ライブも、テーブルに溢れんばかりのお料理、滋賀県「琵琶の長寿」から取り寄せた「花見酒」のふくよかな香りに包まれて始まりました。
お話は、ドラマ「花子とアン」で描かれなかった花子さんのあれこれや、彼女のエッセイの朗読、彼女のご友人・片山廣子さんのこと、片山さんに縁のあった芥川龍之介の一文の朗読、「赤毛のアン」に中に生かされている山梨言葉の朗読など……こちらも盛りだくさんでした。
今週の一枚は、お時間のお許しの方との新宿御苑でのお花見中の記念写真です。池に舞い散る桜の花びら、水に映る華やかな桜木。散策中は、雨が上がり青空まで……笑顔あふれる一日でした。

2015年4月7日

私の故郷、山梨県人会女性の会25周年に招かれての「朗読会~3人の女性~」は、皆さんにとても喜んでいただけました。
また、毎年、放送番組を対象に「日本人の心や、人と人とのふれあいを温かくとりあげ、視聴者に広く支持され、感動を呼び起こした作品・個人」に対して贈られる橋田賞の23回受賞作に、連続テレビ小説「花子とアン」が選ばれたとのお知らせも届き、その上、指導しております生徒さんから、発表会が盛会に終わったとの感謝の手紙も受け取り、嬉しいことがいっぱいの一週間でした。
今週末は、「お花見ライブ」ですが、すでに満席です。お心にかけてくださった皆様には、申し訳なく存じます。

2015年3月31日

今朝、窓を開けましたら、鶯の美しい声があちこちから聞こえてきて嬉しくなりました。
とても暖かいので、皆さんとご一緒する新宿御苑の八重桜(一葉桜)の開花状態が気になります。お花が待っていてくれればいいのですが……
尚、ご案内中の「お花見ライブ」は満席になりましたので受付を終了させていただきます。
4月3日(金)は、山梨県人会女性の会25周年のお祝いに、「花子とアン」の村岡花子さんと、102歳の前衛美術家・篠田桃紅さんのエッセイ、林ふじを句集の朗読をいたします。
今週の一枚は、村岡花子記念館で、右手に原本、左手に赤毛のアンの初版本を持って花子さんの椅子に座っての写真です。

2015年3月24日

今日は、春の彼岸明けの日。仏教用語である彼岸は、「煩悩に満ちた現世である此岸(しがん)を離れて修行を積むことで煩悩を脱して、悟りの境地に達した世界(彼の岸)に到達する」という意味とか……煩悩を脱することは難題ですが、せめて自分の煩悩を直視することを忘れないようにと思います。
今週の一枚は、昨年12月に吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名披露記者会見をなさった玉女さん(人形浄瑠璃の人形遣い)との写真です。30年ぶりに国立劇場伝統芸能情報館でお会いして懐かしさに胸がいっぱいになりました。二代目吉田玉男襲名披露狂言は、「一谷嫩軍記」。4月大阪、5月東京です。ぜひ、お出かけください。

2015年3月17日

今年の「樋口一葉のお誕生を祝う会」も会場いっぱいの皆様と、天上の一葉さんに届くようにとハッピーバースディの合唱で幕を開け、「大つごもり」の主人公・お峰の心情を中心に構成した朗読を聞いて頂き、「言葉についてのあれこれ」に花を咲かせてまいりました。
今日は、横浜市保土ヶ谷区 サークルかけはしでの講演会です。こちらに伺いますのは初めてで、年齢もご興味も様々の皆様に楽しんでいただけるお話をと、ウキウキとドキドキでいっぱいです。

お花見ライブ」のお申し込みも続々と頂きましてありがとうございます。18日~23日迄、お休みになりますのでお問い合わせ欄へのお返事は24日になりますことをご了承ください。

2015年3月10日

3月は、一葉さんのお誕生月。明治5年3月25日に一葉さんが産声をあげたのは、明治政府の官舎でした。現在は、内幸町ホールとなっている同じ場所で、平成19年にスタートしたのが「一葉のお誕生を祝う会」です。
公演場所は時々に違いますが、9年目の今年は、昨年に引き続き一葉さんのご両親の故郷・山梨県甲州市塩山の常泉寺・寺子屋「武士原塾」で、パーカッションのMizさんと「大つごもり」を朗読します。
4月11日は、美味しいランチと朗読と、ご一緒に新宿御苑の一葉桜を楽しむ「お花見ライブ」。

今年は「花子とアン」の主人公・村岡花子さんのエッセイをお聞きいただく予定です。詳細は、公演予定をご覧ください。

2015年3月3日

今週の一枚は、"おとなってなに? スリランカの子ども達の夢"の舞台。撮影者の石川妙子さんは、1988年日本舞台写真家協会設立に参加なさった方。この写真は、早稲田大学演劇博物館に収めたと聞いております。
「幕があがり観客の眼差しを受けた瞬間に消えて行く舞台芸術の一瞬を止めて次代に伝えて行くのが舞台写真家の使命です」とおっしゃっていました。
宝塚劇場での私の舞台姿を撮影してくださってからの縁で結ばれ…、ご病気を抱えながらも紙芝居のボランティアをするので語りを勉強したいと、私のワークショップにもご参加くださり…、とても活動的な人でした。その彼女の訃報が届き…言葉に出来ない切なさで胸がいっぱいです。

2015年2月24日

今週で2月も終わりですね。
日数が、ちょこっと少ないだけなのに随分短く感じます。
今週の一枚は「花子とアン」の原案「アンのゆりかご」です。お孫さんの村岡恵理さんの著作で、花子さんの魅力あふれる生涯が描かれていますので読んでみてください。
先日「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」に伺いました。ここには、花子さんが晩年仕事をしていらした書斎が再現され、赤毛のアンの原書、その初版本、ご主人から贈られたウェブスターの大きな辞書。部屋の真ん中のがっしりとした仕事机にコヨリで綴じられた自筆の原稿……。恵理さんのお姉様の美枝さんに貴重なお話も沢山伺えて、花子さんの在りし日を思い、感動に震える帰り道でした。

2015年2月17日

今週は、私の初期のひとり芝居「中国とモン族のこども達の夢」公演の折に、ベトナム戦争で、住む場所も家族も失い、難民キャンプで生活しながらも夢を持ち続けた「モン族のこども達」の資料を提供してくださった安井清子さんのご本です。
 「ラオス 山の村に図書館ができた」は、彼女が山の村に住み込んで、図書館づくりに奮闘された建設の日々、絵本と子どもたちとの出会い、村の人々の生きざま…が綴られています。
 より多くのみな様にお読みいただきたく、お近くの図書館に購入依頼を出していただけると嬉しいです。そして、ラオスのこども達のことを知っていただきたいと思います。

2015年2月10日

今週の土曜日は、バレンタインデー。どんなチョコレートをプレゼントしようかしら?と迷う時間も楽しいですよね。やっと、お気に入りの品を見つけて可愛いリボンを結んで…、なのに渡すきかっけを見つけられなかったり、思いがうまく伝わらなかったり…なんていうことのないようになさってくださいね。
今週の一枚『自分を嫌いなあなたへ』の中には、「…誰だって間違うことがある。失敗することがある。人を傷つけてしまうことがある。いつも完璧じゃなくていい。間違うから、そこから学んでいける。完璧になることが人生の目的じゃなくて…」など素敵な言葉が詰まっています。著者の手塚郁恵氏のやさしさが溢れているご本です。

2015年2月3日

今日は節分。豆まきといえば鬼のお面。お面といえば、モーリのクリエイションクラブ【神々のマスク】展。
銀座ギャラリ-枝香庵で毎年行われるこの会は、毛利臣男の提唱するコラボレーション美学(個性豊かな数々のマスクを、国籍、性別、年齢を問わず、生き生き活動する人々から生まれた美しい世界)をもとに展開され、マスクの売上金の全ては、RKH Forever(旧:リメンバー神戸アンド東日本)を通して、東北への支援になります。来年は、私も参加いたしますのでお楽しみになさってください。 
今週の一枚は川柳「みだれ髪」の新聞書評です。作家が生きた時代を超えて広く感じていただけることを我がことのように嬉しく思います。

2015年1月27日

大阪芸術大学短期大学部 舞台芸術コース第7回卒業公演「仮名手本忠臣蔵」のご案内が届きました。
演出の三林京子さんは、同校の専任教授であり、人間国宝の二世桐竹勘十郎氏のお嬢さん。
私にとっては、山田五十鈴先生門下の姉弟子にあたり、TV舞台映画へ出演しながら浄瑠璃、日本舞踊、狂言、三味線の修行もなさり、三代目桂すずめ(三代目桂米朝氏の弟子)の名で噺家として高座も務め、大阪市いちょう大学の初代学長にも…。
片時も自分を磨くことを怠らず、後進の指導にあたられている姉弟子に恥じないように、私も自分を磨きながら後進の指導にも心血を注がねばと、気持ちを新たにしたお手紙でした。

2015年1月20日

星に願いを…澄み切った天上のオリオン星雲は想像力をかきたててくれます。
昨日、子供の頃からずっと伸ばしていた長い髪を、バッサリ切りました。美容室の床に落ちた髪に「ありがとう」とつぶやきながら… 全く印象が変わった髪型の鏡の中の新しい私に「こんにちは」。
昨年末より、あれこれの会で、お話させていただく機会が増えまして、全く違う領域の方々との新しい嬉しい出合いをいただけることとなり感謝の日々です。東北大震災で被害にあわれた仙台の佐藤ご住職から教えていただいた「我逢人」の言葉を胸に、今日も出発いたします。

2015年1月13日

今週の一枚は「汐まつり」。
農業の盛んな乱橋村と漁業が盛んな材木座村が合併し、現在の鎌倉市材木座となった地の鎮守「五所神社」の新春行事です。
笛、太鼓で音頭を取り進められる鎌倉神楽(別名、湯花神楽)は、打ち囃子に始まり、初能、お祓い、御幣招き、湯上げ、中入り、掻き湯、大散供、笹の舞い、弓払い、剣舞いの構成。
中央に置かれている湯笹を湯釜に3度入れて左右に3度振り上げ、その飛び散る湯を「花」といい、この花を浴びると1年間無病息災で過ごせるとか…私は運よく浴びることが出来ましたので、この花をお分けしようと、この写真にいたしました。
皆様の一年が無病息災でありますように!

2015年1月6日

明けましておめでとうございます。新しい年の太陽が昇り2015年の幕が開きましたね。
一葉さん16歳の明治20年1月15日の日記には、中島歌子先生の塾「萩の舎」に行ったと記されています。和歌の稽古初めの日で、誰よりも早めに行ったと…。母親の反対で上の学校へ進めず【死ぬばかり悲しかりしかど学校は止めになりけり】と記した11歳。けれど、和歌を学べる喜びに溢れてのお正月を迎えて、どんなに嬉しかっただろうと…「修行に入りての日常こそ輝きである」という言葉に出会いましたので、年初めの写真を決めました。
今年が、皆様に笑顔が溢れる一年になりますように!

2014年12月30日

まもなく2014年の幕が閉じます。今年は皆様にとってどんな年でしたかしら?
私は、高視聴率をいただきました「花子とアン」山梨ことば指導で幕を開け、12月には、NHK「視点・論点」で、テレビドラマにおける地方の言葉についてのお話をさせていただき、あちこちでの講演会が続き…。
ひとり芝居三越劇場5周年公演では、一葉の母親を登場させ山梨の言葉も披露して…とても有意義な一年となりました。
ご声援ありがとうございました。
このページは、毎火曜日更新ですので、来年は6日が初回です。よろしくお願いいたします。
2015年が、皆様の笑顔が溢れる年になりますようにと、お祈りいたしております。

2014年12月24日

今日はクリスマスイブ。街はさぞ賑わっていることでしょう。明治25年の一葉日記には、『かけじとおもへど(気にしないようにと思っても)実に貧は諸道の妨成けりな(本当に貧乏は色々な妨げになる)すでに今年も師走の24日に成りぬ。…此の月の始 三枝君より借りたる金の 今は はや残り少なにて、奥田の利金を払はば、誠に手払い(無一文)に成りぬべし。餅は何としてつくべき、家賃は何とせん、歳暮の進物は何とせん…と、思いながら家に帰ると、来年早々女学雑誌社より「文学界」という雑誌が発行されるので、是非短編小説を書いて貰いたいと葉書が届いていて…』 皆さんの処にも、思いがけない嬉しい知らせが届きますように!!

2014年12月16日

川柳の表現の可能性を大きく広げた林ふじを(本名 林和子)没後55年の今年、出版された「みだれ髪」には、「ほんとうの私」が詰め込まれた句が溢れています。太平洋戦争が終結し12年、まだまだ男女平等でなかった時代にも関わらず彼女は、「私は何時でも、どんなことにも真実をぶつけて…私は、真実を誠を選びます…」と記しています。
マララさんのノーベル平和賞受賞演説全文を読んで、頭が下がる思いです。「…沈黙したまま殺されるのを待つか、声を上げて殺されるか。私は後者を選び、…私は教育を奪われた少女6600万人の代弁者……終わりにすることを始めましょう…」是非、全文を読んでください。

2014年12月9日

「オリジナルグッズはどんなもの?」とお問い合わせをいただきましたので…今週の一枚は、『てっ!』『こぴっと』の写真にしました。鹿革を鞣した皮に漆で文字が浮き出している小銭入れは、写真の色以外に、黒、茶、藤、紫があります。お問い合わせ欄からお申し込みください。日本で唯一、甲州印傳(甲州印伝)伝統工芸士(総合部門)の資格を持つ「印傳の山本」の制作です。
また、NHK視点・論点「こぴっとしちゃぁ!」でお話しいたしました「ドラマ・花子とアン」のセリフが出来るまでをご覧になった方から、沢山のご感想も頂きました。ありがとうございました。

2014年12月2日

今週の一枚は、三越劇場公演のロビーで、私のグッズを販売してくださったお二人の笑顔。
今年初めて作りました甲府の特産品でもある鹿の皮をなめしたものに、漆で『てっ!』『こぴっと』とデザインした奥山オリジナルの印伝の小銭入れは、皆さんに喜んでいただきました。
当日、ロビーは沢山の人が溢れて、買い損ねたとご連絡を頂いております。郵送もいたしますので、お問い合わせ欄からお申し込みください。
また、本日放送のNHK「視点・論点」では、ドラマ・花子とアンのセリフが出来るまでのお話をさせていただきました。残り少なくなりました2014年ですが、どうぞ良い締めくくりをなさってくださいませ。

ありがとうございました。

2014年11月25日

昨日の三越劇場5周年公演「十三夜と一葉日記」は、おかげさまで盛会のうちに幕を下ろすことが出来ました。
お出かけくださいました皆様、お心にかけくださいました皆様、ありがとうございました。
今回は、一葉の母親・あやめ、樋口なつ、十三夜のお関の3役を演じましたが、三者三様の姿を感じ取ることが出来たとのご感想をいただきまして嬉しい限りです。また、開場をお待ちくださる方が170人以上もいらしたこと…、幕開きの拍手、幕切れにかかった大向う…、劇場全体が盛り上がりました。次回公演も皆様のご期待に応えられるように精進してまいります。

ありがとうございました。

2014年11月18日

24日(来週の月曜日)は三越劇場「十三夜と一葉日記」の公演日。自分で言うのも気恥ずかしいのですが、とてもいい作品です。一葉さんの生涯が手に取るようにわかります。
この14か月間は「花子とアン」にかかりきりでしたから、その様子を知っていただこうと、ロビーには撮影風景の写真も展示いたします。また、ご要望頂いておりました新しいグッズの用意も整いました。それが何かは、書けないのですが…喜んでいただけるものです。お席は、ほぼ埋まっておりますが、前日まで「お問い合わせ」欄からのお申し込みも受け付けております。また、当日席のご用意もございます。24日のお出かけをお待ちいたしております。

2014年11月11日

三越劇場公演まで、あと2週間余り、稽古も白熱しております。樋口一葉の両親の駆け落ち、一葉の青春時代、小説「十三夜」の3部構成を1時間15分程に集約した今年の舞台では、本間豊堂の尺八の音色が一葉の世界をより豊かなものにしてくれて、十三夜の月明かりを感じ取っていただけるものと…きっとご満足いただける作品だと存じます。秋の深まる夕暮れ時、お出かけをお待ちいたしております。

先日、友人からネットテレビFar east net TVの開局のお知らせが届きました。来年1月から本格的放送ですが、プレ放送が発信されています。こちらも是非、ご覧になってください。

2014年11月4日

明日は「後の十三夜」を楽しむことが出来ます。通年は十五夜、十三夜と2回ですが、今年は171年ぶりに3回目のお月見「後の十三夜」、そして私の今年の作品も「十三夜」。ぜひ、空を眺めて171年前を想像してください。時は江戸、樋口一葉さんの母親が郷里の山梨で14歳の時に眺めた月…、私はちょっと浮き浮きしております。今年の三越劇場公演の幕開きには、その母親役で登場するのです。母親の名前は古屋あやめ、24歳。一葉の父親となる樋口大吉と駆け落ちする場面。ここでは、山梨言葉で演じますので、それもお楽しみになさってくださいね。

2014年10月28日

一葉さんが五千円札の肖像画に登場した当時の塩川財務大臣は「樋口一葉は女手一つで一家の生活を支え、貧困の中にあっても温かな家族の和を懸命に保ちながら、明治を代表する女流文人として数々の名作を残しました。短いながらも輝いた一生を送った樋口一葉は、女性の社会進出の先駆者として、21世紀の日本社会の方向性を示すに相応しい人物としております。…」と、お話になり、一葉研究家のおひとりは、「金ゆえに心身をすり減らし生命を縮めた樋口一葉の肖像画の五千円札が流通するならば、それが、貧しい女性たちの手に渡りやすくなる施策を、企画し実践してほしい」と訴えたそうです。このことを知って胸が熱くなりました。

2014年10月21日

昨日、「はみだししゃべくりラジオ キックス」に出演して、梶原しげるアナウンサーと塩澤未佳子パーソナリティーとの対談を行ってきました。内容は「花子とアン」で使われている山梨の言葉について、私のひとり芝居についてなどあれこれ…今年で5周年を迎えます三越劇場公演の幕開きの台詞も語ったりして…みなさんに楽しんで頂きました。また、先日放送されました「朝市の嫁さん」もご好評をいただきまして嬉しい限りです。「十三夜と一葉日記」の稽古も進んで、どんどん面白くなっていく今回の作品を皆さんにご覧いただくのが本当に楽しみです。万難を排していらしてくださいね!!

2014年10月14日

今年のノーベル平和賞が、パキスタンのマララ・ユスフザイさん、インドのカイラシュ・サトヤルティさんに贈られたこと、「憲法9条を守っている日本国民」がノーベル平和賞の候補に挙がっていること…嬉しいニュースがありました。ふと、村岡花子さんのお顔が浮かび、ご健在だったらどんなコメントをなさるだろうと想像しています。その「花子とアン」総集編後編は18日(土)15時から、「朝市の嫁さん」スピンオフ・スペシャルは19時半からの放送です。今週の1枚『暁のヨナ』は7日(火)スタートのアニメ。東宝時代の友人のご主人が音響監督の作品。みんな楽しい番組ですから是非ご覧になってくださいね。

2014年10月7日

先週は、ダウンしてしまいまして、日々雑感の更新が出来ませんでした。毎週、楽しみにしてくださっている皆さん、ごめんなさい。やっと今朝の太陽と共に復活いたしまして11月24日の三越劇場公演に向かって走り始めます。ダウンの為、チラシの発送も遅れてしまい…随時お送りいたしますので、もう暫くお待ちください。三越劇場で5周年を迎えます今回は、甲州弁あり一葉日記あり、小説「十三夜」は一葉の原文そのままに…鈴木龍男の脚本・演出、本間豊堂氏の尺八演奏の構成でお楽しみいただきたいと存じます。
今週の一枚は台風が去った後の鎌倉の海に沈む太陽と、富士山。

2014年9月24日

お楽しみいただきました「花子とアン」も今週で最終回を迎えます。ご声援ありがとうござました。今週の一枚は、安東家撮影終了の写真です。この作品に参加してから14カ月余り、曲がり角の向こうに何があるかわからない不安と期待をもって、山梨ことば指導者として励んでまいりました。そして今、辛苦を共にした汚れた台本が書棚に静かに休んでいます。撮了後は、甲府市主催の「こぴっといくじゃんトークショー」に出演して市長と一緒に「甲州弁大喜利」をしたり、お待たせしていた講演会を行いました。また震災で被害を受けた仙台の亘理郡にも伺ってお話をして、被災地をまわりました。そして、まだまだ手つかずの状況を目の前にして胸がつぶれそうにもなりました…。

2014年9月17日

今週の一枚は、結婚式の記念写真です。この日は家族全員がおめかしの笑いが絶えない撮影でした。はなちゃんの子供時代から共に過ごし、成長する折々の悩み苦しみ喜び、そして感動を共有しながら日々を送ったことを思い出しますと、ドラマの上のことなのにまるで現実の人生のような不思議な錯覚になります。けれど、撮影が終わった今は、皆さん新しい現場でご活躍です。
私も9月14日に甲府で行われた「甲州弁トークショー」をはじめ、あちこちにお招きを受けての講演会で、甲州弁のことやドラマの撮影現場のことなどをお話させていただいております。20日は仙台です。こぴっと、お話してくるじゃんね!!

2014年9月10日

今週の一枚は、かよ(黒木華)ちゃんと。安東家の次女で、貧しい家の家計を助けるために製紙工場に働きに行ったかよは、想像もしなかった厳しい労働に耐えかね、工場を逃げ出して、はな(姉)のいる東京に。そして恋をして…けれど関東大震災で恋人の死に直面して…その悲しみを乗り越えようと働きに働いて自分の店を持つまでになり…なのに、第2次世界大戦の空襲で、再び何もかも失って……
彼女の人生に重なりあうような、いえもっと厳しい困難を乗り越えられた沢山の人々のことを思いながら、かよちゃんの山梨ことば指導を行っておりました。

2014年9月3日

昨年の夏から、子役の花ちゃんタケシ君、朝市君をはじめ、同級生の子ども達に、遊びを通して山梨の言葉を教えたことを懐かしく思います。新しい言葉に触れた子供たちは、「面白い」「え!可愛い」を連発して、何にでも「ずら」を付けたり「じゃん」をつけてはしゃぎまわっていました。私はついて回って、「そんな風には使いません」とか、「その使い方はいいわね」とか…「だるまさん転んだ」を山梨の言葉に直して遊んだり…けれど、実際の撮影に臨むと真剣に役に取り組む姿は子供といえども俳優の顔になり真剣勝負の撮影でした。

2014年8月27日

昨日、「花子とアン」の撮影が終了しました。最後のカットは村岡花子(吉高さん)の魅力的な笑顔。その後、くす玉割やクラッカーの嵐…記者会見、全員の記念写真撮影…乾杯の後は、皆さんと思い出話に花を咲かせました!…
また、この作品の高視聴率が続いていること、特に山梨県内では常時40%超えていることもお聞きして…一生懸命に頑張って良かった!皆さんに喜んで頂けて良かった!…嬉しくて嬉しくて胸がいっぱいです。
…と、言いましても私の仕事は続いていて、今日も明日も明後日もスタジオで頑張っています。
放送最後の日まで、どうぞ、お楽しみくださいませ。

2014年8月19日

昨年9月から始まった「花子とアン」山梨ことば指導のお仕事も終盤になりました。明治、大正、昭和と変わる時代を乗り越えられた吉高由里子さん演じる村岡花子さんや彼女を取り囲む皆さんと共に時間を過ごし…、おじぃやん(石橋蓮司さん)が他界するシーンでは、身を引き裂かれるような悲しみでした。そしてそれは、祖父母や両親が過ごした時代を体感するという不思議な空間でもあったのです。
また日々頂戴する感想を読ませていただき、ドラマの台詞がご覧になる方の心の支えになれたこと、この作品がきっかけで親子の会話が弾んだことなど…を知り、喜びが溢れてまいります。撮影もあと一息。最後の最後まで、こぴっと頑張ります!

2014年8月12日

昭和20年7/7甲府は空襲を受けて母の妹は19歳の命を奪われました。8/6広島、8/9長崎へ原子爆弾が落とされ一瞬にして廃墟となり…8/15日本の敗戦。太平洋戦争が終結して69年。
大田昌秀(元沖縄県知事)と佐々木愛(文化座)の対談で知ったのですが、沖縄では、尚真王の時代から二百数十年余り武器を持たず話し合いで解決する習慣だったそうです。また沖縄の万葉集と称される「おもしろさうし」研究家・仲原義忠によれば、沖縄には「殺す」という言葉が無く「殺す」という意識が無かったとも知りました。
誰にとってもたった一つの命。大切に!大切に!大切に!!

2014年8月5日

先日、山梨県内で使われていた言葉や、現在も使われている言葉、「花子とアン」山梨ことば指導につての取材を受けました。
記者さんは山梨県にも取材に行っていらして、そこで出会った山梨県民の優しさに感激したと。また、山梨の言葉は可愛らしい響きのものが多いと感じられたことなど……あれこれと話の花を咲かせてまいりました。
掲載されるのは「女性セブン」(8月7日発売・特大合併号)~山梨県の魅力を特集~です。ぜひ読んでください。
「花子とアン」も撮影終盤です。こぴっと頑張ります!

2014年7月29日

今日は、山梨県立美術館と文学館のご案内です。開館35周年の美術館では「生誕200年ミレー展~愛しきものたちへのまなざし~」(8/31迄)展示の第1章は、現存するミレーの一番古い≪アルカディアの羊飼い≫他、第2章は、自画像や肖像画、第3章は、9人の子供の父親となり生活の情景を描いた≪ミルク缶に水を注ぐ女≫他、第4章は、≪種をまく人≫≪落ち穂拾い≫他、日本初公開作品も……

隣の文学館特設展では、本の装幀や挿絵の魅力紹介「本のおしゃれ展」、特別コーナーでは『村岡花子と柳原白蓮』の展示(8/24迄)も開催されています。

夏休みのひと時、お楽しみいただければと……

2014年7月22日

昨日のNHKでは「花子とアン」総集編-前編-が放送されましたが、ご覧いただけましたか?  蓮子さんの夫役の吉田鋼太郎氏は、「カッコーの巣の上で」(ジャック・ニコルソン主演映画の舞台版・精神病院の入院患者と病院管理者との間に繰り広げられる作品)で魅力的な医師役も演じていらっしゃいます。(東京芸術劇場8/3迄)河瀬直美監督の新作「2つ目の窓」は、奄美大島の波や風の音と匂い、土の感触や焚火の熱さや煙の匂いなど目に見えないモノが迫ってきて、地球に抱かれて生かされている命を感じられる作品です。(劇場公開7/26)あれもこれも戦争のない日本だからこそ楽しめるのですから、平和を大切にしなければと強く思います。

2014年7月15日

今日は母のお誕生日。そして東京ではお盆の日。私の実家のお盆は、8月13日の夕刻に迎え火を焚いて、ご先祖様をお迎えして家族みんなで過ごして16日にお別れするのです。

 毎年の大切な行事の母の誕生日にも駆けつけることが出来ず、8月のお盆も今年はどうなりますことか… でも「花子とアン」は25%を超す視聴率をいただき、移動中の車中で「こぴっと」や「てっ」の言葉が聞こえてくると嬉しくて…心の中で「こぴっと頑張るぞ!」と、つぶやいております。

2014年7月8日

甲府の歴史⑬は甲州印伝です。柔らかく丈夫で軽く使い込むほど手に馴染む甲州印伝は鹿革に漆で模様を付けもの。財布、袋物、印鑑入れなどが主な商品で、1854(嘉永7)年「甲州買物独案内」に記述があることから、山梨県甲府市を中心に産地が形成されたと思われます。また、十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛」には、「腰に下げたる印伝の巾着を…」との記述もあるそうで、江戸時代後期から人々に親しまれていたようです。現在、日本で唯一、甲州印傳伝統工芸士の資格を持つ甲府市在住の山本誠氏は、正確な技術ときめ細かい心配りで甲州印伝の伝統技術を守り続けています。

2014年7月1日

今日から7月。「花子とアン」も3か月が過ぎ高視聴率と共に山梨のことばが全国の皆さんに親しんでいただけて…「今日も笑顔で花ちゃんのように頑張るじゃん」で締めくくられる『甲州弁ラジオ体操』も出来て、これを広めようと山梨県甲斐市の市長さんが張り切っておいでと聞きました。甲府市では「あなたの好きな甲州弁は?」と題したアンケートが実施されています。ぜひ投票してください。…6/21付けの山梨日日新聞には、1位「こぴっと」2位「いいさよぉ」3位「てっ」とありました。また、あちこちの市町村で地元の言葉を見直そうという流れもあるとの新聞記事が…なんかとても嬉しいです。

2014年6月24日

甲府の歴史⑫は、甲州手彫印章。印章の歴史は紀元前4千年前のメソポタミア文明とされ、江戸末期の「甲州買物独案内」には甲府市内に御印版を扱う版木師の存在を示す記事が…。別の文献には水晶を印材にしたものが珍重されていたとも…。山梨の印章は水晶の篆刻から始まったといわれ、明治の初めには山梨県独特の産地形態が形成されました。熟練された彫刻職人が、伝統美あふれる印章文字で字入れ・祖彫仕上げまで全行程すべて手作業で行い唯一無二の象徴あるすべての条件に適応した印章が「甲州手彫印章」と称されるそうです。

2014年6月18日

甲府の歴史⑪は、水晶のお話。山梨の水晶は天正3(1577)年に御岳昇仙峡の奥地・金峰山麓で修験者によって発見され、天保5(1834)年、京都の職人が金剛砂で水晶を磨くことを伝えたと言われています。採掘に厳しい規制があった徳川幕府時代を経て明治維新後は民間の鉱山開発が許可され自由に採掘出来るようになり水晶細工は甲府の代表的な工芸品となりました。しかし、大正の初め頃には掘りつくされ原石は輸入品になりましたが、細工の技術は磨かれて第1回パリ万国博覧会にも出展され、水晶彫刻研磨の技術は世界の人の目に触れることになったのです。

2014年6月10日

甲府の歴史⑩…中央線の開通で都市化が進んだ明治42年の甲府の人口は5万人を超え、農業から商業へと転業する人も増え、甲府商業会議所も設立され、44年には活動写真常設館(映画館)「甲府館」が誕生して益々賑やかになりました。しかし大正に入り、供給不足と投機的買占めで全国的に米の値段が暴騰して大正7年各地で米騒動が起きました。甲府では7月に1俵14円50銭だった米の値段が、翌月には20円を超えるという状況(この頃の左官の日当が92銭)、遂に8月16日、若尾邸焼き討ち事件が起こりました。この騒動を担ったのは、農民ではなく主として都市に住む様々な職業の人たちだったそうです。

2014年6月3日

甲府の歴史⑨…鉄道が開通し英国製B型40号蒸気機関車が甲府駅に初めてやってきたのは、明治36年。赤塗りポストが設置され、さまざまな店が軒を並べるデパートの先祖みたいな「甲府勧工場」が賑わいました。37年には、市内で左側通行の実施、甲府城址が解放された舞鶴公園に人々が集い、38年には東京-甲府間の電話が開通、消火用蒸気ポンプ1台を市が購入したのもこの年です。39年には市内電話が開通。40年には甲府停車場構内に初の公衆電話設置。41年には「山梨毎日新聞」創刊、甲府電力㈱が火力発電所竣工、明治42年には第一師団歩兵49連隊が甲府にやってきたのです。

2014年5月27日

甲府の歴史⑧…明治31年に山梨農工銀行創立、32年に伝染病患者専門病院建設、33年に甲府市内に初めて電灯が灯り、図書館設立、34年に火葬場設置、35年に巨人軍の堀内恒夫投手の母校甲府商業学校新校舎が落成、私の母校県立山梨県高等女学校も開校しました。そして今年の同窓会に出席してきました。最高齢者の93歳の先輩をはじめ、村岡花子さんが通われた東洋英和(修和女学院)で学ばれた先輩、白蓮さんの講義を受講された先輩もいらっしゃって…驚きました。また、「花子とアン」への忌憚のないご意見もお聞きすることが出来まして有意義な時間を過ごすことが出来ました。

2014年5月20日

甲府の歴史⑦…明治23年には蓄音機が甲府に入り、芝居小屋「桜座」が開設、25年には樋口一葉が春日野しか子の筆名で『甲陽新報』に「経づくえ」を連載しました。26年に甲府郵便電信局が小包郵便の取り扱い開始、27年に甲府測候所創立、甲府米穀取引所開設、30年に魚市場開業、「桜座」で活動大写真が初公開されました。
さて「花子とアン」は高視聴率を爆走中。『まだ間に合う!花子とアン』これまでのあらすじや今後の見どころ20分番組(同じ内容)が、NHK【総合】24日(土)午前1:25~(23日深夜)、25日(日)午前2:50~(24日深夜)に放送されます。常なら就寝のお時間だと思いますが…ご覧いただけたら幸いです。

2014年5月13日

甲府の歴史⑥…「花子とアン」の主人公・村岡花子氏が教鞭をとった山梨英和女学校が開校したのは明治22年。現在に引き継がれているセーラー服を決定したグリンバンク校長(昭和3年~)は、甲府市の名誉市民となりました。私の母校は、明治35年に県立山梨県高等女学校の校名で開校。母校の先輩・小川正子氏は東京女子医学専門学校に進み医師となり、救らい(ハンセン病・当時は「らい病」と呼ばれた)活動に一生を捧げました。昭和12年に出版した『小島の春 ある女医の手記』は小林秀雄も激賞、3年後には映画化され(豊田四郎監督)絶賛の嵐だったそうです。〈つづく〉

2014年5月6日

甲府の歴史⑤…昨日は「こどもの日」…樋口一葉が誕生した明治5年の「学制発布」で近代的な学校制度を明治政府が創立しましたが就学率が上がりませんでした。それは、一葉さんの母親が言うように「女子に学問は必要ない」という考え方もあったでしょうが…、親から幼い弟妹達の、奉公先で他家の幼児の子守を命じられて学校に行くことが出来ない少女も多く、全国の都道府県に子守学校の設置が命じられました。甲府でも明治33年に家の事情で子守になって学校に通えない少女たちのために、月曜~金曜の午後2時間、無月謝で算数、唱歌、読書などの授業を行う「子守学校」が開設され、昭和2年までの28年間存在しました。〈つづく〉

2014年4月29日

甲府の歴史④…飲料水に乏しい甲府では、明治26年に内務省の外人技師w・バルトンを呼んで水道敷設の調査・計画が立てられましたが、その予算の高さに計画は立消えに…、多少安い井戸から汲み上げる試掘も成功せず…、16年後、加藤平四郎市長の元、上水道敷設の大事業が開始されました。しかし翌年8月の大水害で甲府市の全戸数の1/3にあたる3367戸が被害を受けたのです。治水の根本は治山にあります。水に泣く山梨県人民の願いに応えるかのように明治44年、県面積の1/3を占める広大な御用林が県に下賜され、市民待望の上水道が竣工、給水を開始したのは大正2年のことでした。〈つづく〉

2014年4月22日

甲府の歴史③…甲府は、水に泣くところでした。雨は降るものの、むき出しの溝が多いために、飲料水を安定して確保することが難しく、文禄3年には浅野長政が、明治9年には藤村紫朗県令が荒川・相川を水源とする灌漑用水を改修して上水道として利用するなどしていました。明治天皇が山梨県巡幸の際に供する水として選ばれたのは、千秋橋周辺で掘った井戸の水だったそうで、この水は「御膳水」と呼ばれ、以来、良質な水を売り歩く"水屋" "水売り屋"と呼ばれる商人も現れました。近年ペットボトルで販売されている水も明治13年からの歴史が…。〈つづく〉

2014年4月15日

甲府の歴史②…明治中期になると各地の繁華街では明るさで人をひきつけようとガラス灯を取り入れ「点灯屋」という新商売が考え出され、村岡花子さんが誕生した明治26年頃から柳町を中心にガラス灯に点灯してまわったそうです。そして明治33年5月10日甲府に電燈が灯りました。夏目漱石が英国留学から帰国した明治36年6月11日には鉄道が開通。甲府から新宿まで7時間で行けるようになりました。(現在は中央線特急で1時間半)一葉のご両親が駆け落ちした時は、笹子・小仏峠を通って3日かかっていたのですから喜びは大きかったことでしょう。〈つづく〉

2014年4月8日

今月は甲府の歴史をちょっと…明治22年7月1日、甲府総町、上府中総町、甲府飯沼村、甲府稲門村にわたる全域(戸数6855戸、人口31128人)を基盤として市制を施行した甲府では、7月19、20日に市会議員の選挙がおこなわれました。選挙権をもつ人は、税金を2円以上納めている人だけで、当時の甲府の人口の約4.3%だったそうです。初代の甲府市長は若尾逸平氏。「花子とアン」の主人公・村岡花子さん5歳の明治31年には、山梨馬車鉄道(甲府-勝沼)12キロの営業が開始され所要時間は2時間、料金は30銭でした。この時、笹子トンネル(4656m)の工事も開始されていていたのです。続きは来週に。

2014年4月1日

「花子とアン」の放送が始まり、私もオンタイムでテレビをみながら撮影現場のことを思いだして感慨深いものが溢れ…胸が詰まる思いでした。そして、放送終了と同時に電話やメールが届きました。甲府盆地の風景がとても素敵で…、空中映像が美しく感動して…、俳優さんの言葉を聞いて涙が出そうに…、はなちゃんの姿に子どもの頃を重ねて…、今後の展開に胸が膨らみ…、美輪明宏さんの語りいいですね…、これからの半年間の毎日が楽しみです…、初回を観ただけで心を動かされた作品は久しぶりで…、沢山の方からご連絡を頂き有難く存じます。写真は撮影現場のスナップです。

2014年3月28日

3月31日(月)からの新番組「花子とアン」の開始に伴い、28日(金)午後7時30分にNHK甲府放送局【山梨クエスト・放送直前SP・花子とアン】29日(土)午後11時にNHK総合【あなたが主役50ボイス】が放送されます。主人公・村岡はな7歳(明治33年)から始まる彼女の生涯「夢よ、咲け。想いよ、届け」の願いが…私の故郷・甲府の言葉が…皆さんの心に沁み入ることが出来れば…と祈るばかりです。早朝から深夜に及ぶ撮影は、まだまだ続きます。スーパーには登場しない裏で働く何百人もの人々の頑張りがあってこその作品です。お楽しみになさってください。

2014年3月18日

撮影の合い間を縫って、なんとか……今年の「樋口一葉のお誕生を祝う会」は、一葉の両親の故郷・塩山の常泉寺本堂にて、パーカッションMizとのコラボで、一葉研究をなさっている皆さんがお集まりくださいまして、盛会のうちに幕を閉じました。
明治5年まで寺子屋をなさっていたという常泉寺では、現在の栗原ご住職が、平成の寺子屋を展開していらっしゃり、「うなずき合うところに人間の関係は順運に展開する」とう言葉を実践していらっしゃいます。
このお寺には、聖徳太子がお座りになったという腰かけ石も…素晴らしいお寺ですので、塩山にお出かけの際は、是非お立ち寄り頂きたいと思います。

2014年3月11日

今日はあの怖かった日です。恐怖に震え、不安に怯えた東日本大震災が起こった日です。
友人が見つからず悶々とした日々を過ごして……
ごめんなさい。今日はこれ以上なにも書けません。

2014年3月4日

四季があるからこそ…と思いながらも暖かくなるのが楽しみですね。3月は樋口一葉さんのお誕生月。今年は、一葉さんのご両親の生誕地・塩山の常泉寺で、一葉日記と小説「雪の日」を、パーカッショニストMizとのジョイントで朗読いたします。詳細は、公演予定をご覧ください。
また、「花子とアン」の放送に先立ち、NHK総合では「あなたが主役50ボイス」NHK甲府では「やまなしクエスト」が放送されます。私も長い時間取材を受けましたが、実際はどのくらい顔を出しますか…でも、きっと楽しい番組でしょうから、ぜひご覧になってください。

2014年2月25日

写真は、アルカディア市ヶ谷で開催された首都圏甲府会総会の折に撮影したもので、お隣の男性は宮島甲府市長です。
私は、この会で「首都圏甲府会会長賞」を頂戴いたしまして、身に余る光栄でございました。総会後には、宮島市長と「山梨ことば」をテーマに郷土の魅力について対談を行いました。その内容は広報こうふ4月号に掲載されるそうです。「花子とアン」の放映開始まで1月余りとなり益々忙しい毎日ですが、より良い作品になるようにと…出演者、スタッフの皆さんも頑張っておられます。私も山梨ことば指導担当者として出来る限りの力を尽くしたいと存じます。

2014年2月18日

「さてもつもりたる哉。尺にもあまりつべし。まだいくばくか降らんとすらむ」と明治25年2月19日の一葉日記にも雪のことが…。今週の写真は雪に咲く花。「ベルリン国際映画祭・最優秀女優賞(銀熊賞)を黒木華さんが受賞されたことをご存知ですか?彼女に山梨ことば指導を行っている私は、嬉しい気持ちでいっぱいです。3月31日放送開始「花子とアン」に安東かよ役で登場する黒木華さんの山梨ことばを楽しみになさってくださいね。またジャンプで五輪史上最年長メダルを獲得した葛西選手の「あきらめないことが信条」の言葉にも感動しました。今週も頑張りましょう!

2014年2月10日

今回の大雪には驚きました。明治26年2月9日の一葉日記にも「空は晴れたれど、垣根の元や草の葉の上に白々と雪をいだきぬ……心を洗い目を拭って誠の世界を見出すことこそ筆を執る者の本意です。しかし狭い井戸の中に潜んで、ここ以外に世界はないと悟り顔の人を、他の人が見たら、どんな可笑しいことでしょう。私もその仲間で我ながら可笑しく思われますが、誠をみる目を開くことが難しいのは生活習慣や生まれながらのことでしょう。諦めるより仕方のないこと…」と書かれていますが、一葉さんは諦めなかった。だからこそ珠玉の作品が生まれたのでしょう。諦めてはいけないと再確認できた一文でした。

2014年2月4日

梅が咲きました。豆まきも終え福を呼び込み、年の数だけ豆も食べました。…突然、冷蔵庫の音が止まり…えっ!そして冷えない冷蔵庫になりました。
私が子どもの頃は、氷冷蔵庫でした。毎日、氷屋さんから氷が届けられたのを覚えています。そして電気冷蔵庫になり、薪で焚いていたお風呂がガスになり、次から次へと家の中に新しい電気製品が増えて……便利さを求めてエネルギーを必要とする生活が当たり前になって……
3.11の地震で、今も仮設住宅で暮らす人々がいらっしゃる。冷蔵庫どころか全てを失ってしまった皆様のことを思うと、やるせなく申訳なく…大きなため息が出るばかりです。

2014年1月28日

あっという間に親族一同集まって宴をする『睦び月』最終週。今日はドラマのご案内です。
毎週水曜・夜10時放送『僕のいた時間』(フジテレビ)は、三浦春馬演じるALS患者の物語で、日本ALS協会の協力、神経病院の元院長の監修、医療協力は友人が実家と呼ぶ神経病院が担当しています。
10万人に4人というこの難病は医師にさえ知られておらず、病気が分かるまでに数年を要したり…人の助けを得なくては生きて行けぬ病気…。私の友人はこの病気を発症しましたが生き抜いています。より多くの皆さんにこのドラマをみていただいてALSのことを知っていただきたいと思います。

2014年1月21日

一葉さんが24歳で旅立った明治29年に、プロテスタントのメアリー英語塾(現・フェリス女学院)でアメリカ式の教育を受け、『小公子』(児童向け小説)を翻訳なさった若松賤子(わかまつしずこ)氏が旅立ちました。その少し前、明治26に産声をあげた村岡花子さんは、カナダ・メソジスト教会のミス・カートメルによって開設された東洋英和女学校で学ばれ『赤毛のアン』を翻訳なさっています。お二人とも家事も育児も執筆もなさっていて…作品は今も読み継がれています。今年の直木賞『恋歌』は、一葉さんが学んだ私塾「萩の舎」の主宰者・中島歌子氏のお話。明治の女性の力強さに震えるほどの感動を覚えます。

2014年1月14日

写真は、成人を迎えた若者のイメージです。一葉さん20歳の日記には、「晴天ぬぐひたる様也。我誕生日なればとて、赤のめしなどたく。姉君を招く。なにごともなし」静かな日だったようです。読み進みましたら、友人からの依頼で英国の讃美歌を翻訳した詩がありました。『楽しき国あり・老いせぬ民・永遠の春に・枯れせぬ花・日はつねに照りて・憂き闇もなし・とみれば隔つる・死出のながれ』そして、翻訳が難しいのは、国の生活習慣が違っているからで、原文をすっかり噛みくだいて、我が国の言葉で表現するのがよいのですが、短時間では充分意を尽くすことも出来ないので改めて研究したいと友人に語っています。存命であれば、村岡花子氏とも交流が…と想像しています。

2014年1月7日

初春のお喜びを申し上げます。
今年は、どんな年に?と空を見上げましたら、トンビが気持ちよさそうに青空に……昨日、今日、明日という時の流れを思い、太宰の「今、今、今…」の言葉を思い出し、明治27年1月7日の一葉日記を開きましたら「芝より兄来る。むかいがはに同業者出来る」とありました。この店は石橋という楊枝屋で、荒物屋ではなく駄菓子屋のように感じられる店だったそうですが…この店の出現で打撃を受けて引っ越しをした一葉さんの心中を思うと…計画と結果が伴う難しさを痛感します。が、それでも頑張りたいと気持ちを新たにいたしております。本年もよろしくお願いいたします。

2013年12月31日

今年の幕が閉じますね。
明治25年の暮れ、時を惜しんで執筆に必死に従事している一葉さんは、妹の国子さんから「名誉もほまれも命あってこそ。それほどまでに脳を使い、心を労して煩いなさるのは…見ていても、とても苦しいので、ぜひ納める日を遅らせて頂いて、もう今夜は休んでください」とくり返し諌められ筆をおいた。と、日記にありました。この作品は半井桃水を訪ねた雪の日が腹案になっている『雪の日』です。
今年もこのページを読んでくださってありがとうございました。来る年が、皆さんにとって嬉しいことの溢れる年でありますように。

2013年12月24日

今週の一枚は、咲く時期を待つ薔薇の蕾。固く閉じた花びらの内面を想像してウキウキしながらも、あと一週間で今年も終わることを思いますと…… 今年はマコ通信も発行できず、年賀状も手つかず…あれもこれも…アー時間は過ぎて行く…9月公演が終わってから、ひたすら朝の連続ドラマの撮影で頑張っている毎日です。来年の3月31日に放送が開始され、花を開きだします「花子とアン」ぜひ、お楽しみになさってください。
今日はクリスマスイブですね。皆さんの処に素敵なプレゼントが届きますように!では、今週も頑張りましょう!!

2013年12月17日

今週の一枚は、風に身を任せるウインドサーファーの姿。私の故郷・甲府には海がありません。小学生の音楽の授業で♪海は広いな、大きいな~♪と歌う時は未だ見ぬ海の広さを想像して楽しみながら…、反対に♪頭を雲の上に出し四方の山を~♪の歌は、毎朝、ご挨拶している富士山に聞こえるようにと歌ったものです。本当に見ると聞くのでは大違いです。
先日、釜石のボランティアから帰られたご婦人にお会いして、 地震からもう1000日が過ぎましたのに…報道では知ることが出来ない現在の状況をお聞きしました。深まる寒さを思いますと胸がいたみます。

2013年12月10日

今週の一枚は、日比谷芸術座で上演された有吉佐和子作「香華」の舞台。今は亡き山田五十鈴先生と有島一郎氏がハワイの新婚旅行から帰っていらした場面です。この後、有島さんが私にお土産のレイをかけてくださるのですが、残念ながらその写真はありません。
この写真を思いだしましたのは、NHK甲府放送局の番組・まるごと山梨の「がんばる甲州人」のコーナ―で、私の特集を作ってくださることになり、1カ月程前から取材がありまして、そのインタビュー時に若い頃の事を質問されてのことです。
放送は、今日の午後6時10分からだそうです。是非ご覧になってください。

2013年12月3日

今週の一枚は代々木公園の紅葉です。9月の三越劇場公演後すぐから、来春のNHK連続テレビ小説「花子とアン」の仕事に入り、無我夢中の毎日を過ごして…もう12月。撮影は順調で、日を追うごとに出演者の皆さんが発する甲府言葉の台詞が生き生きと語られ、指導者として感慨無量です。
しかし、残念なことに今年のマコ通信が発行できません。昨年は、山田五十鈴先生の特集をお送りしていた頃ですが…まだ手つかずのままなのです。本当にごめんなさい。
師走は、なにかと落ち着かない月。どうぞ、ご体調にお気をつけになってください。

2013年11月26日

今週の一枚は、私と同じ文京一葉会会員の坂本富江氏の御本の表紙。笑顔溢れる情熱の塊のような彼女は、『知恵子抄』との出会いがきっかけで、高村智恵子の足跡を訪ねるスケッチの旅を17年間続けられ、それをまとめられたのです。
私は彼女に出会って、高村光太郎の「雨に打たれるカテドラル」に触れ、未だ見ぬパリの香に陶酔していた高校生の頃のことを思い出しました。
また、光太郎は明治16年に東京下谷生まれですので、幼い彼が一葉さんと出会っていたかもしれない…と想像したら楽しくもなりました。

2013年11月19日

今週の1枚は、ロケ現場で見た甲府の夕暮れです。実際はこの何百倍も美しい空でした。
指導者としてのロケ随行はNHK月曜ドラマシリーズ「夢見る葡萄」以来。この時は連続全11回で真夏日のロケが大半でしたが今回の「花子とアン」は連続全156回。今は厳しい寒さに堪えての撮影が進行中です。
例年でしたら、一葉忌ライブで皆さんとお会い出来るのですが…今年は残念です。けれど、一葉さんが4歳~9歳まで幸せに過ごした家の隣の法真寺で行われる一葉忌法要には参加できそうです。御都合のよろしい方は、お出かけいただき、お声をかけてください。

2013年11月12日

来春スタートの「花子とアン」の撮影が本格的にスタートしました。出演者やスタッフの皆さんが山梨言葉を愛してくださるのを嬉しく思いながら、私も撮影隊と共に行動しています。
山梨言葉でよく使う「…ずら」に対して「可愛い言葉ですね」と言われたり、「…じゃん」は、「横浜ことばじゃなかったの?」と聞かれたり、子どものことを「ボコ」って言うのですか…と驚かれたり…
この作品の主人公・村岡花子さんが翻訳を手がけた「赤毛のアン」の作者L・M・モンゴメリは、樋口一葉さん誕生の2年後、明治7年の生まれと知って、海の向こうのモンゴメリの生涯と一葉さんの生涯を重ね合わせての想像も楽しんでいます。
L・M・モンゴメリ作/村岡花子訳「赤毛のアン」の主人公・アン・シャーリは、想像力が豊かなうえに、その感動を表現する言葉が泉のように溢れて…
このサボテンの花を、もしアンが見つけたら、どんなふうに表現するかしら…と想像してみたら楽しくなりました。

2013年11月5日

今週の写真は、御近所で見つけたサボテンの花。いつもと違う道を歩いて、ふと、顔をあげたら…テッ!!(甲州弁です)驚いた時に使います。~「あまちゃん」のジェジェジェ!!と同じ感じです。甲州弁では、テッテッテッ!!と続けることはめったにありませんが~私は、生まれて初めて目にした花です。
L・M・モンゴメリ作/村岡花子訳「赤毛のアン」の主人公・アン・シャーリは、想像力が豊かなうえに、その感動を表現する言葉が泉のように溢れて…
このサボテンの花を、もしアンが見つけたら、どんなふうに表現するかしら…と想像してみたら楽しくなりました。

2013年10月29日

急に寒くなりましたね…。
第61回武蔵野市民文化祭「演劇」の部に参加しての生徒さんの発表会も無事に終演しました。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。
例年なら11月23日「一葉忌ライブ」の詳細を御案内する時期ですが…、来年放送NHKの「花子とアン」の撮影が始まり……、 
山梨ことば指導の私もロケに同行しております。なんとかやりくり出来ると思っていたのですが…とても残念ですが…今年のライブは中止するしかありません。毎年、楽しみにしていただいておりますのに本当に申訳ございません。お許しください。

2013年10月22日

今週の一枚は、鎌倉光明寺「お十夜」のお行列。残念ながら私は行けなかったのですが、今年も賑やかだったようです。
今度の日曜日は、第61回武蔵野市民文化祭「演劇」の部に参加して生徒さんの発表会があります。家事や仕事の合間を見つけてコツコツと発声練習をして…台詞を覚えて…所作を身につけて…晴れの舞台。中央線・三鷹駅(北口)近くの武蔵野芸能劇場で27日(日)14時から入場無料で行います。
作品は、樋口一葉原作「わかれ道」の一部をひとり芝居で、続いて朗読芝居「豆腐小僧」をご覧いただきます。お近くの方は、ぜひお出かけください。

2013年10月15日

今週の一枚は、季節を勘違いした桜です。(友人が送ってくれました)今の私には全く自由時間がなく仕事に追われて、ただただ月を見上げて心を遊ばせるばかりです。
一葉さん19才の日記10月17日には、【今宵は旧菊月15日なり。空はただ見わたす限り雲もなくて、くずの葉のうらめづらしき夜也。…あぶみ坂、登りはつる頃、月さし登りぬ。軒ばも土も、ただ霜のふりたる様にて、空は、いまだ寒からず、袖にともなうぞおもしろし。行き々て橋のほとりに出でぬ。駿河台のいとひきくみゆるもをかし。月遠くしろく水を照らして…】
今年の十三夜(17日)は、どんなお月さまでしょうかしら?

2013年10月8日

今週の一枚は、三味線がご縁の椎林隆夫氏(6日撮影)鶴岡八幡宮崇敬者祭「流鏑馬」。この写真の躍動感に感動して、ぜひ皆様にもと…氏のご許可をいただきました。
一葉さん20才の日記10月8日には、今日と同じ快晴で薬師様のお参りや物産陳列場を廻ったこと…9日には「萩の舎」の例会で2位に選ばれ賞品の短冊を頂き、選者の小山氏から「歌道には天性と言うものがある。しっかり頑張りなさい。進歩するには難しく後退するのはやさしい。私が後見人になってあげよう」と誉められ…10日には湯島天神の大祭に行き…と。笑顔あふれる文面に、元気をもらった今日の私です。

2013年10月1日

今週の一枚は、鎌倉・宝戒寺の睡蓮(すいれん)。「ナイルの花嫁」と呼ばれ、エジプト、インド、タイ、バングラデシュの国花で、「心の純潔、純情・信頼」の花言葉を持っています。
霜月になり、空の色も風の香も鳥の声も変わって…明治24年10月1日の一葉日記には「早朝、歌子先生の所へ昨日の台風のお見舞いに行く」とありました。この頃には稀な台風で、盆をひっくり返したような大雨で被害は大きかったようです。
しかし一葉さんの家は、山を背にした低い所なので風当たりはそれ程強くなく破損の被害もなかったと…。でもこの影響で野菜がひどく値上がりしたとも…

2013年9月24日

暑さ寒さも彼岸まで…
木々を揺らす風の音が変わり、ドングリの落ちる音が聞こえ、天上の月を愛で、草むらの虫の声を楽しむ頃となりました。  
春分と秋分は、太陽が真東から昇り真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝し遥か彼方の極楽浄土に思いをはせたのが、彼岸の始まりだそうです。
だから、この時期に咲く『彼岸花』は「情熱、独立、再会」と「悲しい思い出、あきらめ」の反対の花言葉を持っているのかしら…と、ふと思いました。
園のあちこちに群生しているその姿も、また魅力的です。

2013年9月17日

昨日は、恐ろしい台風でした。母と二人でテレビの情報を聞きながら、恐怖の時間を過ごしました。竜巻警報が出された時は、この世の別れかと思ったほどです。おかげ様で被害はなく、今日は素晴らしい秋晴れで、笑顔の朝を迎えましたが、被害に遭われた皆様のことを思うと心が痛みます。自然災害は、いつどんなふうに襲いかかるか予測がつきません。大自然への感謝の気持ちをいつも忘れてはいけないと、改めて心に刻みました。
三越公演から1週間が過ぎお手紙やFAX、メールで御感想を沢山いただきましてありがとうございます。次回公演も、喜んで頂ける一葉作品をお届けしたいと精進してまいります。

2013年9月10日

今年の三越劇場「樋口一葉の世界2013・にごりえ」も無事に幕を下ろすことが出来ました。お出かけいただきましたみな様、お心にかけてくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいでございます。
昭和2年から、日本を代表する名俳優が踏まれた舞台の緞帳が上がり始め、三味線の糸に撥をあて、最初の音を奏でる時は、心臓の鼓動が驚くほど高鳴りましたが、お力役での踊りの場で大向うが掛かり…お初役で夫に離縁の許しを願う場では、客席からすすり泣きが聞こえ…エンディングは、割れんばかりの拍手をいただきまして安堵いたしました。
来年の三越劇場5周年公演に向って益々精進いたします。
ありがとうございました。

2013年9月3日

今度の日曜日は、年に1回の三越劇場の公演日です。稽古場は白熱しています。舞台は生き物ですから次がありません。
明治28年に一葉さんが骨身を削って執筆なさった作品を、9月8日(日)の午後4時開演、休憩なしで1時間20分ほどの舞台空間で…酌婦・お力、女房・お初、終幕では一葉さん役も演じます。それで、今回はカツラをつけることになり、帝国劇場で、浅丘ルリ子さんが、お力役を演じた時の床山さんが、参加してくださることになりました。
まだ、お席がございますのでぜひ、お出かけください。お申込みをお待ちしております。

2013年8月27日

三越劇場公演まで、2週間。先日、題名について質問を頂きました。一葉さんは、「親ゆずり」「ものぐるい」なども考えられたそうですが、梅雨時から盆供養あけまでの陰うつな季節、湿地を埋めたてた新開地にある銘酒屋街で繰り広げられる物語なので、「濁った入江」の意味を持つ象徴性の高い「にごりえ」に落ち着いたそうです。
また、舞台となる銘酒屋(飲み屋を装った密売春宿)のことを、八大地獄のうちで最も苦しい無間地獄と表現して、ここで働く女性が抱える鬱屈した思いと、陽気な姿を描いています。
いつの時代も変わらない人の心の裏腹さを、魅力的に演じたいと思っております。

2013年8月20日

三越劇場公演まで、3週間。「にごりえ」執筆のきっかけとなった川上眉山は一葉さんに、こんなことを言いました。「君は本当に優しい人ですね。思いもかけないほど素直な人です。そんな穏やかな心でこの世の苦しみを耐え忍んで暮らされるのは、心の中の何処かに強いところがあるからでしょう。男の負けじ魂で立ち向かっても、浮世の波にもまれて、遂には溺れてしまう人も少なくないのに、か弱い女の身でこうして世に立ち向かう人は、めったにいないでしょう。自叙伝をお書きなさい。…君にとっては苦しい生活でしょうが君の境涯は誠に詩人の境涯です。素晴らしい人生です。…ぜひ筆を持ってください」と。
一葉さんの笑顔が浮かびます。

2013年8月13日

今週の一枚は、スイカに施されたカービング(伊藤信江作)発祥はタイのスコータイ王朝の時代の儀式で果物に装飾的な彫刻を施したのが始まりだそうです。伊藤さんと出会って初めてカービングの事を知りました。そして感動しました。人との出会いは新しい世界との出会い。知らなかったことを知ることはとても嬉しいことです。
果物のカービングは、いつまでも「そのままの美」を保ち続けることが出来ないのです。その儚さが何とも美しいではありませんか…「にごりえ」のお力が「やっぱり私も丸木橋を渡らねばなるまい」と自分の運命を受け入れて歩み出す瞬間の美しさに似ています。

2013年8月6日

今週の一枚は、椎林隆夫氏撮影の海の中から花が咲くような材木座海岸の水中花火。歓声があがり笑顔が溢れます。
しかし68年前の今日6日広島に、続いて9日長崎に原子爆弾が投下されました。その瞬間に命を失った人々、心身に傷をおって今を生きている人々…広島平和記念公園での「平和記念式典」で、広島の子供代表(小学6年生の男女二人)の結びの言葉「さあ一緒に平和をつくりましょう」に涙が溢れました。
友人の露川冴氏の広島の原爆がテーマの芝居「お藤」が明日から公演されます。JR大塚駅の近くです。もちろん、私も観にまいります。

2013年7月30日

「一葉の会」発表会が無事に終演いたしました。応援くださった皆様ありがとうございました。10月は三鷹でも生徒さんの発表会がありますのでお楽しみになさってください。
8月1日から三越劇場公演の前売発売が始まります。全席指定の均一料金ですので、お早めの御予約ですと良いお席でご覧いただくことが出来ます。と言っても三越劇場は500席で、どのお席でも楽しんでいただくことは出来ますが…チケット完売の可能性がないとも…何しても『善は急げ』です。 私が心がけていることは、今日出来ることは今日、時間に余裕ができたら明日の事も今日。今週も頑張りましょう!!

2013年7月23日

今週の27日(土)は、東京の生徒さん「一葉の会」の発表会です。始めは小さな声しか出せなかったメンバーでしたが、稽古を重ねて、今では堂々と大きな声で、はっきりと台詞が言えるようになりました。
毎年、発表会が近づくと私の心臓は高鳴ります。私より年上の方も多いのですが、まるで彼女たちの母親のような気持ちになって…ドキドキするのです。
今年は、小金井市民交流センター・小ホールで19時開演、入場無料です。笛のグループ「幸門の会」の皆さんの演奏もあります。…そして駅前では阿波踊りもあるそうです。 お楽しみにお出かけください。

2013年7月16日

【佐倉義民伝】に感動してから次々に社会の色んなことが気になり始めました。今回は、ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品「選挙」を観てきました。ドキュメンタリー映画といえども、監督の意思が生かされているのでしょうが…小泉政権下、落下傘候補として地元ではない選挙区で立候補なさった方の選挙活動の観察映画でした。選挙となると候補者名だけが連呼される意味もわかりました。海外の選挙運動のドキュメンタリー作品があれば観てみたいと思いました。
一葉さんの時代には存在しなかった20才以上の国民全員が政治に参加出来る権利が保障されている今の時代に、感謝の気持ちが湧いてきました。

2013年7月9日

映画日本国憲法読本(「世界の人々から見た日本国憲法」がテーマ。8カ国10数名のインタビューを構成した映画読本)を読み、憲法草案に関わった方々が世界中の憲法を出来る限り読んだことを知りました。
ゴードン氏は、戦前の「大日本帝国憲法」には女性の権利の記述がない事を知り、新しい憲法には日本女性の意見を生かそうと提案されたそうで、「日本の憲法は米国の憲法より素晴らしい憲法」と語っています。
政治学者・ラミス氏は「米国に住んでいると戦争をするのが常識…日本にいると戦争をしないのが常識。それは憲法9条があるからです」と、作家・班氏は「憲法9条は非常に高尚な憲法…神が私たち人類に贈ってくれた宝物です」と…
勉強不足を恥じている私です。

2013年7月2日

9月の三越公演「にごりえ」でお世話になる杵屋邦寿師匠のライブ【佐倉義民伝】に感動しました。名主・佐倉宗吾が藩の重税に苦しむ農民を代表して将軍に直訴,租税は軽減されたものの、宗吾夫妻と子供は磔(はりつけ)にされた物語です。
恐怖に泣きだした幼い妹に兄の長松は、眉毛を「ハ」の字に下げてベロッと舌を出して妹を笑わせた言い伝えは「ベロ出しチョンマ」のお話にも…。
昔の物語には理不尽な拷問が沢山ありますが、今は聞きません。それは現在の日本国憲法第36条に「拷問、残虐刑の禁止を定める。」という条項があるからだと知りました。日本国憲法によって生活が守られていると感謝の気持ちになりました。

2013年6月24日

今年の桜桃忌も正樹君(太宰の長男)の画を皆さんに見て頂いて、会話形式に仕立てた『瘤取り』と『浦島さん』を掛け合い朗読でお楽しみいただき、盛会のうちに別れを惜しんで幕を下ろすことが出来ました。写真は、会場「かたぐるま」の裕子ママさん、朗読の相棒・佳山みなさんです。
21日には、東中野・さくらクラブの皆さんに「たけくらべ」の朗読を楽しんでいただくことも出来ました。22日には、郷土の富士山が世界文化遺産登録決定という嬉しいニュースも…。
今日からは公演予定欄も更新し、三越劇場公演に向っての稽古の日々。お申込みお待ちいたしております。

2013年6月18日

明日、19日は太宰治の誕生日。そして玉川上水で入水自殺した彼の遺体が発見されたのも同じ日でした。彼の友人、今 官一氏が、太宰が死の直前に書いた短編小説の題名にちなみ、「桜桃忌」と名づけたそうです。
私にとっての太宰は、高校の先輩の御主人であり、新婚当時のお二人の家が、私の実家の近であり、彼の長男・津島正樹君の書いた画が、私の手元に届いて…そんなご縁が重なっての「桜桃忌ライブ」です。
8年目の今年は、正樹君が通っていた学校があった港区で、太宰がわが子に語り聞かせた構成の『お伽草子』を朗読いたします。ぜひ、お出かけください。

2013年6月10日

応援ありがとうございました。おかげ様で相鉄本多劇場『にごりえ』公演は盛況のうちに幕を閉じ、透明人間の朝之助と源七の姿を感じとれましたとの御感想を沢山いただきました。今回の台詞の大部分は、原作の言葉で今は使われていないものも多かったのですが、一葉さんの思いが皆様の心に伝わったことを嬉しく存じます。
涙を浮かべて感動しましたと私の処にきてくださった方は、20代の女性でした。116年前の物語を平成の今に甦られせることが出来たかもしれないと…嬉しい思いでいっぱいです。
お見逃しの方は、9月8日の日本橋三越公演にお出かけいただきたいと存じます。

2013年6月4日

今週は「にごりえ」公演です。登場人物(遊女・お力と女房・お初)の言葉にできない憂いを、私の肉体を通して何処までお伝えすることが出来ますか…透明人間の結城朝之助と源七の動きを、何処まで感じとって頂くことが出来ますか…作品の持つ空気感や時代の匂いをも感じとって頂けるよう…原作の明治の言葉が、皆様の心に沁み込むようにと稽古が重ねられ、昨日、リハーサルが済みました。
そして、本当に魅力的な作品になりました。公演時間は70分程。途中入場でも十分楽しんで頂ける5場面構成です。まだお席に余裕がございますので、ぜひ、劇場に御連絡ください。お待ちいたしております。

2013年5月28日

今回の「にごりえ」では三味線を弾くので、三味線袋に入れて稽古場に持っていきます。
先日、すれ違った女学生数名に怪訝な顔でみられ、「あれ何?機関銃じゃないよね」と囁かれた時はびっくりしました。時間があれば、袋を開いて見せてあげたいと思うほどでした。そうかと思えば、「三味線ですか?懐かしいなあ…」と声をかけて頂くこともあります。そして、お話に花を咲かせることが出来た時は、とても嬉しいです。
舞台で主人公・お力が、我が身の寂しさを♪…我恋は細谷川の丸木橋、渡るにゃ怖し、渡らねば…♪と唄います。三味線の音は、淋しさを癒してくれるような気がします。

2013年5月22日

先日の連休時に初めて聞きました、大正生まれの母の青春の唄は、♪思い寄せても届かぬ恋は…つらい浮世の…あーあー、かたせなみ♪というもの。
片思いと言えば、6月公演の「にごりえ」も片思いの連鎖なのです。お初は、夫・源七を恋して尽くして貧乏所帯のやりくりに追われ、源七は、遊女・お力に恋して尽くして、店も家も全てをなくして、お力は、結城朝之助に、ほんの少し玉の輿を夢見て…、誰もかれもが片思い。
あなたの片思いは…?
(毎週火曜日のコメントを楽しみにしてくださっている皆さん、今週は遅れてごめんなさい。)

2013年5月14日

6月公演の「にごりえ」が発表された明治28年、この作品はとても評判になりました。今日は、その時の一葉さんの日記の要約を記述してみました。「ようやく世間に名前を知られて、うるさい程もてはやされる。これは嬉しいことだと…。しかし、これは目の前の煙のようなもので、私自身は、昨日の私と何の違いがあろう。小説を書き、文章を作る。…これは、ただ7歳の子供の頃から思い続けてきたことの、ほんの片端を書いただけです。どうしてこんなに大げさに囃すのだろう。やがて秋風が吹き出すと、野末に捨てられて誰も見かえる人もない運命でしょう。それを思うと、心細いことです。」

2013年5月7日

連休は楽しまれましたか?
国民の祝日に関する法律には、「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め…」と。
例年は相模の大凧祭に参加する私ですが、今年は母と二人、まるで時間が止まったような…ゆったりと流れる穏やかな時を過ごしました。何処にも出かけなくてもお話をしていると、色んな事が心豊かに浮かんで、本当に楽しい休暇になりました。
そして今日から、来月の横浜公演「にごりえ」の舞台の稽古に集中します。皆さんのお申込みをお待ちしております。

2013年4月30日

桜が例年より早く、続いて藤、躑躅、紫陽花まで咲いて嬉しいけれど、ちょっと心配な……
明日のメーデーは、ヨーロッパ各地で夏の訪れを喜び、労使双方が共に祝った「5月祭」が始まり。1日12時間以上の労働が要求されていた当時、1886年(一葉14才)5月1日に、合衆国カナダ職能労働組合連盟がシカゴを中心に「8時間は仕事の為に、8時間は休息の為に、残りの8時間は俺たちの好きなことのために」を目標に8時間労働制を要求し、統一ストライキを行ったのが「労働者の日」メーデーの起源だそうです。
そして、明日から横浜公演のチケット販売も始まります。 ご予約お待ちしております。

2013年4月23日

明治28年6月2日の一葉日記に川上眉山の訪問の様子が記述されています。『我が身の素性など物語るに「…あなたにとっては苦しい生活だったでしょうが、あなたの境涯は、まことに詩人の境涯ですよ。…あなたが女流文学に志されるなら、今後の日本文学に1本の光を送りこみ、またこの浮世に精神の力を伝えることにもなるでしょう。是非とも文学で世にお立ちなさい」と言う。「おだてないでください…」と笑うと「よろしい、それなら私はこれから出版社と相談して、あなたの処へ催促をさせましょう」と笑う。』
そう勧められて、6月10日に書き始めたのが、「にごりえ」なのです。

2013年4月16日

お花見ライブは大盛況で、芥川の新たな魅力を堪能したと皆様に喜んでいただけ、愉快なお酒を酌み交わし、新宿御苑では一葉桜を背に記念写真も…
今週の一枚は、毎年楽しみにしている姫リンゴ。この花が咲くと「やさしく白き手をのべて、林檎を我にあたえしは…」と藤村の初恋の一節を口ずさみたくなり、父と弟と旅行した長野の林檎畑を思い出します。
でも、のんびりしては居られません。今日から「にごりえ」の稽古が本格的に始まるのです。今回は三味線を弾き、唄い、踊りもあります。酌婦・お力の色っぽさや艶っぽさを磨いていかなければなりません。これは、私に一番欠けているものなのです。

2013年4月9日

今日は何の日?を調べましたら、752年奈良・東大寺の大仏開眼供養が行われたので「大仏の日」、1557年「フィンランド語の書き言葉の父」牧師・ミカエル・アグリコラの命日で「フィンランド語の日」、1667年パリで世界初の美術展が開催されたので「美術展の日」、4と9の語呂合わせで、子宮【しきゅう】と読み「子宮頚がんを予防する日」、食【しょく】と読み「食とソムリエの日」。
お花見ライブの13日は、東京上野に日本初の喫茶店「可否茶館」の開業で「喫茶店の日」。この年16歳の一葉さんも、この店の前を通ったかも…。言霊と同じように月日霊もあるかもしれないと…思いました。

2013年4月2日

昨日はエープリルフール。私は、どんな嘘を…とあれこれ空想しているうちに結局なにも言えずに終わってしまいました。皆さんは、面白い嘘をつけましたか?上品で人を楽しませる嘘というモノは難しいですね。でもそんなことを想像する時間は楽しいものです。
お花見ライブのお申込みと共に朗読作品のお問合せを多く頂きましたので今日お教えします。パーカッションMizとのコラボ『蜘蛛の糸』の他に、芥川の学生時代を偲ぶ『恒藤恭氏のこと』、編集者と作家の会話形式で描かれている『或る恋愛小説』の3作品です。桜は心配ですが楽しんで頂ける会になると存じます。13日お待ちいたしております。

2013年3月26日

あっという間に桜の花盛り、トップの写真を選ぶのに悩みに悩んで…鶴岡八幡宮の牡丹園に咲き誇っていた『はじらい』の花言葉を持つ牡丹にしました。
新宿御苑の一葉桜は、このまま順調に咲きすすむと4月の第1週が見ごろのようですが…きっと13日のお花見ライブの日には、のんびりやさんの一葉桜に会えそうな気がいたします。お楽しみにお出かけください。
明治24年4月11日は、一葉さんもお花見にいらしたようで、『山桜ことしもにほう花かげにちりてかへらぬ君をこそ思え』と、父親存命の折に家族でお花見をしたことを懐かしむ一文がありました。

2013年3月19日

桜が咲きました。新しいことにチャレンジする期待溢れる嬉しい季節になりました。
そして今年も「あいうえお・お花見ライブ」の準備が整いました。急に暖かくなったので新宿御苑の一葉桜の開花状況が…もしかしたら葉桜かも…けれど、いつものように楽しいひと時を過ごして頂ければと願っております。今年の日本酒は、香りよく華やかでキレが良く、ほんのり甘口の池本酒造「花見酒」です。また秘蔵ワインもご用意しました。詳細は「公演予定欄」(この欄の桜は昨年のもの)をご覧いただき「お問い合わせ」欄からのお申込みもお待ちいたしております。

2013年3月12日

今週の一枚は、古賀浦の不動の滝。向って右側の雄滝と左側の雌滝が一緒になって山を下る水の音は心が洗われるようでした。大自然の恵みに包まれているからこそ私達の命があると…。
昨日3/11は恐怖に震え、不安に怯えた東日本大震災が起こった日。次の瞬間に何が起こるのかがわからないことを実感した日。そして友人が見つからず悶々とした日々を過ごして……
あれからライブや公演で募金をお願いして友人のボランティア団体に送金しています。この2年間のご協力ありがとうございました。でも復興はまだまだです。今後もよろしくお願いいたします。

2013年3月5日

「マコ通信」編集長・吉田善穂氏のご案内で伊勢神宮を参詣し、境内に流れる五十鈴川の水に手を浸してきました。お伊勢さんは本当に厳かで清々しく心が落ち着く素晴らしい空間でした。 
パーカッションMizとのジョイントで行った三重県古和浦の朗読会では中学生~80代という幅広い年齢層の方々に、また伊勢現代美術館に於ける橋本清画伯(二紀会 参与)の個展『海・山に還る』のお祝い朗読会でも沢山の皆様に、一葉の世界を楽しんでいただきました。
4月21日まで開催される橋本清展の「佐婆留 斎宮」200号の作品の前に立つと、宇宙的な感覚を味わえます。是非お出かけください。

2013年2月26日

寒さに耐えた花々が微笑始め嬉しい出会いが…今週の一枚は鎌倉駅前の日蓮宗本覚寺のお庭で撮影しました。ここには、身延山への参詣が困難な人々のためにと日蓮様の分骨が祀られているので「東身延」と呼ばれています。また、七福神(大黒天・夷神・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老天・布袋尊)の中の漁業や商売繁盛の神様・夷神も安置されています。鎌倉幕府の守護神として源頼朝によって祀られたのがはじまりだそうです。
2月28日~3月4日は、恩師山田五十鈴先生の芸名の由来となった五十鈴川上の伊勢神宮に出かけ、伊勢現代美術館で樋口一葉さんのお話をさせていただく予定です。

2013年2月19日

こども達の声が溢れる公園で日本水仙を見つけました。水仙の花言葉は「思い出、詩人の心、優しい追憶…」と沢山あります。一葉さんも愛読していたと思われる江戸時代の女性俳人・加賀千代女「水仙の 香やこぼれても 雪の上」の句と、たけくらべの「ある霜の朝、水仙の作り花を…美登利は何ゆゑとなく懐かしき思いにて…」の一文が重なりシャッターを切りました。
ギリシャ神話の美少年・ナルシサスが泉に映った自分の姿を毎日見つめ続けたので水仙の姿に変えられたというお話があるように花は下をみつめています。そして、ラッパ水仙は英国のウェールズの国花だそうです。

2013年2月12日

『全てを肯定、全てに感謝』という言葉に出会いました。日々の生活での様々なことを全て肯定し受け入れることは難しいことですし、その上に感謝するという心持になることも、なかなか出来ることではありませんが、硬い蕾が花開くのを待つ時、何故まだ開かないのかと腹立つことはなく、花開く時を楽しみにのんびりと待っています。そんなふうに日々を過ごせたら…。
一葉さんは質屋からお金を借りての生活を、『着るべきものの塵ほども残らずよその蔵に預けたれば…』と日記で表現しています。その心持ちは、全てを肯定し全てに感謝していたのではないかと感じます。

2013年2月5日

節分の豆まきも終え立春となり…けれど寒さは増し心寂しく、福寿草の笑顔に癒されました。
一葉さん24歳の日記を開いてみましたら『しばし文机に頬づえつきておもへば、誠にわれは女なりけるものを、何事のおもひありとて、そはなすべき事かは。【色々なことを思ってもとても実行できることではない】われに風月のおもひ有りやいなやをしらず。【私に風流を愛する文学的才能があるかどうかは知らない】…あやしゅう一人この世に生れし心地ぞする。我は女なり。いかにおもへることありとも、そは世に行うべき事か、あらぬか。【例え私が思うことがあっても、それをこの世で実行できるとは思われない】』今日の空模様のような日記でした。

2013年1月29日

今週の写真は節分前の土日を含む3日間、鶴岡八幡宮で行われている厄除大祭のお焚きあげの火です。神職による厄除け祈願の祝詞の奏上、巫女による神楽舞の奉納など神殿での行事後、厄難焼納札(やくやきふだ)をこの火の中にくべて、火の力でより強く厄払いを行うのです。皆さんもこの写真の火の中に厄を投げ込んで「開運厄除」を祈願したら、ご利益があるかも…。
他国の厄払いを調べましたら、スペインでは馬肉片を年の数だけ食べて踊り明かし、トルコでは厄年の人の等身大の泥人形を作って川に流し、イギリスでは年の数の木の実を3日間外気にさらして焼くそうです。国は違っても、目に見えない力を信じる気持ちは同じなのですね。

2013年1月22日

今週は新刊紹介です。著者の竹原厚三郎氏は、日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科卒、現在は帝京平成大学の教授。人生100年を生きる為のあれこれを提案しておられます。
この本「老い風にのって」のタイトルをみると、まだ先の話と思えるでしょうが、実は老いに対する支度のお話なのです。準備に早すぎるということはありません。ほのぼのとした4コマ漫画が交えられての読みやすいもので、ブラス出版から出ています。きっと役に立ちます。書店で注文してくださいね。
*先週の写真は、花の名前が違っていました。ごめんなさい。

2013年1月15日

成人式を迎え不安に怯え『おとなになるのは嫌…』と思っていた頃のことを思い出しています。それで今日は、一葉さんが抱えていた不安の一文をご紹介します。【去年の秋、軽い気持ちで書いた「にごりえ」が世間を騒がせるまでにもてはやされ…「十三夜」も褒め騒がれて、女流作家中並ぶものがないと大変な評判で…でもこれが本当の誉め言葉なのでしょうか…誉め言葉が集まると友の妬み、先生の怒り、憎しみ、恨みなどが次々に出てきて情ないこと。虚名は一時のことで、やがては消えてしまうでしょう。しかし、一度人の心に抱かれた恨みは、行く水のように流れ去るのでしょうか…】
写真は雪に堪える椿の蕾です。

2013年1月8日

胃腸の調子はいかがですか?お正月にあれこれ食べ過ぎて疲れてしまった胃腸を整える為に七草粥を食べる習慣は、先人の素晴らしい知恵ですね。
ところで、どんな初夢をご覧になりましたか?私は初めて富士山から太陽が顔を出す風景をみたのです。いち富士、に鷹、さん茄子の順で縁起が良いと言われていますから、とても嬉しかったです。床に入る前に富士山のニュースをみたからか…良い夢をみたいと思って寝たからか…とにかく初めての夢でした。私の初夢を、おすそわけしようと、今週の写真は逗子マリーナから見た富士山と江の島です。

2013年1月1日

年頭に当たり明治26年の一葉さんの日記をご紹介します。
『26年の1月1日はいとのどかなる日かげにあらはれて、(大変のどかな光が溢れて)門松のみどり千歳と(を)いはい(祝って)、いつもの雑煮も食べ終わりぬ。昔は元三のほど(元旦から3日の間は)年頭客に勝手元の暇なく(年始客が多くて台所仕事が忙しく)「羽根つく間もあらず」と恨みしが、引きかはりて更に来る人もなし……』

2012年12月25日

この写真は、家が丸ごとクリスマス飾りで包まれて、ご家族の幸せが溢れるばかりの光をはなっています。あれこれと慌ただしい年の暮れですが、美しいものは心を穏やかにしてくれます。日本で初めてのクリスマスは天文21年、現在の山口市で宣教師が日本人信徒を招いて行った降誕祭のミサ。そして大正14年にはクリスマスシール(結核撲滅の寄付切手)が発行され、大正15年12月25日、大正天皇の崩御により、この日が休日と改正され、昭和3年の朝日新聞には「クリスマスは今や日本の年中行事となりサンタクロースは立派に日本の子供のものに…」との歴史がありました。

2012年12月19日

今日は、明治25年に書かれた「よもぎふ日記」の冒頭を読んでください。『かけじとおもへども(気にしないようにと思うけれど)貧は諸道の妨げ成けりな。すでに今年も師走の24日に成ぬ…餅は何としてつくべき、家賃は何とせん、歳暮の進物は何とせん。【暁月夜】の原稿料もいまだ手に入らず、外に一銭入金の当てもなきを…』と悩む一葉さんに届いた葉書は、来年早々発行される【文学界】という雑誌に短編小説を書いてほしいという依頼でした。家族は喜び、一葉さんは顔をあかめた。と、あります。今は苦しくとも次の瞬間に喜びが訪れることを信じられる日記です。

2012年12月6日

先日の湘南国際マラソンの主宰者撮影の写真が届きました。初めての10㎞への挑戦で苦しんで走っていたのに、ゴール時の写真に写る喜びにあふれた自分の姿に驚かされます。千葉県白井市文化ホールで行われた演劇祭での生徒さん達の姿も、素晴らしいものでした。職場や家庭の仕事の忙しい中をやりくりしながら台詞を覚え舞台に立つ彼等の姿を目にして、感動を覚え、指導させていただけたことを嬉しく思います。また、東京芸術大学大学美術館で開催中の『尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-』では、第2次世界大戦時に強制収容所で暮らされた日系人の皆さんの素晴らしい作品に心を打たれました。

2012年11月27日

今の季節は木々が色づいて、毎日が楽しくなります。「視点・論点」の放映も終わり、たくさんの皆様からご感想をいただきましてありがとうございました。短い時間にあれもこれもお話したいと詰め込み過ぎてしまったかと…でも、それぞれの言葉が皆様の心に届いたことを知りまして嬉しく存じます。また、今年の法真寺さんでの一葉忌法要の前には、私もお話をさせていただき、新しい出会いを頂戴いたしました。12月2日(日)は、千葉県白井市文化ホールで、生徒さん達の発表会があります。「十三夜」と「小さな舞台」の2作品。入場無料、開演は14時15分です。お近くの方は、是非お出かけください。

2012年11月20日

今日のトップは、恩師・山田五十鈴先生と、京都くるまざき神社で撮影したもので、60代の先生と20代の私です。マコ通信14号は通常と違い、五十鈴先生の追悼号をつくりました。先生とご縁が深かった皆さんの思い出が詰まっております。そろそろ、お手元に届くと思いますのでお楽しみ下さい。また、このホームページでも、マコ通信をご覧いただけます。緊張の連続の「視点・論点」の収録も終わり、一葉さんのお墓参りもすませ、23日の『一葉忌』を待つばかりとなりました。いつものように法真寺さんでのご法要のあとライブを行い、皆さんと杯を重ねたいと思い、お出でをお待ちいたしております。

2012年11月6日

第7回湘南国際マラソンに挑戦しました。フル18,000人、ハーフ500人、私の走った10㎞は5,000人。参加費に含まれるチャリティー募金は東日本大震災の支援金になります。大磯駅から集合場所を目指す人々の長い列に交じって…「あ、島崎藤村の家の…」。いえいえ、寄り道は出来ません。急ぎ集合場所へ。そしてドキドキしながらのスタート。ラストの心臓破りの坂はバテバテ…でも、ここに友人の声援!『何処にあったの?この力』と思えるほどの力が湧き出て写真のような笑顔で、最後まで走りきり完走メダルをかけて貰うことが出来ました。友人とは本当にありがたいものだと再確認した瞬間でした。

2012年10月30日

NHK「視点・論点」をご存知ですか?政治、経済、文化、芸術と幅広い分野の方が、ご自分の言葉で話される10分間のストレートトークの番組で、月曜~金曜の午前4時20分~総合テレビ、午後1時50分~Eテレで放送されています。 この番組に出演することになりました。樋口一葉生誕140年記念の今年一葉忌当日11月23日全国放送で一葉さんのお話をさせていただけることは、とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。一葉さんへの思いを込めての10分間。ぜひ、チャンネルを合わせてください。また、今年の一葉忌ライブは、高円寺「唐変木」で行います。

2012年10月23日

今週は、東京交通会館で行われた重要無形文化財 伊勢型紙技術保存研究会主催・伊勢型紙展のDMの一部です。奈良時代前期に大陸から伝わり、江戸時代には、着物の小紋染めなどに使われた型染めの型紙の技術を伝承するこの会の代表小林ゑみ子先生(創設者・三重県鈴鹿市出身・故小林一(はじめ)夫人)は、好奇心旺盛な煙草が大好きな魅力的な女性でした。私の公演にも度々お出かけくださいました。昨年より体調を崩され治療に励まれていましたが、この会の終演日に86歳で旅立たれました。私が愛用している柿渋染めの手提げが、お形見となりました。ご冥福をお祈り申し上げます。

2012年10月15日

今週の写真は、毎年10月12日~15日にかけて行われる光明寺の「十夜法要」の練行列。日中法要のお導師が僧侶や楽人、警護、詠唱講、お稚児さん達を従えて、九品寺からはじまる長い行列で感動的です。赤い傘を持っているのは、檀家総代の方。光明寺は、鎌倉市材木座にある浄土宗の寺院で、浄土宗に帰依していた徳川家康が定めた学問所18か寺の筆頭のお寺です。
500年も前から行われているという「お十夜さん」は、この行列が大殿に昇殿すると法要が始まります。金魚すくい、射的、植木、農機具、佃煮、綿菓子、沢山の屋台が出て、誰もがみんな笑顔で幸せが満ち溢れていました。

2012年10月2日

今週の花はウコンです。体によいサプリメントであることは知っていましたが、花を見たのは初めてです。山田五十鈴先生の納骨に伺った折、京都のお寺のお庭に咲いていました。主に3種類のウコンがあるそうで、これは、二日酔いに効果があることで知られている秋ウコンです。花言葉は「乙女の香り」「あなたの姿に酔いしれる」を知って…お酒がお好きで、歳を重ねられても乙女の香りをはなっていらして、ずっと大スターでいらした五十鈴先生にピッタリのお花だったのです。このお寺には、石田三成、古田織部、出雲の阿国も眠っていらして、お墓参りをさせていただきました。

2012年9月26日

『暑さ寒さも彼岸まで』の言葉の通り過ごしやくなって…ロマンチックな秋…なのに花粉症でクシャミと鼻水に悩まされています。今日は一葉の塵中日記(ちりのなかにっき)の書き出し…いみじょうおこたりけるかな、この日記よ。今日いくかしるさざりけむ。家のこと、世の中のこと、一時として静かにあるべきかは。めになれ、耳に聞こえけるもの、したがひておもひに成ぬる、いとさわなれど、これをしも今しるさむとすれば、わづらはしさの堪え難きをいかがはせむ。いざさらば、昨日の我に恥づる身ながら、こりずまに今日是(ぜ)とみる所をしるさまし。

2012年9月18日

3.11以降、エアコンの使用を中止している我が家では、風と団扇と、時々扇風機の生活で今夏も乗り越えました。昨年も感じたのですが、不思議に秋口の体調が良いのです。今週のオシロイバナの花言葉「内気、臆病、柔和」と書きながら…ふと『内気』な性格の人は、強い言葉を使わないので『臆病』な人と言われることもありますが『柔和』な人と言われることもあります。英語では夕刻に開花するので「フォーオクロック」一株に様々な色の花を咲かせるので「ペルーの驚異」とも呼ばれるそうです。一輪のお花は、想像の宝庫ですね。

2012年9月11日

「しとやか・繊細な美」の花言葉を持ち、微笑みをバトンタッチしているような一日花「芙蓉」が今週の花です。明治24年9月に一葉さんが書き始めた蓬生日記は「日かげにとほきやへむらの秋、いとど露のおき所なさに、筆さしぬらしてかひつづくれば、あやしゅう人のしりうごとのようにもなりはべりしかな」と云う切ないものです。これは「雑草が幾重にも高く生茂って、ここまでは日ざしが届かなくなった破屋の秋さながらに、世間をひがんで身を立てることもなし得ず、貧乏にさいなまれて日蔭の私の悲しみのやりばのなさに」という意味なのです。

2012年9月4日

三越劇場公演「ひとり芝居・わかれ道」が無事に終演いたしました。お出かけいただきました皆様、お心にかけてくださった皆さま、ありがとうございました。今回はカーテンコールで、一葉さんの日記「若葉かげ」の書き出しを朗読させていただきました。今週の写真は、共演の二胡奏者・こたにじゅんさんの奥様に促されてロビーで撮影したものです。「わかれ道」のお京の衣裳のままで、心の中は奥山眞佐子に戻っているというなんとも頼りない心持の表情で恥ずかしいのですが…

2012年8月28日

暑い日が続いておりますが皆様、お身体の具合はいかがですか?今週の写真は、少しでも涼しい感じをと、水鳥を撮影してきました。 「わかれ道」の最終公演9月2日が迫ってまいりまして、いつもとは違う緊張感が走ります。一葉の全作品を上演したいと願っております私にとって今回は「わかれ道」とのお別れの舞台となります。別れることで新たな出会いが生まれ、そして新たな展開が…。ぜひ、「わかれ道」の最終公演をお見逃しなさいませんようにと、お誘い申し上げます。三越劇場でお待ちいたしております。

2012年8月21日

今週の花は「愛嬌、活動、世話好き」の花言葉を持つ百日紅(サルスベリ)です。この花が咲き誇っている公園には遊具は何もないのですが、いつも子供達の元気な声が溢れていますし、ボランティアの方々のご尽力で、いつも綺麗でホッと出来る場所です。2週間後は三越劇場の公演日ですから、ホッとはしていられないのですが…今年の作品の登場人物・傘職人の吉三は角兵衛獅子の大道芸をしていた16歳。今は見ることが出来ないので早稲田大学図書館特別資料室から当時の角兵衛獅子の写真をお借りしてプログラムに掲載いたします。お楽しみにお出かけください。

2012年8月10日

福島県酪農業協同組合理事長谷川健一氏から、原発事故による高濃度の放射性物質の汚染により「計画的避難区域」に指定された飯舘村の実情をお聞きしました。正しい情報が伝えられずに避難が遅れたこと…様々な報道に疑問を持ったこと…今日のトップは彼の著作~原発に「ふるさと」を奪われて(宝島社)~の表紙です。 「村民が力を尽くして作り上げた美しい村に帰る日を望むことは難しい」と何度もおっしゃっていました。けれど、人のいなくなった村の見回りを今も続ける長谷川氏に生きる強さを教えていただきました。

2012年8月7日

治癒のための有効な治療法が確立されていないALS(筋萎縮性側索硬化症)のメカニズムがみつかったニュースが流れました。「あきらめないでよかった」のコメントと共に。私の友人も、この病気なので、とても嬉しく希望が持てる情報でした。溢れる蝉の声を聞きながら、3月11日以降、日常生活が取り戻せない人々のことを…8月6日広島に9日長崎に落とされた原爆で希望が失われた人々のことを…でも「あきらめないでよかった」といえる時がきっと来るはず。平和であればこそのオリンピック。今日のトップは世界中の人々が友情で結ばれる日が来ることを祈って「生涯の友情」の花言葉を持つ日々草です。

2012年7月31日

ロンドンオリンピックが始まりました。アテネ大会ではゼロだった女性選手ですが、今回は204カ国すべてから(カタール、ブルネイ、サウジアラビアも)女性選手の出場が実現したと知って感動しました。約15,000名の選手は、どんな思いでいるのだろう…4年に1回のこの大会の結果によって、その後の人生が変わってしまうかもしれない瞬間…テレビ画面を見つめながら、ある種の恐怖を感じます。 今日の写真は、横浜公演「たけくらべ」毘沙門拮抗を着た筆屋の女房。明日8月1日は、三越公演の前売開始日です。日本で最初の女性職業作家・樋口一葉原作「わかれ道」のお申込みをお待ちいたしております。

2012年7月24日

蝉が鳴き満開の蓮の花も見納めのころ、光明寺第14世お上人の「無尽」の掛け軸の前でお抹茶を頂き、五十鈴先生と京都のお宅で御一緒の時を思い出しております。先生もお抹茶が大好きでした。いつも何かを磨かれていらした先生。それは笛であったり三味線であったり窓ガラスだったり…手を遊ばせることがなかった先生でした。 今年の光明寺の蓮池の半分は空間でした。蓮池の泥の耕し方が足りなかったそうです。何も無い水面は土を耕すことの大切さを教えてくれているようでした。私の母校の校歌「磨かずば、光あらじな」を改めて心に刻んでおります。

2012年7月13日

愛する恩師山田五十鈴先生が旅立たれました。三越劇場「わかれ道」公演のご報告に伺った時に…。先生に始めてお会いしたのは30年程前「たぬき」の稽古初日。劇団主宰者金子信雄先生から五十鈴先生に預けられてのことでした。緊張している私に「しっかりね」と、優しいお声をかけくださいました。日比谷芸術座で2ヵ月興行の千秋楽の朝「金子さんにお願いするから続けてよ」のお言葉に胸が張りさせそうでした。その後「必殺仕事人」や数々の舞台にお供して沢山の教えを頂戴した先生のお骨を拾わせていただく時が来るとは…写真は、湯の山温泉ロケの時に「奥ちゃんも一緒にね」と促され、五木ひろし氏と共に撮っていただいたものです。

2012年7月9日

今日のトップは本覚寺に咲く蓮の花。花言葉は「清らかな心」「離れゆく愛」。朝早く開き午後3時頃に閉じて4日目に花びらが散る…「誕生と云う原因があるから死という結果がある」ということを実感したのは27年前の7月10日。最愛の父の旅立ちの時でした。その悲しみは今も癒えることはありません。だからこそ、東日本大震災で突然命を奪われて家族とのお別れさえ出来なかった人々、まだ消息が分からない人々のことを思いますと、看病が出来たことを喜ばなければ…とも思うようになりました。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「つなみ」の作文集にも感動しています。

2012年7月2日

今日のトップは、9月2日公演のチラシです。20代の樋口一葉さんとのツーショット。少々気恥かしいのではありますが…彼女の妹・邦子さんのお孫さんから許可をいただきデザイナーの関根さんが、明るいイメージで仕上げてくださいました。3年目を迎えました三越劇場でご覧いただきますのは、一葉さんが亡くなる1年前の12月20日頃に脱稿された作品「わかれ道」。世間から疎外されている二人の男女が内面的に寄り添いながらも、経済的事情に阻まれて別離を受け入れる…未婚の男女の青春グラフティーは、時代を越えて深く心に沁み入る作品です。 お問合せ欄からのお申込みもお待ちいたしております。

2012年6月25日

桜桃忌ライブ「姥捨」と横濱公演「たけくらべ」の2作品が無事に終演いたしました。お出かけくださった皆様、お心にかけてくださった皆様、ありがとうございました。今週の写真は、たけくらべの舞台です。向って左側手前から三味線、鳴り物、笛の順で、上演時間は1時間30分。

いっぱい飾りで、場面展開は照明で進行し、在りし日の吉原遊郭の風情と、そこに暮らす子供たちの成長をご覧いただきました。桜桃忌ライブは、ちょうど台風とぶつかってしまったのですが、新しい方のご参加も多く楽しい会になりました。お問い合せ欄からのご感想もお待ちいたしております。

2012年6月18日

今週の火曜は、新宿サムライで桜桃忌ライブ、金曜・土曜は横浜で「たけくらべ」公演という、ハードな週です。稽古に夢中で、ご案内もままならず、失礼が…どうぞお許しください。 桜桃忌での私のドレスのデザイナー(キース・へリング)は、アンディー・ウォーホルやマドンナとも交流があった作家で、中村キース・へリング美術館で彼の作品に会うことが出来ます。また、「たけくらべ」は、東宝衣装さんのご協力によるもので、遊郭の女性を象徴する衣裳です。吉原遊郭界隈で生まれ育った子供たちの成長の様子を、その空気を皆様に感じていただきたいと…お待ちいたしております。

2012年6月11日

今週の写真は、鎌倉材木座の祭(乱材祭)で、勇壮な掛け声と共にお神輿が海に入っているところです。担ぎ手は男性ばかりではなく女性もいまして、感動的でした。いっぱいパワーを頂いたような気がいたします。 来週の火曜日6月19日は、太宰治の誕生日でもあり、遺体が発見された日でもある「桜桃忌」。今年の作品「姥捨」は、心中に出かける男女の葛藤を描いた物語で、キース・へリングのドレスを着ての朗読です。「心中」と云えば、6月22日と23日公演の「たけくらべ」でも遊女・浦里と時次郎の心中事件を扱った新内「明烏」の一部をほんの少し語ります。是非、お出かけください。

2012年6月4日

私が、演劇に進むきっかけとなった劇団民芸「銀河鉄道の恋人たち」の劇作家・大橋喜一氏の訃報が…この芝居に出会わなければ、今の私は存在しません。不思議なことですが、白石奈緒美氏のお誘いで伺った「方の会30周年記念・清川虹子物語」の登場人物は、私が山田五十鈴先生に付いて勉強中にお会いした沢山の俳優さんを思い出す作品でした。そして大橋氏も、方の会主宰者・市川夏江氏も、私の出身劇団マールイ主宰者・金子信雄先生も同じ劇団青俳で夢を語り合った人と知って驚き、目に見えない「縁」の糸を改めて実感しています。そんな気持ちを表す花言葉を持つ「トケイソウ」を今週の花にしました。

2012年5月28日

目には青葉山ほととぎす初鰹ということで、今週は鎌倉文学館の青葉の写真です。もう5月も最終週ですのに皆さんにお送りするご案内状も書きあがりません。マコ通信も原稿が書けずに…6月公演「たけくらべ」のことで頭がいっぱいです。今回は唄って踊らなければなりません。台詞もいつもの倍近くあります。色街出の筆屋の女房役と、純粋無垢の14歳の美登利役をこなすのは至難の業です。ちょっとした身のこなしで、其々の雰囲気を出したいと工夫を凝らしてはいるのですが……山田五十鈴先生のように振り向くだけで役の背景を客席に伝えられるような女優になりたいと稽古の毎日を過ごしております。

2012年5月21日

今週は、金環日食の写真を掲載する予定で、カメラを用意して太陽観察専用眼鏡を握りしめていたのですが、撮影は失敗に終わりました。雨でしたから観ることさえ出来ないと残念な気持ちでいたのですが、嬉しいことに雨はやみ雲が流れて、あちこちから湧きあがる歓声と共に、その姿を観ることが出来ました。神秘的な美しさに感動し胸が震え、壮大な宇宙に包まれている不思議な気持ちになりました。テレビで見るとは全く違う臨場感を得た時、ベトナム戦争ゆえに故郷を離れての生活を強いられているモン族の子供が「弟たちに故郷で走り回る動物達の本当の姿を見せてあげたい…」と云ったことを思い出しました。

2012年5月14日

今週のお花は「ツツジ」です。少しずつ咲く花が増えてゆく姿を見るのは嬉しいのですが、咲き揃ってしまうと寂しさを感じるので、私は満開を見るのは苦手です。写真の赤色ツツジの花言葉は「恋の喜び」そして白の花言葉は「初恋」。初恋と云えば6月公演「たけくらべ」の登場人物・14歳の美登利、15歳の信如、13歳の正太郎は、恋に目覚める年齢です。身体と心の変化が激しくなる頃…その変化を受け入れるのに戸惑い悩み…それは誰でもが通る道。 「おとなってなに?」私が芝居を続けているテーマです。あなたは、子どもの頃に思い描いていた『おとな』になっていらっしゃいますか?

2012年5月7日

今週は、相模の大凧の優雅な姿をお見せしたかったのですが、雨と風が酷くて凧は上がりませんでした。それで雨の河原で撮影してきた矢車草です。子供の頃によく見かけたこの花は、エジプトでツタンカーメンの棺が発掘されたときに埋蔵品と一緒に発見されたと知って驚きました。凧は、翌日の5日は天候に恵まれ優雅な離着陸だったそうです。詳しくは相模の大凧のページでご覧ください。さて6月横浜公演「たけくらべ」の太鼓、三味線、鼓、笛の演奏家との稽古が始まりました。私も「北郭全盛」「せっせっせ」「ぎっちょんちょん」「厄介節」を唄い踊ります。どれもこれも難しく四苦八苦の日々です。

2012年4月30日

今週のトップの写真は藤の花。 花言葉は「歓迎」「至福の時」。私が5月に至福の時を感じますのは相模の大凧です。1年かけて準備された大凧が優雅に天高く舞い踊るかどうかは、凧のひき手と空模様、風模様次第。河原でみつめるドキドキ感は最高です。そして、私たちの暮らしが大自然に包まれていることを実感する日でもあります。 さて、6月の横浜公演「たけくらべ」にはスライドが構成されています。作品は「一葉女史の墓」「たけくらべの美登利」日本画家の鏑木清方氏は、一葉より6歳年下で、10代からプロとして活躍されていた方。この作品に会えるのも楽しみになさっていただきたいと思います。

2012年4月23日

いつもトップの写真は次回公演のイメージなのですが、今週は私が撮影したチューリップです。何故かと云いますと相鉄本多劇場で行うひとり芝居は、毎年横濱演劇祭参加公演なので、紅葉坂の青少年センターにチラシを受け取りに行きました帰り道、寄り道をしました。目的地は野毛山動物園。その入口に咲き誇っていたのです。何十年ぶりかの動物園でした。キリン、ライオン、猿にレッサーパンダ…飼育員の方の丁寧な説明に聞き入り、子供の頃、父に連れられて行った甲府動物園で象の花子さんに乗せて貰ったことを思い出しました。ここに象は居ませんでしたが、沢山の家族連れや恋人同士と思われる人々の笑顔があふれていました。

2012年4月16日

今年のお花見ライブは「滝の白糸」だったせいか…長年の私の公演で初めての雨の日でした。お足もとのお悪い中、お出かけいただきました皆様に御礼申し上げます。休憩を入れての朗読は1時間半以上の長い作品で、外の雨も非常に激しかったものですから、お花見は中止にして皆様とゆっくりお話させていただきました。朗読前半の衣裳は白、後半はピンクをポイントに白糸の心の哀れを表現しました。昨年は三越劇場公演が5月でしたので、お切符の御注文を頂きましたが今年は9月2日(日)ですので暫くお待ちください。 6月19日(火)桜桃忌ライブと6月22日(金)23日(土)ひとり芝居「たけくべ」はご予約をお受けしております。

2012年4月9日

朝早くから鶯が大きな元気な声で気持ち良そう…道々の桜が見事です。今週土曜14日のライブ後の新宿御苑・一葉桜のお花見は、ちょうど見頃かと思います。この日に朗読する「滝の白糸」は、泉鏡花の「義血侠血」の文章で、昨年より長いのですが、稽古がとても楽しい作品でもあります。どんなふうにお伝えしようかと思うだけでも、ウキウキしてくるのです。どうぞお楽しみにお出かけください。
6月22日23日の横浜相鉄本多劇場でのひとり芝居は「たけくべ」に決定しました。ついに14歳の美登利役に挑戦します。いつもの阿部照義氏の脚本です。こちらもお楽しみに予定に入れておいてください。

2012年4月2日

桜の開花宣言も出され、2週間後にはお花見ライブの公演日となります。昨年の「外科室」に続き、今年も泉鏡花の作品をお聞きいただきます。新派の舞台でも映画テレビでも親しまれている「滝の白糸」は明治27年の11月1日~30日読売新聞に「義血侠血」という題名で連載されたものですが、翌28年に川上音次郎一座が脚色し題名も「滝の白糸」と変えて浅草座で上演し好評を博したことで、本来の題名を知る人も少ないかもしれません。水芸人・滝の白糸(本名:水島 友)が、ふとしたきっかけから、お金のために学問を断念した村越 欣弥への支援を始め3年目に大変な事件が起こる面白いお話です。どうぞお出かけください。

2012年3月26日

母校の閉学式に出席してきました。1953年立正学園女子短期大学として設立され「人間愛」を建学の精神とした教育を受けた卒業生30,265名。私は、寮生活を過ごし品川・旗の台校舎で学びました。卒業式後のホテルオークラでの謝恩会の折、校名が文教大学女子短期大学部に変更される事を知った時の驚きと悲しみ…1985年には現在の湘南校舎に移り同窓会室も出来ました。けれど今年3月の卒業生が最後となったのです。時代の流れと受け止めるしかないのですが…閉学式に続くレセプションでは、懐かしい皆さんとの話に花は咲きましたが…云いようのない悲しみの処理には時間がかかりそうです。

2012年3月19日

昨年の「樋口一葉お誕生公演」は、東日本大震災の翌日という状況のなかでの開催でしたが、今年は小雨降る中、山梨県立文学館のお庭の梅の香りに包まれての公演でした。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様に御礼申し上げます。 今回は「ひとり芝居をうまれて始めて観ました、相手役が見えました」「驚きました、来年を楽しみにしています」「一葉のことはあまり知らなかったのですが、興味を持つことが出来ました」いうご感想が、前回より多く寄せられたことを嬉しく存じますと共に、一葉の両親の郷里で行う『一葉の誕生を祝う会』が公演を重ね、山梨県に根付くことが出来ればと願っております。

2012年3月12日

今朝、鶯が鳴きました。
去年、東日本大震災の日、私は舞台稽古前でスタッフと共に劇場におりました。吊り下げられた照明機材の音が響き恐ろしさに身を震わせました。でも被災地の皆様の恐怖を思えば……まだ、ご家族が見つからない人々、仮設住宅で暮らされている人々…テレビから被災地の皆さんの声が聞こえてきます。「生きていることは生かされていること」は、重たい言葉です。
来週は、去年と同じ劇場で「樋口一葉お誕生公演」を行います。今回は、早稲田大学図書館特別資料室からお借りした角兵衛獅子の貴重な写真がプログラムの表紙を飾ります。どうぞ楽しみにお出かけください。

2012年3月5日

ひな祭りも過ぎて、鎌倉八幡宮の牡丹園入口の梅が見ごろの頃になりました。我が家の梅は残念ながらまだですが、皆さんの処はいかがですか?今年の花はのんびり、ゆったり咲いてくるのでしょうかしら…被災地の皆さまの処に、早く花が咲いて欲しいと祈るばかりです。
2週間後は甲府で樋口一葉お誕生公演「わかれ道」の舞台です。今年は、高校生対象公演も行いますので、登場人物・吉三と同世代の高校生たちがどんなふうに感じてくれるか楽しみです。先日参加した湘南藤沢市民マラソンで私の走っている姿がアップされていると聞いて見てみました。思っていた以上に楽しそうな顔に、自分でも驚きました。

2012年2月27日

昨日は、生まれて初めてのチャレンジ湘南藤沢市民マラソンに参加しました。スタート前に谷川真理さんが話された「自分の体の声を聴きながら走ってください」というメッセージが心に響きました。5.64マイルの参加者は1,221名で、私は真ん中あたりに位置しスタート直後は周りの皆さんと歩調を合わせていたのですが、江の島の橋を渡ったあたりから体が温まり、心もリラックスして不安なく気持ち良く走りきることが出来まして気がついたらゴールイン。自分でも驚きました。応援するのと走るのとは大違いで良い経験になりました。3月の甲府公演をご観劇くださる皆様に、始めての感動をお届けしたいと思いも新たにいたしております。

2012年2月20日

あの恐ろしい東日本大震災から1年が…スローフード新宿応援団の友人からお知らせが届きました。彼らは「スローフードとは美味しくて、環境に配慮された公正な食べ物のこと。私達が口にする食べ物は、美味しくあるべきで、環境や動物の権利保護や私達の健康に害を与えないクリーンなやり方で生産されるべきだ」という考え方で食について活動しています。ご興味のある方は3月11日(日)13時~16時 新宿区四谷地域センター11F調理工作室で行われる「放射能汚染をめぐる牛肉のお話と、セシウム牛を食べる会」にお出かけください。(牛肉は基準値以下で、セシウムフリーのお食事もあります)お問い合わせは、03-3354-6064へ。

2012年2月13日

マコ通信の編集長は大のマラソン好きで、あちこちの大会に参加していますし、マラソンを題材にした小説も書いています。私もずいぶん前から勧められていたのですが…今年は3月公演の体力作りを兼ねて今月末に行われる湘南藤沢市民マラソンに参加することになり準備を整えているところです。初心者の私は5キロを走ります。制限時間は40分なので何とかなるのではないかしら…と思っているのですが…出発は江の島、湘南海岸公園を折り返し片瀬東浜交差点から江の島に戻るコースで、海の近くを走るのが楽しみですが…本当のところとても不安なのです。見かけたら応援してくださいね。

2012年2月6日

柳原和子さんが癌の再発と戦う姿を追ったドキュメンタリー作品『百万回の永訣』をみて、治療しながらどう生きられるのか…を探る彼女の心の変化が胸に刺さりました。また医療に対して納得いくまで医師に質問する彼女の姿に強さも感じました。けれど、彼女のように誰でも希望通りの医療を受ける事は難しいのではないかしら?とも…
衝撃的なパルコの広告のデザイナー石岡瑛子さんが亡くなったと知り残念でなりません。でも残された様々な作品は、きっと時代を越えて多くの人々の心に刺激を与え続けことでしょう。 彼女が衣装を担当したブロードウェイミュージカル「スパイダーマン」がロングラン興行になると嬉しいのですが…

2012年1月30日

黒澤明監督の「生きる」を、初めて観たのは19歳の時でした。六本木交差点のアマンドで待ち合わせた友人と共に、俳優座劇場に行きました。観終わって劇場を出た時は、やり場のない怒りが湧いてきて、「自分だけを守る大人には絶対なりたくない」と語気を強めて語り合ったものです。その作品を久しぶりに観たのですが、あの時、わざとらしいと感じた若い女性職員の笑い声からは生きるたくましさを、工事中の公園を見つめる主人公の顔にさした光に生きる希望を、お焼香に来た女性達の押し殺した涙に深い愛を感じました。また、あの頃は怒りの対象でしかなかった男性職員たちの姿が哀れに思えたのは、多少の経験を積んだ結果かも…と思いながら今日の誕生日を迎えました。

2012年1月23日

このページをスタートしてから初めて先週、更新を滞らせてしまいました。楽しみに読んでくださっている皆さん、ごめんなさい。私は、医師の指示通りに治療に励んでいるにも拘わらず母の状態に変化がない不安や、その説明に疑問を持ち始め暗いトンネルの中に迷い込んでおりました。あれこれ悩んだ末、セカンド・オピニオンを求め、複数の医師の意見を聞いたことで母の痛みの原因が解明され、『朝が来ない夜はない』の言葉通り希望が見えてまいりました。
インフォームド・コンセントと、セカンド・オピニオンは、車の両輪だと実感しました。健康を害して苦しまれている皆さんに是非お勧めいたします。

2012年1月11日

全国各地でのお正月の様々な行事も終わり、そろそろ仕事がお忙しくなる頃だと思います。皆さまから沢山のお年賀状を頂きましたこと心より御礼申し上げます。しかしながらお返事を出せませんことをお詫び申します。また、マコ通信13号のお届けも遅れておりますことを、お許しください。私は、昨年の一葉忌ライブの終了後から母の病と闘う日々を過ごしております。このページをお読みくださっている皆さまの中にも病気や怪我で苦しんでおいでの方もいらっしゃると思いますが、『ご自分の生きる力を信じて必ず治してみせる』と言う意気込みで、日々をお過ごしくださいますように!お互いに頑張りましょうね。

2012年1月4日

新しい太陽が昇り、笑顔溢れる良い年になりますようにと祈る2012年辰年の幕が厳かに開きました。昨年の数々の悲しい出来事が消えてなくなることはありませんが不思議な勇気が湧いてくる気がいたします。皆さまのお幸せを心底よりお祈り申し上げます。 樋口一葉が明治25年1月1日に書いた日記の書き出しをご紹介します。「まつ人、をしむ人、喜こぶ人、憂ふる人、さまざまなるべくき新玉(あらたま)の年立ち返りぬ。天のとのあくる光に、ことし明治25といふ年の姿あきらかにみえ初(そめ)て、心さへにあらたまりたる様なるもをかし。」本年もよろしくお願いいたします。

2011年12月26日

自然の猛威に驚き怯え、安心で安全だと思っていた日常生活が当たり前のことではなかったことを知り、生活を取り巻いている全てのものの尊さを実感し、『絆』という言葉に暖かな救いを感じた2011年でした。生きていることが奇跡と思えるほど…命の尊さを再確認した年でもありました。だからこそ、「今」を大切にしなければと。 太宰治・女生徒の文章に「いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。ブリッジの階段をコトコト昇りながら、ナンジャラホイと思った。」 皆さんが良い年を迎えられますようにと心よりお祈り申し上げます。

2011年12月19日

私も参加しております東日本大震災で被災した方々への応援活動「みなと応援村」は、『石巻湯たんぽ1000物語』に続き、AED(自動式除細動器)をお送りし、現在は、地域の方々に気軽に寄っていただくフリースペースを確保して衣料品等の物資バザー(無償)、囲碁将棋の集まり、食事会、こども達の憩いの場、学習支援などの計画を進め、囲碁・将棋盤、小説本、漫画類、CD/DVDソフトの提供を呼び掛けております。中古品で構いませんので、ご協力いただけます方は下記住所に、午前中配達指定でお送りください。
〒986-0015
石巻市吉野町3-6-12 「みなと応援村」
Tel:090-2852-9119
よろしくお願いいたします。

2011年12月12日

屋上で寒さに震えて美しく光り輝く皆既月食を見つめながら、「こどもの詩を読む会」連続公演(毎年12月12日)の名古屋のステージで皆さんとお会いしていた9年間のことが思い出されました。懐かしいと言えば、灼熱の太陽を浴びながら、甲州ことば指導を担当し走り回って撮影に参加したNHK月曜ドラマシリーズ『夢みる葡萄』の演出・松浦善之助氏の最新作『真珠湾からの帰還~軍神と捕虜第1号~』(12/10放映)を観て、感動が溢れました。死を常に意識しながらの日常を過ごされていた人々の姿が迫ってきて…テレビドラマでこんなに心が震えたのは久しぶりのことでした。再放送があると思いますので、是非、ご覧になってください。

2011年12月5日

私の額のあちこちが小さく盛り上がりボクボクして痒くなり痛くなって3日ほど経つとポロリと、ガラスが出てきます。これは、平成3年1月2日撮影現場に行くロケバス乗車中に遭遇した交通事故が原因です。その頃は365日休みなく仕事に追われていました。「休みなさい」と母に注意されながらも、是非にと依頼された仕事を断ることが出来ませんでした。しかし出発して10分もたたずに血まみれに…まるで事故に遭うために引き受けたようなもの。そして20年経った今も時々、額に埋め込まれたガラスが現れます。
12月は世の中が忙しくなる頃。どうぞ、くれぐれもご注意なさってください。

2011年11月28日

本年の各教室の生徒さんの発表会も、私のライブも無事終了いたしました。お出かけくださいました皆様、お心にかけてくださいました皆様に心より御礼申し上げます。
一葉忌ライブで朗読いたしました「たけくらべ」は、一葉さんの代表作でもあり長い作品ですから、台本を仕上げるまで随分と悩み時間もかけました。このお話の舞台である吉原遊郭界隈の雰囲気を感じて頂けるにはどうしたらよいか…あれこれの資料を探し、笛や鼓の演奏、雨の効果音などを福原幸三郎さんにご協力頂いてのステージとなりました。当日は晴天に恵まれ、笑顔の皆様をお見送りして安堵いたしております。
ありがとうございました。

2011年11月21日

第55回白井市文化祭・演劇祭に参加して行われた『根っこパートⅡ』の発表会は晴天に恵まれ、在住者のみならず東京や横浜からもお運び戴き、盛況のうちに幕を下ろすことが出来ました。作品『長屋の花見』は同題名の落語を脚本化したもので、このサークルの指導を初めて10年目の記念公演に相応しく、明るく楽しい仕上がりになりました。努力を積み重ねたメンバー全員が、背筋を伸ばして堂々と、大ホールの舞台で演じている姿は感動的でした。
演劇は、登場人物の人生の一部を表現するものですから、稽古を通してメンバーの自分磨きのお手伝いが出来ることを嬉しく思います。

2011年11月14日

父が旅立って以来、行くことがなかったバーセグレドに行ってきました。このお店が今もあるのかどうかもわからぬまま…はたして…ありました。それも26年前の内装のまま、父が座った椅子もそのままでした。 このお店が出来た40年前から変えられていない空間は、どんなに沢山の人々の心を包み込んできたのかと思うと胸が詰まりました。カウンターで、この日に命名されたブランディーベースのカクテル「再会」を戴き、父を偲んだ月命日でした。 23日(祝)は、樋口一葉を偲んでの朗読会です。天上の一葉さんにも喜んでいただけるように朗読したいと存じます。

2011年11月7日

本年の新宿教室の生徒さんの発表会「朗読としの笛のつどい」は、雨にもかかわらず多くの皆様にお出かけ頂き、一年間の稽古の成果が実を結び、笑顔で幕を下ろせました。年毎に発声の力が身についていくメンバーの成長をとても嬉しく存じます。お心にかけてくださいました皆様、ありがとうございました。白井教室の生徒さんの発表会は今月20日(日)白井市文化会館大ホールで行います。お近くの方は、是非お運びください。 続く23日(祝)今年最後の私のステージ「一葉忌ライブ」の作品は「たけくらべ」を選び、主人公・みどりと信如の淡い恋心を、笛の福原幸三郎氏とのジョイントでお聞きいただきたいと準備いたしております。

2011年10月31日

恒例になりました江戸東京たてもの園・吉野家の庭先と座敷で行う「朗読としの笛のつどい」にて新宿教室・一葉の会のメンバーが発表いたしますのは、新しく作りました紙芝居「じゅげむ」と狂言「ぶす」を下敷きにしました2作品。11月6日(日)13時と15時の2回。たてもの園にご入場の方は、ご自由にご覧いただけます。私も笛の幸三郎氏と共に一部では「桐壷」二部では「浮舟」をお聞きいただくこととなり、源氏物語の原文を生かしながら分かり易くと…工夫を凝らしております。 年に2回発行のマコ通信13号の準備が整い11月末には、印刷が上がりそうです。もう少しお待ちください。

2011年10月24日

20年来の友人・千田裕氏から便りが届きました。彼が主催するボランティアステーションでは3月11日の震災直後から被災地の人たちを応援しているのですが、現在は「みなと応援村」と名付けられた仙台の活動拠点で お手伝いをしています。寒さが厳しくなってきましたので、10月末日までに「石巻湯たんぽ1000物語プロジェクト」への協力要請がありました。湯たんぽの価格は1個700円(税込)です。
ご協力お願いいたします。
また、私のテレビ出演番組がユーチューブにアップされました。

番組名は「UTYニュースの星」「NHKがんばる甲州人」の2作品です。山梨県内限定番組でしたので多くの皆さんにご覧いただけるのを嬉しく存じます。

2011年10月17日

耳の不自由な人と共に生活し、命を守る自動車のクラクションを始めFAXの呼出音などを、吠えずに主人に知らせる聴導犬の育成の会を1990年に設立し普及活動を続けている松田治子さんとお会いして、地震や災害の緊急放送が聞こえない人々の処に聴導犬が助けになることを痛感しました。
また、いつも車窓から御挨拶している大船観音にも会いに行きまして、その微笑みは昭和2年から33年もの年月を経て昭和35年に落慶式が行われたことを知りました。現在、観音様の体内には第二次世界大戦戦没者の位牌が祀られ、敷地内には、平和を願う火も灯っています。車窓からでは想像できない静かな時が刻まれている場所でした。

2011年10月11日

先週は感動の日々でした。
有楽町・交通会館内シルバーサロンでの重要無形文化財「伊勢型紙展」(リンク先は昨年の展覧会)では84歳の小林ゑみ子先生の笑顔と美しい作品に心を奪われました。深川江戸資料館小劇場では東宝現代劇75人の会「水の行く方」の芝居に涙して、新橋・アルテリーベで行われたロシアの歌姫・エカテリーナのライブでは彼女の歌声に魅了されました。
散歩中の實相寺で「道半ば、まだ半分か、もう半分…」を目にして、またまた感動。義経庵で石井秀憲氏のピアノ演奏に心が躍りました。久しぶりの3時間ジョギングも完走でき、感動に溢れた週でした。

2011年10月3日

秋の発表会が近づき、新宿と千葉の各教室の生徒さんは時を惜しんで稽古に励まれています。新宿教室「一葉の会」では、笛の福原幸三郎氏のお弟子さんとの合同公演で、芝居仕立ての狂言「ぶす」と紙芝居「じゅげむ」を11月6日(日)江戸東京たてもの園・吉野家にて13時と15時の2回公演。タイトルは、『朗読としの笛のつどい・古民家、夕暮れ、冬じたく』。
千葉教室「根っこパートⅡ」では、落語「長屋の花見」を芝居仕立てにした作品を白井市文化会館大ホールで11月20日(日)14時45分開演です。
稽古を重ねてまいりました生徒さん達の1年間の成果を、ご覧いただければ幸いと存じます。

2011年9月26日

20世紀を代表するトランペット奏者マイルス・デイビスが亡くなって20年。NHKで特集がありました。そこで紹介されたエピソードはとても面白かったです。その中で、「…古いやつが聴きたかったらレコードを聴いてくれと答える。俺自身は、もうそこにはいない…」の彼の言葉は、瞬間を生き続けたマイルスの姿が象徴されている表現だと感動しました。そして『今という時間は今しか無い。今が自分であり、自分が今なのだ。今の本質は自分であり、自分の本質は今である。』という道元禅師「日々是好日」の禅語が浮かんできました。
時間と自分は別のものではないことにも気付けて、感謝です。

2011年9月20日

先日亡くなった高城淳一さんの納骨がすまされ、香典の一部は故人の遺志により精神障碍者の通所施設に寄付されたとのお手紙が届きました。昴の会と言うこの施設は藤沢にあり、精神障碍についての啓発と退院後の居場所、そして社会復帰する為のリハビリの場を目的として就労継続支援B型事業所「すばる工房」と「Cafeすばる」を運営しているそうです。お近くの方は、是非お立ち寄りください。
また、私の舞台写真を撮影してくださっている石川妙子さんの舞台写真展「風刻の花Ⅱ」が新宿の全労済ホールで9月30日~10月5日まで開かれます。躍動感溢れる素晴らしい作品と出会ってください。

2011年9月12日

美味しい天丼を食べました。横浜教室で朗読指導している生徒さんから芝居に挑戦してみたいとの希望があり、彼女にふさわしい脚本を探しに横浜・桜木町・紅葉坂(もみじざか)にある演劇資料室に行った時のこと。
その店は紅葉坂と交差する音楽通りにある「天麩羅 あぶら屋」です。知らないお店に入ることは滅多にない私ですが、天麩羅の看板を見ながらお店の前を通り過ぎた時、油の匂いがしない事を不思議に思いふと足が止まりました。勇気を出してカウンター席に座ったのが13時頃。
まもなくネタが終わったらと暖簾が終われました。新鮮なネタと最高級の油、薄味のタレで頂いた天丼に頬が落ちるようでした。

2011年9月5日

森本薫作「女の一生」は上演回数900回を超える杉村春子の代表作です。私も何回も観劇しその度に感動を受けました。また過日は朗読劇という形の公演に伺いまして“堤しず”役の藤井多重子氏の素晴らしい語りに胸を震わせました。彼女は、昭和40年に新国劇に入団し、多くの舞台に出演なさっている穏やかな女優さんです。主人公の“布引けい”を堤家の嫁にと伝える彼女の台詞に心を打たれました。この台詞から「しずの女の一生」がみえたのは初めてだったのです。そこに重なる形で「けいの女の一生」が展開する新しい感動は、一つの作品で2人の女性の生き方を感じられ、3人目の女性として観客である私の生き方を考える事が出来ました。素晴らしい作品でした。

2011年8月29日

新藤兼人(99歳)監督作品「一枚のハガキ」を観て、とても感動しました。戦争で全てを失いながらも、今ある状況を受入れ、そこから逃げ出すことなく、黙々と水を運ぶ主人公の姿は、やはり新藤監督1960年の作品「裸の島」の主人公・乙羽信子が、水を運ぶシーンにダブり二重に涙が出ました。島田正吾氏が85歳~96歳まで新橋演舞場でひとり芝居を上演なさったのを観て胸をふるわせたことも、思い出しました。
山田五十鈴先生(94歳)の下で勉強させて頂いていた頃に、乙羽氏や島田氏と会わせていただいたのですが、若かった私は諸先輩の表面しかみていなかったのだ…と、恥ずかしくてなりません。

2011年8月22日

15年前の新宿紀伊国屋書店前。その頃の制作担当・田中千晶氏と高城淳一氏と私で待ち合わせしたのが昨日のことのよう…。少し遅れて到着した高城さんは文庫本を手に「奥山君には、十三夜の『お関』役がピッタリだ。僕が演出するからどうだい…」この言葉が、樋口一葉ひとり芝居の始まりでした。
いつものお店でいつもの仲間と会う約束をしていた高城さんが入院。お見舞いの花束を抱えて病院に。面会受付で戻ってきた言葉は「先程…」驚きのあまり硬直した私は別棟に通され、旅立ち姿の高城さんと対面。お見舞いの花束はお見送りのお花になり、日本俳優連合の仲間と高城さんの好きだった盆唄を歌った通夜。今日も涙雨が降っています。

2011年8月15日

どんなに時が経っても、大切な人を失った悲しみが癒えることはありません。昭和20年7月7日、楽しいはずの七夕の日、甲府に空襲がありました。看護婦だった母の妹は入院患者の幼児を抱いて逃げ惑い19歳の命を奪われました。何日もの間、甲府中を歩き回り亡骸の一体一体を確認したけれど、妹の遺体を見つけることが出来なかった無念を母は語ります。
今回の震災でも、同じ思いの人が、どんなにか沢山いることでしょう。
きゃんばすα」8月号の取材時には、叔母の着物を母が仕立て直した洋服を羽織ることで、今ある命は、私だけのものではない事を実感しながらの時間でした。

2011年8月8日

池内淳子主演「おさん茂兵衛」の広島公演で「平和記念資料館」を訪れた時の衝撃を今も忘れることはできません。今年も広島に原子爆弾が投下された8月6日、原爆死没者の霊を慰め世界の恒久平和を祈念するための平和記念式典にテレビの前で参列し8時15分に黙とうを行いました。
広島に落とされた原子爆弾によって廃虚となった叔父の家にくすぶっていた「火」を、形見として持ち帰った山本達雄さんの「火」が、核兵器をなくし平和を願う「火」として上野の東照宮境内で、今も燃え続けています。
この東照宮の神楽殿で、朗読させて頂いたとき、被爆者健康手帳を始めて見せて頂きました。そして、交付申請が受理されなかった人々の悲しい胸の内もお聞きしました。世界中の人々が笑顔で迎えられる朝の訪れを祈るばかりです。

2011年8月1日

今日から8月。「わかれ道」公演から1週間が経ちましたがFAXやメールでの御感想が続々と届いております。今回の作品は、私の演じる「お京」の相手役「吉三」が主人公ですから、透明人間の吉ちゃんの姿が、どこまで観客の皆さまの心にお届けできるかがポイントでした。
けれど、「吉ちゃんの声が聞こえて表情も見えて、とても感動しました。」とういう内容の御感想が多く、また「独り芝居ってどうするの?と言っていた娘も、良かった。良かった。と繰り返して…」という御感想も頂き、吉ちゃんの姿を届けられたこと、生活習慣の違う明治時代の作品が、親子で楽しんで頂ける舞台に仕上がったことを嬉しく存じます。

2011年7月25日

本年の横浜・相鉄本多劇場公演も無事に幕を下ろすことが出来ました。お出かけ頂きました皆さま、お心にかけてくださいました皆さまに心底より御礼申し上げます。「わかれ道」は4場構成なのですが3場に入ってすぐから、客席から涙する声が聞こえてまいりまして…登場していない吉三の寂しさが観客の皆さまの心に映ったことだと嬉しく思いました。この作品は、来年の一葉お誕生日公演、続く日本橋三越劇場公演でも上演の予定でございます。
また日曜日には、蓮の葉にお酒をついで茎から呑む像鼻杯(ぞうびはい)をいただくというチャンスにも恵まれました。
これから暑くなりそうですが、くれぐれもご自愛くださいませ。

2011年7月19日

女子サッカーワールドカップで行われた差別撤廃宣言「…人種差別や女性への差別を撲滅すること…」に感銘を受けました。差別はあってはならないことなのに存在しています。「わかれ道」の登場人物の傘職人の吉三は、孤児であること、背の低いことで差別を受け、お京は、妾になることで差別を受けます。お京は「あー嫌な世の中だ」と言いながら、「世の中のせいじゃないよね。私の気持ちしだいだものね」と、世間に立ち向かう決意をします。
一葉の時代から百年以上経っているのに、未だ女性の活躍できる場が余りに少ない現実。なでしこジャパンメンバーの笑顔に胸が熱くなりました。

2011年7月11日

7月公演「わかれ道」の書かれた明治28年は、男性の丸坊主が流行してバリカンが普及し、京都で日本初の市電の運転が開始され、正岡子規は日清戦争従軍記者として出発。富士山頂で気象観測が開始され、首相は伊藤博文で、日清講和条約が締結されました。
女性の職業は、乳母、使用人、女工など限られたもので、住み込みの下女は約1円、下男は約2円、松山中学校の教師として赴任した夏目漱石は37.5円、内務大臣の板垣退助は500円を得ていた時代、主人公・お京と、傘職人・吉三は、貧しいながらも肩を寄せ合って生きていました。そんな二人の夢を観にいらしてください。

2011年7月4日

七夕に願を込める短冊が、笹の枝と共に用意される頃です。
何年も前から、私は必ず「皆が笑顔で過ごせますように」と書いて短冊を吊るします。
どんなに不安だらけの毎日でも笑顔が不安定な心を穏やかにしてくれると信じています。
先日、私と同郷のシミック(株)代表の中村和男氏から、大妻女子大の井上栄教授と共に「母子健康手帳活用推進協会」を設立なさったと伺いました。この会は、母子健康手帳を思春期・青年期の男女のメンタルヘルスに役立てようという会で、親子の絆を深めることに貢献するのが目的だそうです。私はこのお話に共感を覚えました。

2011年6月27日

今年の桜桃忌には、仙台・長徳寺僧侶、佐藤文仙さんが、お出かけくださいました。思いがけないことで、飛び上るほど驚き、とても嬉しかったです。
生存がわからずに不安だった日々、連絡がついて安心した瞬間、そして、目の前にまるで何もなかったように笑っている文仙さん。
ステージでは、サプライズとして一葉作品初演の事をお話し、お土産に頂いた牛タン煎餅をお分けして、終演後には皆さんと杯を交わしました。
復旧も復興も日々の生活も「焦らず慌てず諦めず」私も、皆さんに喜んでいただけるように公演の稽古に励んで、劇場でお待ちいたしております。

2011年6月20日

今年の桜桃忌は、父の日に重なりました。それで、太宰治(本名・津島修治)の愛息を偲ぶ作品も加えて朗読いたしました。
その作品とは、私の高校の先輩が昭和30年に麻布の愛育研究所で出会った、津島正樹君の思い出の文章です。
彼は、自分のことを「アーボー」と呼び、音声はあっても言語がなかったダウン症児でした。
その彼が、昭和31年に描いた絵も、皆さんご覧いただきました。
来年の桜桃忌のリクエスト作品は、随時受け付けております。
また、7月公演のチケット予約もお待ちいたしております。
お問い合せ欄からお送りください。

2011年6月13日

昭和23年6月13日夜半、39歳の太宰治は、『グッド・バイ』の草稿、遺書数通、伊馬春部に遺した歌などを残し、山崎富栄と共に玉川上水に入水。19日に遺体が発見されました。
平成23年の現在、東日本大震災から3ヶ月経った今も、本人の意思とは関係なく、海にのみ込まれ、土砂に埋もれて発見されていない人々のことを思うと、そのご家族のお苦しみを思うと、涙がこみ上げてくるばかりです。
19日の新宿Jazz Barサムライで行います「桜桃忌ライブ」では、太宰が残した作品を朗読することで、希望や生きる力の感情を揺り動かすことが出来れば…と思っております。

2011年6月6日

今月19日(日)午後4時、新宿Jazz Barサムライで行います「桜桃忌ライブ」では、明治42年青森県北津軽郡金木村で産声を上げた津島修治が、24歳の時、太宰治のペンネームを使った最初の作品『列車』と、「走れメロス」を書き上げた同じ年の10月の作品『一燈』をお聞きいただきます。お楽しみにお出かけください。
また、材木座・五所神社の『例祭』(乱材祭=みざいまつり)は来週です。3基の神輿が町を練り歩き、2基の神輿が海上渡御を行うこのお祭りは、海への感謝に溢れています。私は昨年参加したのですが感動的でした。今年も海が穏やかでいて欲しいと祈るばかりです。

2011年5月30日

梅雨入りして紫陽花が喜ぶ6月は、Jazz Barサムライのカウンターでのおしゃべりから展開した桜桃忌ライブ・太宰治朗読会の月です。今年で6年を迎えます。
こちらの会だけは、毎年、観客の皆さんからのリクエスト作品を朗読します。そして、ドレスを着ます。
このドレス選びも、毎年悩んで…

ところで皆さんは、猫派?それとも犬派ですか?
私は、どちらかというと犬好きなのですが、このライブハウスは、まねき猫で溢れています。
猫好きの方は是非お出かけください。お待ちしております。

2011年5月23日

昨日の三越劇場「十三夜」公演は無事に幕を下ろしました。
お出かけ頂きました皆さま、お心にかけてくださいました皆さまに、心より御礼申し上げます。
読売新聞18日付けの都内版に大きく掲載されました記事をご覧になって、初めて私の公演におかけくださいました方々、初演から変わらず応援してくださっている方々から、沢山の感動のお言葉を頂戴いたしまして、感無量でございます。
これからも皆さまに素敵な感動をお届けできますように精進してまいります。
本当にありがとうございました。

2011年5月16日

今度の日曜日(22日)は、三越劇場「十三夜」公演の日です。
今回の作品は、これまでの「十三夜」とは、全く違います。
もし、「以前に見たから…」と躊躇なさっている方がいらっしゃるとしたら…、観ないと損です。
自分でこう言うのも変なのですが、とても好い作品に仕上がりました。もっと早くから、皆さんにお声掛けをしておけば良かったと後悔しています。
樋口一葉の「十三夜」の登場人物の心情が、阿部照義の脚色により、より分かりやすく、伝わりやすくなったのです。
22日午後5時、ぜひ三越劇場へお出かけください。
お待ちしております。

2011年5月9日

三越劇場公演まで、2週間と迫ってまいりました。被災地の皆さまのことを思うにつけ、ご案内状の筆が進まず…。
けれど近頃は、明るいニュースが増えてきて、少しずつ気持が落ちついて…。
川上尉平展に行ってきました。
油絵のユリは、その香りが溢れ、イチジクはもぎ取りたいとさえ思え、デッサンの竹林の前に立つと、心地よい風を感じました。
皆さんにも、素晴らしい彼の作品に接して頂きたいと思いまして5月22日の三越劇場公演日にはホームページ上掲の椿の原画も含め、ロビーに飾らせて頂くことにいたしました。
お楽しみにお出かけください。

2011年5月2日

先日、「十三夜」の脚本演出の阿部照義氏の家族をテーマにした作品「秋の灯」が上演されました。
このお芝居で年間の日本の自殺者は3万人、無縁死者は3万2千人と知り、恐くなりました。
また今回の震災では、1万人以上の人々が亡くなり、行方不明者も1万5千人近くです。
明治28年には、コレラが大流行して4万人以上の人が亡くなっています。
一葉の作品「十三夜」でも、主人公・お関の初恋の人・録之介の娘は、コレラで亡くなっています。今、命があり朝を迎えられること、お芝居が出来ることに感謝の気持ちで胸が詰まります。

2011年4月25日

鎌倉の材木座海岸は、サーファーを喜ばせる波、浜辺にはのんびり読書する人々。今は穏やかなこの海が、恐ろしい津波に姿をかえて全ての生活を奪い取る時が来ると思うと、今日の命が宝物です。

★NHK総合テレビ「まるごと山梨」(山梨県内向け地域ニュース)午後6時10分~7時「がんばる甲州人」(奥山出演)放送日は再びの変更で、4月28日(木)になりました。

★5月公演は、昭和2年に世界初の百貨店の中にある劇場としてオープンした大理石に囲まれた三越劇場で、「十三夜」をご覧いただきたくご予約をお待ちしております。

2011年4月19日

一重桜の花びらが風に舞う隣で、八重桜の蕾がほころび始め、命の尊さを確かめ合う日々。
「お花見ライブ」は、お天気に恵まれ笑顔溢れる日となりました。
暖かい日差しと花々の香りが、皆様の心に光を届けてくれることを祈っています。
★NHK総合テレビ「まるごと山梨」(山梨県内向け地域ニュース)午後6時10分~7時「がんばる甲州人」(奥山出演)放送日変更。4月26日(火)になりました。
★上掲の椿の絵の作家、川上尉平の個展が、アルテカーサ川越で、5月10日まで開催されています。
★5月22日(日)三越劇場公演チケットの販売が始まりました。

2011年4月12日

地震に怯えながらも桜の美しさに感動の今日は、情報満載です。
★NHK総合テレビ「まるごと山梨」(山梨県内向け地域ニュース番組)午後6時10分~7時放送「がんばる甲州人」(奥山出演)は、4月21日(木)に変更になりました。
★4月16日(土)「お花見ライブ」には、福原幸三郎の笛も加わり、続く新宿御苑の八重桜(一葉桜)は、ちょうど見頃です。
★上掲の椿の絵の作家、川上尉平の個展が、アルテカーサ川越で、5月10日まで開催されています。
★5月22日(日)三越劇場公演チケットの販売が始まりました。

2011年4月5日

3月に行いました「一葉お誕生日公演の折に、NHK総合テレビの取材がありました。番組名は「まるごと山梨」(山梨県内向け地域ニュース番組)午後6時10分から7時まで放送。「がんばる甲州人」のコーナーです。4月11日~15日の間に放送されます。
内容は、私がどのような思いで演じているか、何を伝えたいかなどを前日のリハーサルや本番を通じて視聴者に伝わるような構成になっているそうです。沢山の方にご覧いただきたいと思います。4月14日(土)「お花見ライブ」では、泉鏡花23歳の作品「外科室」を朗読いたします。お楽しみにお出かけください。

2011年3月29日

一葉さんの眠る築地本願寺和田堀廟所を25日に訪れ、ケーキの変わりの花束とお線香を持ってお誕生日のお祝いのお墓参りをしてきました。 そして、東北関東大震災の翌日に行った「お誕生日公演」のこと、震災に遭った友人のこと、4月の「お花見ライブ」のこと、5月の「三越劇場・十三夜」公演のことなどをお話しました。
彼女は、明治29年に築地本願寺に埋葬されましたが、大正12年の関東大震災の被害を受けて現在の場所に移っているのです。 皆さん其々に不安の毎日でしょうが、くれぐれもお気を付けになってください。

2011年3月22日

地震以来、知人の消息が気がかりで、不安な日々を過ごしていました。気持の落ち着かない毎日でした。「こどもたちの夢」の演出や演奏を担当してくれた戸石充氏、樋口一葉作品の初演「十三夜」を行った長徳寺の佐藤文仙住職…、御家族共々、ご無事で避難所にいらっしゃることが確認できた時の喜びは言葉に出来ません。
けれど、どんなに不自由な生活をなさっているかと心配です。また、連絡をとることは出来ませんが14年前、仙台でご縁が出来た皆さまの笑顔が思い出されて…ただ、祈るばかりです。

2011年3月15日

今年の「一葉お誕生公演」も、盛会のうちに幕を下ろしました。応援くださった皆さま、お心にかけてくださった皆さま、ありがとうございました。
地震は、舞台稽古の時でした。とても揺れて怖かったのですが被害もなく、翌日の公演日には素晴らしい晴天、富士山が凛とした姿を見せてくれました。終演後には「また来年を楽しみに待っています」と沢山お言葉をかけていただきまして、とても嬉しかったです。
けれど、被害にあわれた人々のことを思うと手放しでは喜ぶことが出来ません。

2011年3月8日

今週の土曜日は、山梨県立文学館で行う「一葉お誕生日公演」第1回。
この日のお誕生日の人を調べましたら、黒澤明監督の殆どの作品に出演の名優・志村喬さんでした。彼は、明治38年3月12日生まれ。
私が最初に見た作品は、「生きる」10代の頃に感銘を受けた志村喬さんのブランコのシーンは今でも目に焼き付いています。
今回の公演をご観劇くださる皆様に、何十年経っても「あのシーンは忘れられない」と、感じてもらえるような、そんな舞台を踏みたいと思っています。

2011年3月1日

今年の「一葉お誕生日公演」は、3月12日に、一葉資料の宝庫でもある、山梨県立文学館講堂で行います。
明治25年3月12日の一葉さんは小説の師・半井桃水と、彼を囲む仲間たちと共に、梅見の宴に出かけました。そして翌日、一葉の処女作掲載の同人誌「武蔵野」が発行されたようです。
この日の日記からは、一葉さんの笑顔が…、そして、笑い声さえも聞こえてくる気がします。
皆さんの3月12日が嬉しい日になりますように!

2011年2月22日

「もし、あなたが、俺と一緒に店先に座ってくれ!と、でも 云ってくれてたら…私はきっと…」
『十三夜』の主人公・お関が、初恋の人・録之助(煙草屋の若旦那)に出会った時に、口にした言葉です。
戻ることは出来ないけれど…もしも、あの時…
そして、お関は、続けます。
「今更、云っても返らぬ繰言(クリゴト)なれど、お嫁入りのその日まで涙が零れて…」
もし、今、初恋の人に出会ったら皆さんは、どんな言葉をかけられますか?

2011年2月15日

先日、首都圏在住の山梨県出身者の集まり「首都圏甲府会」に出席してきました。
宮島雅展甲府市長さん、B-1グランプリを受賞した甲府鳥もつ隊の皆さん、ヴァンフォーレ甲府の皆さんも出席され、盛況な会でした。
宮島市長の漢詩を引用した祝辞に感銘を受け、ヴァンフォーレ甲府の海野社長のお話に感動し、甲府鳥もつ煮の美味しさに、驚きました。
初めてお会いした同郷の先輩たちに、暖かく迎えていただき、有意義なお話も沢山お聞きすることが出来、郷里というものは、良いものだな…
と、改めて思っています。

2011年2月9日

今日は「一葉お誕生公演」を行うホールをご紹介します。

山梨県立文学館(JR中央線・甲府)は、甲府市郊外の芸術の森公園にあり、昭和53年に開館された県立美術館と共に芸術文化の振興のためにと、平成元年に建設されました。

私も伺いました開館20周年記念展では「樋口一葉と甲州」が開催され幕末の甲州に生まれ、近代日本の荒波を生きた両親、反骨の精神を貫いた祖父、山梨が舞台の小説「ゆく雲」など、山梨とのゆかりに焦点をあてた素晴らしい内容でした。

3月12日は「友情の手紙」がテーマで、一葉から馬場孤蝶への手紙をご覧いただけます。
ひとり芝居と共にお楽しみいただきたいと思います。

2011年2月4日

昨日は節分でしたね。皆さん、豆まきをなさいましたか?

仕事が遅くまでだった私ですが、滑り込みセーフ。23時44分に豆まきが出来ました。遅い時間でしたから小さな声で「福は内、鬼は外…」

「福は内」は、良いのですが…「鬼は外」は、なかなか出ません。
何となく意地悪な感じがするのです。

豆まきしながら、心の中の邪悪な鬼のような部分を退治するのが、鬼は外と思いながら今日の立春を迎えました。

一葉お誕生日公演のお申込みをお待ちしております。

2011年1月28日

“初恋”
言葉にするだけでドキドキする響き。思うだけで、背骨の中心が熱くなり、顔が真っ赤になるような気がして…急に恥ずかしくなって…
誰かに、心の中を覗かれているように感じるのは、何故でしょう?

“初恋は結ばれない恋”と聞きます。それは、想う気持ちが強すぎるのかもしれません。

「十三夜」の主人公・お関は、親の勧める男性に嫁ぎました。けれど、苦しみの連続でした。そして、離婚を決意したとき、初恋の人に再会したのです。あなたなら、どうなさいますか?3月12日のお出でをお待ちしております。

2011年1月18日

2009年に高校生対象の朗読会『太宰治と樋口一葉の世界にふれる』を行った同じステージで、今年は『樋口一葉お誕生日公演・十三夜』のひとり芝居を行います。

同じ年に一葉のご両親のご実家がある甲州市(塩山)で、ご好評頂きました『樋口一葉お里帰り公演』の折からのご要望でした。
場所は、一葉資料の宝庫である山梨県立文学館です。
同じ敷地内の県立美術館で、ミレーの画もお楽しみください。
近くの湯村温泉も良いお湯です。

ご予約は、ご意見募集欄をご利用ください。

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